変なマネーゲームはやめてほしい=昨今の株価急騰に思ふ

銀座「笑笑庵」

 昨日15日に日経平均株価が、1990年8月以来30年半ぶりに3万円の大台を回復し、フロックかと思ったら、今日16日も一時600円も値上がり、383円高の3万0467円で終わりました。

 一体、何が起きているんでしょうか?

 何しろ、内閣府が15日に発表した2020年の1年間のGDPの実質伸び率が前年比マイナス4.8%。リーマン・ショックが起きた翌年の2009年以来、11年ぶりのマイナスでしたからね。新型コロナ感染拡大で飲食店、アパレル、運輸航空、観光業界を中心に倒産したり、低迷しているところが多く、巷の景気観測も良いわけがなく、実体経済と乖離しているわけですから。

 新聞(特に日経、毎日、読売)の解説記事を読めば、分かりやすく書かれています。大きな要因となる背景は、新型コロナ対策としての各国の中央銀行による大規模な金融緩和があるようです。これによって、富裕層だけでしょうけど、金があり余り、株式投資や仮想通貨などに向かったというのです。野村証券によると、2020年3月から21年1月中旬まで。日米欧の中銀が市場に流した「緩和マネー」は計約752兆円にも上ったそうです。

 この流れで日本の株価が高騰した担い手として、大きく二つありました。外国人投資家と日銀です。1989年、東証での株式売買金額に占める外国人投資家の割合は、たった約1割に過ぎなかったのに、2020年には約7割まで上昇したというのです。日本株のほとんどをあのウォーレン・バフェットさん始め、外国人が買っているわけですねえ。また、株式全体に占める個人投資家の保有比率は2割に満たず、日本の家計資産に占める株と投信の割合は13%に過ぎないため、株を持っていない多くの国民にとって、株高の恩恵は単なる他人事に映るというのです。

 もう一つの要因は、日銀による上場投資信託(ETF)の購入拡大です。20年に初めて7兆円台に達し、日銀保有のETFは昨年末で46.6兆円。年金の基金であるGPIF45.3兆円を超えて、日本株の実質的な筆頭株主になったというのです。

 今後、日経平均は、世界的な緩和マネーによって、「3万4000円程度まで上がる」と言うストラテジストもいれば、「2021年末に金融引き締めの議論が起きて株価も2万5000円前後に下落するのでは」と予想するストラテジストもおります。真逆ですね。

 私自身は、今の株価は、今の日本の実体経済を全く反映していないので、「バブル」だと思っていますし、いずれ弾けるんじゃないかと予想しています。

 大変失礼ながら、皆さんも含めて、ほとんどの国民は株を保有していないので、「他人事」に過ぎないかもしれませんが、年金基金が株で運用しているわけですから、株が暴落すれば、年金の減額なんてのもあるかもしれないし、「持たざる者」の庶民にも大きな影響が出るわけです。

  今や、株式投資もまさに投機化しており、変なマネーゲームもいい加減にやめてもらいたいものです。というのが私の意見ですが、このまままっしぐらに奈落の底に突進していくかもしれませんぜよ。

 

日銀黒田総裁の失敗のツケは庶民に還元

オリーブオイル

来月12月に聴講したい講演会があったので、申し込んだところ、主催者から「聴講費は銀行振込にして下さい」とメールで返事が来ました。

聴講費は1000円です。しかし、嫌に横柄な銀行とやらに振り込みますと、手数料が216円も取られるのです。

昔なら、「そんな端た金」と、思いも考えもつきませんでしたが、今は10円でさえ疎かにできない身分となりましたので、「うーん、どうしようか」と数日考え込んでしまいましたよ。

結局、「聴講費は1216円」と、自分を折伏して申し込むことにしました。

日銀の黒田東彦総裁は、いくら貰っているのか知りませんが、年収2000万円か、3000万円は手堅いのでは?もっとかな?ですから、私のような10円単位を惜しむ庶民の惨状を理解することが不可能なのでしょう。

見事に失敗しました。

昨日の11月1日、日銀は金融政策決定会合を開いて、物価上昇率2%の目標達成時期を、従来の「2017年度中」から「18年度ごろ」に先送りすることを決めました。つまり、黒田総裁の任期が切れる18年4月までに目標を達成できないということになり、結局は、「笛吹けども踊らず」といった事態になったわけです。

異次元の金融緩和を推し進め、あろうことか、「マイナス金利」まで導入して、景気を停滞させたアベノミクスと黒田総裁の罪は軽くはないでしょう。

黒田バズーカも空砲に終わり、本人はたんまり退職慰労金か何かを貰って退場するだけでしょうが、これからも、なお底辺で這いずり回って生きていかなければならない庶民の苦労は、並大抵ではありませんよ。

こんな事書いても、それこそ空砲以下ですね(苦笑)。

マイナス金利って!?

馬鈴薯留多

日銀が1月29日の金融政策決定会合で、「マイナス金利」の史上初めての導入を決定をしました。(2月16日から)

こんな重要な決定が、わずか9人の多数決で決まるとは知りませんでした。しかも、5対4の超僅差での可決です。

ちなみに賛成したのは、黒田東彦総裁、岩田規久男副総裁、中曽宏副総裁、原田泰審議委員、布野幸利審議委員の5人。
反対したのは、白井さゆり審議委員、石田浩二審議委員、佐藤健裕審議委員、木内登英審議委員の4人。

マイナス金利政策は、既に、ECB(欧州中央銀行)などで導入されていますが、何しろ、日本では見たことも聞いたこともない。

マイナス金利ですから、市中銀行が日銀に預け入れると、利子が付くどころか、保管料みたいに、金利を獲られてしまう。仕方がないので、銀行は損しないように、企業や個人に借りてもらうしかない。

一般の消費者から見ると、住宅ローンなど借りている人にとっては、金利が下がって得をするかもしれませんが、預貯金や運用商品の金利が下がって、確実に損することになります。

昨日は、マイナス金利に関する新聞記事は、隅から隅まで読みましたが、何しろ「未知の領域」なので、「先行きどうなるか分からない」ということが分かりました。誰も予測もつかないことが起きるかもしれません。

デンマークでは、このマイナス金利の影響で、お金を地元の銀行から借りたおばちゃん、いや失礼、淑女が利息をもらった、という「逆転現象」が起きたと、英フィナンシャルタイムズが紹介しています。

さすがに私も今、一生懸命に金融について勉強しています。ビッドとオファー、オプションのコールとプット、TTS、TTBなど、慣れない専門用語を覚えて、金融リテラシーを高めています(笑)。

例えば、小口幸伸著「2時間で分かる外国為替」(朝日新書)によりますと、先物レートを知らずに外貨預金をすることは、ブレーキの操作を知らないで運転するようなもの。とにかく、無謀だ、といいます。やはり、金融リテラシーが必要です。

それでも、この本によりますと、成功している為替ディーラーはわずか1割程度なんだそうです。プロでさえ、この有様ですから、素人が生半可な金融知識で、相場に手を入れると危険でしょう。しかも、著者の小口さんは、「どうしたらうまくやれるのか」との質問に応えて、16条の項目を挙げ、第1条が「金融機関の営業を信じるな」、第2条「エコノミストを信じるな」、第3条「銀行ディーラーを信じるな」、第4条「ハウツー本を信じるな」、第5条「信頼できる人を探せ」…と力説しているのです。

いやあ、この本を読むのに2時間どころか、20時間もかかりましたが、実に為になりました。

昔は、本といえば、フィクションかノンフィクションばかり読んでいたので、こんなに経済もんを読むようになるとは思ってもみませんでしたけど(笑)。

彼の昨年のユーフォリアからルインまでの波乱万丈は、全てはトマ・ピケティのせいですかね?(笑)

浪花節だよ、日本は!(日銀総裁選の裏舞台)

 

一連の次期日銀総裁問題は、戦後初めて、「総裁空席」となり、京都大学院教授だった白川方明副総裁が総裁を代行するということで、一応の決着をみました。エコノミストの中には「今、日銀総裁がいなくても、大したことはない。ゼロ金利政策が続き、公定歩合の操作などという仕事もないし、世界経済に大した影響はない」と穿った味方をする人がいますが、政党間の抗争もからんでおり、私のような素人には何が起きていたのかさっぱり分かりませんでした。

 

よほど内部の事情に詳しい人か経済に精通している人しか、これらのゴタゴタについてはよく分かりませんよね。

 

そんな折り、昨日の日経と東京新聞がかなり詳しく裏舞台を解説してくれていたので、ほんの少しだけ、分かったような気がしました。こういう記事は本当に有り難いですよね。ネットだけ見ていては、何も分からないでしょう。ネットニュースには、解説記事が少なく、「結果ニュース」が多いので、誰が勝った、負けたとか、といった結果は分かっても、その背景や歴史や途中経過などが分からないからです。

 

部数減に悩む新聞業界は、解説、コラムによって、生き延びる道があるのではないでしょうか。

 

日経の「検証 日銀総裁空席」によると、「武藤敏郎総裁」の布石は、実に五年前にあったというのですから、驚きです。2002年12月26日、東京・赤坂プリンスホテル内で、当時の小泉純一郎首相が、武藤・財務省事務次官に「日銀副総裁を引き受けてくれ」と説得し、5年後の総裁昇格の布石まで作ったと書かれています。

 

そもそも、日銀総裁は、日銀出身者と大蔵(財務)出身者(事務トップの次官)の「たすきがけ人事」が慣例でした。それが、1998年に大蔵官僚によるいわゆるノーパンシャブシャブ接待汚職事件が明るみに出て、大蔵出身の松下康雄総裁が失脚、その後、速水優、福井俊彦と日銀出身者が二代続けて総裁になるという異例の事態が起きたのです。

 

武藤総裁の人事が民主党が多数を占める参院で「不同意」となっても、諦めずに福田首相が、元大蔵事務次官だった田波耕治・国際協力銀行総裁を候補に拘ったのは、背景に財務省による日銀総裁奪回という「10年来の悲願」があったというのです。

 

分かりやすいですね。

 

東京新聞の「こちら特報部」(部創設40周年だそうで、おめでとうございます)の「福田首相『武藤日銀総裁』固執のワケ」によると、背景に角福戦争(佐藤栄作首相の後継を巡って、田中角栄、福田赳夫両氏が激しい政争を繰り広げた)時代の宿縁があったというのです。

 

まず、福田康夫首相は、赳夫元首相の息子。小沢一郎民主党党首は、田中角栄元首相の直々の弟子であったことを押さえておいてください。

1974年に次期大蔵事務次官の人事を巡って、当時大蔵大臣だった福田赳夫氏(大蔵省主計局長出身のトップエリート)が、慣例に従って主計局長の橋口収氏(後に国土庁初代事務次官)を押したのに対し、田中角栄首相は、主税局長の高木文雄氏(後の国鉄総裁)を事務次官にしてしまうのです。このバトルは「角福代理戦争」とも呼ばれました。

 

この橋口収氏の娘婿が何と武藤敏郎氏だったのです。福田康雄首相は、自分の親父が橋口氏に対して果たせなかった「約束」の借りを、武藤氏を日銀総裁にすることによって返したかったのではないかというのが、当時をよく知る与党議員の口から漏れたというのです。

 

これも非常に分かりやすいですね。

 

日本の政治、人事は、いまだに、恐らくこれからも「浪花節の世界」だということがよく分かります。

まだ辞めない福井氏

福井さんがまだ恋々と権力にしがみついて、自己主張を繰り返している姿は、非常にみっともないというべきでしょう。

「辞めなくてもいい」と言っている連中も、自分に火の粉がふりかかってくるのを避けたい魂胆がある、と勘ぐりたくなります。

福井さんが辞めるべきだという意見の中で理論的に最も説得力があったのが、東京新聞のインタビューで登場したファンド・マネジャーの今田栄司氏の発言です。

彼によると、

1、村上ファンドのような私募型ファンドに参加できるのは、企業のオーナーか一部上場企業の社長などのVIPに限られ、一種の「秘密クラブ」になっている。

2、ファンドには裏保証として「10%の利回りは保証しまう」などと口約束で、元本割れしないようにこっそりと保証を約束している。(だから、福井氏の言う、若い人の志に賛同したなどいう奇麗事は詭弁にすぎない)

3、福井氏が2月に村上ファンドを売り抜けたのは、事前に村上逮捕の情報を知っていた節がある。これは究極のインサイダーではないか。

以上の3点だけでも、素人がみても大変説得力があります。

通貨の番人は日本だけに通用するのではありません。これだけ、グローバリズムの波が押し寄せている中、国際的にも非常に恥ずかしい話です。

福井総裁は辞任を

日銀・福井総裁の儲けの全容が判明しました。

運用益の総額は1473万円だそうです。1999年1月から2005年末に村上ファンドに1000万円を投資した結果の成績です。大手銀行に同じ1000万円を大口定期に預けた場合、99年1月時点の利率年0・40%を適用すると、利息は6年9ヶ月で計約27万円。

何という違いでしょう。

しかし、こんなことばかり書いているのも馬鹿らしくなりました。

福井総裁は、「責任を取って」これらの儲けを慈善団体に寄付し、自身の報酬月額の3割を半年間返上してでも、総裁という椅子にしがみつきたい旨を表明しています。

よっぽど、日銀総裁の地位が居心地いいのでしょうね。

しかし、そのうちこのニュースもすぐ忘れ去られるでしょう。

それに私がどうのこうの言っても、何の影響もないでしょう。

だから、こちらも備忘録として残しておきます。