渓流斎、チンピラに襲われる

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 あまり書きたくなかったのですが、先日夜10時過ぎ、私の自宅近くで酔っ払いのチンピラに襲われました。「舌打ちしただろ!」と叫びながら、持っていたバッグで背中を小突かれました。

 何のこと???です。さっぱり分かりません。チンピラは酔って錯乱し、勘違いしただけでした。私自身は舌打ちしたわけでもないし(歯牙にもかけず)、仮に他の人がしたとしても、その人も殴られる筋合いはないでしょう。まあ、民度が非常に低い所に住んでいるので致し方ありません。40代の男に見えたので、団塊ジュニアで非正規雇用者かもしれないし、職場で嫌なことがあったかもしれないし、女に振られてヤケになっていたのかもしれませんが、今はこんな自己中心的で自己愛が強すぎる勘違いした奴らが多過ぎます。

 理不尽なチンピラに自宅近くで絡まれたのは、これでもう3回目です。持ってるなあ~(笑)。

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 社会の出来事、事故、犯罪など「マクロ」は新聞に掲載されます。しかし、新聞に載らない「ミクロ」も、こうして結構頻発しているものです。

 先週金曜日は、通勤の行きも、帰りも、人身事故に巻き込まれました。20分程度の遅れで済んだせいか、そんな記事はどこにも載りませんでした。

 昨晩もまた、横浜市内の駅で人身事故がありましたが、私は間一髪でした。1本次の電車に乗っていたら巻き込まれていたかもしれませんが…。一方、横浜に住んでいる会社の後輩となると、自分が乗る1本前はスムーズに発車したのに、わずか1分ほど遅れただけで、新橋駅で1時間も立ちっぱなしで待たされたんだそうです。

 いやはや、その前の電車に乗れたかどうかが、運命の分かれ目でした。駅で1時間、電車内等で1時間近く立ちぱなっしだったので、今朝になっても疲れが取れない、と言ってました。

 世間の「マクロ」ニュースは、相変わらず「新型コロナウイルス」関連ばかりです。2月5日の時点で、死者の数が491人といいますから、500人を超えるのは時間の問題でしょう。

 巷では、どこもかしこもマスクが売り切れているそうですね。1970年代の石油ショックでは、トイレットペーパーが売り切れましたが、パニックにならず、もっと冷静に行動してほしいものです。チンピラじゃないんですから!

 そのためには、信頼の出来る公的機関が正確な情報を小まめに発信してほしいものです。宜しくお願い致します。

 ついでながら、チンピラや悪党や性根の腐った人間には、極楽浄土に来てほしくないです。京都の御住職さまには宜しくお願い申し上げます。

調理師M氏と15年ぶりの再会

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 昨晩は、小生が北海道の帯広に赴任していた頃に知り合ったM氏と実に15年ぶりに再会しました。M氏は、カレー屋さんの御主人でした。昭和というより明治時代に近い旧い古物商を、飲食店用に炊事場を設置するなど改築した雰囲気のある店でした。当時住んでいた自宅から近かったので、多い時には毎週のように通いました。

 仕事が終わって、夜8時ぐらいになることが多く、お客さんはほとんどいなかったので、次第に世間話をするようになり、一人暮らしだった私も彼と会話をするのが楽しみで通った感じでした。特に彼は、ブルースが大好きで、店内ではいつもブルースを掛けていました。私は、ブルースといえば、B.Bキングとマディ・ウォーターズぐらいしか知りませんでしたが、ライトニング・ホプキンスやアルバート・キングら通好みのプレーヤーを彼からたくさん教えてもらいました。

 で、15年ぶりの再会です。帯広から離れた後は、年賀状をやり取りする程度で、お互いのプライバシーまでは話すことはなかったのですが、今回は色んな話ができました。彼も随分苦労していたことが分かりました。まず、私が帯広を離れた翌年に、お店がつぶれてしまい、奥さんともうまくいかなくなり、別れてしまったというのです。でも、帯広市内のホテルの調理場での職を得て、その頃に知り合った美しい女性と再婚することができ、住まいも北海道から関東に移したというのです。

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 彼は調理師ですから、包丁一本さらしに巻いていれば、どこでも働くことができるらしく、関東に来て約10年経つ中、もう10回ぐらい転職したそうです。ほとんどホテルの調理場ですが、長くても2年、短いと数カ月といったところでしょうか。苦労したんですね。

 彼からは「調理師の世界」を色々と伺いました。彼が料理を勉強したのは、あの有名な大阪の辻調理師専門学校で、設立者の辻静雄(1933~93)は、もともと読売新聞の記者だったんですね。知る人ぞ知る話ですが、私は初めて知りました。辻は、欧米に料理修行に出かけ、特にパリの高級レストラン「ピラミッド」の経営者ポワン夫人に可愛がられたおかげで、同僚になった若き頃のあの著名なポール・ボキューズとも親交を結ぶことができたそうです。その際の逸話もありますが、ここでは書きません。まだ東洋人に対する偏見が強い中、辻静雄も相当苦労したようでした。

 最近、パリ在住の日本人シェフの小林圭さん(42)が ミシュランの三つ星を獲得して大きな話題になりましたが、M氏は「確かに立派ですが、その前に、日本人として初めてミシュランの一つ星を獲得した中村勝宏シェフのことを覚えておかなければいけませんね。彼は70歳を超えていますが、今でも飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで働いていると思います。北海道洞爺湖サミットの際に総料理長を務めた人です」。あ、そうか、そう言われれば、名前だけは聞いたことがありました。

 このほか、1964年の東京五輪の選手村の料理長に抜擢された帝国ホテルの村上信夫シェフには、高橋さんという有能なライバルがいたにも関わらず選ばれたといった話や、盛んにテレビなどに出て名前を売って有名になったシェフや料理人は、かなり政治力を発揮している話なども聞きました。確かに、私も、名前につられてそうしたレストランや料理店に行ったことがありますが、高いだけで大して美味いとは言えませんでしたからね。

 あと、調理師は国家資格ですが、てっきり、中華、和食、洋食と別れているかと思っていたら、「いやジャンル別はないのです。免状があれば何でもできるんです。逆に言うと、日本で最も『甘い国家資格』とも言われてます。地方の田舎の高校教師なんか、箸にも棒にも掛からぬ生徒には『自衛隊に行け、さもなくば調理師になれ』と言うぐらいですよ」と、微妙なことまで発言してました。

 M氏は現在、関東のホテルの調理場で勤務していますが、本当はカレー屋さんを続けたかったらしいのです。しかし、帯広はカレーの激戦区で、あの有名な「coco壱番屋」も数年で撤退したそうです。

 M氏が作るカレーを食べながらブルースを聴いていた、いや、ブルースを聴きながらカレーを食べていたあの頃が本当に懐かしくなりました。

銀座から中国人が消えた!…わけではありませんが…

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2月3日の時点で、新型コロナウイルスによる肺炎の死者が、中国で361人となり、2003年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)による中国の死者349人を上回った、などと報道されています。ついにそこまで来ましたか。しかし、17年前と比べて中国の世界的影響、つまり経済的影響は比べものにならないくらい大きいのです。

 日本経済新聞は、1月29日付の夕刊で、米調査会社データトレック・リサーチの資料を引用して、2003年の中国のGDPは1.7兆ドル(約185.3兆円)で世界の4.4%を占めるに過ぎなかったのが、19年は14.3兆ドルと占有率は世界の16.3%に拡大。中国発の感染症が世界経済に与える影響は、SARS当時とは比較にならない、と分析しているのです。

 日本も影響を受けるのは必至です。内閣府によると、世界のGDPに占める日本の割合は、1980年に9.8%だったものが、バブル期を経た1995年には17.6%まで高まったものの、2010年には8.5%に急降下。このまま推移すると、2020年には5.3%、2040年には3.8%、2060年には3.2%まで低下するといいます。

 政府は、新型コロナウイルスを「指定感染症」とする政令を2月1日から施行して、湖北省に過去2週間以内に滞在歴のある外国人の日本への入国を拒否するなど入国管理の強化策を打ち出しました。

東京・銀座8丁目

  ということで、私もジャーナリストの端くれですから、「私の庭」である東京・銀座が今どうなっているのか、歩いて確かめてみました。

 銀座8丁目のガード下は、中国人の団体旅行客のバスが軒を連ねている場所ですが、1台もありませんでした。中国当局による海外への団体旅行禁止令が効いていると思われます。

銀座5丁目 ラオックスが入居するビル

 銀座5丁目は、中国企業が買収した家電量販店の「ラオックス」があるせいか、中国人観光客の「溜まり場」になっていて、足の踏み場もないほど、人、人、人で溢れていましたが、今は御覧の通り、ほとんどいません。月曜日の昼休みの午後1時ぐらいの時刻ですが。

 韓国人観光客は、徴用工等の問題で、既に昨年からめっきり減り、銀座で韓国語を聴くのが少なくなりましたが、これほど中国人観光客までもが減るなんて想像もつきませんでした。元に戻ったとはいえ、中国人観光客がいないと、銀座はこんな空いていたんですね。

 でも、中国は、団体客は禁止されましたが、個人ツアー客までは禁止されていないようで、カップルや家族連れは結構見かけました。

 とはいえ、中国人客をアテにしているデパートや商店は さぞかし、大困りのことでしょう。

 私も銀座にある衣料量販店に行ってわざわざ買い物までして取材したところ、店員さんは「はい、ここ2週間ぐらいから中国の方は減りました。売り上げ?…いやあ、もちろん、減りましたよ」と正直に応えてくれました。

 エコノミストの予想では、新型コロナウイルスの影響で、日本のGDPも0.5%以上減速するということですから、やはり、日本は、いや日本だけじゃありませんが、中国におんぶに抱っこだったことが分かります。

 新型ウイルスに効くワクチンが早く開発されて、一刻も早い終息を待つしかないのでしょうか。デマ情報には振り回されず、加油(がんばれ!)

古代史の新発見が望まれる=東博で「出雲と大和」展

 新型コロナウイルスが猛威を奮う中、「よゐこは不特定多数の人が集まる所に行ってはいけません」と一国の総理大臣から通告されていたにも関わらず、上野の東京国立博物館に行って来ました。「出雲と大和」が開催されていたからです。

 週末なので混むはずでしたが、空いていたわけではありませんが、近くで見られました。けど、中国語が聞こえると(彼らは何処にいようが我が物顔で声がデカい!)、ドキッと緊張している自分を発見しました。

出品目録をざっと見ただけですが、出品111点中、国宝が23点、重要文化財75点という豪華絢爛さです。失礼、太古の発掘物ですから、絢爛さまではいかず、正直、余程、古代に関心があり、ある程度の知識がないとつまらないかもしれません。

 国宝「銅剣、銅鐸、銅矛」(出雲市荒神谷遺跡出土、弥生時代、前2〜前1世紀、文化庁蔵)や日本書記にも記された国宝「七支刀(しちしとう)」(古墳時代、4世紀、奈良・石神神宮像)など眼を見張るものが沢山ありました。でも、私自身は、ある程度の知識はあるつもりでしたが、はっきり言って難しかったですね。

 銅鐸一つ取っても、祭司用だと言われてますが、実際にどのように使われたのか諸説あります。

 また、考古学や古代学は、大半は文字がない時代ですから発掘された出土品から想像しなければなりません。専門家なら勾玉一つ見ただけで、色んなことが分かるでしょうが、悲しい哉、素人には限界があります。

 個人的には古代には48メートルの高さを誇ったと言われる出雲大社本殿の縮小版の模型が良かったですね。昨年は、実際に初めて出雲大社をお参りする機会に恵まれたので、感激も一入です。巨大本殿が存在したという証明になる鎌倉時代の宇豆柱(うづばしら)も展示されていました。

 出雲では博物館に立ち寄らなかったので、今回、初めて色んなお宝を見ることができました。

 3世紀になって大和に王権が成立し、巨大な前方後円墳がつくられます。しかし、多くの古墳は文化庁と宮内庁の管轄で、学者でさえ立ち入り禁止されているので、まだまだ未解明な所が多いのです。

◇国譲りで大和が出雲を征服したのか?

 最後のコーナーの年譜を見ていたら、大陸との交流が盛んだった出雲の勢力というか文明圏は弥生時代初期からあり、その一方で、後から大和政権は成立して、「国譲り」で大和が出雲を併合したのは明白に思えました。

 「古事記」は、敗れた出雲の側の立場を描き、出雲のことはあまり触れていない「日本書記」は、大和の側から叙述したものだということをある学者さんは言ってましたが、そう考えると分かりやすいですね。

 いずれにせよ、古墳が考古学者に公開されて、新史実が発見されれば、素晴らしいと思っております。

 この後、遅ればせの新年会が根津駅近くの「駅馬車」という店であるので、地下鉄で行こうとしたら、博物館のチケットの裏を見たら地図が載っていて、歩いて行けそうな距離だと分かり、徒歩で行きました。

 そしたら、参加した赤坂さんも東博を見て歩いて根津まで来たという小生と同じコースだったので笑ってしまいました。

 新年会では赤坂さんは、ピントが外れた唐変木なことばかり発言するので皆の笑い者、いや人気者でした(笑)。

なぜ黒川東京高検検事長は検察トップの次期検事総長に就任するのか?

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 昨晩遅く、名古屋の篠田先生から電話があり、「今日の閣議で、黒川弘務高検検事長(62)の定年退官が半年間延長されることが決定された。今年8月には検事総長になるようだ。酷い人事だね。夕刊はどこもベタ記事しか書いていない。おかしいなあ、一面の左片扱いするべきです。司法記者は何をやっているんだ。もっと書かなくちゃ駄目じゃないか」と一気にまくしたてていました。

 ご安心ください。昨日の首都圏発行の各紙夕刊も、今朝の朝刊も、志のある新聞ならちゃんと書いています。あの読売新聞でさえ、「東京高検検事長、異例の定年延長…IRやゴーン被告事件を指揮」と題して掲載されています。でも、この読売の記事だけでは、黒川さんの人となりがさっぱり分かりませんね。

 会員雑誌「FACTA」は昨年2019年3月号で、安倍政権下で法務省トップの事務次官などを歴任し、「官邸の代理人」「腹黒川」と呼ばれてきた黒川弘務氏が、菅官房長官らに取り入って19年1月18日付で、検察ナンバー2の東京高検検事長になったという「事実」を報告した後、この先、検察官のトップである検事総長に上り詰めるかどうかについては、「検察関係者の間では『黒川総長はない』とする声がもっぱらだ」と、結論付けていました。

 それが1年経って、一発大逆転。黒川氏の定年を延長するという禁じ手とも言うべき「異例の措置」を取ってまで、検事総長にする理由が官邸サイドにあったということになります。

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 朝日新聞も2月1日付朝刊で「高検検事長が異例の定年延長 次期検事総長に就任か 」と書いております。

 検察ナンバー2である東京高検検事長の黒川弘務氏は1957年2月8日生まれで、来週63歳となり、本来なら定年退官になるべきところ、半年間定年を延長して8月7日まで続投。その後は、8月に2年の任期が切れる稲田伸夫氏(63)の後任として検察トップの検事総長(65歳定年)に就任するというものです。

 この記事によると、黒川氏は、捜査畑というより、法務官僚としてのキャリアが長く、安倍政権による共謀罪など重要法案や政策の実現に向けて尽力されたようです。略歴は、東京都出身で、1981年に東京大学法学部卒業となってますから、2浪されたか、留年されたかでしょう。どうでもいいですけど、世代が近いので、どこの高校だったのか知りたいですね(笑)。

 ま、安倍晋三首相の大のお気に入りだということが分かります。

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 しかし、どうも、黒川氏が気に入られたということは、官邸の意向というか、ズバリ、安倍首相にとって、使い勝手が良いから採用されたという側面が強いように見受けられます。そこが問題です。

 行政のトップが、司法トップを意のままに動かせるのなら、独裁と同じでしょう。IR汚職事件など政権にとって「不都合な真実」に対して、「官邸代理人」の司法トップが手を加えたりするようでしたら、北朝鮮なんか批判できないのではありませんか?

 テレビを始め、世間の人たちは、こんな話よりも、昨日行われた沢尻エリカ被告の初公判の方が関心があり、大事なことでしょう。でも、果たしてどちらが重要か?

 沢尻被告の話はいずれ忘れられるでしょうが、黒川氏が検事総長に就任すれば、ボディブローのように末代まで効いてきますよ。

WHOの非常事態宣言は遅すぎる=国際機関はどこか怪しい…

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今日は、自画自賛のお話から始めます。たまにはいいでしょう(笑)。

 この《渓流斎日乗》(もしくは《場郭斎日乗》、または《蛇幕斎日乗》、時たま《激流斎日乗》)の最大のライバルは、昔は大学入試問題に頻繁に使われた《天声人語》だと勝手に豪語しております(残念!永久に認可下りず!)。

 一昨日の1月29日に「『募ったが募集していない』とはどういう意味なのか?=新型コロナウイルスによる肺炎のデマも心配」を書いたところ、遅ればせながら、《天声人語》さんは、今朝31日の朝刊で、やっと「募る/募集する」のタイトルで取り上げていました。遅いですねえ、勝った!(笑)。

 影響力絶大のコラムに向かって、何の影響力のない無名のブログが遠吠えしているだけに過ぎないのですが、後追いされると、森羅万象の中で選び抜いた「目の付け所」が間違っていなかった、と勝手に思い込んでしまいます。

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 とはいえ、日本の大マスコミの報道姿勢に対して、異議を申し立てたくなることがあります。

  世界保健機関(WHO)が1月30日夜(日本時間31日未明)になって、やっと新型コロナウイルスによる肺炎について「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」と宣言したことです。遅すぎやしませんか? 私はすでに、一昨日29日の時点で「WHOは何をやっているんでしょうか。いまだに『緊急事態宣言』を発令しないのは、『出すな』という中国からの圧力と、分担金の多い中国を配慮しているからではないかというまことしやかな噂が流れています。WHO事務局長も何となく…。いや失礼、失礼、伝聞を書いてはいけませんね」と書きました。 29日の時点では、日本のマスコミはどこも私のようにWHOに対して批判的なことは書かず、正直、情報収集能力に欠ける私自身はこのように「憶測」でしか書けませんでした。

 そしたら、どうでしょう。仏の高級紙「ルモンド」が 29日の紙面(日本時間30日)でWHOが緊急事態宣言を出さないよう「中国が圧力」をかけていたと報じたというのです。 私の個人的な憶測は間違いではなく、やはり、そうだったんですか。本日の米ニューヨークタイムズ紙には、中国がコロナウイルスの国内感染をWHOに報告したのは昨年の12月31日だったと書いていますね。

  それなのに、WHOのトップ、テドロス事務局長は30日のジュネーブでの記者会見で 「中国政府は感染拡大阻止に並外れた措置を取った」と桁違いな「中国賛辞」を繰り返したそうじゃありませんか。テドロス氏は、エチオピアの保健相や外相を歴任し、2017年にWHO事務局長に就任したようですが、エチオピアと言えば、昨今は、中国からの巨額の投資に全面的に頼っているという報道ばかり目立ちます。となると、何か、「怪しい」と思わなければならないのに、日本の大手メディアはどこも取材しようとせず、WHOの批判的記事なぞ一切書いたり報道したりしませんでした。

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 そもそも、日本人は国際機関となると盲目的に全幅の信頼を寄せすぎます。United Nations =国際連合=国連なんて、はっきり言って誤訳で、「第2次世界大戦 戦勝国連合」が正しいはずです。少し言い過ぎですが、戦勝国による戦勝国のための団体です。WHOも国連の専門機関ということですから、中国を含めた戦勝国の思い通りの機関と疑っても大きく外れてはいないことでしょう。

 また、このような国際機関の職員の手当が、想像を絶するほどの超高額だと言われているのは、信頼に値する情報でしょう。国連にせよ、IMFにせよ、EUにせよ、わざわざ公表しないでしょうが、そのトップは年収5000万円は下らないでしょう。まあ、どうでもいい話ですが。

 どうでもよくない話は、最高権力者や大国の横暴で正確な情報が隠蔽されたり、発令が遅れたりして、死者が増大し手遅れになることです。

京都・相国寺の承天閣美術館で「茶の湯・禅と数寄」展が開催中=宗旦狐の逸話も面白い

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おはようございます。京洛先生です。

 ワタシが勧めた「藝術新潮」2月号を購入され一読されて、「軽薄だ!」と厳しいご指摘ですが(笑)、世の中、すべてが軽佻浮薄です。貴人のように物事をナンデモ真正面から真面目に受け止める人は、生きにくいご時世です。もっと、生半可にいい加減にならないとノイローゼ、不眠症に陥りますよ(笑)。

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 ところで、中国・武漢の「急性肺炎」で、中国をあてにしている業界、企業は大慌てですね。株価も下降線に入りました。恐らくすぐ解決できることではなく、今夏の東京オリンピックも影響を受けると思いますね。特にその対応が「人の集まる場所に行かない方がいい!」ということでは、「景気」の落ち込みは半端じゃないですよ。「東京五輪後に不況がやって来る」と予測するエコノミスト、評論家はいましたが、これでは「東京五輪前に不況がやって来る」と言うことになりますね。

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 消費増税で消費が減速し、デパート、コンビニなどの業界では既に売り上げが大きく落ち込み始めているのですから、尋常じゃありません。

 1月28日(火)には、武漢に行ったこともない奈良在住の運転手が、武漢から来たツアー観光客を乗せて運転し、新型肺炎に感染したという事が分かり大騒ぎになっています。

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 京都、大阪、東京と中国人観光客が多いところは、日本国内での感染にこれまで以上に神経をとがらせことになります。

 洛中も新年になり、中国人観光客がめっきり減りました。その分、静かになり、煩くない分、地元住民は、ほっと一息つきますが、これから、新型肺炎の感染騒ぎを考えると憂鬱になりますね。

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 そんな世間の動きとは別に、以前、南青山の東京別院に渓流斎さんが参禅に行かれた京都五山の一つ「相国寺」に1月29日(水)の昼下がりぶらっと出かけてきました。
 同寺の境内にある承天閣美術館で「茶の湯・禅と数寄」展が開催中(3月29日まで)で、それを覗いてきたわけです。

 この展覧会は、昨年10月~12月は「Ⅰ期」、新年1月11日から「Ⅱ期」と、二回に分けての長期の開催です。Ⅱ期は、無学祖元の国宝「墨跡」(鎌倉時代、相国寺蔵)、明の永楽帝が足利義満におくった国宝「明永楽帝勅書」(室町時代、相国寺蔵)など、展示数は少ないですが、“禅と茶”、“権力者と茶”、“数寄者と茶”の関係がよく分かる品々が並び、充実した展覧会でした。

京都・相国寺 Copyright par Kyoraque-sensei  

しかも、平日なので来館者も、少なくゆったり見られるのは好いですね。

 展示品の写真撮影は不可ですが、相国寺の境内は御覧の通り、静寂で南天が咲いていたり、梅の枝には早くも梅の蕾が膨らみはじめ季節感を味わいました。

相国寺 宗旦稲荷 Copyright par Kyoraque-sensei  

 同寺の専門道場そばの“宗旦狐”を祀る「宗旦稲荷社」にも参って来ました。ここで伝承されている「宗旦狐」の謂れについてはリンクを貼っておきます。

 逸話は面白いでしょう。

 以上

「募ったが募集していない」とはどういう意味なのか?=新型コロナウイルスによる肺炎のデマも心配

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ここ一週間は、新型コロナウイルスによる肺炎騒ぎで、ニュースはその話題一色です。

 最初は、「大したことはない」「大したことはない」「ヒトからヒトへ感染しない」と言っておきながら、あれよあれよ、と感染が広がり、1月28日の時点で、 中国では死者132人、感染者5974人 という有り様です。これで、2002~03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)感染者数 5327人= 世界保健機関(WHO)調べ=を超えたことになります。

 海外でも50人以上の感染者が報告され、 特に、昨日になって、武漢からの中国人観光客を乗せていた奈良県の観光バス運転手が感染し、ついにヒトからヒトへの感染が日本でも初めて確認されたことから大きなニュースになりました。

 WHOは何をやっているんでしょうか。いまだに「緊急事態宣言」を発令しないのは、「出すな」という中国からの圧力と、分担金の多い中国を配慮しているからではないかというまことしやかな噂が流れています。WHO事務局長も何となく…。

 いや失礼、失礼、伝聞を書いてはいけませんね(苦笑)。ただ、このまま死者、感染者とも増え続けていくと、極端主義者や宣撫活動家が徒に不安や恐怖を煽って、人々がパニックに陥らないか心配です。一刻も早く鎮静化してほしいものです。そのためにも、正しい情報の発信が望まれます。特に、公的機関や政府関係者からの発言は厳格にしてもらいたいものです。

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 政治家についても、彼らは、発する言葉が全てだと言っても過言ではないのに、昨日の国会・衆院予算委員会での安倍晋三首相の答弁には呆れましたね。 例の首相主催の「桜を見る会」を巡り、安倍首相の地元の後援会事務所が、「功績」や「功労」に関係なく事前に参加者を募集(後援会員なら誰でも自由に)していたことから、野党から税金を投入した公的行事の私物化ではないかと指摘されると、安倍首相は「幅広く募ったが、募集はしていない」と言い放ったそうですね。なんじゃらほい、ですよ。

 こんな言い方が許されるのなら、

 罪を犯したが、犯罪はしていない。

 明らかに言ったが、明言はしていない。

 ウイルスは広がったが、拡散はしていない。

…などと言っているようなものですよ。

 「真摯に反省」し、「誠意に対応」することを信条とする日本の最高権力者があんな発言をすれば、公的機関による発表も疑いたくなります。でも、あんな発言をしても優遇された後援会による強いバックアップで支持率は変わらず、政権は安泰ですから、こんなブログを書いても、馬耳東風であり、何の突っ張りもないことは確かです。

 嗚呼、場郭斎。

 

継体天皇は新王朝なのか?

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「今、東博で『出雲と大和』展をやってますね。『芸術新潮』の今月2月号が、日本書紀を特集していますから、それを読んで展覧会に行かれたら分かりやすいんじゃないですか」との京洛先生からのお薦めがあったものですから、万難を排して本屋さんに行って買い求めて来ました。

 何しろ、今年2020年は「日本書紀」が編纂されてちょうど1300年という記念の年ですからね。

 で、読み始めたのですが、「嗚呼、こりゃあ駄目だあ~」となりました。特集「ラノベ日本書紀」のラノベの意味も分からず買ってしまったのですが、これは、どうやらライトノベルの略らしく、恐れ多くも畏くも天皇陛下の歴代記録をライトノベルにアレンジしてしまっていたのです。ライトとは若者向きの「軽い」読み物ということになるんでしょうけど、「軽妙」ならまだしも、「軽薄」気味で、2~3行読んですぐ嫌になりました。推測に過ぎませんけど、戦前なら不敬罪になりかねない、かもしれませんよ。とにかく、買って損しました(苦笑)。

 新潮社の編集者のレベルとまでは言いませんけど、センスが落ちた気がしました。いや、真相は、現代人である読者のレベルが落ちたのでしょう。岩のように堅くて難解な教養主義では、雑誌は売れないんですからね。

 これらはあくまでも個人的な見解ですが、もう一つ、この特集で波長が合わなかったのが編集者の質問に答える形で、「ここが知りたい!日本書紀」で「解説」を担当している遠藤慶太皇學館大学教授(1974~)です。 例えば、第26代継体天皇について。後継ぎのなかった武烈天皇が崩御したため、 大連(おおむらじ)の大伴金村と物部麁鹿火(もののべのあらかび)らによって、近江生まれで(母親の実家の)越前育ちの男大迹(おおど)王 が推挙されて即位したことから、学問研究が自由に解放された戦後になって、「それまでの王朝とは血縁関係のない新王朝」とか「越前王朝」といった新説が出ました。

 侃々諤々の論争が続いているのに(いまだ決着せず)、 遠藤教授は「(日本書記では継体天皇の)出自は応神天皇から5世の孫、彦主人王(ひこうしのおおきみ)の子とあるだけ。…それ以前の王朝とは血縁関係を否定する意見が多数派ですが、裏付けに乏しく、 私などは、あえて主張するほどの近さでもないのに、わざわざそう書くのだから、素直に5世の孫と受け止めていいのではと思っています」と、アッサリとまとめてしまっています。

 それなら、「5世の孫」とはいっても、系図が失われているので裏付けがなく、この論争は史料がみつからない限り、決着がつかないでしょう。でも、そこが古代史の面白さとも言えます。

 他にもありますが、長くなると、文句が百出して、読まれませんのでこの辺で(笑)。

 【後記】

 三浦佑之・千葉大名誉教授による「神話でくらべる古事記と日本書記」は大変勉強になる論考でした。この論文を読めるだけでこの雑誌の価値はありました。簡単に要約すると、古事記は、出雲の神々の滅びに対する哀悼や鎮魂を語ろうとしている印象を受けるのに対して、日本書記は、国家の正史として、王権の側の視点で出来事を叙述しようとする意図を強く感じるといいます。日本書記では、古事記で大きな分量を占めていた地上の王オオクニヌシの物語を意図的に削除したのが丸見えで、いびつな流れになっている、とまで指摘するのです。なるほど、そういうことだったのですか。「国譲りの物語」とは、やはり、大和朝廷が最後の強大な豪族「出雲」を征服する物語だったということなのでしょうね。

みすず書房を創った人、小尾俊人

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 岩波書店の岩波茂雄、筑摩書房の古田晃、三笠書房の押鐘富士雄、青春出版社の小澤和一、大和書房の大和岩雄…と、どういうわけか、出版社の創業者には長野県人が多いのです。長野県は、熱心な教育県で、真面目で忍耐強い人が多く、悪く言えば(笑)頭でっかちの教条主義者を多く輩出し、「日本のドイツ」の異名を取るぐらいですからね。

 忘れてはならない長野県出版人には、他にみずず書房を創業した小尾俊人がいました。私も学生時代から大変お世話になりました。当時の学生の間でよく読まれたバートランド・ラッセル、レヴィ=ストロース、メルロー=ポンティ、ロラン・バルトなど高くて買えず、背表紙を眺める怠惰な学生ではありましたが、図書館で借りて読んだものでした。

 また、長じでからは、ゾルゲ事件にはまり、みすず書房から出ている「現代史資料」は必需品でした。その編集・解説者として小尾俊人(1922~2011)の名前は自然と覚えましたが、この方の経歴にまで興味が及ぶことはありませんでした。

 それが、最近、この方の評伝が出て、「渓流斎はんや、この本、読まなきゃいかんぜよ」という土佐方面からのお薦めがあったものですから、早速手に取ることにしました。

 宮田昇著「小尾俊人の戦後 みすず書房出発の頃」(みすず書房、2016年4月25日初版)という本です。著者の宮田氏(1928〜2019)は早川書房などを経て、版権などを扱う日本ユニ・エージェンシーを創立し、翻訳関係の本を多く出版している方でした。生前から小尾俊人と長期に渡って接点があった人です。

 それでも、小尾俊人の人となりについてはわずかしか知らず、彼の生涯はどういうものだったのか、小尾俊人の生地である長野県諏訪郡豊平村上古田(かみふった)などを何度も訪れて、辿っていくのがこの本です。

 正直、大変失礼ながら、個人的に、著者の宮田氏の文章は、読みにくくて、すっと頭の中に入って来ず、難儀しています。悪文ではなく、私との相性が悪いというべきか(笑)、こちらの理解力が足りず、スラスラ読めないというのが真相でしょう。というわけで、まだ400超ページ中200ページぐらいしか読んでいないのに、拙速にも、この本を取り上げることをお許し頂きたい。何しろ、意外と知られていない「真実」が、この本では掘り起こされているからです。

 まず、取り上げなければならないことは、小尾俊人は、昭和15年に岡谷工業高校卒業後、18歳で上京し、同郷の岩波書店入社を希望したものの叶わず、創業者の岩波茂雄から紹介された羽田書店に入社したことです。

 この羽田書店とは、元首相の羽田孜(1935~2017)の父親の羽田武嗣郎(はた・ぶしろう、1903~79)が岩波茂雄の薦めで起こした出版社でした。この羽田武嗣郎という人は面白い人で、師範学校の校長を定年で辞めた後、バス会社「和田嶺自動車」を創業した貞義を父に長野県和田村で生まれ、東北帝大では漱石門下の阿部次郎に師事し、卒業後は東京朝日新聞の政治記者になり、その後、政治家に転身した人でした。

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

小尾俊人の父栄は、島木赤彦に師事した歌人で、南信日日新聞や信陽新聞の歌壇の選者でした。

 こんな感じで、色んな著名人や関係者が出てきます。

 ロマン・ロラン全集などを世に出した創業当初は、みすず書房ではなく、信濃にかかる枕詞「美篶(みすず)刈る」から取った美篶書房だったことも初めて知りました。

 小尾俊人は、経営者というより、根っからの編集者で、日々の勉強を怠らず、あの丸山眞男からも一目置かれていたようです。小尾の目利きで、ロングセラーになったフランクルの「夜と霧」を出したことは知ってましたが、芥川賞を受賞した小島信夫「アメリカ・スクール」と庄野潤三「プールサイド小景」まで、みすず書房だったことをこの本で知りました。

 先に書いた通り、みすず書房=小尾俊人が海外から日本に紹介した学者、作家は、ロマン・ロラン、バートランド・ラッセル、レヴィ=ストロース、メルロー=ポンティ、ロラン・バルト、ミシェル・フーコー、ユング…と数知れず。今や死語になった教養主義の金字塔を打ち立てた人だったことは間違いありません。

 しかも、お金も学閥もない、長野県の田舎から出てきた一介の無名の青年が、「志」一つで、ここまで大きな仕事を成し遂げたことは、まさに奇跡に近い感じがしました。

今や、学生でさえ本を読まなくなり、金融工学が世界を支配してカネだけが全てになり、教養主義が蔑ろにされる時代になったことから、今後、採算を度外視し、志だけを信念に仕事をする小尾俊人のような人間が出ることはないでしょう。