海上自衛隊幹部の風俗店経営は深刻な問題を孕んでいる

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

ネット時代になり、これまでマスコミに独占されていた国家公務員の人事情報が、省庁のホームページを通して、一般人でも、いとも容易く見ることができるようになりました。一般人とはいっても、国民であり、納税者ですからね。

 例えば、 2月5日(水)に発表された令和2年2月4日付の「防 衛 省 発 令人事」としてこんなものがあります。

護衛艦隊司令部付を命ずる (横須賀海上訓練指導隊司令)     1等海佐 森田 哲哉

横須賀海上訓練指導隊司令事務取扱を命ずる (海上訓練指導隊群司令) 1等海佐 岩澤努

 これだけ見ても、さっぱり分かりませんね。プロのマスコミの防衛省担当記者も分かるはずありません。せめて、横須賀海上訓練指導隊のトップである「司令」だった森田1等海佐が、病気か何かで、「司令部付」に格下げ(?)になったことが、賢い優秀な記者なら読み取ることができます。もっと賢い記者なら、広報に取材することでしょう。

 でも、日々忙しい新聞記者の連中は取材しなかったようですね。その代わりに取材していたのが、6日(木)発売の週刊文春でした。「海上自衛隊幹部が女性向け風俗店を経営 自衛隊法に抵触か」との衝撃的な見出しで報道したのです。

 繰り返しになりますが、防衛省が、森田一等海佐の降格人事を発表したのは、5日のこと。ということは、翌6日に発売される文春砲に記事が出るという事実をつかんだ防衛省幹部が慌てふためいて発表したと予想されます。しかも、紙きれ一枚の人事発表では、さすがにマズイと後から不安に思ったのか、夜遅くになってやっと記者会見して、護衛艦「やまゆき」などの艦長を歴任した森田一佐が「デリバリーヘルスを営業していた疑いがあり、事実関係を調べている」「客に訓練内容を漏らした疑いもある 」とまで事細かく白状、いや、発表した次第です。

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 面妖だったのは、翌日の6日の首都圏の朝刊各紙。日頃、安倍政権に刃を向けていると伝えられている朝日新聞と東京新聞は、通信社電があったにもかかわらず、この記事を掲載しませんでした。それなのに、安倍政権の「機関紙」「御用新聞」とまで言われている読売新聞と産経新聞は、不都合な真実なのに、ちゃんと報道しているのです。(毎日は実名を書かず報道、日経は非掲載)

 この問題は、戦前なら軍機保護法違反容疑になるはずです。デリヘルの話だけが独り歩きしましたが、かなり深刻な問題が孕んでいるのです。

 NHKはじめ、テレビは大きく報じないので、もしかして、このニュースを知らない人がいるんじゃないかと思い、旧聞に属しますが、裏舞台も含めてあえて取り上げました。

 知らなかった人は手を挙げてほしいなあ…(笑)。