中村京蔵独演会「舞踊の夕べ」=「現在道成寺」と「京鹿子娘道成寺」を鑑賞してきました

 昨晩は久しぶりに舞台を鑑賞してきました。

 歌舞伎役者では今や唯一の友人とも言える中村京蔵丈の独演会「舞踊の夕べ」です。かつて、演劇記者の頃は月に数回は訪れていた東京・半蔵門の国立劇場(小劇場)にも久しぶりに足を運びました。

 半蔵門駅からこの国立劇場に行く途中に、2メートルは超す高い塀に囲まれた広大な敷地の超豪邸がありましたが、どなたのお住まいなのでしょうか?今まで気にも留めていませんでした(笑)。近くに警察官が常時待機する駐屯所があるので、民間人ではないような、ある程度想像はつきますが…。

おっと、中村京蔵丈の舞台の話でした。演目は「現在道成寺」と「京鹿子娘道成寺」の道成寺もの二題。解説によると、「現在道成寺」は、寛延2年(1749年) 正月、江戸・中村座で中村粂太郎が長唄曲として初演されたそうです。後に、長唄から派生した荻江に移されたということで、今回も唄は、荻江。私の拙い記憶では初めてでしたが、長唄との違いが分りませんでした。

 おっと、主役は傾城清瀧役の京蔵さんでした。花道に近い私の席のすぐ近くで「京屋!」と大向こうさんが叫ぶので、一瞬びくっとしました。舞踊の振り付け、所作について知ったかぶりをしたくないのですが、一瞬、江戸時代に戻ったような風合いを感じました。

 25分間の休憩をはさんで始まったのが、歌舞伎の演目ではしばしば取り上げられる有名な「京鹿子娘道成寺」。またまた解説によると、宝暦3年(1753年)3月、江戸・中村座で初世中村富十郎が初演したといいます。「女形舞踊の最高峰」ということで、まずは、歴代幹部の血統しか主役は張れません。

 それを、師中村雀右衛門を崇拝する京蔵さんは「道行」から烏帽子を付けた「白拍子の舞」、赤の衣裳から浅葱の衣裳に代わる「町娘の踊り」、三つの笠を使った「花娘」など、最後は「鐘入り」まで、67分間、見事に白拍子花子を演じ切りました。特に、最後は、鐘の上に登って、見えを切る美しさにはぞくっときました。京蔵さんの実年齢は知ってますが、若い20歳代に見えましたよ。

 六代目(と言えば分かりますね)の曾孫の尾上右近が能力(のうりき=寺男)白雲を演じる豪華さ。観客席は満員でした。舞台が成功裡に終わって、京蔵丈も一安心でしょう。私も久しぶりに舞台を堪能しました。