オレオレ詐欺師に重罰を!

明治18年創業 新橋「むさしや」

早速、京都方面から飛脚便がやって参りました。

「渓流斎さんとやら、酒卸の岡永も知らなかったのですか?! 自称探訪記者も失格ですね」

はあ、おっしゃる通りです。

「岡永とSECOMとの関係も有名ですよ。その昔、飯田亮セコム最高顧問にお会いして、色々お話を伺ったことがあります。彼は若気の至りで最初は色んな商売に手を出して、ご尊父から『馬鹿野郎、商いは儲かればいいというもんじゃない。商いは信用が第一だ。一度、信用を失うともう二度と取り返しがつかないんだぞ。この恥さらしが!』と散々怒られて、今の警備会社を始めたのですよ」

はあ、なるほど、そうだったのですか。

「酒卸とはいっても、口銭商売ですから、一つ一つ積み重ねて、地道の努力で販路を広げて、信用第一で商いを広げてきたわけです。今のIT長者とはわけが違いますよ」

なるほど、なるほど。

「セコムの飯田最高顧問も、当時お会いした頃は、青年実業家として日の出の勢いで業績を伸ばしていた頃でした。若くてバイタリティーに溢れていました。いわゆる太陽族世代ですからね。それが、今や八十半ばになるのですからね。時間が経つのは早いもですよ」

なあるほど。

三軒茶屋 教学院

先日会った友人の岩本君から、とんでもない話を聞きました。

いわゆるオレオレ詐欺です。最近の犯罪はさらに巧妙化して、老人をコロッと騙してしまうのです。

彼の70歳代後半の老母に、ゆうちょ銀行員を名乗る男から電話がかかってきました。「最近、カード犯罪が多発して、パスワードが盗まれている。オタクもパスワードを変更した方がいいですよ」と優しくアドバイスしてくれたそうです。

すっかり、慌てて動揺してしまった岩本君のご母堂は、これで完全に犯人の罠にはまってしまいます。

犯人は、「こちらで、操作してパスワードを変更しますから、言ってください」と誘導尋問をするのです。ご母堂は正直に答えてしまいました。

続いて犯人は「預貯金は、ウチのゆうちょ銀行だけではないでしょう?この際、他の銀行の方もパスワード変更の手続きをしますから、お伝えください。これは、貴方様だけの特別サービスで無料でさせていただきますから大丈夫です」と言うではありませんか。

すっかり、相手の親切心に感動したご母堂は、犯人に言われるまま、全部の銀行のパスワードを教えただけでなく、この後、犯人が自宅にまで派遣した銀行員の格好をした手下に銀行カード5枚も渡してしまったというのです。

これで、後で分かったのですが。その日のうちに合計500万円も降ろされてしまいました。

夜遅く帰宅した岩本君が話を聞いて、夜中なのに、全ての銀行に電話して、カードをストップしてもらいましたが、500万円は手遅れでした。

もちろん、警察に届けましたが、詐欺にあった金額が丸々返ってくるかどうか…まず、泣き寝入りになってしまいそうです。

オレオレ詐欺のニュースは度々目にも耳にもしますが、こんな身近で起きるとは思いませんでした。犯人集団は、恐らく、騙されやすい老人の自宅住所と電話番号のリストを持っているということなのでしょう。

政治家の皆さんには、人権侵害するような変な法律を作る前に、こんな身近な、何年経っても減らないオレオレ詐欺の取り締まり強化と重罰化する法律改正に力を入れてほしいものです。

不逞の輩は、良心の呵責に駆られることなく、皆さんのすぐ隣で歩いているわけですから。