トイレットペーパーよ、お前もか。

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新型コロナウイルス騒動で世間はパニックってますねえ。

昨晩は、友人の川本君から「俺の住む所ではマスクどころか、トイレットペーパーまでも売り切れ。ミネラルウオーターもお米も品薄だよ」とのメールが飛び込んで来ました。

 川本君は東京の高級住宅街の一戸建てに住んでいます。

 「そこだけでしょ?小生の住む所は、そんな下品な人はいませんよ」と皮肉で応えておきました。本当は、私の住むところは、都心から1時間半もかかる田舎の町で、チンピラがいて、マナーの悪い人間が実に多いのが現状です。

 そしたら、「 阿呆なおっちゃんやな!トイレットペーパーの売り切れは、テレビでもドンドンやってるわ。週末はパニック買いになるかもよ。おぬしの住んでる所は、感染者が異様に少なすぎる。しっかり検査しているのか?感染者がいるのになかったことにしてるんじゃないか?とにかく、何も知らないなんて、ジャーナリスト失格やな」とまで罵倒するのでした。

 まあ、彼は大袈裟でせっかちで、性格に問題があるところが多いので、話半分に聞いておりました。

Xスーパーの棚はこの通り

 しかし、「ジャーナリスト失格」とまで罵倒、誹謗、讒謗されれば、黙っていられません。

 今朝、自宅から近いスーパーとドラッグストアに行ってみました。

 そしたら、写真の通り。マスクもトイレットペーパーも売り切れ。「入荷の見込みなし」とは何じゃいな?

 世間には悪党がいて、買い占めて、高額でネットで売りさばいている被疑者もいますからね。奴らは重罪にすべきです。

 こんなことが起きたのは「マスクとトイレットペーパーの原料は同じ」だの「トイレットペーパーは中国産だから、輸入が止まる」といったデマをSNSなどで拡散する輩が横行していることです。そして、そのデマを信じ込んでしまう浅はかな輩もその数百万倍いることです。

 何よりも、「自分や自分の家族だけが助かればいい」という自己中心的な人間が増殖したという証左でしょう。

 実際は、トイレットペーパーの原料は国産や北米産のパルプで、マスクの原料は不織布で全く違うこと。昨年1年間のトイレットペーパーの中国からの輸入は、全体のわずか2.5%に過ぎず、大勢にを影響がないことを知れば、パニックならずに済むはずです。

 1970年代のオイルショックで、トイレットペーパーが店頭から消える事件がありましたが、考えてみれば、半世紀近い昔のことで、実際に知っている人は還暦以上の年代で、今生きている中年の人までほとんどは実際に知らないんですよね。当時もデマからパニックになりましたが、「人間は歴史から何も学習しない」ということがよく分かります。

ドラッグストアもこの通り。他人のことなど知ったことか!

 そう言えば、昨日は突然、安倍首相が3月2日(月)から全国の小中高校を休校せよ、という要請をしましたが、今朝の新聞を読むと、安倍首相がほぼ独断で決定したようですね。自民党の岸田政調会長まで「社会全体で突然のことで、唐突感は否めない」と苦言を呈していました。勿論、与党の公明党にも全く相談がなかったようです。

 面白いことに、と言ってはいけないでしょうが、気骨がある自治体もあり、安倍首相によるこの突然の要請に反旗を翻し、異議を唱えているのです。偉いので具体名を挙げますが、群馬、栃木、兵庫、岡山、島根、沖縄の各県です。政府の要請にもかかわらず、各教育委員会は、「休校しない」判断をしました。

 新型コロナウイルスといっても、80%は軽症だといいます。回復する患者も多いのです。むしろ、毎年、3000人以上の死者が出るインフルエンザの方が怖いはずです。「今日も〇〇県で新型コロナウイルスの感染者が出ました」とニュースになっても、「今日も△△県でインフルエンザの死者が出ました」とはニュースにしません。

 メディアの報道姿勢も疑うべきです。

「全校休校」でパートの保護者は収入減、どうしてくれるの?

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 新型コロナウイルス対策として、安倍晋三首相は27日(木)の午後6時半になって急に、私立を含め全国全ての小中学校、高校、特別支援学校に、3月2日(月)から春休みに入るまで臨時休校とするよう要請しました。

 教育現場は大混乱。6時半なんて授業が終わっている学校が多く、先生方は夜のニュースを見て初めて知った人がほとんど。「卒業式はどうする?」「期末試験はどうする?」などとてんてこ舞いのようです。教育現場を知らない人が要請しているわけですからね。

 私もかつてお世話になったことがある北海道の帯広厚生病院では、職員の2割が出勤できず、予約以外の外来診療を停止したことがニュースになっていました。低学年の子どもを持つ職員は、家で面倒見なくてはいけません。教育現場だけでなく、色んな所に波及するわけです。

 安倍首相の要請は、小中高校だけで、保育園まで含まれていないのですが、肝心の保育士さんが低学年の子どもさんを抱えて出勤できず、園長さんは「スタッフが足りない」と悲鳴をあげています。

 「全校休校」は、一強多弱の独裁政権だからこそできる要請です。

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 ラジオを聴いていたら、批判が多い中、逆に、歓迎する人もいました。匿名の校長先生で、こういった非常事態が起きた場合、大抵、政府は教育委員会に丸投げします。教育委員会は、これを各学校に判断を丸投げします。となると、最終的な責任は校長となり、いつも保護者から突き上げられるのは校長になります。今回は、首相が責任を取ると言っているから助かるというのです。

 しかし、どう見ても、安倍さんは責任を取るタイプですかねえ?モリカケ問題、桜を見る会事件等見ても、官僚や取り巻き連中の忖度と、「私人である」妻に支えられ、真摯に反省しているだけです。しかも、政治家が悪いことをしても優遇して起訴を認めない人を最高検検事総長に指名しようと画策して、政権安泰を目論んでいます。

 本来、感染拡大防止を最大目的としてこのような措置に至ったんでしょうけど、またラジオを聴いていたら、「ウチの中学生の娘は、友達とディズニーランドに行くって言ってましたよ」というリスナーもいました。学校なら集団感染するけど、遊園地なら集団感染しない、なんてことは絶対にないはずです。(あらま! これを書いているたった今、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーが2月29日から3月15日まで臨時休園するというニュースが入ってきました )

 今回のウイルス騒動で経済的損失を蒙った中小企業などに対して、政府は緊急救済措置を取る方針のようですが、投入されるのは国民の税金ですからね。休まざるを得ないパートの保護者は収入減になることでしょう。政府は、パートさんまで面倒は見ないことでしょう。ですから、納税者は、お笑い番組ばかり見ていないで、政府の方針にもっと関心を持つべきです。

 「全校休校」要請は、クルーズ船処理で失敗した政府の汚名返上策どころか、恥の上塗りになるのではないかと危惧しています。感染拡大は学校だけで起きるわけではありませんからね。学校に行けない、遊園地にも行けない中高生の不満が溜まらないことを祈るばかりです。

新型コロナウイルスの感染拡大は、既に心理戦では?

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安倍晋三首相は昨日の26日になって急に、新型コロナウイルス感染拡大の防止策として、全国的なスポーツ・文化イベントを今後2週間は中止や延期、規模縮小するよう要請しました。

 おかげで、全国の国立博物館は閉鎖されるし、おまけに、国立劇場、国立能楽堂、国立文楽劇場、それに庶民が楽しみにしていた国立演芸場まで公演を中止すると、昨晩遅く、国立劇場チケットセンターからメールが送られてきました。ハギウダ文科相からの通達なんだそうで、中止する対象は令和2年2月28日(金)から3月15日(日)までの公演。チケットは払い戻しするとか。

 日本はまるで戒厳令下のようです。学級閉鎖ではなくて、国家閉鎖ですね。

 既に、全国の卒業式と入学式が縮小されたり、中止されたり、サッカーのJリーグも延期。プロ野球のオープン戦は無観客試合に決定。恐らく、このままでは3月8日からの大相撲三月(大阪)場所も中止されるんじゃないでしょうか。無観客試合もあり得るでしょうが、これじゃ、午前9時から始まる誰も見ていない序の口の取り組みになってしまいますね。

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 個人的な話では、半年前から決めていた高校の同窓会が3月14日(土)に都内であるのですが、加藤幹事長が「どうそうかい?」と昨晩遅くメールを送って来ました。(親父ギャグでした。失礼!)

 何しろ、飛行機を使って遠方からわざわざ参加してくれる有志が2人もいるので、幹事長としても気が気でないのです。

 幹事会に入っている私は「騒ぎ過ぎだと思います。政府による同調圧力に屈することはない。予定通り開催しましょう」と応えておきましたが、神様ではないので、先のことは誰も予測できないことは確かです。

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 感染病の世界的な大流行のことをパンデミックといいますが、世界史で初めて記されたのが古代ギリシャの歴史家ツキディデスの「歴史」なんだそうです。同書は、ツキディデス自身も将軍として従軍した紀元前5世紀のペロポネソス戦争が記述されていますが、同戦争中に、エジプト、リビアなどで流行していた疫病(天然痘らしい)がアテネでも発生し、市民の約6分の1が病死したことなどが描かれています。

 国立感染症研究所によると、パンデミックが科学的に証明されているのは1900年頃からだそうです。その代表例は、第一次世界大戦中に大流行した「スペイン風邪(インフルエンザ)」(1918~19年)です。全世界で感染者5億人で、4000万人~1億人が死亡したと言われ、 日本では約2300万人の患者と約38万人(45万人説も)の死亡者が出たといいます。

 亡くなった人の中には、劇作家で演出家の島村抱月がおり、彼が立ち上げた芸術座の看板女優だった松井須磨子が、後追い自殺を遂げるという悲劇を生んでいます。また、東京駅などを設計した著名な建築家辰野金吾も感染し、64歳で亡くなっています。

 海外では、ドイツの政治学者マックス・ウエーバー、フランスの詩人アポリネール、オーストリアの画家クリムトとエゴン・シーレまで亡くなっています。

 まあ、ネガティブな話を書いてしまいましたが、デマには振り回されずに、正しく怖がる(?)しかありません。もはや心理戦に入っており、株式相場がケインズの言う美人コンテストみたいなものだったら、大衆が信じているか、そう何となく思っている先行き不透明の不安感から大幅な下落が続いています。

 観光産業も痛手が続き、世界的な不況も囁かれています。はっきり言って、打開策は、もはや、ウイルスの収束と終息しかないですね。

正しく怖れよ? 新型肺炎

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 後の世に語り継がれるであろう「新型コロナウイルス騒動」は、ここまで世界的に拡散するとは、思いも寄りませんでしたね。最初にニュースになった頃、テレビに出てきて、「ヒトからヒトには感染しません」と見栄を切っていたお医者さんは、今は何処に行ったのでしょうか?

 とにかく、メディアは大騒ぎです。人を宣撫して、たぶらかして、モノを買わせるのがテレビの重要なお仕事なんでしょうが、騒ぎ過ぎです。当局の言う「正しく怖れましょう」って、どういうこと? これでは、パニックにならない方がおかしいくらいです。こんな時期こそ、個人の見識と良識と教養と鑑識眼と世間知が試されます。

 冷静になりましょう。

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 とはいえ、現実は見つめなければなりません。最近の報道は過剰なので、私自身の信用度は7割ぐらいに抑えています。残りの3割は、マスコミ業界で言うところの「ウラを取る」ことで、情報の精度を高めることにしています。

 昨日は、大手代理店の社員が新型コロナウイルスで陽性と診断されたことから、東京の本社ビルに勤務する同社グループの社員全約5000人に対して、当面、在宅勤務とすることを決めた、とのニュースがあったので、今朝確かめてみました。

 皆様も御存知のA氏です。やはり、本当に「自宅待機」でお仕事されていました。通勤地獄に遭うことがないので、うらやましいと思ったら、「雑談する相手がいなく、緊張感がない」とか。あらま、贅沢な悩みだこと(笑)。

 何しろ世界的な大会社ですから、自宅で「テレビ会議」が何度か行われるようです。「それって、監視されているんでしょ!?」と聞いたところ、「まあ、悪く言えばそうかもしれませんが、良く言えば安否確認です」との答え。忠誠心が違います。

 私のような小さな会社は、テレビ会議なんて無理な話ですが、世の中、どんどんテレワークの時代に移行しているんですね。例のクルーズ船 「ダイヤモンド・プリンセス」 号での集団感染で、自治体職員や検疫官までも感染したため、霞が関の官庁や地方自治体でも一部テレワークに切り替えているようです。そんなものは、「未来社会」の話で、随分先のことだと思っていたら、もう時代が追い付いてしまっていました。

 一方、日本政府のウイルス対策は後手後手に回っているようです。今朝の新聞では、「ダイヤモンド・プリンセス」 号に乗船していて陰性で解放された人の投書が載っていましたが、軟禁中は「政府からの説明はほとんどなかった」と暴露していました。

 国会では、厚労相が「対策は万全であります」と自信満々に答弁してましたが、何か怪しくなりました。政府の危機管理は果たして大丈夫なんでしょうか?

 人は危機の時こそ、真価が問われるのではないでしょうか。

土浦城郭内の浄真寺に高野長英の墓

 真冬だというのに気温15度。しかも花粉症患者にとっては大の苦手の風もない。

 ということで、2月24日(月)の祝日(天皇誕生日振替休日)は、新型コロナウイルスの影響で「不要不急の外出は控えよ」との国家からの通達も、ものかは。

 思い切って、久しぶりにお城巡りに出かけてきました。

創業140年超の老舗蕎麦「吾妻庵本店」

 目指すは、「続 日本の名城百選」に選ばれている常陸国にある土浦城。都心のJR上野駅から常磐線で土浦駅までちょうど1時間。そこから歩いて15分ほどで、土浦城に到着します。 石垣もなく、土塁に囲まれた平城ですから高低差もなく、 まさに初心者の中の初心者向きの城歩きです。

 生まれて初めて、JR常磐線の土浦駅を降りましたが、駅近には有名、無名の予備校や進学塾が軒を連ねていました。

 土浦には茨城県下一の進学校土浦第一高等学校(旧制土浦中学)がありますからね。どうやら、土浦は教育産業が一番盛んではないかと私なんか睨みました(笑)。

 駅に昼過ぎに着いたら、観光案内所は閉まってました。正午から午後1時まで「昼休み」だとか。しょうがないので、ラックにあった市内案内地図を無断で拝借致しました!

吾妻庵の「天ざる」1650円。ビール中瓶700円。〆て2350円!

 その地図に載っていたわけではありませんが、ちょうど昼時だったので、中城通りにある140年を超える老舗蕎麦「吾妻庵本店」に行ってみました。何をさしおいても地元名産が優先です(笑)。今から140年前というと、明治13年になりますね。

 滅多に来ることはないので思い切って注文したのが、天ざる。1650円とちょっと東京・銀座並みの値段でしたが、清水の舞台を飛び降りてみました。ま、蕎麦は随分コシがあり、天ぷらは海老がそのまま入っていて、値段なりの旨さでした。

 城歩きのため、栄養をつけなければならないので、ビールも注文したら、中瓶で700円。後で請求書を見て吃驚でした。でも、禁足令が出ているのにも関わらず、土浦の地元経済に貢献できて誇らしく感じました(笑)。

 吾妻庵がある中城通りは、城下町の面影が色濃く残った蔵の街でした。訪れた価値はありました。蔵は店舗や資料館になっていましたが、その中に「土浦ツェッペリン伯号展示館」がありました。昭和4年(1929年)に、あの飛行船ツェッペリン号が世界一周の旅の途中、ここ霞ケ浦に立ち寄ったというのです。知りませんでしたね。

私はレッド・ツェッペリンなら詳しいのですが、「へー」と思ってしまいました。

土浦城址の東櫓(復元)

 中城通りから5、6分で、土浦城址に着きました。いつもながら、遠くから櫓が見えた時、感動で打ち震えました。大袈裟ですね。たとえ、それが後世の復元だとしても、何か、興奮しちゃうんですね。

 土浦城は、永享年間(1429~41年)に、小田城主の小田氏の被官、今泉三郎が築城したのが始まりだと言われ、この後、城主は色々変わっていますので、ご興味のある方は、上の写真の看板をお読みください。

 この辺りの中世は、小田城が中心で、土浦城は、その支城だったわけです。

 小田城は、南北朝時代に、戦乱から逃れて船で常陸国に渡った北畠親房が「神皇正統記」を執筆した城としても有名なので、今度行ってみようかと思っています。

西櫓(復元)

 看板には「織豊期に、結城秀康の支配下に入った」とありますね。結城秀康は、徳川家康の次男ですから、土浦城はかなり重要視されていたことが分かります。江戸時代に入り、三代将軍家光に仕えて若年寄に栄進した土屋数直の流れを汲む土屋家が、明治維新まで200年も土浦藩主を務めました。

譜代九万五千石ですから、結構、家格は高かったですね。

 西櫓の近くに建つ土浦市民博物館(105円)にも行きましたが、土屋家は、かつては武田信玄の家臣でもあったらしく、遠く甲斐国に飛び地(領地)を持ち、寺社仏閣を甲斐に創建していました。

  また、土浦は、水戸街道の日本橋と水戸の中継地であることから、宿場町としても大いに栄えました。

東櫓(復元)

 ここが本丸跡ですが、碑を探すのに少し苦労しました。

 土浦城址は現在、亀城(かめしろ、ではなく、きじょう)公園になっていますが、大変失礼な言い方ですが、本当に狭い。猫の額ほど、と言えば、怒られるでしょうが、それほど狭い。

 思わず、「これだけ~?」と叫んでしまいました(笑)。

 上の看板の地図でお分かりの通り、本丸と二の丸だけが現在でも残されて、亀城公園になったわけです。「これだけ~」のはずです。

 周囲は今、住宅やら裁判所なんかになっています。

 土浦城のシンボルになっているのが、上の写真の「太鼓櫓門」です。慶安年間に朽木氏の時代に建てられたと言われています。これだけは現存の遺物らしいですね。

 二階に「時」を知らせる太鼓があったとか。

浄真寺

 先ほどの土浦城郭の地図でも描かれていますが、本丸の北北西にあるのが浄土宗の浄真寺です。城主だった松平信一が慶長6年(1601年)に菩提寺として創建しました。それで、寺には葵の御紋があるわけでした。

 この浄真寺にある説明文を読んで初めて知ったのですが、この寺には、「蛮社の獄」で追われて、江戸青山百人町で捕縛の際に絶命したという蘭学者の高野長英の墓があるんですね。えっ?何で?高野長英は、仙台藩の水沢出身だったはず…。

 境内には誰もいなかったので、結局、場所は分かりませんでしたが、後で、調べたら 、日本橋の薬問屋「神崎屋」を営む片岡家が高野長英の遺体を引き取り、この寺の片岡家の墓地に埋葬したといわれています。片岡家の主人は、水沢出身で、高野長英の養父の知人だったそうです。医者を志して18歳で上京した高野長英は、薬問屋の「神崎屋」でお世話になっていました。

 高野家ではなく、片岡家の墓を探せばよかったんですね。また行く機会があれば、今度こそ探し当ててみせます。

 墓地の奥には、土浦城の土塁が残っておりました。

(市立博物館の見学を入れても所要時間は2時間ほどでした)

新型コロナウイルスの影響で例年になく少ない=京都・醍醐寺で「五大力尊仁王会」

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こんにちは、京洛先生です。

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 新型肺炎が広がり、この調子では2020年は「東京五輪」ではなく、「新型コロナウイルス」の年として後世に伝えられますね。「まだ、東京五輪は先の話だ」と思っている人が多いでしょうが、開催の最終決定権は国際オリンピック委員会(IOC)ですから、土壇場で何が起こるか分かりませんね。

 またその時は日本のマスコミは右往左往、後付け「講釈」をして、あれこれ誤魔化すのは目に見えます(笑)。

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トランプ大統領ではないですが、誰でも先の見通しは、はっきり分らないのですから、「マスコミは嘘ばかりだ!」と言うのは確かにそうです。米国民が、それを感じて同大統領を誕生させたのです(笑)。

 また、そう思っている人が米国だけでなく世界中で多く存在していて、それを追跡、検証する既存マスコミが皆無なのが現実です。

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 それはさておき、昨日23日(日)は世界遺産「醍醐寺」(京都市伏見区)で、庶民から「五大力さん」と親しまれている「五大力尊仁王会」が開催されたので、行って来ました。そのスナップをお送りします。

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 最近、熱心に仏教の歴史を勉強されている渓流斎さんなら詳しいと思いますが、平安初期、真言宗の僧侶、聖宝(しょうぼう)が開祖した醍醐寺ですが、この「五大力尊仁王会」は不動明王など五大明王(ほかに降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王)の力によって、無病息災、国家、家庭の平和、幸せを祈願する、醍醐寺の最大の行事です。

Copyright par Kyoraque-sensei  迫力ある写真ですね!

 毎年、10万人を超える参拝者が訪れますが、新型肺炎の影響と、中国人など外国人の観光客激減もあって、去年に比べて参拝者は少なかったですね。

そのせいで、混雑せず参拝はスムース、境内もゆっくり歩けて快適でした。

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本堂前の特設舞台での大きな紅白の二段重ねの鏡餅を持ち上げる「持ち上げ力奉納」もやっていましたが、新型肺炎の影響もあり、参加者が例年より少なく鏡餅の持ち上げの最長時間は男性(重さ150キロ)は5分58秒、女性(重さ90キロ)6分40秒でした。

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それにしても、京都でも、どこもかしこも「新型肺炎」の影響が出ていました。

以上 おしまい。

明日ありと思う心のあだ桜 夜半に嵐の吹かぬものかは

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 新型コロナウイルスの影響で、さらに自粛ムードが広がり、世間では3連休だというのに身動きできない状況です。

 新型コロナウイルスに緊急対応した医師や看護師に対して、「バイ菌」扱いしたり、いじめをしたりする事案が各地で頻発しているらしく、日ごろ、「日本民族は礼儀正しく優秀だ」「日本人は素晴らしい」と歓呼している人も、知らないふりをして声を潜めています。

 さりはさりとて、今から44年前の1976年2月に起きたロッキード事件関係の本を読んでいたら、ロッキード社から秘密工作費21億円を受け取ったとして脱税などで起訴された児玉誉士夫氏の東京都世田谷区の住所が番地まで出ていました。

 たまたまその近くの豪邸にお住まいの深沢令夫人と面識があるので、「散歩のついでに、旧児玉邸が現在どうなっているか調べてください」と探訪要請したところ、快く引き受けてくださいました。

 令夫人のことですから、「写真を撮影するのは憚れました」ということで、残念ながら、現場写真はありませんが、どうやら、現在は高級マンションになっているとのことでした。確か、ロッキード事件発覚後の翌月に、児玉邸にセスナ機が自爆特攻した事件があり、2階の1部が損傷しただけだったので、大豪邸だったのでしょう。やはり、跡の敷地に高級マンションが建つほど広大な敷地だったんですね。

 そんな話を大分にお住まいの物知りの三浦先生に話したところ、「児玉さんの御子息は、何をされたかご存知ですか? 赤坂方面の放送局の重役まで務められましたよ。それより、あの石原莞爾の孫はその放送局の会長までやってますよ。作家の息子とはレベルが違います。世の中の人は何も知らないでしょうけどね」と仰るではありませんか。

 あらま。私も「世の中の人」ですから、何も知りませんでした。調べてみたら、フィクサー児玉誉士夫氏の御子息である児玉守弘氏は、TBSの常務取締役や関連会社の役員を務めた後、日音の相談役になったとか。満州事変を画策した石原莞爾の孫の石原俊爾(としちか)氏はTBSの社長~会長を歴任されてますね。

作家の息子とは、昨年、フジテレビの社長に就任した遠藤周作の御子息遠藤龍之介氏のことでしょうかねえ?

 最後に今日はこれだけは書いておきたい。「桜を見る会」事件のことです。

 報道に接する限り、桜を見る会の招待者は、特別な功績や功労がなくても、安倍首相の後援会の関係者ならフリーパスで、内閣府もチェックせずにそのまま通っていたことが明らかになりました。これでは、国民の税金を首相が「私物化」したことになります。花見会も高級ホテルでの前夜祭も、やりたければ個人のポケットマネーでやれば、納税者から誰も文句は出ないはずです。

 自分の選挙民を優遇すれば、「偉い先生」として、国会議員に当選するのは当たり前です。しかも、脱法的な手段で国民の代表として居座るなら言語道断で、民主主義の危機です。

  明日ありと思う心のあだ桜 夜半に嵐の吹かぬものかは

 これは、浄土真宗の開祖親鸞が9歳のときに出家する際に読んだ歌とされます。

 飛躍して読めば、今の「桜を見る会」の騒動に一石投げかけるようにも読めます。

 恐らく、時の最高権力者はこの歌のことはご存知のことでしょうが、「驕れる者久しからず」ことを肝に銘じてもらいたいものです。

銀座さとうの「丸メンチカツバーガー」は花丸=「渓流斎日乗15周年記念会」は中止が決定

 何ですかねえ。 新型肺炎の感染拡大を理由 に「今年の東京オリンピックは中止」なんて、ガサネタやデマを流す不逞の輩がいるかと思っていたら、19日にロンドン市長選の主要2候補が、東京大会中止を見込んでロンドンでの代替開催の誘致に名乗りを上げたというんですからね。 「ロンドンでは五輪を2012年にやっていて、施設も残ってるから大丈夫」というわけですが、火事場泥棒的利権の臭いがプンプンしてきます。

 それにしても、ここにきて、マラソンやゴルフなどのスポーツや音楽公演や講習会などのイベントの中止や延期のニュースがボンボン出てきています。一気に自粛ムードが広がり、この期に及んで開催を強行しようものなら、「非国民」扱いされかねません。

 このブログ《渓流斎日乗》を開始したのは2005年3月15日ですが、来月、ちょうど15周年の記念日を迎えます。西方浄土方面から「都内の一流ホテルを貸し切って、何か記念会をやったらどうですか?人が集まらなかったら赤字が出るでしょうが、100万円か200万円程度で済みますから大丈夫ですよ」なぞと他人事のように(笑)薦める方もおられました。

 でも、この御時勢ではねえ。感染拡大に協力したくはないし、「渓流斎ブログ15周年記念会」は、中止せざるを得ませんね。延期ではなく、中止に決めました。

 さて、また当たり障りのないグルメの話。

 東京・吉祥寺の本店では長い長い行列が出来るという国産黒毛和牛専門店「さとう」。お肉だけでなく、コロッケやメンチカツやステーキやカレーなども店で食べられたり販売されたりしています。その2号店が銀座1丁目にあるというので、銀座は私の庭ですから、昼休みに行って来ました。

 お目当ては、銀座店しか売っていないという「丸メンチカツバーガー」。400円と、まあまあの値段ですが、会社の同僚が美味そうに、しかも自慢気に、一つ一つ講釈しながら一人で食べていたので、私も買ってきました。

 まあ何と言いましょうか。確かに旨い。優しい味、といいますか、丁寧に作られた心がこもった味といいましょうか。舶来のチェーン店のハンバーガーのビッグ何とか(390円)より少し高いですが、これなら三つぐらい食べられそうです(笑)。他に、ヒレカツバーガー(500円)、ビーフカツバーガー(600円)などもあります。→「銀座さとう

 つまらない政治家や官僚の醜聞で腹を立てるより、美味いモンを食べて腹を満たした方が、健康にも精神衛生にも良いということであります。

日本はやはり官尊民卑なのか=佐川さんは今何をしているんでしょうか?

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 相変わらず、テレビでは 新型コロナウイルス感染拡大のニュースばかりやっています。そして、海外ではどうやら日本は中国に次ぐ「感染大国」とみなされているようです。 イタリアの高級ファッションブランド「プラダ」が18日付で、 日本で開催する予定だったファッションショーを延期すると発表したので、3月か4月の話かと思ったら、何と開催日は5月21日なんですってね。そこまで、終息していないという会社の判断なのでしょう。

 これが過剰反応なのか、至極真っ当な判断なのか、今は分かりませんが、海外ではかなり警戒されているという証左です。

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 さて、 19日にはいわゆる森友学園問題で、大阪地裁で判決がありました。詐欺罪などに問われた前理事長籠池泰典被告(67)に懲役5年 、妻諄子被告(63)に懲役3年、執行猶予5年というものでした。 刑の軽重について素人が口を挟むのはもってのほかかもしれませんが、そもそもこの事件の原点は、国家公務員が安倍首相に忖度したのが始まりなのです。それなのに 虚偽公文書作成容疑などで告発された佐川宣寿・財務省理財局長(当時)はじめ、幹部・職員38人は全員不起訴となっているんですからね。忖度した佐川さん(62)は功労が讃えられて第48代国税庁長官に栄進されましたが、一度も記者会見せず、逃げるように隠れるようにして2年前に退官されたことは今でも国民は忘れていません。籠池被告が「これは国策捜査だ」と叫ぶのは理解できます。

  また、 昨年4月に東京・池袋で乗用車が暴走し母子などが死傷した事故がありましたが、運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三・元院長(88)は、高級官僚だったせいなのか、留置されることなく、書類送検で終わってます。これでは、何の落ち度もない亡くなった若い母親と幼子は浮かばれません。

 このように特権階級へのあからさまな情状酌量を見ていると、海外メディアから「日本の高級官僚は、犯罪を犯しても絶対に捕まらない」と批判されても、抗弁できませんね。

小泉環境相の感染症対策会議すっぽかしは大問題なのでは?=そして「鈴懸」の豆大福

 毎日、新型コロナウイルスのニュースばかりで、嫌になりますね。感染拡大を防ぐために、政府は「不要不急の用は差し控えるように」と命じました。記者から「不要不急とはどんなことですか?」と質問された当局者は、答えに詰まり、「…、あ、その…、何と言いますか、忘年会とか新年会とかです…」と声を絞り出していました。

 そんな折、小泉進次郎環境相が2月16日(日)に開かれた政府の新型コロナウイルス感染症対策本部会議を欠席して、地元での後援会の新年会に出席したというではありませんか。まさに、新年会! 政府の公式発表をお借りすれば、それって「不要不急」と言えるんじゃないですか? つまり、新年会は差し控えるべきじゃないんですか? 国民の緊急の課題よりも、地元後援会を優先するということは、「票集めのため」と勘繰りたくなります。

 しかも、この問題は18日の国会で可視化され、夕方の民放は報道しましたが、天下の国営放送NHKは、その日の夜の7時のニュースで報道しないんですからね。作為を感じます。

 話は変わって、そういう私も既報通り、今月1日に新年会に参加しました。新型コロナウイルスがこんな異様な形で騒がれていない時期で、政府からの禁止命令もありませんでしたからね。

 その席で、大手出版社の名物編集者大河内さんが、興奮しながら、「『鈴懸』の豆大福は美味いですよ。ピカイチですよ。知らなければモグリですよ」と、グルメ自慢するのでした。どうやら、鈴懸とは、博多で創業して90年以上になる和菓子屋さんで、東京には、新宿伊勢丹と日比谷のミッドタウンに出店しているというのです。(福岡以外では他に名古屋に出店し、関西にはないようです)

 あまりにも勧めるので、私は新宿は好きではないので、日比谷のミッドタウンに行ってみました。探しまくったら、地下一階の通路みたいなところに店があり、店名の看板もなく、トレードマークの「鈴」があるだけでした。

 店員に「こちらは鈴懸さんですか?」と聞いても、仏頂面で低い声で「ええ」。豆大福などを買って帰るときに、「店の看板、出していないんですか?」と改めて聞くと、店員は面倒臭そうに「あっち側に書いてますけど」と一言。うーん、大名商売ですねえ。

 ま、いいですけんど、大河内先生が仰る「日本一」の豆大福です。悔しいですが、確かに美味い。て、ゆーか、この味は初めてでした。

 餡は、小豆を何度もさらしたようで、色がピンクっぽくになり、塩が微妙な加減で入って甘さを引き立てています。

 まあ、病みつきになり、また買うかもしれません。嫌味な言い方ですが、「大名商売で頑張ってください」。

【後記】

政府主催の新型コロナウイルス感染症対策本部会議を欠席したのは、小泉環境相だけかと思ったら、最高検検事総長問題を抱える森雅子法相と、高校時代に朝鮮高校の生徒と大格闘し、二度の停学処分を受けたことを自慢にしている萩生田光一文部科学相までもが地元日程を理由に会合を欠席していたことが19日に判明。もう、漫画が漫才の世界ですよ。