人生に楽なし

皆さん、色々とコメントを有難うございます。全員にお礼を述べるときは、こういう場合、便利ですね。

先日、東京新聞に出ていた「人生相談」がここ数日、どういうわけか、最近ちょっとついていない私の心の支えとなって、何度も読み返しています。回答者は俳優の浜畑賢吉氏です。

全文引用したいのですが、そういうわけにはいかないので、ほんの少し抜粋します。

往年の青春ドラマで正義感の強い青年を好演していた浜畑氏は、こう述べます

「…楽なことばかりの人生なんてありません。

俳優で恵まれた人など一握りです。言いたくはないのですが、私も常に悩み苦しみと戦いながら、生き残ってきたのです。…」

何と正直なお答えなのでしょうか!私は、本当に感動すらおぼえました。

俳優といえば、皆からチヤホヤされて、高額のギャラをもらい、豪邸に住み、何でも自分の思い通りになる…。世間が考える俳優像はそんなものではないでしょうか。

しかし、浜畑氏は、俳優業は夢を売るのが商売なので、そのイメージを壊してはいけない、と心の中で自戒しつつ、現実の厳しさを正直に吐露しているのです。さらに、こう言います。

「…どんな社会にいても、苦しいこと、嫌なことなど、鬱になる状況はたくさんあります。俳優はそもそもが躁鬱病的、あるいは統合失調症的な傾向が強いものです。しかし、そのままでは仕事になりませんから、その都度踏ん張って、自分の心を軌道修正しているのです。つまり、自分の心をある程度操作できるから俳優をやっていられるのです。…」

うーん、この言葉に私は大いに勇気付けられました。

人間の悩みについて

 

 

昨日、このブログを休んだのは、社内の人間関係で、あまり愉快でないことがあったからクヨクヨ悩んでいたためでした。

人間の悩みの80%は、「人間関係」なんじゃないかと私は睨んでいます。最近、家庭内で殺人事件が多いのも、その一種です。家庭は人間生活を営む最低の単位であるし、会社や組織も、人間生活を支える最低限の単位なので、どんな人間でもそれから逃れて生きていくことはできません。霞を食べて生きていける仙人なら別ですが…。

 

よく「話せば分かる」と言います。しかし、その相手は、全く、話が通じないのです。自分が正しいと確信しているので、聴く耳を持たないのです!全く根拠のない自信で満ち溢れ、こちらを見下し、非常に失礼な態度をとるのです。

 

そんなことがあったものですから、言葉が通じなければ、それ以外の手段を選んでもいいのではないか、とか、だから、世の中、諍いや戦争がなくならないんだ、とか、突拍子もないことばかり考えてしまい、悶々としてしまいました。

 

本当に嫌な奴で、殴ってやろうかと思いましたが、暴力沙汰にならなくてよかったと思っています。そういう詰まらない人間と同じレベルに堕ちなくてよかったと思っています。関わらないのが一番です。生活のために接触しなければならなければ、悠久の宇宙の時間からみれば、瞬きするほど一瞬です。我慢すればいいのです。

 

そんな時、こんな言葉に出会いました。英国の哲学者バートランド・ラッセル(1872-1970)の言葉です。

 

「人は、自分以外の人間や国家や信条を嫌悪しなければ、幸福を感じることが少ない」

 

彼がいつ発言したのか分かりませんが、1970年に亡くなっているので、それ以前であることは確実です。

 

まるで、予言だとは思いませんか?「9・11」以来、キリスト教とイスラム教の「文明の衝突」が叫ばれたり、拉致問題があったり、この私のように、ゴミ粒のような低次元のレベルで、他の人間を嫌悪することによって精神の安定を図ったり…。何か、心を見透かされたような感じで、ドキッとしてしまいました!

だから、皆さんも毎日、どんな嫌なことがあっても、じっと耐えて我慢してください。決して、言葉も含めて暴力に訴えてはいけません。たとえ相手が理不尽であってもです。負けるが勝ちです。

NHK不祥事

うーん、NHKの不祥事に関しては困った問題ですね。

 

インサイダー取引にしても、最初は大したことはないと思っていたのですが、段々、分かったところによると、勤務中に特ダネニュースを読んだ岐阜放送局記者と水戸放送局ディレクターと報道局制作記者の三人が、放送局内やわざわざ自宅に帰って当該の株を売買して、それぞれ、44万8千円、51万4900円、9万8千円の売却利益を得たというのです。

まさに、放送前のニュース逸早くを知ることができる立場を利用した「抜け駆け」ですね。批判されても仕方がないことです。事前にニュースを閲覧することができるのは局内に5000人もいるということなので、インサイダー取引をしたのはわずか三人だけ?と勘ぐりたくなります。橋本会長も辞意を表明するほど重大な事件です。

私はそれより、NHKのドラマ撮影で、千葉でロケした際に、ドラマの設定場所が岡山県なので、バックに映る車のナンバープレートを架空の岡山ナンバーに車のオーナーに断りもなく張り替えた事件の方が唖然としてしまいました。罪の重さは断然こちらの方が軽いのですが、事の重大さには変わりがないと思います。「天下のNHKなら何をやってもいい」という傲慢さが見え隠れします。

車の持ち主は自分のナンバープレートが張り替えられていることを知らずに自宅に帰ってしまい、NHKは放送と警察を通して持ち主を探すという「おそまつ」付きです。

ドラマには「演出補」など沢山のスタッフを抱えているはずで、何で、本人に確認しなかったのでしょうかね。ロケ先の学校関係者に許可を取ったということですが、車の持ち主まで確認すべきです。最後の詰めが甘い。スタッフは、ギャラの高いタレントの御機嫌を伺うのに忙しかったのではないかと邪推したくなるほどです。

このニュースはNHKでも放送していましたが、事実関係を淡々と伝えているどころか、「車の持ち主がナンバープレートが張り替えられていることに気付かずに帰宅した」と、まるで、車の持ち主が不注意を犯したようなニュアンスに捉えかねないような報道の仕方でした。

それが気になったので、わざわざ茲に書くことにしました。

アメリカンドリームの嘘

 

 

 

「アメリカンドリーム」とか「サクセス・ストーリー」とかよく言われていますが、残念ながら、他人様の成功譚は、ほとんど役に立たないんですよね。

 

よく、「一夜にして1億円儲ける投資方法」はあるか、などと議論されますが、もっとも手っ取り早く、稼ぐ方法は、「一夜にして1億円儲ける投資方法」のコンサルタントになるか、同名の本を書くか、なんですよ。

 

要するに、そんなうまい話が世の中にあるわけがないということです。(ネット上にはそんな話ばかり氾濫しているようですが…)

 

と、同時に、世の中に「解答」がないということです。正解がないのです。逆に言えば、何をやっても自由なのです。身も蓋もない言い方をすれば、「ヒトは失敗する自由がある」ということです。

もっと、言えば、ヒトは失敗からしか教訓を学べないということなのです。

これは、私の人生経験から導き出したassumptionなのです。

昨日、NHKラジオで、「鎌田実のいのちの対話」をやっていました。ゲストは、北海道旭川動物園の小菅正夫園長と、海洋写真家の中村征夫さんでした。

「動物は命をつなぐために生きている」と悟ったという小菅園長は、動物たちが自由に動き回ることができる「行動展示」を提唱して、爆発的な旭川動物園ブームを呼び起こした人として知られています。

面白かったのは、動物の雄は、麒麟にしろ、鹿にしろ、基本的に育児をしないのですが、狼の場合は別なのだそうです。狼は、動物界では稀に見る「一夫一婦制」で、非常に雄と雌の絆が深い。例えば、雄は死ぬと雌は食が細くなり、やがて、後を追うようにして亡くなってしまう。

ヒトはどうでしょうかね?夫が死ぬと、奥さんは逆に生き生きして、何年も長く生きていくのが普通ではないでしょうか?(笑)逆に、妻に先立たれた夫は急激に落ち込んでしまいます。あんな偉大だった評論家の江藤淳、作家の城山三郎さんなんかも、奥さんに先立たれてからは意外にも脆いものでしたよね。

写真家の中村征夫さんは、1993年7月に北海道奥利尻島で地震と津波に遭い、九死に一生を得た経験を話していました。当時、中村さんは海岸からわずか30メートルしか離れていない民宿にいて、死者202人、不明28人という大惨事に遭いながら奇跡的に生き残ったのです。

中村さんは、民宿のおかみさんから「逃げてー」という叫び声を聞いて、慌てて、何も持たずに山の方に向かって逃げたというのです。おかげで、すべてカメラ機材を消失しました。

中村さんは、これをきっかけにカメラマンを辞めようかと思ったそうです。しかし、これまで、海の素晴らしさばかりを撮ってきましたが、これからは、海の怖さ、自然破壊の実態などといった現実にも目を向けて取り組もうと決心して、プロの写真家として再開したというのです。

こういう話こそ、生意気な言い方ですが、実りのある話というか、そこらの成功譚にはない、学ぶべきものが沢山あると思い、ご紹介いたしました。

白豪主義オーストラリアと反捕鯨 

 

 

 

捕鯨をめぐって、「推進派」の日本と「反対派」のオーストラリアの間で、過激な論争に発展してユーチューブで火花が散っているという記事を読み、早速覗いて見ました。

 

詳しい経緯やら、きっかけは知りません。恐らく、オーストアラリア人の誰かが日本の捕鯨を非難して、動画サイトに投稿したところ、

 

http://jp.youtube.com/watch?v=nmsANKUfmPk&NR=1

 

 

 

今度は、日本人の誰かが、オーストラリアの白豪主義(人種差別)とカンガルーやディンゴなどの希少動物を駆除している実態を告発する動画を投稿したら、80万件以上のアクセスがあったということです。

 

http://jp.youtube.com/watch?v=oKOTzmjNFjM&feature=related

 

 

 

こういうことにはキリがありませんが、これに対して、オーストラリア人と思われる人から、日本の「人種差別」を扱ったテーマで動画を投稿しています。

 

http://jp.youtube.com/watch?v=MPSlBHHUmb4

 

 

 

私は日本人なので、当事者として、私のコメントは偏っていますので、態々茲に書くことはしません。あまり、火に油を注ぎたくありませんからねえ。

 

単なる動画サイトと言ってしまえば、怒られますが、こういう風に、動画サイトが政治的プロパガンダとして使われているとは知りませんでした。(これまで、ユーチューブは、音楽とかお笑いのサイトしか見ていませんでしたから)

世界経済は結局、哲学の問題 

 何か昨日書いたことで反響を呼んでいるようですね。

 

私はあくまでも「経済音痴」なのですが、自分なりに「どうなっているのか?」と疑問を抱いて答えを求めると、自ずからそういう情報を目にすることになることが分かりました。

例えば、昨日、日本が米ドル債をどれくらい買っているか、経済評論家ならすぐに答えることができるでしょうーと書きましたが、早稲田大学大学院の野口悠紀雄教授が「資本開国論」(ダイヤモンド社)の中で、明らかにしていました。

 

●2007年2月末の日本の外貨準備は9050億ドル。そのうち、7582億ドルが米国債で運用されている。

 

野口教授は、「米国債中心の資産運用は収益率が低いので、株式投資や直接投資を増加させることによって収益率を高めなければならない。なぜなら、日本の対外資産総額506兆円は、GNP(2004年度で506兆円)に匹敵し、運用利回りが数%上がるだけで、GNPの成長率がそれだけ上がることになる」と持論を展開しています。

それでは、日本が米国債から撤退したらどうなるか?

急激なドル安どころか、ドル崩壊になることは間違いないのです。だから、日本は米国債を売りたくても売ることができない。米国債は、アメリカの核の傘にいる日本にとって、安全保障に代わるコストみたいなものだから、という識者もいるのです。

 

お金というか紙幣は、考えてみれば「信用」だけが命で、「信用」だけに支えられているようなものです。信用という幻想が失われれば、忽ち、その信用は失墜ー暴落してしまう。経済の世界ながら、実に文学的、哲学的世界なのではないでしょうか。

 

世界が平和になり、戦争も核兵器もなくなれば、今のアメリカを中心にしたグローバリズムは崩壊することでしょう。怖ろしいですか?でも、日本はもう米国債を買わなくて済みます。その分、福祉や弱者救済に回すことができます。

 

あなたは、私のことを夢想家と言うかもしれません。

でも、私一人だけではありません。

いつか、あなたも私たちと一緒になって、世界が1つになればいいなあと思います。

あ、ジョン・レノンの言葉でした。

アメリカ帝国の崩壊 

 私は「経済音痴」を自認しておりますが、昨今の経済報道を目にする度に、さすがに危機感を募らせています。

 

「異様な原油高」と、「基軸通貨のドルの世界的信用低下」のことです。

 

例のサブプライム問題は、1929年の世界金融恐慌に匹敵するのではないでしょうか?

 

先日も米最大手銀行のシティ・グループだけで、1兆9000億円以上の不良債権を抱えているというニュースがありましたが、この倒産寸前の銀行を買い支えたのが、オイルマネーで潤っている中東の政府系投資会社だというのです。新興の中国も米国債などを買うことによって、支えましたが、何と言っても、我が国、日本が、世界で一番、アメリカという国家を買い支えているのではないでしょうか。「経済アナリスト」なら、その数字がパッと出てくるでしょうけど…。

 

今までの世界経済がどうやって巡回していたかといえば、アメリカ人の旺盛な消費意欲を発端にしていたんですね。つまり、お金もないのに、アメリカ人は、土地や建物を担保にして、世界中の株や債権を買ったり、高価なSUVやプレジャーボートを何台も所有したり、ブランド品を買ったり、広大な敷地にプールを作ったりする。原材料や製品を作るのは中国やアフリカや日本。アメリカ人は、これら高級ブランド品をドルで支払いますが、召使の日本人はせっせとドルの米国債を買ってくれるので、アメリカにはお金がちゃんと戻ってくる。このドルでアメリカ人はまた大好きなお買い物をするといった具合です。

 

何てことはない。朝貢貿易じゃありませんか!

 

しかし、サブプライム問題が発生し、不動産価格が暴落(5%以上とも)し、100万軒以上の不動産が差し押さえられ、もう不動産が担保にならないとなると、ローンやクレジットも組めない。アメリカの消費意欲が減退し、ドルの信頼度も下落したというわけです。戦後のブレトン・ウッズ体制で、アメリカは基軸通貨をポンドから奪い取ったと言われていますが、わずか、60年でそのドルも崩壊しようとしています。

 

中国もせっせとアメリカ向けに玩具や衣料品や電気器具なんかを作って輸出して、GDPも二桁成長率を遂げていますが、アメリカ人の消費意欲が減退すれば、ガクンと輸出も落ちる。他人事ではないのです。今、経済特区と名を馳せた深せんも不動産の暴落が始まったようです。

 

何か、あの憎たらしいほど強かった巨人のアメリカ帝国が崩壊するようです。歴史の節目を感じるのは私だけではないのではないでしょうか。

女性を尊敬します

 私の情報収集の7割以上は、新聞です。あとはラジオ、雑誌、口コミ…の順ですか。

最近、印象的だった記事を抜粋します。皆さんもどこかで読んだことがあるでしょうから、出典は明記しません。換骨奪胎。かっこ内は私見です。

●アメリカでは、医療保険制度は民間が主体で、公的保険は一部に限られているため、全米人口の16%、つまり約4700万人が無保険者だ。

その逆に、全米のわずか1%の富裕層が全米の富の22%を保有している。

(うわー、大変な国なのですね。でも、他人事じゃありません。アメリカがくしゃみをすれば、日本は風邪を引きます。正月早々、NYの原油、1バレルが史上初めて100ドルを超え、NY株式は256ドルも急落し、おかげで日本の株式も756円も下げました。気の早い経済評論家は、早くもドルの崩壊とアメリカ帝国主義、つまりはグローバリズムの崩壊を予測しています。夢物語ではなく、現実味を帯びてきました)

●米国に比べ、ヨーロッパのEUが元気がいい。日本のデフレと円安のおかげで、ロンドンでは、地下鉄の初乗りが4ポンド(950円)、外食の平均価格が39ポンド(9300円)。

(えー、ウッソ~って感じです。ランチに9300円も出せますかあ?ロンドンには行きたくないなあ!)

●ロンドン在住のパキスタン系作家・歴史家のタリク・アリ氏

「暗殺されたベナジル・ブッド氏が2回目の首相の座に就いたとき、彼女と夫の腐敗は最悪だった。パキスタンがアフガニスタンに介入し、タリバン政権樹立に動いたのも彼女が首相の時だ。その彼女の遺志で、夫と19歳の息子がパキスタン人民党(PPP)を率いるという。政党の私物化。中世の封建制でもあるまいし、グロテスクとしか言いようがない。そんな政党を欧米は改革志向で近代的で民主的だと言ってきた。」

http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20071230D2M3001H30.html

 

(いくら、亡命・反体制作家の発言にしても、ウーンとうならされる発言。確かに、下院立候補の年齢に達していない未成年を後継総裁にするのはおかしいと私も思っていました。暗殺されたブッド氏もそれを本当に望んだのか分かりませんが、彼女に対する見方も少し変わりました。物事にはいつも二面性があり、良い悪いだけで判断していれば、真相から遠ざかるといういい例かもしれませんね)

●タレントの友近さん

「私が知る限り、女性は男性より断然エロいんです。特定の男性、愛しい人の前で淫乱なら、ある意味誇らしい。」

(へー、そうだったんですか。もっと早く知っておけばよかったですね(笑)、もう手遅れですか?そういえば、七代目市川団十郎が定めた歌舞伎十八番に「嫐」があります。読めますか?これで「うわなり」と読みます。私は見たことがありませんが、甲賀三郎が妾と逢引していると、本妻の嫉妬の妄念が娘と三郎と妾に取り憑くという話です。女性は怖い!なんて、私は絶対に言いませんからね。谷崎潤一郎並みに女性を尊敬しております。嘘ではありません。本当です!)

素顔のイチロー

 写真と本文は全く合っていません(笑)

 

先日、「テレビは見るに値しない」と散々悪口を書いたのですが、昨日のNHKの「イチローの素顔」は本当に久しぶりに見るに値する番組でした。

米大リーグ、シアトル・マリナーズのイチローといえば、マスコミ嫌いで有名で、記者のインタビューにも後ろ向きでボソボソと答え、顔見知りでない記者の質問には答えず、顔見知りでも底の浅い質問は無視するという噂を聞いたことがあります。ニュースでは、人間的に悟りを開いているヤンキースの松井は、ちょくちょく登場するのに、イチローは活躍してもほとんどニュースに出てきません。恐らくインタビューを拒否しているわけで、その噂を裏打ちする感じでした。

しかし、この番組で、イチローというより鈴木一朗という一人の人間の素顔が初めて白日の下に晒されたような感じで、なぜ、マスコミ嫌いになったのかということも手に取るように分かりました。

イチローのような超天才になると、我々のような凡人にとっては縁も所縁もない超人で、全く考えが及びもつかない人物とみなしてきたのですが、ある面では、一人の傷つきやすい青年であり、日々訓練を怠らない努力の塊であることを知り、ほんの少し共感してしまいました。

メモをしたわけではないので、正確ではないのですが、イチローはこんなことを言っていました。

「自分の弱さを人に絶対に知られたくないので、自分の弱さを必死で隠そうとした」

 

「広いアメリカで、何年経っても時差には慣れることができない。眠れないと精神的ダメージが大きいので、睡眠薬を飲んでいます」

 

「人一倍、プレッシャーを感じる方です。これまで、そのプレッシャーに押しつぶされそうで、闘ってきましたが、今年(2007年)から、そのプレッシャーを楽しむくらい受け入れることにしたのです。ヒット数が150本くらいになると、『さあ、来たぞ、来たぞ』といった感じです」

イチローの日々の生活といったら、哲学者カントのように規則正しい生活です。何時に家を出て、何時に球場に着いて、何時にトレーニングを始めて、何時に試合に臨む…。

7年間、昼食は奥さんの弓子さんが作る全く同じカレーライスを食べる、という所には少し変質狂的な性格があるんじゃないかと思えるくらい驚いてしまいました。毎日、毎日、同じ味のカレーですよ。そして、「カツカレーなんて邪道で、考えられない」なんて自信満々に発言しているのです。野球では、修行僧のようなイチローでも、野球以外のことはどこか淡白に見えてきました。

試合で遠征に行っても、試合が終われば飲み歩くことはなく、ホテルにこもって、持参した足裏マッサージ器を使って疲れを癒しながら、雑誌のページをめくっていました。これが普通だそうです。信じられませんでしたね。天下の大リーグ・スターといえば、ベーブ・ルースやジョー・ディマージオの例を出すまでもなく、私生活は本当に華やかでした。

ですから、仕事が終わると、座禅を組むようなライフスタイルで、自分を律する、あまりにも日本人的な振る舞いに、いつしか、彼に共感してしまいました。

何しろ彼の口から出た目標は「50歳になって、4割を打つこと」なんだそうですから、今は非現実的に思えても、イチローならもしかしたらやれるのではないかと思えてしまいました。

もう1つ。野球を人生に例える人も多いのですが、打率3割を打つ打者は一流選手ですが、イチローのように3割5分も打てば、超一流です。でも、超一流選手でも、6割5分は失敗しているのです。ということは、人生でも、7割失敗しても大成功と言ってもいいのではないでしょうか。

私の場合、これまでの人生、失敗の連続でしたが、それでも、まだ7割も失敗していない気がします。

イチローさんのように、まだまだ、色々と挑戦しなければならないと思いました。

運命の分かれ道

年末年始、一人もアクセスがないと思っていたら、結構いらっしゃるんですね。コメントもくださる方もいらして、少し、驚きです。

昨日の続きですが、また、シンクロニシティがありました。少し音信のなかった懐かしい人から年賀状が届きました。私は、賀状を頂ければ返事を書く主義なので、慌てて、返事を書いていたのでした。その時、また、ラジオがついていました。

すると、DJの女性が、「お正月休みで、ゆったり過ごしている方もいらっしゃるでしょうし、今、慌てて年賀状の返事を書かれている方もいらっしゃるでしょうね」と言うではありませんか!

見られているのかと思い、ドキッとしてしまいました。

さて、年初から不景気な話で恐縮ですが、最近、どうも、肩が痛くてしょうがありません。当たり前かもしれませんよね。会社でパソコンを使い、バイトでパソコンを使い、ブログでパソコンを使い…で、ほとんど運動しなければ、どこか体にガタがくるのは当たり前ですよね。

健康問題は、政治家や権力者は隠したがりますが、私はその両方ではないので、書いてしまいましたが、本当に、ブログを休止したいくらい、ちょっと辛いんですけど、まあ、読んで下さる方がいらっしゃるので、続けます。

正月早々、北アルプスの槍ヶ岳の麓で雪崩に巻き込まれて4人の登山者が亡くなる事故がありました。同じ近くのテントにいて、助かった人もいると聞いて、何が人の運命を左右するか分からないものだなあ、と本当に不思議な気持ちになりました。