熱田さんを偲ぶ会

 ミラノにて

昨晩は銀座のコリドー街の「HIDORI」で、『熱田さんを偲ぶ会』。

出席したのは、熱田さんの1年後輩だった須本誓子さん、親友でフリーランスライターの綿貫啓子さん、3年後輩で通信会社勤務の大野晶子さん、先輩の岩田亨さんと私の5人。先輩の木田脩さんも出席する予定でしたが、「すっぽかし」。予約していたおかげで、彼の分まで、皆で分担して払わなければならなくなってしまいました。(すべて仮名)

木田さんは、いい加減な人で、いわゆる時間や約束は守らないというか、普通の人よりあまり深刻に考えない人です。何しろ大作家のインタビューを「忘れてしまって」すっぽかした人ですから。ただ、全く作為や悪気がなく「憎めない人」なので、皆から好かれています。世の中、こういう人もいるものです。

昨晩、出席した岩田亨さんもそういう感じの人でした。約束こそ覚えていて、すっぽかしたりはしませんが、話す言葉に実行が伴いません。素晴らしいいい話ばかりしてくれます。先日も道端でばったり会って「臨時収入が入ったから、あなたにはお世話になったから今度ご馳走するよ。こっちから必ず連絡するよ」と言うので、楽しみに待っていたのですが、待てど暮らせど連絡してきません。本人はとっくにそんなことを言ったことを忘れてしまっているのでしょう。ただ「言った」だけで「実行する」とは言わなかっただけの話でした。

今回、彼が出席したのは、私の方から、岩田さんに連絡して来てもらったのです。かつて、熱田さんの上司でもあったからです。でも、すぐに、彼を呼んだことを後悔してしまいました。昨晩は殆ど、彼が一人でしゃべりっぱなしで、「独演会」になってしまったからです。しかも、会社には、ほとんど「無試験」で入社した話や、自分の娘が中高一貫のお嬢様学校に通っていて、忘れ物をすると、父親自らが学校まで届けに行くといった他愛のない、聞きたくもない自慢話ばかりでした。

熱田さんの友人後輩の方々は、皆、一流大学を卒業して海外経験も豊富なバリバリのキャリアウーマンで、「男中心社会」に対して盛んにアンチテーゼの弁舌を振るっておられ、私は黙って聞いているしかありませんでした。

ということで、ずっと聞き役に回ったおかげで、熱田さんのことをあまり話すことができず、何となくフラストレーションが溜まってしまいました。酒席とはいえ、岩田さんと違って、自分の発言したことは、少しは実行を伴わなければいけないと考えてしまったせいかもしれません。

熱田さんの意外な幅広い交友関係を聞くことができましたが、一期一会の会になるでしょう。