勝毎花火
公開日時: 2007年8月9日
加藤廣著「明智佐馬助の恋」を読了し、これで、やっと加藤氏の「信長の棺」「秀吉の枷」上下と合わせて「本能寺三部作」を読み終えることができました。
最初に織田信長がきて、続いて豊臣秀吉、それなら3部作の最後は徳川家康かな、と思ったら、最後は、明智光秀の娘婿が主人公だったです。おめでたい私は、何故明智なのか、最初分からなかったのですが、著者の加藤氏は「明智左馬助の恋」の後書きで、種明かしをしています。
同じ主題(ここでは「本能寺の変」)を3つの角度から複合的に捉えて、その立体像を明らかにして歴史的真相に迫る。これは、黒沢明監督の映画「羅生門」(原作は芥川龍之介「藪の中」)と井上靖の「猟銃」から手法を学んだということを書いています。東京空襲を経験した著者は、3点からサーチライトを照らして敵機を捕らえて撃墜していたことを見た経験を語っています。著者曰く「三次元自動焦点」方式です。
本能寺の変という歴史的ミステリーは、信長の遺体が忽然と消え、遥か彼方の中国地方で毛利軍と対峙していたはずの秀吉が、他の武将よりも逸早く情報をキャッチして、「中国大返し」と呼ばれるアクロバチックな帰還で、光秀を山崎の合戦で打ち破って、天下を取ってしまうのです。それはどうしてなのか、なぜそんなことができたのか、というものでした。
この3部作を読んでいない人は、この先、読むとつまらなくなるのでやめておいた方がいいと思いますが、加藤さんは、信長暗殺を、秀吉「主犯」、光秀「未遂犯」説を採っています。
いやあ、面白かったですよ。著者の執筆の基本姿勢は「勝者に悲哀を、敗者に美学を」ということですから、今、逆境にいる人が読んだら、随分、救われると思います。
特に、私がこの中で一番面白かったのは、「秀吉の枷」の上巻ですね。秀吉の諜報活動が事細かく分析されていますが、まさに情報は力なり、情報収集能力の差で天下を取った証左をまざまざと見せ付けてくれます。
昨日の答え
1、ハンブルパイ
2、ブラックサバス
3、マウンテン
4、アニマルズ
5、新聞広告