「全校休校」でパートの保護者は収入減、どうしてくれるの?

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

 新型コロナウイルス対策として、安倍晋三首相は27日(木)の午後6時半になって急に、私立を含め全国全ての小中学校、高校、特別支援学校に、3月2日(月)から春休みに入るまで臨時休校とするよう要請しました。

 教育現場は大混乱。6時半なんて授業が終わっている学校が多く、先生方は夜のニュースを見て初めて知った人がほとんど。「卒業式はどうする?」「期末試験はどうする?」などとてんてこ舞いのようです。教育現場を知らない人が要請しているわけですからね。

 私もかつてお世話になったことがある北海道の帯広厚生病院では、職員の2割が出勤できず、予約以外の外来診療を停止したことがニュースになっていました。低学年の子どもを持つ職員は、家で面倒見なくてはいけません。教育現場だけでなく、色んな所に波及するわけです。

 安倍首相の要請は、小中高校だけで、保育園まで含まれていないのですが、肝心の保育士さんが低学年の子どもさんを抱えて出勤できず、園長さんは「スタッフが足りない」と悲鳴をあげています。

 「全校休校」は、一強多弱の独裁政権だからこそできる要請です。

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 ラジオを聴いていたら、批判が多い中、逆に、歓迎する人もいました。匿名の校長先生で、こういった非常事態が起きた場合、大抵、政府は教育委員会に丸投げします。教育委員会は、これを各学校に判断を丸投げします。となると、最終的な責任は校長となり、いつも保護者から突き上げられるのは校長になります。今回は、首相が責任を取ると言っているから助かるというのです。

 しかし、どう見ても、安倍さんは責任を取るタイプですかねえ?モリカケ問題、桜を見る会事件等見ても、官僚や取り巻き連中の忖度と、「私人である」妻に支えられ、真摯に反省しているだけです。しかも、政治家が悪いことをしても優遇して起訴を認めない人を最高検検事総長に指名しようと画策して、政権安泰を目論んでいます。

 本来、感染拡大防止を最大目的としてこのような措置に至ったんでしょうけど、またラジオを聴いていたら、「ウチの中学生の娘は、友達とディズニーランドに行くって言ってましたよ」というリスナーもいました。学校なら集団感染するけど、遊園地なら集団感染しない、なんてことは絶対にないはずです。(あらま! これを書いているたった今、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーが2月29日から3月15日まで臨時休園するというニュースが入ってきました )

 今回のウイルス騒動で経済的損失を蒙った中小企業などに対して、政府は緊急救済措置を取る方針のようですが、投入されるのは国民の税金ですからね。休まざるを得ないパートの保護者は収入減になることでしょう。政府は、パートさんまで面倒は見ないことでしょう。ですから、納税者は、お笑い番組ばかり見ていないで、政府の方針にもっと関心を持つべきです。

 「全校休校」要請は、クルーズ船処理で失敗した政府の汚名返上策どころか、恥の上塗りになるのではないかと危惧しています。感染拡大は学校だけで起きるわけではありませんからね。学校に行けない、遊園地にも行けない中高生の不満が溜まらないことを祈るばかりです。