WHOの非常事態宣言は遅すぎる=国際機関はどこか怪しい…

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

今日は、自画自賛のお話から始めます。たまにはいいでしょう(笑)。

 この《渓流斎日乗》(もしくは《場郭斎日乗》、または《蛇幕斎日乗》、時たま《激流斎日乗》)の最大のライバルは、昔は大学入試問題に頻繁に使われた《天声人語》だと勝手に豪語しております(残念!永久に認可下りず!)。

 一昨日の1月29日に「『募ったが募集していない』とはどういう意味なのか?=新型コロナウイルスによる肺炎のデマも心配」を書いたところ、遅ればせながら、《天声人語》さんは、今朝31日の朝刊で、やっと「募る/募集する」のタイトルで取り上げていました。遅いですねえ、勝った!(笑)。

 影響力絶大のコラムに向かって、何の影響力のない無名のブログが遠吠えしているだけに過ぎないのですが、後追いされると、森羅万象の中で選び抜いた「目の付け所」が間違っていなかった、と勝手に思い込んでしまいます。

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

 とはいえ、日本の大マスコミの報道姿勢に対して、異議を申し立てたくなることがあります。

  世界保健機関(WHO)が1月30日夜(日本時間31日未明)になって、やっと新型コロナウイルスによる肺炎について「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」と宣言したことです。遅すぎやしませんか? 私はすでに、一昨日29日の時点で「WHOは何をやっているんでしょうか。いまだに『緊急事態宣言』を発令しないのは、『出すな』という中国からの圧力と、分担金の多い中国を配慮しているからではないかというまことしやかな噂が流れています。WHO事務局長も何となく…。いや失礼、失礼、伝聞を書いてはいけませんね」と書きました。 29日の時点では、日本のマスコミはどこも私のようにWHOに対して批判的なことは書かず、正直、情報収集能力に欠ける私自身はこのように「憶測」でしか書けませんでした。

 そしたら、どうでしょう。仏の高級紙「ルモンド」が 29日の紙面(日本時間30日)でWHOが緊急事態宣言を出さないよう「中国が圧力」をかけていたと報じたというのです。 私の個人的な憶測は間違いではなく、やはり、そうだったんですか。本日の米ニューヨークタイムズ紙には、中国がコロナウイルスの国内感染をWHOに報告したのは昨年の12月31日だったと書いていますね。

  それなのに、WHOのトップ、テドロス事務局長は30日のジュネーブでの記者会見で 「中国政府は感染拡大阻止に並外れた措置を取った」と桁違いな「中国賛辞」を繰り返したそうじゃありませんか。テドロス氏は、エチオピアの保健相や外相を歴任し、2017年にWHO事務局長に就任したようですが、エチオピアと言えば、昨今は、中国からの巨額の投資に全面的に頼っているという報道ばかり目立ちます。となると、何か、「怪しい」と思わなければならないのに、日本の大手メディアはどこも取材しようとせず、WHOの批判的記事なぞ一切書いたり報道したりしませんでした。

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

 そもそも、日本人は国際機関となると盲目的に全幅の信頼を寄せすぎます。United Nations =国際連合=国連なんて、はっきり言って誤訳で、「第2次世界大戦 戦勝国連合」が正しいはずです。少し言い過ぎですが、戦勝国による戦勝国のための団体です。WHOも国連の専門機関ということですから、中国を含めた戦勝国の思い通りの機関と疑っても大きく外れてはいないことでしょう。

 また、このような国際機関の職員の手当が、想像を絶するほどの超高額だと言われているのは、信頼に値する情報でしょう。国連にせよ、IMFにせよ、EUにせよ、わざわざ公表しないでしょうが、そのトップは年収5000万円は下らないでしょう。まあ、どうでもいい話ですが。

 どうでもよくない話は、最高権力者や大国の横暴で正確な情報が隠蔽されたり、発令が遅れたりして、死者が増大し手遅れになることです。