ラジオ深夜便の放送を書籍化したものですが、作家の五木寛之「孤独を越える生き方」(NHK出版)を興味深く拝読いたしました。
・人生とは苦しみと絶望の連続だと覚悟する。
・孤独でいることは、人生を豊かにしてくれるボーナスのようなもの。
・孤独とは人間にとって必要な時間。
・「他力」とは努力を尽くした人が最後に行き着く境地。
…等々、心に染み入る言葉が胸に突き刺さりました。
90歳になる作家は、いまだに人生を達観したわけではなく、迷いながら一つずつ歩んでいるようにさえ思えました。仏教思想、特に親鸞、蓮如らの浄土真宗の思想に影響を受けた五木氏なので、彼の人生観、死生観は、浄土真宗の思想そのものですが、日本人として生まれると、どういうわけか、無意識に共鳴してしまいます。
特に「人生とは苦しみと絶望の連続だと覚悟する」なんて、キリスト教やイスラム教では絶対、説いたりしませんからね。
本文の中で、フィギュアスケートの羽生結弦選手の「努力はウソをつく。でも無駄にならない」という言葉を引用しながら、「『他力』とは努力を尽くした人が最後に行き着く境地と言えるかもしれない」と五木氏は、発言しておりました。これも、仏教思想の「諦念」に通じるところがあります。
実は、本日は、以上のことをブログに書きたかったわけではありません(笑)。五木氏が「奇しくも石原慎太郎さんと同月同日生まれなんです」と発言したことに吃驚したからでした。二人とも1932年9月30日生まれだったのです。二人は、性格も違えば、趣味も思想も政治信条も全く違いますが、小説家という共通点があります。片や芥川賞、片や直木賞の違いがありますが、これは偶然なのかなあ、と思ってしまったのです。
よく、「星の下に生まれる」と言いますが、やはり、生まれた生年月日で人の運命が決まるんでしょうか? 四柱推命は、まさに、生年・月・日と生まれた場所の四つの要素で運命を判断しますが、科学的に証明できなくても、何かの法則があって、だから当たるのでしょうか?
背中がゾクゾクっとしてしまいました。