努めて明るく前向きに

米国パーデュー大学などが最長12年間にわたって調査した結果によると、性格が穏やかな人の方が神経質な人よりも長生きするそうです。

同大学のムロザク准教授は「血圧を下げようと心掛ければ、心臓発作のリスクが減るように、性格を円くしようと考えれば、死を避けられる」などど面白いことを言っています。

心掛け一つで長寿が約束されるのなら、これほど安上がりのアンチエイジングもないですね。何があっても、「決して怒らず、いつも静かに笑っている」。努めて明るく前向きに過すしかないようです。

そういえば、「世の中に存在する悩みは大したことはない」という人がいました。

確かに人間ですから、悩みのない人はいないでしょう。嫁姑の問題、子供の非行、夫婦関係の危機、進学就職結婚問題、遺産相続、倒産転職、病苦、多重債務、容姿、疎外感、虐め、絶望、愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦…

本人にとっては、地獄の苦しみでしょうが、ただ、健康で、明日の食べ物のことで心配することなく、雨露をしのぐ寝所を確保さえできれば、これほど幸せなことはない、ということをその人は言いたかったようです。

要するに、これらの四苦八苦の悩みは、そもそも人間に生まれてきたからには解決できないものなのです。

となると、悩まないのが一番なのです。

それでは、悩まないためには、どうしたらいいのでしょうか?

私は、一人のプロ野球の老監督のことを思い出しました。この人は、功なり名を遂げて既に鬼籍に入られた方ですが、四六時中、野球のことばかり考えていました。ゲーム、練習中はもちろん、夜の街に繰り出してグラスを傾けている間でも、話すことは野球のことばかり。まさに寝ても醒めても野球のことばかり考えていました。

1年365日、野球のことばかり、考えていたのでは、悩むことを考える暇はないでしょうね。もちろん、老監督も人間ですから、人並み、いやそれ以上に悩みはあった(存在)でしょうが、考えの中に悩むが入り込む隙がなかったのではないかと推測しているのです。

やはり、解決などできないのですから、底なし沼の泥に足を取られる前に、悩まないのが一番なのです。

私はそう考えています。