山崎朋子さん

かんの温泉

今晩は、ノンフィクション作家の山崎朋子さんと銀座でお会いしました。山崎さんから先週「お渡ししたいものがあるのですが…」という電話を受け、ジョンとヨーコが雲隠れした例の喫茶店「樹の花」で待ち合わせしたのです。

「お渡ししたいもの」とは何だと思いますか?

秘密にしたいので、コメントを戴いた方にだけお教えしましょう。

山崎さんとは、本当に色んな話をしました。座を代えてすぐ近くの穴場の居酒屋「中ぜん」で4時間くらい粘ってしまいました。山崎さんはお酒は召し上がらない人なのに、私が一人でパカパカ飲んでいるものですから、ほんの少しだけ付き合ってくださいました。

山崎さんはもちろん、パソコンもしませんし、携帯も持っていません。ブログも知らないかもしれません。だから、好き勝手に書こうと思えば書けるのですが、そこまでしようとは思いません。

三国連太郎さんのこと、田中絹代さんのこと、栗原小巻さんのこと等色々お伺いしましたが、書けないこともたくさんあります。

書けることは、今度、山崎さんの代表作の「サンダカン八番娼館」が、カンボジア語に翻訳される話があるが、今許諾しようか、しまいか迷っているという話です。

山崎さんは、本当に好奇心の塊みたいな人です。これだけ有名な方ですから、皆さんも簡単に彼女の実年齢を調べることができるでしょうが、まだまだ少女のあどけなさが残る純真な人です。これだけ、世間に揉まれながら純真さを失わないのは人類史上稀有なことだと思います。

何か奥歯にモノが挟まったようなモノ言いで恐縮ですが、彼女は作家でありながら、ゼネラルプロデューサー、つまり仕掛け人でもあるのですが、その自覚がほとんどありません。行き当たりバッタリ、という言い方は失礼なのですが、ぶつかった対象相手にトコトンぶつかって、それが、文学作品になろうがなるまいが関係ない。ですから、メモも取らず、テープにも録音しないそうです。全く作為がないのです。

「私の名前は朋子ですから、一度、お友達になった方は、相手が嫌で離れるまでずっとお付き合いします」

なかなかの人です。

彼女に興味を持った方は、彼女の「サンダカンまでー私の生きた道」(朝日新聞社)

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4022576782/503-8476322-6834359?v=glance&n=465392

をご参照ください。