高過ぎるこの国の携帯料金

 私の友人に田辺君がいます。
 幼馴染なので、彼の性格や好みを知っています。滅多に表に怒りをあらわにするタイプではありません。

 それが珍しく怒っているのです。

 彼は、この夏、大きな手術をして三ヶ月ほど入院していました。その間、パソコンが使えなかったので、お見舞いに来た彼の北の政所に、つい譫言で、「退院しても、当分、パソコンは使えそうもないから、Wifiを解約した方がいいかなあ」とつぶやきました。

 彼の北の政所は、せっかちで有名です。早速、彼の契約しているソフトバンク系の「Y!モバイル」を解約したのです。

 4月に契約したばかりだったので、彼も違約金を取られることを知っていたのですが、退院して請求額を見て吃驚。8月、9月、10月の三カ月間使っていないのですが、当然ながら、毎月、基本料金とモバイル機器分割代として4319円天引きされていた上、さらに、「2年契約」の途中解約ということで、違約金と機器分割代の残りを合わせて4万5075円も分捕られていたというのです!(正確には銀行の引き落としは来々月まで)合計6万円近くもの大金を溝に捨てたようなものです。(ちなみに返却された機器を使って、SIMカードだけ、再契約しようとしたら、ショップの人から「そういう契約はありません。また新しくモバイル機器を購入してもらいます」と、いけしゃあしゃあと言われたそうです)

 「誰が再契約するものか!人の弱みにつけこんで、阿漕な商売をするなあ。ソフトバンクなんて、大嫌いになったよ」と、顔を真っ赤にする田辺君。このあと「もう、プロ野球も応援しないし、ソフトクリームも食べない」と、訳の分からないことまで言い出すのです。

 そういえば、私にも似たような話があります。私の場合は、ドコモです。2年ほど前のことです。A社のスマホの月額の請求が一万円を超えるので、ドコモショップに行き、「もっと安くなる契約はありませんか」と、尋ねたところ、「それなら、ガラケーを音声専用にして、スマホをネットとメール用にすれば、毎月2000円ぐらい安くなりますよ」と、言うではありませんか。

 私は、それはいい考えだと賛同して、B社のスマホとC社のガラケーを契約したのです。なるほど、確かに数ヶ月は、7000円代、8000円代で、2000円ぐらい安くなりました。

 しかし、そのうち、また一万円を超える月も出るのです。それに、携帯が2台あるのは使いずらいし、面倒臭い。解約したいと思ったところ、「2年縛り」条件で、途中解約すると、また違約金を取られます。仕方ないので、解約は、契約が切れる来年4月まで待つことにしました。

 この国の携帯の通信料金の契約は複雑です。それに、何と言っても、高過ぎると思いませんか?