「日本会議の正体」

目黒不動尊(目黒とは、眼が黒いのではなく、馬の畔道という説があり、ビックリ)

松居一男です。この度は、世間の皆様にはお騒がせ致しました。

さて、青木理著「日本会議の正体」(平凡社新書)を読了しました。

この本は、菅野完著「日本会議の研究」(扶桑社新書)と対をなすもので、性格もアプローチの仕方もちょっと違います。

菅野本が、地を這うようにして泥んこになりながら、この安倍政権に多大な影響を与えている右翼団体の実体を探ろうと格闘している様がよく現れているとしますと、大手マスコミ出身の青木本は、最初から大きなハンディをもらい、余裕で大所高所から俯瞰的に論じている感じです。

菅野氏は一人で格闘していたのに対して、青木氏は、出版界では有名で優秀な編集者の「金澤君」(小生もお会いしたことあります=笑)を引き連れたり、週刊誌「AERA」の連載を語り、主語も「私たち」だったりします。(新潮社新書の編集者安河君も頑張らなければいけませんね)

菅野本は、ほぼ「生長の家」一色なのに対して、青木本は、海外の論調にも目配りし、もっと全国規模の右翼団体の緩やかではありますが、緊密な連係と歴史を描いております。

どちらかと言えば、後世の資料的価値があるのは青木本ですが、独特の文体の菅野本は、推理小説を読むような謎解きの部分があり、面白さではこちらに軍配が上がりました。

いずれにせよ、両方読めば、貴方も日本会議通になれることは間違いないでしょう(笑)。

本居長世の碑

例によって、青木本を備忘録として換骨奪胎で引用しますとー。(著者に倣って敬称略、肩書等はいずれも当時のもの)

●日本会議は1997年5月30日、有力な右派団体「日本を守る国民会議」と「日本を守る会」が合流する形で産声をあげた。

●前者の「国民会議」1981年に発足。議長は加瀬俊一(外交評論家)、運営委員長は黛敏郎(作曲家)。主な役員は、清水幾多郎(学習院大学教授)、江藤淳(評論家)、瀬島龍三(伊藤忠商事会長)、井深大(ソニー名誉会長)、塚本幸一(ワコール創業者)、百地章(日大教授)、大原康男(國學院大教授)ら。

※他に世間では有名な右翼論客がほぼ全員参加しておりますが省略。百地さんは、菅野本でもよく出てきた生長の家筋。ソニーの井深さんは意外でした。

●後者の「守る会」は1974年、主に右派系の宗教団体を中心に結成。呼び掛け人は、鎌倉円覚寺貫主などを歴任した臨済宗の朝比奈宗源。彼は、尾崎行雄や賀川豊彦らと「世界連邦運動」などを繰り広げた。代表委員などの役員は、伊達巽(明治神宮)、谷口雅春(生長の家)、富岡盛彦(富岡八幡宮)、蓮沼門三(修養団)、安岡正篤(陽明学者)ら。

※いわゆる屋台骨の生長の家など新興宗教だけでなく、既存の伝統宗教もかなり入会しておりました。この中での注目は、修養団の蓮沼さんですね。私も渓流斎ブログ2017年2月10日付「蓮沼門三~修養団~フジタ」で、この方について、詳しく触れております(笑)。

●15年4月現在、日本会議の会員は、約3万8000人。年会費1万円。維持会員3万円、篤志会員10万円、女性5000円。

※女性にやさしい。

●全国に8万数千社ある神社の90数%を束ねる「神社本庁」が結成した神道政治連盟(神政連)国会議員懇談会のメンバーは、衆参両院合わせて304人。(衆院223人、参院81人)

●JR原宿駅近くの一等地にある明治神宮は、内苑と外苑を合わせて数十万坪の敷地を所有し、神宮球場や結婚式場の明治記念館、テニスクラブ、ゴルフ練習場などで、グループ子会社の年間売上高は約110億円(「ダイヤモンド」2011年7月2日号)。

※財政が苦しい日本会議の頼みの資金源になっているようです。

●海外メディアは日本会議のことを「極端な右派」(米CNN)、「極右ロビー団体」(豪ABC)、「強力な超国家主義団体」(仏ルモンド)などと報道。

※欧米メディアの報道が正しいとは限りませんが、日本のメディアが報道するはるか以前からかなり辛辣な色眼鏡で日本会議には注目していたようです。

と、ここまで書いていたら、都議会選挙で自民党が歴史的惨敗に終わったことから、早くも「潮目が変わった」との報道のオンパレード。

世の中の速い動きにはついていけましぇん。

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