賄賂

 帯広動物園

お中元の季節ですね。

私は、基本的に中元も歳暮も賄賂だと思っています。ですから、親しい人には贈りません。いや、親しくない人にもあまり贈りません。一応、サラリーマンなのですが、会社に入って20年以上、贈ったことがありませんでした。

 

それが、あることがきっかけで、贈ることになったのです。Xさんからのアドバイスでした。「贈ってごらんなさい。その人の意外な一面が分かって面白いですよ」というのです。

 

それで、試してみました。黙って受け取る人。贈られたら、すかさず贈り返してくる人。「もう、こういうことはやめてください」という人。本当にさまざまでした。しかも、そういうことを言いそうな人が、黙って受け取り、どう見ても悪っぽい人が意外と潔癖で、「こんなことやめようよ」と言ってきたりしました。

確かに意外な一面が分かりました。

加藤廣著「秀吉の枷」(日本経済新聞社)には、羽柴秀吉の桁違いの「お歳暮」のことが事細かに明らかにされています。もちろん、贈答先は織田信長です。

天正九年十二月二十二日のことです。

信長への献上品は、御太刀一振、銀子一千枚、御小袖百、鞍置物十疋、播州杉原紙三百束、なめし革二百枚、明石干し鯛一千枚、クモだこ三千連。これに織田家の女房衆に進呈する小袖が二百点。(中略)これらが秀吉の安土城外の外屋敷を出発して安土城に向かったのが夜明けである。(中略)しかし、先頭が門をくぐったのに、末尾の荷駄はまだ秀吉の外屋敷を出ていなかった。これだけでも秀吉の歳暮戦略は天下に鳴り響いた。

やはり、百戦錬磨の歴史上の人物は桁違いです。