仮想通貨とは何者だあ!?

銀座「アジュール」パスタランチ1000円

最近、ビットコインや「コインチェック事件」など仮想通貨の話題に事欠きません。

遅ればせながら、小生もほんの少しだけ興味を持ち始めました。21世紀を生きる現代人のマナーとしてです。

もちろん、仮想通貨は投資というより、投機の側面が大きいのでまだ実際に買うつもりはありませんが、その仕組みぐらいは知っておかなければならないと思ったのです。でも、トークンだの、ブロックチェーンだのと言われても、実際やってみないとさっぱり分かりませんね。

仮想通貨でなくても、日本の巷でも、最近はどんどんキャッシュレス化が進んでいます。

そういう私も、専ら、鉄道系の電子マネーカードを愛用しています。硬貨は嵩張り、重いからです。主に、書店や薬局で使っていますが、使える店が最近増えてきました。ポイントが溜まるのも「ポイント乞食」としては有難い(笑)。

最近になって知ったのですが、北欧スウェーデンでは、「Swish」とかいうスマホの現金決済アプリが普及し、何と、2017年末の時点で国民の半数以上が利用しているんだとか。国内の店舗では「現金お断り」の看板も掲げている店もあるそうなので、マジ、スウェーデン中央銀行による紙幣クローナ発行も減ったんじゃないかと勝手に思ってしまいます。

中国では既に、巨大電子商取引アリババの電子ウォレット「Alipay」や無料通信アプリ「微信」を運営するテンセントのモバイル決済ツール「WeChat Pay」などがほとんど日常的に紙幣以上に使われているようです。(偽札が横行しているのも一つの理由)

こうなると国家が保証する通貨や紙幣は一体どうなってしまうのか。そんなら仮想通貨でもええじゃないか、と発展するのではないかと私なんか、考えたわけです。

今日は、眞子さまがご婚約されて延期になっている小室家の真相が読みたくて(笑)「週刊文春」合併号を買ったのですが、旧村上ファンドで名を馳せた投資家村上世彰さんとジャーナリストの巨人池上彰さん(二人とも彰が付くとは!)との対談が一番面白かったです。

さすが、お二人ともよく勉強してます(失礼!)あの村上さんはシンガポール在住と聞いてますが、日本の情報もかなり仕入れているようです。

村上さんによると、仮想通貨を新たに発行(マイニング)するための電気代が、年間数千億円にもなるというのです。ブロックチェーンをつくるのにかなりのエネルギーを消費するそうです。そのため、電気代の安い所や、コンピュータの冷却のため、アイスランドのような寒い国に仮想通貨会社は設立しているらしいんですね。へーと思ってしまいました。

現在、日本で最も多くの株を保有しているのは、日銀と年金基金で、年金基金の最新運用益は6兆円。日銀は、19兆円のETFを買い入れしていて、保有株の時価総額は24兆円余りで、含み益が5兆円(2018年3月末)あるそうです。日銀が保有している赤字国債は4000億円程度。だから、短期的には日本の経済について、村上さんはポジティブに考えているそうです。

ただし、長期的には、少子高齢化による労働人口の減少で、ネガティブと考えているとか。まだ、書きたいのですが、引用はここまでにしておきます。

デジタルネイティブからトークンネイティブの時代へパラダイムシフト

佐藤航陽著「お金2.0     新しい経済のルールと生き方」(幻冬社、2017年11月30日初版)を読了しました。

うーん。難しい。最初スーと読めはしましたが、もう一度読み返して、朧げな輪郭を掴んだ程度です。

もちろん、本書に出てくるハイエクの経済理論だのシェアリングエコノミーなどといったことは頭では理解できますよ。しかし、身体がついていけないといった感じなのです。

それもそのはず。著者は、1986年の福島県生まれで、まだ30歳代前半。物心ついた頃から周囲にデジタル機器があり、小学校での授業もパソコンで受けた世代。所謂、デジタル・ネイティブ世代。

片や私は、御幼少の砌は、冷蔵庫も電気洗濯機もテレビもなかったアナログ世代。生まれて初めてワープロを買ったのが29歳。パソコンは39歳という「遅咲き」ですからね。

著者の佐藤氏は、学生時代から起業し、今や年商100億円以上の決済サービスアプリ等のIT企業を経営するいわゆる青年実業家です。

ただ、子どもの頃はお金に相当苦労したようです。兄弟3人と片親の4人世帯の年収が100万円も届かなかったこともあったようです。

その話は、ともかく、彼はデジタルネイティブ世代ですから、我々のような旧世代とは根本的に発想が違います。

スバリ言いますと、パラダイム(認識の枠組み)が全く違うのです。

本書のキーワードを三つ挙げるとしたら、「仮想通貨」「ブロックチェーン」「トークンエコノミー」でしょうか。

まず、仮想通貨というのは、中央銀行など中央に管理者がいなくても成り立って発行される仮想の通貨のことで、ビットコインなどがその代表例として挙げられます。旧世代は、胡散臭い目でみてますが。

ビットコインなどは、ブロックチェーンという技術が活用されています。これは、一定期間のデータを一つのブロック(塊)として記録し、それをチェーン(鎖)のように繋げていくことで、ネットワーク全体に取引の履歴を保存し、第三者が容易に改ざんできないようになってます。

…と、言われても、旧世代は理解不能ですね(笑)。

そして、最後のトークンとは、仮想通貨の根っこで使われているブロックチェーン上で流通する文字列のことを指す場合が多く、トークンエコノミーとは、このような仮想通貨やブロックチェーン上で機能する独自の経済圏のことを指し、正確な定義があるわけではないといいます。

… あら、そう来ましたか。

とにかく、仮想通貨は自分でやって、つまりは、買って大損するか、大富豪になってみなければ、それを支えている「塊鎖」とやら、「文字列」とやらも、その実態は分からないことでしょうね。

この本で感心することは、著者は究極的には、お金とは、単なる「道具」であると割り切っていることです。大賛成ですね。そして、デジタルネイティブ第一世代と呼んでもいい彼らは、旧世代を馬鹿にしているわけではなく、単なる歴史の流れで、自分たちはスマホが当たり前の世代で、次の第二世代は、仮想通貨が当たり前のトークンネイティブ世代で、自分たち第一世代はその架け橋になっているに過ぎないことを自覚しているのです。

恐らく、単に私自身が読み違えているのかもしれませんが、いずれにせよ、2020年代も間近に迫り、パラダイムも完璧にシフトしている現実が、この本から読み取ることができます。

経済学は人々を幸せにできるのか?

浜松城

学生時代は、夏目漱石や古典文学、サルトルやカミュなどの哲学など専ら人文科学に熱中していたため、社会科学、特に経済学の勉強は疎かにしておりました。

まあ、経済学については斜に構えていたところがあり、敬遠していたわけです。それでも、森嶋通夫氏や宇沢弘文といった世界的な経済学者の名前だけは知っており、老境に入り、少しずつ彼らの著作を読み始めております。

でも、門外漢なので、専門書は歯が立ちません。手始めに、宇沢弘文著「経済学は人びとを幸福にできるか」(東洋経済新報社、2013年11月7日初版)を読んでみました。これは、講演会の速記録やエッセイ風の読み物でしたので、読みやすかった。結構知らなかった、蒙を啓いてくれる箇所が多かったので、また、備忘録のため、換骨奪胎で列挙したいと思います。

浜松城

・1929年の大恐慌の時、高名な経済学者サミュエルソンの父親は、インディアナ州ゲーリー(日本の八幡のような鉄鋼の街)のUSスチール社の職工だったが、1920年代初頭はかなり景気が良く、全てのお金をはたいて、フロリダの別荘用地を買ったが、それが詐欺で一晩でゼロになった。これが、サミュエルソンの子どもの頃の大恐慌の思い出。

・第二次大戦の終わった1945年の夏にフリードリヒ・ハイエクとフランク・ナイトがスイスの避暑地モンペルランで一緒になり、戦後の荒廃から回復する経済的基盤を考えるモンペルラン・ソサイエティの原型みたいなものを作る。2人は、シカゴ学派の中心的人物だったが、それが後に、弟子である金儲け主義で新自由主義のミルトン・フリードマンとジョージ・スティグラーに取って変わってしまう。ナイトは80歳過ぎた晩年になって、フリードマンとスティグラーの最近の言動は目に余るものがあるとして、この2人の破門宣言をした。

・英国のシドニー&ビアトリス・ウェブ夫妻は、フェビアン協会を作った新しいタイプの労働運動の指導者だった。この夫妻が英国で初めて作った労働者階級のための大学がロンドン・スクール・オブ・エコノミクスだった。(今やあのトマ・ピケティも学んだ世界一流の大学として有名です。インテリ・ロックンローラー、ミック・ジャガーも通ったとか)

・ケネディ政権などの国防長官を務めたマクナマラは、ベトナム戦争でキル・レシオ(殺戮比率)を使って、ベトコン1人殺すのに何万ドルかかるか戦略・戦術を考えた。このキル・レシオはマクナマラ自身が考えた概念で、太平洋戦争中、日本爆撃の全責任を負っていた司令官カーティス・ルメイ少将の目に止まり、マクナマラはグアム島に呼ばれ、そこで日本攻略の作戦を練った。(如何に安上がりで日本人庶民を殺戮できるかを考えたってことでせう)

・第一次大戦に従軍した米帰還兵にフーバー大統領がボーナスを約束したのに、なかなかそれを履行しないので、数万の帰還兵が1932年5月にワシントンでデモを行った。このデモを共産主義者が煽動しているという根拠がない理由で鎮圧した司令官がマッカーサーだった。フーバー大統領が中止命令しても聞かなかた。徹底的に弾圧し、幼児まで殺されたという記録が残っている。米国人のマッカーサーに関するイメージは、このボーナス・アーミー事件の影響力が大きい。(日本人は誰も知らない)

浜松城

・ケインズは、第二次大戦中も、政府代表というポストを利用して結構酷いことをやっている。その代表が、印象派絵画の買い占めだった。ドイツ軍がパリ侵攻前にフランス政府から名画の疎開を要請された際、個人的に安く買い占めたという。この事実は、ブルームズベリーの一員だった女流作家ヴァージニア・ウルフの日記に残されている。

・シカゴ大学哲学科のジョン・ドラン教授はベトナム反戦運動で逮捕され大学を追われた。「ノーム・チョムスキーはえらい。彼は反戦運動で54回も逮捕されている。それに比べると自分は1回しか逮捕されていない」とドランは話したが、彼の場合、みせしめのためか、懲役10年という重い刑だった。

・私がシカゴ大学にいた頃、ジョーセフ・スティグリッツという天才的な頭脳と魅力的な人柄を持った学生がいた。それから何年かして彼をスター・プロフェッサーとしてシカゴ大学に招いた。2001年、スティグリッツはノーベル経済学賞を受賞した。

・ケンブリッジ大学をトップで卒業する学生の大部分は、イートンやラグビーなど名門パブリック・スクールの教師になることだという。少し成績が落ちる学生は、研究者を志すか、公務員を志望する。一番成績の悪い学生は銀行に行くという。(あら、日本とじぇんじぇん違う=笑)

投資は逃避なのか?似たもの同士なのか?(単なる地口ですが)

興城 copyright par Matsouoqua Sausai

いやはや、先日足を運んだ本屋さんで、刺激的なタイトルに引かれて、ついつい買ってしまいました。

荻原博子著「投資なんか、おやめなさい」。版元はあの有名なY君が在職する新潮新書で、2017年9月20日初版です。私が買ったのは同年11月15日発行の5刷。かなりのスピードで売れているようです。

著者は、テレビにも登場する著名な経済ジャーナリストですが、この本では、保険会社から銀行、証券会社に至るまで国内外を問わず、あらゆる金融機関を敵に回して、「正義」を貫いている清清しさがあります。

商人は物を売ります。八百屋さんは野菜を売り、魚屋さんは水産物を売ります。もちろん、ビジネスですから利潤を追求します。しかし、この本を読んで、金融機関ほど、自分たちの暴利をむさぼる金融商品を売って、阿漕な商売をする商人はいないのではないかと思わせますねえ。

何しろ、手数料が膨大なのです。例えば、1000万円の投資信託を買うのに、4%も手数料を支払うのです。40万円です。1000万円のワンルームマンションでも、高級車でもいいですが、買うときに40万円もの手数料支払いますかねえ?(もちろん、登記などで別に費用がかかりますが)。投資信託なら、これまた、信託報酬と言われる「手数料」を毎年毎年、払わなければならないのです。年率2%以上もあります。年間20万円以上です!べらぼうですね。

例によって、個人的な感想とともに、換骨奪胎で引用させて頂きます。

・【保険】の場合、1万円の保険料を支払うと、そこから運営経費や保障などでお金が差し引かれる。金額は、商品、年齢、性別などによって違うが、モノによっては、加入して4000円ほど引かれて、6000円からスタートになります。スタートが6000円だと、3%もの高利回りで運用されても、なかなか最初の保険料の1万円には到達しないのです。

⇒確かに、保険は、契約すると4割は最初から保険会社に持っていかれてしまうと聞いたことがあります。この4割は、わざわざ会社にまで足を運んで、相談に乗ってくれる、保険外交員らの給料の一部になるわけです。

・顧客の無知につけこむ「ドル建て生命保険」。例えばの例。「35歳男性が死んだときに10万ドル受け取れる終身保険に、月々161ドルの保険料で加入したとします。この保険では、10年後に解約すると約1万6000ドル、20年後なら約3万5900ドルとなります。」

これを1ドル=100円に単純計算すると、月々の保険料は1万6100円なので、10年間に支払う金額は、1万6100円×12カ月×10年=193万2000円。あれ?200万円近く支払っているのに、10年後に解約すると160万円しかもらえない。20年後に解約したら、386万4000円支払ったのに、359万円しか戻ってこない、というわけです。

・円が最高値になったのは、東日本大震災直後の2011年3月17日で、1ドル=76円だった。

・【外貨預金】通常の銀行だと、ドルの場合、預け入れに1円、引き出しに1円が為替レートに上乗せされる。

つまり、100円に対して、合計2円の手数料が引かれるということになる。

ということは、

100万円を預けると、預け入れと引き出しで手数料2万円も払うことになる。

ただし、オーストラリア・ドル預金の往復手数料は5円。100万円なら5万円!が手数料になります。

・【金取引】2017年6月7日の時点で、金1グラムの買値は4952円、売値は4867円。85円の差額は、税金と手数料。こうしたことを考慮すると、買ったときよりも1割以上価格が上がっていないとトクしない。

また、日本の金価格は、海外の金価格と為替に支配される。金の価格が変わらないとしたら、為替が1割以上「円安」になっていないとトクしない。そんなタイミング良く円安にはならない。

・【変額個人年金】ゆうちょ銀行で販売していた「変額個人年金」は、加入時に4%の契約手数料。これに保険運用期間中に、年間合計約3%の手数料を取る。

⇒1000万円の変額年金に加入したら、まず40万円取られ、毎年約3%の手数料を25年間払い続けると約500万円となり、残りは500万円しかなくなってしまう。毎年5%以上の運用成績ではないと元手は取り戻せない。

もう「郵便局だから安心だ」という神話は通用しない!

・【結論】デフレなので、銀行に預けても、金利は0.001%しかつかないが、元本だけは保証されている。だから、膨大な手数料を取られる投資信託や変額個人年金などで運用するよりも、「投資をしない」というのも一つの考え方。

⇒それでも投資をしたいのなら、銀行や証券や他人任せにしない。地道に毎日勉強して自己責任で、借金などせずにまず小額で株式投資などをやった方がまだいい。損をするのも自己責任。

以上

嗚呼、エキスだけ書いてしまいました(笑)。

人間も機械も7年が限界?新聞業界も限界?

六義園

先日、長年使っていたパソコンを廃棄することを決めたことを書きました。2011年3月に購入したものなので、7年でオシャカになったことになります。

そしたら、また先日読んだ新聞記事によると、ソニーから発売されていた犬型ロボットの初代「アイボ」(1999年発売)など旧式はとっくにサポートサービスが終了しており、元ソニーの開発者の一人は、この種のIT機器は耐用期間を「7年」に設定して作っているというのです。

へーと思ってしまいました。

いくら仲の良い男と女も7年経つとあやうくなるという説もあります(笑)。そう言えば、昔、マリリン・モンロー主演の映画「七年目の浮気」(1955年、ビルー・ワイルダー監督)なんてのもありましたね。

人間も機械も7年限界説なんでしょうか(笑)。

ブッション・ドール ステーキ定食1000円

ところで、先日久しぶりにお会いした某新聞社の元幹部さんから、新聞業界の危機的状況を聞きました。

電車に乗っても新聞を読んでいる人はほとんど見かけなくなりましたからね。特に若い人はほとんど、新聞を家で購読してさえいないとか。

かつては、「1000万部」を誇る世界一の大新聞社だった讀賣新聞も、今は見る影もなく、600万部を切っているそうです。

新聞が売れないと、駅の売店やキオスクもどんどん閉店しています。

コンビニは増えているかもしれませんけど、コンビニでの新聞の返品率が50%とかで、そうなると、コンビニ業界の「淘汰論理」で、そのうち、コンビニも売れない新聞は扱わなくなるかもしれません。

新聞・雑誌の流通を担う卸(おろし)の首都圏の四大即売会社(啓徳社=読売・報知系、東京即売、東都春陽堂=毎日・スポニチ系、滝山会=朝日・日刊スポーツ系)のうち、東京即売は、もう数年前からかなり重症の経営難に陥っているそうです。

出版の取次ぎ大手栗田書店(1918年創業)も2015年6月に135億円の負債を抱えて倒産しております。

このような状況について、ほとんどの日本人が「対岸の火事」としてしかとらえていません。ヤフー・ジャパンや、グーグルやインフォシークなどIT事業者も、パソコンやスマホでニュースを読んでいる若者も「関係ない」と思って、危機感すら覚えていません。

しかし、これらは、回りまわって自分たちにボディーブローのように効いてくるのです。

第1、スマホやパソコンで「無料」で流れてくるニュースは、新聞社や通信社や出版社がしっかりと取材して執筆して編集して大変手間がかかったもので、そもそも、ダイジェストならともかく、全部「無料」で読めるわけがないのです。

その大本の新聞社や出版社が倒産したら、どうなりますか?スマホやネット上には、個人の感想か、信頼できないフェイクニュースしかなくなるということですよ。

新聞社もネットニュースを独自にやってますが、単なるアクセス数稼ぎ的な、実に質の低下した、スキャンダラスな方向に行きかねない危険もあるわけです。

これからのメディアの世界(特に新聞と出版業界)がどう変貌していくのか想像できませんが、駅売店がつぶれ、取次ぎ卸がつぶれていく今の現況を見ると、とても楽観的になれませんね。

日本は外国人の天下で日本人は隅で目立たぬよう、生かさぬよう、殺さぬよう…

厚生労働省によると、2017年10月末時点の外国人労働者数が約128万人で、前年同期から18%増えたそうですね。

道理でコンビニに行くと、「いらしゃい」と迎えてくれる店員に普段見かけない外国人労働者が増えたはずです。居酒屋の厨房を覗けば、洗い場は外国人労働者だらけとも言われてます。

また、厚労省によると、外国人労働者の数は2012年から急激に増加し、この5年間で約60万人増え、日本の雇用者総数の約2%を占めているというのです。

これだけ増えるとその家族も一緒に来日するんでしょうね。あたしの住む田舎街でさえ、随分増えました。特に、中国系とパキスタンかインド系の人が。あと、全く聞いた事がない言語を操る人とか。

今朝も中国系と思われる母親が、狭い混んだバスの中で、乳母車を全面展開して、「邪魔だ!ドケドケ」と言わんばかり。もう一人3歳ぐらいの上の男の子もグズリがち。

あたしの大昔の子育て時代は、これほど「少子高齢化」は叫ばれておらず、子どもも多かったので、電車やバスの中でベビーカーのまんま乗り込もうものなら、大顰蹙のブーイングで、露骨に「邪魔だ」と注意されたものでした。

電車やバスに乗った時は、簡易ベビーカーを折り畳んで、隅っこに目立たないように立っていたものです。

時代は変わったものです。

今朝の通勤電車の中では、何語か分からない言葉で携帯で通話している若い外国人の女もいました。

何が一番怖ろしいかと言いますと、歴史や法律やマナーを知らない、あえて知ろうともしない、文化も風習も慣習も言葉も違う人間と、自分で生まれ育った国で関わりを持たされるという強制に馴化されることです。

今の時代、日本人同士でさえ、「話せば分かる」という関係が難しくなっているのですから。

閻魔銀行にて投資運用で困った話

渓流斎四天王の酒居忠継です。初登場です(笑)。(四天王の他の3人は、本棚只勝と榊葉安正、伊井尚政です。次回はまた名前が変わっていましたら御免なすって)。

本日は、退職金の運用の相談のため、自宅から歩いて2時間ほどの閻魔銀行に行って来ました。

軍資金は1000万円です。

閻魔銀行のカンポーとかいう簡単保険が利率が高いと聞いていたので、まずそのことについて聞いてみました。

すると、行員は「利率が高い?あ、それは、民営化する前のことですね。今は、純粋な保険と考えて頂いて結構です。事故や病気などに遭った時の入院費とか、亡くなった場合でも、保険金がおります。ケガも病気もなく満期を迎えれば、保険金は戻りますが、1000万円なら払戻金は800万円です。ですから、ちょっと投資対象にはなりませんね。あくまでも保険です。投資目的なら、投信や変額年金保険なんかは如何でしょうか」と言うではありませんか。

そこで、紹介されたのが、「長生きお得変額年金保険」と「ハッピー変額年金保険」の二つでした。米ドルやユーロ建てなどの変額保険なども勧められましたが、為替変動はプロでも見極めがつかず、怖いのでパスしたら、この二つだけが残りました。

「長生き」は、購入手数料が⒌0%掛かるので、1000万円だと他に50万円の手数料が掛かります。そして、年金は翌年から28万円もらえます。終身年金だから死ぬまで毎年28万円もらえます。でも、考えてみれば、単純計算して、28万円を30年間もらえるとしても合計840万円しかなりません!そして、30年経てば、あたしも91歳ですよ。

すると、行員は「だから、長生きすればするほどお得なんですよ」と、いけしゃあしゃあと言うではありませんか。最初に払い込んだ1050万円を取り戻すのに、37年半も掛かるじゃありませんか。99歳ですよ。笑えます。

あの俳優の大杉漣さんは昨日(21日)、66歳で急死されてますしね。

もう一つの「ハッピー」は、15年満期契約ですが、途中解約してもオッケーです。でも、投資信託の信託報酬に当たる手数料が年間3%も掛かります。1000万円を払い込んでも、株や債券で運用されてますから、上がったり、下がったりします。でも、15年満期には1000万円は最低保証するというものです。上がれば儲けもんですが、下がれば、最低保証されても手数料は取られるでしょう。15年後に元本保証されてもナンボのもんじゃいですよね。うまくできてます。

すると、行員は「今、1000万円を定期預金しても、0.01%しか利子が付きませんから、10年定期でも、10年後の利子は8000円ですよ」と言うではありませんか。

そこで、あたしも「そんなら、タンス預金しても変わらないね」と念を押したところ、行員は「それだけはやめて下さい」と言うではありませんか。

その行員は「いいカモに逃げられては困る」といった蒼ざめた顔付きでした。

渓流斎先生、この話、どう思われますか?

パニック売りで、恐怖心指数が2年半ぶりの高水準

Copyright par Duc de Matsouoqua Sousoumou

米ニューヨークのダウ平均株価(30種)が5日に大暴落し、前週末比1175・21ドル安の2万4345・75ドルで取引を終了しました。

まさに、パニック売りの状態で、下げ幅は、リーマン・ショックの世界的な金融危機の2008年9月29日(約776ドル安)を上回り、史上最大だったとか。

投資家の不安心理の指標として、米シカゴ・オプション取引所に恐怖心指数(VIX)なるものがありますが、「中国経済減速への懸念から世界的株安を招いた2015年8月以来の2年半ぶりの高水準」なんだそうです。一時、危険水準とされる20を大きく上回る38.8まで急伸しました。

この負の連鎖で、日本の日経平均も6日午後に一時、1600円も大暴落してしまいました。ロンドンや上海やシンガポールなどアジア諸国でも同じように大暴落です。

世界的な暴落のきっかけをつくったニューヨーク・ダウ暴落の原因は、証券アナリストらの分析によると、米長期金利の高騰だといいます。(2月2日に発表された「1月の雇用統計」の失業率は4・1%と約17年ぶりの低い水準で、平均時給は前年同月比2・9%増と市場予想を上回る高い伸びを見せたことから、米長期金利の指標となる新発10年物米国債の流通利回りが年2・78%から2・85%に上昇し、約4年ぶりの高水準)

長期金利が上昇すると、企業の設備投資や不動産投資、個人の住宅購入などが減り、景気が減速し、株式投資が控えられ、高金利の国債投資に向かうと言われています。

日経平均が下落した背景には、欧米市場での株価急落や長期金利上昇に伴う国債の価格下落で損失を抱えた海外投資家が、日本株を売って穴埋めをする動きが加速したことがあるようです。

ここまで書いたことは、私の分析ではなく、全て、新聞報道等の受けおりです(笑)。

結局、株式は、最後は、恐怖心など投資家心理で動くものだと私は思っております。よく、値動きの原因として、「当面の利益を確保したい投資家の思惑から」などといつも後付け講釈で説明されますが、実は、理由など専門家でも誰でも分からないのではないでしょうか。

だから、大変失礼ながら、株式相場の記事は、AIが書けるのではないかと思ってます。既に、米AP通信社は、スポーツ記事をAIで書き、世界中に配信しているという記事を読んだことがあります。「どっちが勝った」「何年ぶりの優勝」「世界記録を1秒18更新した」などといったデータものはお手の物でしょう。

そんなら、株式でも債券でも原油でも、何でも書けるでしょう。将来の相場予想記事までも書けますね。「日経平均2万5000円はまもなく」と言っていた専門家でさえも予想が外れるのですから。。。あ、私はこの世界に詳しくないので分かりませんが、もう既にAIが書いているかもしれません。

株式相場で儲けようと思うなら、最も手軽で、確実な方法が一つあります。それは、「株式相場に勝つ方法」といった本を1冊書くことです。そして、末尾に必ず「あくまでも株式投資は自己責任で行ってください。」と書くことですね。

キンドルバーガーは挫折しました

以前より、最近どうも気力が薄れてきました。

以前なら、目が覚めると、「今日は何を書こうか」と次々と書く材料が浮かんできて、取捨選択に苦労したものですが、今は、どうも、ドキドキワクワクするような題材が減ってきました。

裏が見えてしまう、といいますか。政治家も芸能人も、知の巨人と言われる人たちも、皆んな薄っぺらく、いや間違いました(笑)、皆んな、均質化されてしまったお蔭で、幻想もなくなり、同時に期待感も無くなってしまったのです。

ま、成熟したお蔭で、「達観してきた」ということと自分では解釈してますが(笑)。

ところで、鄙びた温泉にでも行って養生したいものですが、諸般の事情でそれも叶わず、ひたすら読書に励んでおりますが、こちらも、何が何でも読破してやるという気力が薄れてきてしまいました。

例えば、1929年の世界大恐慌を詳述した「聖典」とも呼ばれている著名なチャールズ・P・キンドルバーガー著、石崎昭彦・木村一朗訳「大不況下の世界1929ー1939 改訂増補版」(岩波書店、2009年8月27日初版、7668円)に挑戦してみましたが、途中であえなくノックアウト。つまり、挫折してしまいました。

しかし、あまりにも専門的過ぎます。あまりにも難し過ぎます。これでも、「不胎化」といった難しい専門用語はある程度理解できますが、全体的には、お手上げ状態でした。恐らく、経済専門の大学院生でも理解できるかどうか…。

私が「嗚呼、もう駄目だ」と、続きが読めなくなったのは次の箇所です。

…金本位制は金を獲得した諸国が経済を一段と拡大し、金を喪失した国が経済を引き締めることによって自動的に機能するものと想定されていた。しかしながら、1920年代にはこの自動性が解明され始め、中央銀行間調整がその自動性を支援し、あるいはその自動性に代位するために必要とされるにいたった。それは勿論最初の事例ではなかったが、最も顕著な事例の1つであり、第2次世界大戦後マクロ経済政策を調整する見地から行う通貨当局間協議の先例になったということができよう。…

うーん、何度読んでも分からん(笑)。

週刊ダイヤモンド「2018年総予測」

実は、この手の本は、かつては「眉唾もの」として、敬して遠ざかっておりましたが、最近、すっかり「下部構造が上部構造を規定する」ことに目覚め、社会科学の知識なくしては世の中のことが分からないと悟り、倒(こ)けつ転(まろ)びつ、色々と手を出して吸収することにした次第。

ダイヤモンド社は昔々、1979年のことになりますが、学生向け放浪旅の嚆矢とも言える「地球の歩き方」の説明会で、東京・虎ノ門の本社にまで行ったことを懐かしく思い出します。

今では、「地球の歩き方」は世界中の旅行ガイド本として何冊も世に受け入れられてますが、当時はこれほど有名になるとは全く思いませんでしたね。今はダイヤモンドの本社は虎ノ門にはなく、現在の週刊ダイヤモンドの編集部は神宮前にあるようです。

最初に「この手の本」と書いてしまいましたが、年末に翌年を「総予測」する特集を組んだのは、25年前に「1993年総予測」特集をしたダイヤモンド誌が初めてなんだそうです。今ではいわゆる経済誌と呼ばれる雑誌は何処でもやってますけど、そうだったのですか。

Italie

私が今回、この雑誌を買ったのは、大手百貨店高島屋の社長に出世した高校時代の同級生木本茂君がインタビューに載っていたからです。というのは後づけです(笑)。インタビューには、この他、日本電産の永守重信会長兼社長、伊藤忠商事の岡藤正広社長、KDDIの田中孝司社長ら日本を代表する超一流企業の代表が綺羅星の如く登場しておりますが、皆様一様にお召しになっている背広からワイシャツ、ネクタイに至るまで、ダンヒルかアルマーニ製と見られ、超一流。

やっぱ、着る物が全く違います。

インタビューの内容を翫味しないで、他人様の着る物ばかり物色するなんて、浅はかな渓流斎は駄目ですねえ(苦笑)。

頭脳明晰な経済アナリストの大予測が必ずしも当たるとは限りませんが、彼らの希望的、もしくは悲観的観測が分かるだけでもこの雑誌を買った甲斐がありました。

今年2018年は、2月のパウエルFRB新議長就任、4月の黒田日銀総裁任期切れ、9月の自民党総裁選、秋の中国・三中全会、11月の米・中間選挙ぐらいしか大きな予定はないようですが、来年2019年の方が、今上陛下退位と新天皇即位、消費税10%値上げ?など大きなイベントが目白押しです。

今日、久しぶりにフランスのテレビニュースを見ていたら、マクロン大統領がフェイクニュースを発信するメディアに対して、断固たる処分を課すと宣言しておりました。

フェイクニュースは、フランス語で、Fausse nouvelle (フォスヌーヴェル)と言うんですね。英訳そのまんまです(笑)。

皆様も、Fausse nouvelleに惑わされることなく、真実を読み解く智慧を養ってくださいね。この《渓流斎日乗》を読んで、とは口が裂けても言えませんけど(笑)、今年も宜しくお願い申し上げまする。