荒行「大峯千日回峰行」を満行した塩沼亮潤大阿闍梨

 昨晩は、自宅近くの歩道で、暗闇のせいか、段差に気付かずズッコケてしまい、右膝に軽い打撲傷を負ってしまいました。昼間でしたら、段差に気が付いていたことでしょうが、反射神経も鈍くなったものです。

 さて、先日、「大峯千日回峰行の道を行く 修験道・塩沼亮潤の世界」というタイトルのドキュメンタリー番組を見ました。(24日に再放送があります)

 修験の行者・塩沼亮潤大阿闍梨(52)については全く知りませんでしたが、みるみる引き込まれました。塩沼氏が大阿闍梨の称号を持つのは、彼が荒行「大峯千日回峰行」を満行を成し遂げた人だからです。「大峯千日回峰行」とは、修験道発祥の地と言われる奈良県大峯山で一日48キロ(吉野金峰山寺~大峯山山上ケ岳=さんじょうがたけ=の険しい山道を往復)を5月から9月の間、9年間、歩き、その上で、9日間「飲まず」「食べず」「寝ず」「横にならず」の「四無行」までやり遂げなければなりません。まさに生死の境目を体験する荒行で、塩沼氏の達成は史上2人目ということは納得できます。(「四無行」を満行したのは2000年ということですから、同氏32歳の時だと思われます)

 塩沼氏は、実家のある仙台に戻り、慈眼寺(じげんじ)という寺院を建立し、護摩行を行い、噂を聞きつけた人々が全国から集まります。不動明王が御本尊の護摩堂で、人々が「家内安全」や「病気平癒」などと書いた木片を火にくべると大きな炎が立ち上がり、人々も一斉にお祈りします。

 護摩行なので、真言密教かと思いましたら、慈眼寺のホームページを見てもはっきり宗派は書かれていません。塩沼氏は奈良県吉野の金峯山寺(きんぷせんじ)で修行されたことから、金峯山修験本宗だと思われます。この宗派も初めて知りました。修験道ですが奥が深いです。

 塩沼氏は、僧侶になるつもりはなかったといいます。中学2年生の多感な時に、家庭内暴力を振るう実父が家を出て、極貧の中、母親一人の手で育てられます。その時、母親から「恨み、憎しみを持ってはいけない」と諭されたことが、後の彼の人生に大きな影響を与えたようです。

 人が恨みや憎しみをなくすことなど、なかなか出来ることではありません。煩悩凡夫の私はとてもできません。それなのに、彼はいつも笑顔を絶やさず、「謙虚」「素直」「感謝」を心がけているといいます。仏教で言う「和顔施」でしょう。

 そして、彼の座右の銘は「独り慎む」だと言います。誰も見ていなくても、襟を正して慎み深い行動をする、といった意味らしいですが、英国ジェントルマンのモットーみたいですね。

 番組を見て感動したものですから、こうしてブログに書いておりますが、私は天邪鬼ですから、少し引っ掛かることもあります。素直じゃないんですね(笑)。

 ネットでは彼の笑顔のプロフィールや立派な慈眼寺のホームページが出てきます。英語版もあるので海外の信者もいるようで、コロナ禍の前は年に何度か海外にも出かけていたようです。

 現代は「家」の絆も薄れ、「墓仕舞い」をする家も現れ、オウム真理教やカトリック神父による性虐待事件などの影響からか、宗教離れをする人々も増えてきています。特に地方では住職のいない寺も増え、廃寺になる寺院も多いと聞きます。

 何を言いたいのかといいますと、寺の経営が大変だろうなあ、ということです。しかも、彼は自分の寺を創建したぐらいですからね。テレビに出て露出して有名にならなければならないし、番組を見るとお弟子さんも沢山いらっしゃるようで、どういう風に捻出されているのかなあ、と心配になりました。番組では全く出てきませんでしたが、墓地もあって檀家さんもいるのかなあ、と思ったりしました。

 まあ、天邪鬼の戯言です。御寛恕の程を。

 

 

メンサと政治と宗教とサイコパスと

 人口上位2%のIQ(知能指数 )を持つ人たちの親交を主目的とした非営利団体「メンサ」というのがあることを最近知りました。1946年に設立され、英国に本部があり、会員数は全世界で約12万人。支部は世界40カ国にあり、日本人会員は約3500人いるとか。著名人には、SF作家のアーサー・C・クラークやアイザック・アシモフ、日本人には、お笑いコンビ、ロザンの宇治原史規や脳科学者の茂木健一郎らがいる(いた)そうです。

 まあ、親睦団体みたいなものですから、懇親会等では「政治と宗教の話はタブー」になっているそうです。「金持ち喧嘩せず」ということなんでしょう。そうでなくても、政治と宗教がらみで国家間で戦争になったりしますから、人類のタブー中のタブーでしょう。まず、思想信条は折り合いが尽きませんからね。最近、また、イスラム教の教祖の風刺画を巡り、パリ郊外で教師が殺害されたりしました。

 それなのに、この渓流斎ブログでは、最近、政治と宗教の話題ばかり書いております。勿論、冒涜的なことは書いておりませんが、これでは駄目ですね(苦笑)。

 このブログは2005年3月15日から始めましたから、今年で丸15年も経ちました。我ながら、よく続けてきたものです。しかし、以前、「ブログなんかやってると親友をなくすよ」と忠告されたことがありましたが、事実そうなってしまいました。

 30年来の友人のA氏からは「ブログなんかやっていると、人は離れていき、そのうち誰からも相手にされなくなりますよ」と言って、本人が率先垂範して離れていきました。旧友のB氏からは「君とは住む世界が違います」と通告され、異国に住むC氏は、メールを出しても返信すらしなくなりました。理由は分かりませんが、やはり、ブログが原因なのか、面倒臭くなったのかのどちらかしか思い当たるフシがありません。仲違いしたわけではありませんから。

 ブログをやっていても、ロクなことありませんね。

 でも、半面、良い事も沢山ありました。ブログを通じて知り合った何人もの方が全国にいらっしゃり、実際に交流でもできたことです。色々な「学び」もあり、自分では思いも寄らない「知識」や「情報」が寄せられ、大変勉強になりました。というより、現在進行形です。それが、15年も続けて来られた理由の一つでしょう。

 ところで、最初にご紹介した「メンサ」は、「サイコパス」を調べているうちに、何の関連もなく、ひょんなことで出てきました。何で、サイコパスを調べたかといいますと、最近、どうも独りよがりの人間が増えてきた気がしたからです。まず、挨拶はしない。不注意にせよ、人にぶつかったり、足を踏んだりしても謝りもしない。そこにいたお前の方が悪いんだと言わんばかりで逆切れしそうです。他人が苦しんでも見て見ぬふり、自分さえ良ければ何をしてもいい、そんな輩が増えたように思えるのです。

 そういう人間のことを何て言ったっけ?と一生懸命に思い出して、サイコパスがやっと出てきたのです。一般的に、サイコパスとは先天的に、罪悪感を感じず、良心の呵責に苛まれることはなく、嘘をついても平気で、他者に対する思いやりが皆無で、自尊心が過大で自己中心的、それでいて口が達者で表面的には魅力的なことが特徴だといいます。(両親や教師の教育や環境などの影響で後天的になった人はソシオパスと呼ばれます)

 ニュースで、平気で嘘をつく政治家を目の当たりにしたり、良心の呵責もなく老人を騙したり、殺害したりする若者を見かけたりしますが、もしかしたら、彼らはサイコパスなのかもしれません。

 私自身はサイコパスとは正反対の性格で、他人に気を遣い過ぎるかなりの神経質で、良心の呵責と罪悪感は莫大にあります。特に若い頃は、異様に神経が過敏で、自分の神経はピアノ線より細い!と天を呪ったことがあります。

 でも、何万人に一人か、何十万人に一人か分かりませんが、世の中には、傍若無人で無神経で罪悪感のない人間が存在するという事実を知っただけでも、少し冷静になれました。

(本文中敬称略)

都合の悪いことはなかったことに=菅首相の「政治家の覚悟」

  20日に発売された菅義偉首相の著書「政治家の覚悟」(文春新書)は、野党議員時代の2012年3月に刊行した単行本を改訂したもので、単行本では「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然」と公文書管理の重要性を訴える記述があったのに、新書版では、それらの章がごっそり削除されていたらしいですね。比較して読んだわけじゃありませんが、朝日と毎日が報じています。

 ご都合主義と非難されてもしょうがないでしょう。 

  なぜなら、菅氏は8年前の単行本では、民主党政権(当時)が東日本大震災の際に、会議の議事録を十分に残していなかったことを批判し、「千年に一度という大災害に対して政府がどう考え、いかに対応したかを検証し、教訓を得るために、政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為」とまで書いていたのに、この部分はごっそり削除されているのです。

Photo Copyright par Duc de Mtsuoqua

 ところが、自民党が野党から与党に返り咲き、しかも安倍政権の中枢の官房長官になった菅氏は民主党政権と同じかそれ以上のことをやったわけです。(直接指示しなくても、少なくとも見て見ぬふりをしたわけです)「森友学園」への国有地売却問題や「桜を見る会」問題では、高級官僚らの忖度で、安倍政権や昭恵夫人に都合の悪い公文書や記録が改ざんされたり、廃棄されたり、あったものをなかったことにしたり…。新型コロナウイルス対策会議でも議事録を残さなかったぐらいですからね。

 これでは、首相になって、今さら「公文書管理の重要性」を訴えるわけにはいかなくなった、と勘繰らざるを得ません。

 野党時代は批判していたことを、自分たちが権力を握るとシレっと同じようなことをするとは、姑息ですね。日本学術会議の会員名簿から政権に都合の悪い学者6人を外した問題は、まだまだ尾を引いていますが、菅首相の馬脚がだんだん露わになってきました。

 メディアの世論調査で、内閣支持率の低下がそれを物語っています。

R社スマホ、快適です=「Go to イート」に挑戦

 先日、携帯のスマホをR社に変更したことを書きましたが、データ通信も通話も全く支障がなく快適です。しかも、料金が一年間無料だというので言うことありません。

 さらに、どなたかにR社のスマホを紹介すると、紹介した人に3000ポイント、紹介された人にも2000ポイントが付きますので、もしご興味を持たれた方は、是非小生に御連絡ください(笑)。小生のR社スマホのIDをお伝えします。キャンペーンは期間限定ですのでお早目に(笑)。

 付け加えると、R社のスマホのデータ通信は無制限に使えるので、初めてテザリングに挑戦してみました。そしたら、こうしてパソコンに難なくWi-Fiが繋がりました。となると、今契約しているOCN(NTTコミュニケーションズ)のモバイルWi-Fiも必要なくなります。解約しようかしら?これで、毎月の通信費が大幅に節約できます。感謝、感謝です。

 さて、昨晩は雨が降る中、「Go to イート」に行って参りました。自宅近くの炭火焼店なので、場所も店名も言えませんが(笑)、なかなか良い店、というか高級店でした。

 とにかく、ジャーナリストを自称していますから、時流に乗るといいますか、今、世間で話題になっていることを自分自身でやってみなければならないということを自分に課しておりますから、こういう無節操なこと(?)もやらざるを得ないのです。

 まず、グルメサイトの「食べログ」に登録して、「Go to イート」キャンペーンに参加している自宅近くの店を検索して、ある店に予約してみました。「食べログ」だと、Tポイントとして1人1000ポイントが付くことになっていました。このTポイントはお店に還元されるのかと思ったら、後からお店の人に聞いたら、「そんなこと全くありません」と言うのです。私は、この1000ポイント分は、またその同じ店でしか使えないと思ったら、どこでも使えるようです。つまり、同じ店に還元されるとは限らないのです。

 よく分かりませんが、どうもこのTポイントは、「食べログ」のサイト内のお店(つまり、「食べログ」に加盟料を払って参加している店)にまた予約する際に使えるようなのです。異様に面倒臭い。恐らく、グルメサイトを使用しなければ、この獲得したTポイントは「宝の持ち腐れ」になるんじゃないかと思われます。はっきり言って、「Go to イート」キャンペーンは、店舗よりも、菅義偉首相のお友達の滝久雄会長のやっている「ぐるなび」などグルメサイトが儲かる仕組みになっているのではないでしょうか?

 「Go to イート」キャンペーンの中身は、実際に自分自身でやってみないと、本当に分からないものですね。

 そうそう、私が利用しとお店の話です。普通の焼き鳥屋を選んだつもりでしたが、豈はからんや、高級炭火焼店でした。本日のお薦めのメニューを見たら、「本マグロ2200円 馬刺し2860円…」ですからね。帰ろうかなと思いました(笑)。

 でも、「本日のお薦め」以外を見ると、大衆焼き鳥屋より少し高めの値段。帰らずに注文しました。そしたら、旨いこと、美味いこと。何しろ、塩は食卓塩ではなく、高級などこかの岩塩で、醤油もスーパーには売っていない高級醤油。サラダのタレも凝っていてバルサミコ酢にチーズも入っている感じでした。

 何と言っても凄かったのは、焼き鳥には「みつせ鶏」を使っていたことです。「比内地鶏」や「名古屋コーチン」なら聞いたことはありますが、初めて聞く鳥なので、お店の人に「何処の鳥ですか?」と伺うと、「佐賀県です」と応えるではありませんか。そこで、早速、某マスコミの佐賀支局長を務めたことがある岡元氏にR社スマホのショートメッセージを使って聞いてみると、「みつせ鶏は旨いですよ。佐賀にいた時は滅多に口にできませんでしたが。」との返事を頂きました。

 そんな高級鶏でしたか! いやあ、実に旨い。感動してしまいました。この店は、数年前に線路沿いにあったのですが、火事で焼けてしまい、ここの場所(駅から歩1~2分)に変えて復活されたようなので、またお邪魔しようかと思いました。

(ビール中瓶と日本酒二合、串盛りと串焼き四本、サラダなどサイドメニュー六品、二人で8610円)

【追記】

食べログで獲得したTポイントは、他にも運用できるようです。

携帯通信事業者をR社に替えました

 ここ2~3週間、迷いに迷った末、携帯通信事業者をK社からR社に替えました。昨夕、契約しましたが、清水の舞台から飛び降りる覚悟でした(笑)。ミドルリスクでしたからね。

 きっかけは、正直、今の私の力量では、K社では月々の通信量が高かったからです。そしたら、新規参入のR社が1年間のプラン料金無料や高額のポイント還元キャンペーンをやっていることから乗り換えることにしたのです。その間、IT雑誌の敏腕編集者だった畏友の志村氏からさまざまな助言を得ることができ、それでやっと決心しました。

 清水の舞台から飛び降りる覚悟をしたほど心配したデメリットは、今使っているiPhoneを、SIMカードを替えてそのまま使うため、果たして、通話やデータ通信が実際に使えるかどうかという不安です。自分でSIMカードを替える自信がなかったので、ショップに行って替えてもらいましたが、その際に、iPhoneはR社の正式対応機種ではないため、もし仮にうまくいかなかったら自己責任になりますよ、といったような趣旨の「誓約書」にサインさせられましたからね。ドキドキでした。

 しかも、R社と契約すると自動的にK社との契約は解約(手数料込みで解約料が1万3750円)になりますが、K社で契約していたiPhoneのアップル社の保証もなくなり、R社では改めてアップル社との保証契約はできないと言われたのです。これがミドルリスクです。小生のiPhoneは、2018年12月に買ったXSという当時の上位機種(カバーとケース付き13万5660円)でしたから、まだそんなに早く壊れることはないでしょうが、落として画面のガラスを割ったりしたら、修理が全額自己負担になり大変です。

 こうしたデメリットを越えて有り余るメリットが、プラン料金(1カ月2980円)が1年間無料だということと、専用のアプリを使えば、通話もショートメッセージも使い放題だということです。つまり、国内電話はかけ放題、ネットもデータ量を気にすることなく気軽に使えるということです。

で、まだ、契約して1日しか経っていませんが、電話もショートメッセージも通じて、一応満足しています。いや、R社に替えて良かったとさえ思っています。

 ショップでは1カ月間だけ無料のRマガジン(1カ月超えると月額418円)とRミュージック(同980円)に試しで契約してみました。契約しただけで600ポイントが貰えるからです。嗚呼、ポイント奴隷ぶりをここでも発揮してしまいました(笑)。

 そしたら、吃驚。Rマガジンは主要週刊誌、月刊誌500誌以上もがバックナンバーから最新号まで読み放題なのです。これでは雑誌は売れませんね。電車の中で、どうも誰も週刊誌も読まなくなったと思っていたら、もしかして、スマホで読んでいたのかもしれません。

 なあんだ、そういうことだったんですか。

【追記】

 ということで、小生が使っていたK社の携帯メール(〇〇〇@ezweb.ne.jp)は、不通になりましたので、宜しくお願い申し上げます。

Rショップ銀座のFさんは、日本語が少したどたどしかったので、ご出身地を聞いたら「中国の長春(満洲帝国時代の首都新京)」だというのです。15年前に来日して、今は日本人に帰化されたそうで、少し親しみを感じて思い切って契約したわけです。

Rミュージックは、古いジャズが無さそうだったので、すぐ解約してしまいました。

 

「お金の大学」で金融知識を身に着ける

 銀座のフルーツ大福「弁財天」 いちじく大福が1000円だとか…

 2011年の「安愚楽(あぐら)牧場」事件(和牛オーナー制度と称して約7万3千人から約4200億円もの資金を集めて経営破綻=豊田商事事件を超え史上最大)や今年の「ジャパンライフ事件」(大物政治家や磁気ネックレスなどを餌にして約1万人から約2100億円を集めて経営破綻)など、なかなか巨額詐欺事件はなくなりません。

 騙されるのは決まって高齢者ですが、あれもこれも、皆、金融リテラシーがないので簡単に騙されてしまうのです。高齢者と言えば、人生経験が豊富で、酸いも甘いも散々味わってきたはずです。現在の普通預金金利は、メガバンクでさえ、1000万円を1年間定期で預けても0.002%です。ということは、株にしろ債券にしろ、外貨建てにしろ、年利5%の金融商品があるわけないのです。ないとは断定できませんが、あってもほんのわずかで、そんな希少価値の商品を強欲者が赤の他人に教えるはずがありません。それなのに…。

 最大の理由は、特に昭和世代は、「お金は汚いもの」と小さい頃から蔑視され、お金について学校で全く教えられてこなかったからです。私もそうでした。

 確かにお金は魔物ですから、悪い側面がありますが、正しい使い方を知れば、悪徳詐欺師に引っかからないのです。

 ということで、お金の基礎知識を網羅した面白い本を見つけました。「今売れている本」として新聞の書評に載っていた上の写真の本です。

 若い世代を対象にしているのか、漫画を多用して、文章も「お子ちゃま」向きですが(失礼!)、中身はしっかりツボを押さえています。著者の両@リベ大学長という方は、履歴など詳細は不詳ですが、10代の高校生から早くも起業して、年間1億円以上の収益を得る一方、数々の失敗もされているようです。少なくとも金融に関する書籍をかなり読み込み、セミナーに参加し、関係者や大富豪から話を聞き、実際に実践されているようなので、かなり詳細で濃密な金融の知識の持ち主であることは確かです。著者はYouTubeもやっていて、総動画本数700本以上、再生回数5300万回超ということですから、ユーチューバーとしてもやっていけているようです。

 何故、この本を渓流斎ブログで取り上げたかと言いますと、彼の思想に共鳴したからです。つまり、お金にまつわる問題を早く解決して、最終的に「経済的自由」を得ることが目的だという思想です。はっきり言って、お金は煩わしいですからね。

 そのために、著者は五つのステップを推奨しています。それが以下の五つです。

(1)貯めるー支出を減らす力

(2)稼ぐー収入を増やす力

(3)増やすー資産を増やす力

(4)守る―資産を減らさない力

(5)使うー人生を豊かにすることにお金を使う力

なかなか良いですね。お金は貯め込んで使わないのも馬鹿らしい。死んであの世に持っていけないですからね。著者は、最終的に、自分で稼いだお金で慈善団体に寄付していることが(節税対策かもしれませんが)、素晴らしい。これが、この本に共鳴したもう一つの理由です。

 具体的にどうしたら良いのか、この本は指南書ですから大体書いてあります。個人的に賛同できないこともありますが、しっかり、メリットとデメリットも説明してくれているので、これまた共感できます。読者が自己責任で判断すれば良いのです。

(1)の「貯めるー支出を減らす力」では、スマホは格安SIMにした方が良いとか、1961年から日本は「国民皆保険」制度になったから、ある程度は社会保険でカバーしてくれる。だから、余分な保険は見直した方が良いとか、具体的にアドバイスしてくれます。

 サラリーマンでも、最近多くの会社が認めるようになった副業をしたり、個人事業主になったりして「節税」することも薦めています。

(3)の「増やすー資産を増やす力」で具体的な投資商品を薦める一方、(4)の「守る―資産を減らさない力」では、詐欺師に騙されないよう、絶えず金融知識は更新して勉強を怠らないことも薦めています(そこまではっきりと書いていませんが=笑)。

 私も、こういう本をもっと若いうちに読んでいたら、今頃、悠々自適だったんですがねえ。今もヒイヒイ通勤しています。

日本学術会議問題に杉田官房副長官が関与か

 日本学術会議が推薦した会員候補105人のうち6人が任命を拒否された問題。あっさり片付くかと思ったら、菅義偉首相は「総合的、俯瞰的に判断した」と理由にもならない禅問答に終始して撤回を拒否し、一層、混乱に拍車が掛かっています。

 それが、今朝(13日)の毎日新聞によると、6人の名前名簿から除外する判断に杉田和博官房副長官が関与していていたというのです。

 杉田官房副長官? 知らなければ潜りですね。有名な杉田水脈さんじゃありませんよ(笑)。

 今年4月16日、首相官邸の事務方トップを務める官房副長官職の在職日数が石原信雄氏の2668日を抜き、単独2位となった方です(歴代1位は古川貞二郎氏の3133日)。

 埼玉県立浦和高校から東大法学部を卒業し警察庁へ入庁。主に公安畑で活動し、1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件では警察庁警備局長を務め、陣頭指揮を執った人です。1941年生まれの79歳にして未だに現役バリバリ。2004年、内閣危機管理監を最後に退官しますが、12年には第2次安倍内閣の下で内閣官房副長官に就任し、17年からは内閣人事局長まで兼務しております。

 本人は温和な性格らしいのですが、警察官僚、しかも公安出身ということで、強面(こわもて)のイメージが先行しますね。その上に、官僚人事の差配まで多大な影響力を持つ内閣人事局長ということになれば、官邸の事務方トップというより、官僚事務方トップと言えるでしょう。この人に睨まれては、左遷させられるか、名簿から削除されかねません。周囲も忖度するしかないことでしょう。

 毎日新聞の記事では「政府関係者が12日、明らかにした。」となっていますが、この政府関係者がどなたなのか、気になりますね(笑)。この方は「杉田さんですよ。名簿から削除したのは」とでも毎日の記者にしゃべったのかしら。

 それにしても、この学術会議問題は泥仕合のようになっています。フジテレビ上席解説委員が5日のテレビのワイドショーで「この人たち6年ここ(日本学術会議)で働いたら、その後(日本)学士院というところに行って、年間250万円年金もらえるんですよ。死ぬまで。みなさんの税金から。だいたい。そういうルールになっているんですね」と発言したことから、世間は、大騒ぎ。しかし、日本学術会議の会員経験者が全員、学士院会員になれるという決まりはなく、発言は誤りだったことはすぐ判明しましたが。

 日本学術会議は内閣府の所管で、210人の会員は非常勤特別職の国家公務員。年金なし。会合の度に交通費並みの手当が支給されます。一方、日本学士院は文部科学省の特別機関で定員は150人。年金250万円が出ますが、終身会員のため、欠員が出て初めて新会員が推薦募集されるといいます。

 とばっちりを受けたのは日本学士院です。年金は国民の税金から出ているからです。「学問の自由を叫ぶ前に、ひも付きをやめて、民間として独立したらどうか」とネット上で叫ぶ人も。

 結局、自由とはお金の問題なんですかね?

  

ついに私もポイント乞食、いやポイント奴隷に

 ついに私も三木谷王国の軍門に下ってしまいました。

 世界中では今、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)の寡占状況が叫ばれていますが、我が邦では、公社あがりのガリバーか、稲盛様か、孫様か、三木谷様のいずれかを選ばなければならない体制になってしまっています。もちろん、格安何とかもありますが、「安心・安定」で選ぶなら、この四つの王国を選ばなければなりません。

 私は今、スマホは稲盛王国のものを使用していますが、毎月8439円も掛かり、日頃からどうにかしたいと思っていました。通話かけ放題プランですが、データはわずか、月に3GBしか使っていないのに、高過ぎます(調べたら、iPhoneなので、毎月アップルに保証費1309円払っていました)。

 そこで、驚異的な価格を発表した三木谷様のスマホに乗り換えようかと模索しているのです。でも、三木谷王国では、iPhoneがなく、SIMを交換してようやく使えるようで、IT音痴を自認する小生としては、いまだに自分で操作する自信がなく迷っているところです。

 でも、ラジオで興味深い話を聴きました。「三木谷王国経済圏」です。銀行も証券もスマホも電気も通販のお買い物も、三木谷様の王国を使えば、ポイントがバンバン溜まり、年間6万円~10万円も得(ポイント獲得)するというのです。

 私の場合、スマホだけで年間10万円以上支払っていますから、ちょうどその分助かるというわけです。

 ということで、銀行は三木谷王国の口座を契約してみました。コンビニで入出金できるので、意外と簡単でした(ただし、条件により手数料掛かります)。この銀行のデビッドカードを現金代わりに使えばまたポイントも溜まるという仕組みです。

 これで、「経済圏」の一員になるには、あとは、スマホと電気を三木谷王国に代えるかどうかになりました。

 コンピューターは0と1の世界ですから、中間や曖昧さがありません。all or nothing の世界ですね。勝つか負けるか。寡占するか、敗退してゼロになるかの世界です。「2位では駄目ですか」では駄目なのです。消費者は、否が応でも、こうした「経済圏」の覇者争いに巻き込まれます。

 でも、実にせこい話です。私自身は三木谷様とは面識もありませんし、王国に絶大なる信頼をしているわけでもありません(ただし、通販やカードを利用すると、しつこいくらい小まめにメールで連絡してくれることは大変有難い)。それなのに、ポイントを獲得するために乞食になるしかありません。いや、乞食じゃありませんね。三木谷王国の奴隷ですね。

 庶民の経済防衛として、究極の選択です。よゐこの皆さんは真似しないでください、と言っても真似する人は多いことでしょう。だって、真面目に現金払いをしても全くポイントが付きません。それに、この渓流斎ブログの影響力は絶大ですからね(爆笑)。

祝ジョン・レノン誕生日 if he was still alive80歳

 今日10月9日は、元ビートルズのジョン・レノンの誕生日です。生きていたら80歳。暗殺されたのが40歳の時でしたから、没後40年という節目の年になります。

 ということは、現在、45歳以上ぐらいじゃなければ、ジョン・レノンの現役時代を知らないということになりますか。えっ?教科書に載っていたから知っている? 英リヴァプールはジョン・レノン空港だから知っている? そうですか、そうですか。もう彼はすっかり歴史上の人物になりましたね。

 このブログに何度もジョン・レノンのことを書くのは、私の人生で最も影響を受けた人物の一人だからです。ミュージシャンとしてだけなく、英政府からMBE勲章を受けながら返還したり、反戦運動家(ジョン・シンクレアら)や黒人の人権運動家(アンジェラ・デイビスら)を支援したりして米CIAからマークされるほどの活動家だったからです。

 当時私は中学生か高校生だったので、お蔭で「お上にたてつく」ことを覚えてしまい、長じてもその習慣が身に着いてしまいました。ジョン・レノンを知らなければ、上司に反抗することなく、長い物に巻かれて今頃大出世して、世界を動かすインフルエンサーになっていたかもしれません(笑)。

 結局、左遷ばかりされて、インフルエンサーになれず、この40年間はインフルエンザに罹ってばかりいました(笑)。

 40年というのは、あっという間でしたね。ジョン・レノンが暗殺されたとき、40歳というのはかなりのおじさんにみえましたが、今では人生の半分以下でまだまだ若い。青年に近いと言ってもいいぐらいです。

 思えば、ジョンがビートルズとして活動したのは満21歳から28歳まで(1962年10月5日にデビュー、69年8月の「アビイ・ロード」のレコーディングまで)のたったの7年間ほどでした。早熟の天才だったと言えるでしょう。彼のつくった曲で好きな曲はあまりにも沢山ありますが、「ラバーソウル」の「ガール」と「ホワイトアルバム」の「ハッピネス・イズ・ウオームガン」と「イマジン」の「ギミー・サム・トゥルース」と「ダブルファンタジー」の「ウーマン」は外せないと思っています。

 ジョン・レノンが生まれたのは1940年ですから第2次世界大戦の真っ只中でした。セカンド・ネームのウィンストンは、チャーチル首相から取られたことが有名ですが、小野洋子と結婚した際、ジョン・オノ・レノンに改名したことも有名です。幼い時に、船員だった父親アルフレッドから離れて伯母のミミ夫婦に育てられ、産みの母親ジュリアは内縁関係の2人の男性との間に3人の娘をもうけ、ジョンが17歳の時に交通事故死するなど家庭的に恵まれなかったトラウマが結局、曲づくりや彼のその後の人生に反映されていました。

 巷では商魂たくましく、ジョン・レノン生誕80周年記念 ニューベストアルバム「ギミ・サム・トゥルース.」(ユニバーサ)が今日から発売されたようですね。CD2枚とブルーレイ付きのデラックス版で9350円ですか…。私ですか? いえ、もう買いませんよ。彼のCDはもう既に全て持っていますし、DVDも何枚かありますからね。

 ジョン以外のポール・マッカートニーやジョージ・ハリスンやリンゴ・スターは日本公演で見たことがありますが(リンゴだけは記者会見で同席したことがあります)、ジョンは早いうちに亡くなってしまったので、「会う」ことができず、本当に残念無念でした。

 ですから、1966年のビートルズの来日コンサートを見たという林さんや、70年代後半にジョンとヨーコを東京のホテル・オークラの近くの路地で歩いているところをすれ違ったという栗原さんには、何を差し置いても密かに尊敬しています。

ポイント乞食と見事な「迂回政策」

 昨日は「トリキの錬金術」だの「鳥貴族マラソン」だのといった聞き慣れない言葉がネットを中心にあっという間に広まりました。

 何の話かと思いましたら、10月1日から始まった「Go to Eat」キャンペーンで、予約サイトを利用して飲食店を予約することで、ディナー時間帯は一律1000円分のポイントが付与される特典がありました。居酒屋チェーンの「鳥貴族」は1品327円という格安が売りだったことから、予約客が1品だけ注文してその差額の673円分のポイントを獲得する「錬金術師」が続出したというのです。ランチだと500円分ですが、それでも173円分のポイントが儲かるわけです。

 これは法に違反した商行為ではないので監督官庁も黙認していましたが、さすがに鳥貴族側も本日辺りからコース料理注文者のみにポイント付与するなどして変更したようです。

 この話は、昨日も書くことができたのですが、影響力が強い渓流斎ブログのことですから(爆笑)、真似されると困ると思い、控えておりました。もう変更されて、前述のような錬金術が使えないのでこうして安心して書くことにしたわけです。ちなみに、私自身は一度も「鳥貴族」に行ったことはありません。

 「トリキの錬金術」によるポイントの荒稼ぎは違法行為ではないですが、やはり、倫理的な面では「いかがなものか」となります。ネット上でも「ポイント乞食」なる批判が溢れていました。

 でも、こんなネットで予約してポイントを付与するような「迂回政策」といいますか、アナログ世代にとっては大変面倒なシステムにわざわざしたのは、裏に作為があるようです。やはり、この渓流斎ブログ9月17日付「菅新首相の背後に『ぐるなび』と京浜急行電鉄があり」で書いた通り、ということでしょうかね。再録すると、こう書きましたー。

 …例えば、菅氏が先頭に立って推進している最大469億円の予算がついた「Go toイート」というキャンペーン。その背後にはグルメ情報サイト「ぐるなび」の滝久雄会長が控えているようです。1996年から2012年にかけて、滝会長の広告代理店「NKB」から菅氏の政治団体「自由民主党神奈川県第2選挙区支部」と「横浜政経懇話会」に対して、計280万円献金し、ポスター制作費58万8000円請け負ったことが収支報告書に書かれているといいます。

 NKBは、滝久雄会長の御尊父の滝冨士太郎氏が創業した交通文化事業社が母体になった会社で、最初は地下鉄のベンチの広告から始めたといいます。まさに「たたきあげの苦労人」という共通点があるんでしょうか?

 ーということで、この面倒臭い「迂回政策」というのは「ぐるなび」に一部「蒸留水」が還元されるということなのでしょう。しかも、この蒸留水は、真水ではなく、黄金色に輝いています。

【追記】

 8日付東京新聞によると、「ぐるなび」「食べログ」など大手10サイトは、夕食なら200円程度の「手数料」を店から徴収しているといいます。

 政府は8日、夕食1000円未満、ランチ500円未満はポイント還元しない方針を発表しました。