会計のお勉強で世の中が違って見えてきた!

桂林から陽朔までの、漓江川下り Copyright par MatsuokaSousumu@Kaqua

もう2週間以上も前に発売された古い週刊誌を新刊として正規の価格(740円)で買ってしまいました。えっ?(笑)。

「週刊ダイヤモンド」6月10日号の特集「これからの必須スキル 会計&ファイナンス まるごと一冊 超理解」が読みたかったからです。バックナンバーとして書店で購入しました。

私もかつて、すめらまじきことは宮仕えなりをしておりましたが、仕事がスポーツ観戦だったり、映画や演劇鑑賞だったりしたものですから、ついに最後までとうとう、会社の経理会計関係を勉強せずに中退してしまいました(笑)。

要するに、決算書も貸借対照表も読み解くことができないのです。単なる数字の羅列しか見えず、見ただけで頭が痛くなりました(苦笑)。

しかし、自己責任、都民ファーストの時代になると、そんなこと言ってはられません。この週刊誌を読んだ私は、声を大にして言いたい。「人間は二種類しかいない。決算書が読める人間と読めない人間の二種類だ!」

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さて、例によって、特集の内容をほんの少しメモってみます。

●経理専門でないのなら、まず、小難しい簿記や仕訳の知識は必要ない。「財務3表」がざっくり読めればそれで良い。

●「財務3表」とは、(1)損益計算書(PL)(2)貸借対照表(BS)(3)キャッシュフロー計算書(CF)のこと。

●損益計算書(PL)は、(1)売上総利益(2)営業利益(3)経常利益(4)税引き前当期利益(5)当期純利益ーの五つの利益を抑えれば良い。

●貸借対照表(BS)は、(1)流動資産(2)固定資産=以上「資産」(3)流動負債(4)固定負債=以上「負債」(5)純資産ーの五つの箱で考える。

●貸借対照表のBSは、balance sheet(バランスシート)のこと。このbalanceは、均衡という意味ではなく、残高という意味で使われている。よって、バランスシートの正確な和訳は「残高一覧表」となる。(知らなかった!)

●キャッシュフロー計算書(CF)は、(1)「営業活動によるキャッシュフロー」(本業で現金がどれだけ増減したか)(2)「投資活動によるキャッシュフロー」(投資でどれだけ現金が増減したか)(3)財務活動によるキャッシュフロー」(借金や返済でどれだけ現金が増減したか)ーの三つの袋を見れば良い。

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★2016年度決算で、ソフトバンクは日本企業としてはトヨタに次ぎ2番目となる純利益1兆円を達成した。しかし、その一方で、ソフトバンクには有利子負債が実に14.9兆円もある。有利子負債率は60.3%。
有利子負債とは、いわば銀行などからの借金。ちなみに帝国ホテルの同期の有利子負債はゼロ、つまり無借金経営だ。
戦後最大の大型倒産は、2000年10月の協栄生命保険で、負債総額が4.5兆円だから、14.9兆円の借金がいかにも桁違いだということが分かりますねえ。(あたしなら、枕を高くして眠れない)

★ついでながら、ソフトバンクの孫社長は、後継者に一旦指名しながら、やっぱりやーめたインド系の副社長だったニケシュ・アローラさんに88億円もの退職金を支払ってお引き取りを願いました。

88億円でっせ!!

他人事ながら、そして、本当はどうでもいいことですが、孫さんの金銭感覚は人智を超えてます。

★外食産業には、原価である食材費が30%、人件費が30%、家賃や諸経費が30%、残りの10%が利益となるようにする「黄金比率」がある。経営者は、原価率と人件費を抑えて収益を確保しようとする。
ところが、今、サラリーマンの間で爆発的に人気になっているのが「いきなり!ステーキ」。ここの原価率は破格の55%なのだ。1000円のメニューならそのうち550円が原価となる計算。「いきなり!ステーキ」は、店を立ち食いにして回転率を高くして、人件費を抑えて販管費率を極力下げて、利益を確保している。

ふーん、なるほどね。目から鱗が落ちます。

専門家に限って、「二流の経営者は数字ばかり見てる」と貶し、「夢と希望がなければ勝ち残れない」なぞと宣いますけど、やはり、世の中、数字で動いてます。

13連敗(読売軍)とか、28連勝(藤井四段)とかね。

パリの銀行が繁栄した秘密とは

昨日は、大学の同窓会(東京・大手町のサンケイプラザ)に参加してきました。春と秋の年2回あります。フランス語を専攻した皆さんなので、ワインと美食にうるさい(笑)人が多く、秋はボージョレヌーボー、春もそれなりの高級ワインが出ます。

昨日もワイン通から、ワインの説明がありましたが、忘れました(笑)。吾人には理解不能で、ワインでしたら、美味しければ何でも戴くタイプだからです。

毎回、多彩なゲストスピーカーをお呼びします。ゲストとは言っても身内の卒業生です。それが、皆さん優秀な方ばかりですので、各方面で御活躍されております。

有名な政治家だけはいないようですが(笑)、官界、財界、学界、文学界のほか、公認会計士や同時通訳者など数多の人材を輩出しております。

昨日のゲストは、東京銀行のパリ支店長などを歴任した渡辺昌俊氏でした。色々な部署を体験され、ベトナム戦争中のサイゴン支店にも勤務されていたそうです。

東京銀行は、今では三菱東京UFJ銀行として吸収合併されましたが、かつては国立の横浜正金銀行で、日本で唯一、外国為替事業を認可された銀行でした。若き永井荷風がこの横浜正金銀行の行員で、リヨン支店やニューヨーク支店で勤務した体験などから、「あめりか物語」「ふらんす物語」を発表しております。

さて、ゲストの渡辺氏は幸運なことに、パリ支店は3回も勤務されたそうで、最初に渡仏した時(1962年)の、東京銀行パリ支店長が、戦後、文民としてただ一人A級戦犯として処刑された広田弘毅元首相の長男広田弘雄で、この方、作家大岡昇平の小学校時代の同級生で小説「幼年」にも登場します。

そして、パリ支店次長が窪田開造。この人は、窪田啓作の筆名を持ち、加藤周一、中村真一郎、福永武彦らと「マチネ・ポエティック」に参加した詩人、文学者で、カミュの「異邦人」の翻訳家としても知られています。

渡辺氏のお話で面白かったことは沢山ありましたが、2点だけ特筆しますと、まず、フランスの銀行には2種類あるということでした。一つは、(1)バンク・ドゥ・デポといって、日本の市中銀行と同じように、預金で運用したりする銀行。もう一つは(2)バンク・ダフェアといって、預金は集めず、証券会社のように投資事業を行ったりする銀行ーの2種類です。

1960年代の日本の銀行には何処にもディーリングルームがなく、渡辺氏らが中心になって、色々と偵察、ではなかった、研修をさせてもらって参考にして、取り入れていったそうです。

もう1点。なぜ、フランスの金融業界が国際的に繁栄したのか?

もともと、国際金融業務は、基軸通貨が中心になります。第1次世界大戦までは、大英帝国のポンドが基軸通貨だったので、ロンドンの「シティー」が。第2次大戦後は、ブレトン=ウッズ体制でドルが基軸通貨となり、ニューヨークの「ウォール街」が中心となります。

金融業界の規模をボールに例えると、ロンドンやニューヨークがサッカーボールだとすると、パリはテニスボールぐらいの規模。金融の中心を自負するフランクフルトやチューリッヒでさえ、ビー玉ぐらいの大きさだというのです。

ですが、それにしても何故、パリにお金が集まるのか不思議です。

それは、戦後の東西冷戦の時期、ロンドン、ニューヨークといったアングロサクソン系の銀行を嫌ったソ連や東独、ポーランドといった旧共産圏がパリの銀行を贔屓にしたからなのでした。

もう一つ、ド・ゴール大統領の手腕で、アラブ諸国との交流を良好にしたため、オイルマネー(もしくはオイルダラー)がそっくりパリの銀行に流れてきたというのです。

ベトナム戦争後は、パリで和平会議が開催されるなど、パリは、アングロサクソンではないのに、国際都市として、世界から注目と信頼を勝ち取ることに成功しました。

なあるほど。プロ野球で言えば、パリの銀行は「アンチ巨人」の受け皿だったわけですね。

内閣府の月例経済報告は、今日発表されまーす

宣伝したくないけど本日開店 銀座シックス

私も、その書き物にはいつも注目しているある著名な学者さんが「ニュースソース(情報源)の9割以上は、オープンソース(公開情報)なんですよ」と発言していたので、「へー」と驚いたことがあります。

著名学者ですから、特別なルートやコネがあって、彼しか入手できない超機密事項でもお持ちなのかと思っていましたからね。

確かに、市販されていない文献や、特殊な情報機関からの情報もあるでしょうが、それは「1割も満たない」と正直に告白してくれたわけです。

オープンソースは、日々、誰も、いとも簡単に手に入る情報源のことです。そのうちの殆どが新聞や雑誌と言ってもいいかもしれません。

これまたあまりにも有名で、テレビや新聞雑誌に出まくっている「知の巨人」とまで言われている2人の両巨頭でさえ、やはり小まめに情報をまず新聞で入手して、2人とも新聞は毎日10紙も目を通しているそうです。

全部自前で取れば、月に5万円、年に60万円近く掛かりますね(笑)。いや、今日はそんな話ではありませんでした…。
咲いた咲いた

ネット時代になって、いろいろと毀誉褒貶、善悪、良し悪しが議論されますが、公権力、と言ってはダメか、お上、これもダメ?じゃあ、官公庁による情報がネットで公開されるようになったことは、最大の収穫であり、功績ではないでしょうか。

何しろ、これまでは「特権階級」の一部マスコミ記者か、シンクタンクか総合研究所の主席研究員さん辺りしか手に入らなかった情報が、今では誰でも、ネット環境のある人なら、スマホでもいとも簡単に入手できてしまうのですからね。

その代表例が、内閣府が発表する「月例経済報告」です。月例ですから、毎月20日頃に発表されます。

例えば、【我が国経済】の項目には、「国民所得統計速報」「個人消費」「輸出・輸入・国際収支」「企業収益・業況判断」「雇用情勢」「景気動向指数」などがあり、【海外経済】の項目には、「国際金融」「主要経済指標の国際比較」などが並び、まさに至れり尽くせりです。

ハハア、偉そうな顔してテレビに出たり、有力紙誌に生意気な論文を書いている連中は、しっかり、これらの資料を引用して、喋ったり、書いたりしてたわけですねえ。

えつ?おまえ、今頃、そんなこと知ったのか?てか?

へっ、親分。じつあ、アッシも、このお上の資料から引用さしてもらつて、ぶろぐを書いてんでありんすよ。へっ、へっ、へ(笑)

ビッグデータの時代ですから、情報は洪水のように溢れています。しかし、その中の真の宝と言えるべき情報を発見したり、何を選ぶかによって、今は、その人の見識や真価が問われる時代になったと言えます。

シムズ理論は国民を幸福にするのか?

竜宮小僧?

黒田さんが日銀総裁に就任して5年も経つのに、デフレ脱却と2%インフレ目標の達成は、結局うまくいかず、いわゆるアベノミクスも失敗に終わったようです。

黒田さんの標榜した異次元の緩和とやら、国債をジャブジャブと発行して買い漁り、遂には、マイナス金利という禁じ手の金融政策を導入しながら、大衆の消費は伸びず、景気も上がらず。

笛吹けども踊らず、というより、無い袖は振れず、ということなのでしょう。

所詮、無理な話なのです。

賃金も上がらず、年金もカットされれば、大衆は馬鹿じゃないですから、敢えて欲しい物は我慢することでしょう。

竜宮小僧?

今は、スマホという大変な武器がありますから、これさえあれば、ゲームも出来れば、新聞雑誌も読めれば、百科事典にもなり、料理本にもなり、教則本にもなり、テレビにも映画にもなりますから、敢えて少ない可処分所得から消費動向に貢献しないでも済んでしまっているわけです。

そこで、ここにきて、金融政策の限界説から、財政政策にシフトして、今「シムズ理論」なるものが脚光を浴びてます。

何知らない?

今や経済専門紙・雑誌で取り上げられない日はないくらいですから、知らない人は潜りですよ(笑)。

竜宮小僧?

何の潜りか分かりませんが、私も潜らずに浮かび上がってみました。しかし、このノーベル経済学賞を受賞したプリンストン大学のクリストファー・シムズ教授の「物価水準の財政理論」を理解できる人は、世間ではそうザラにはいないだろうと確信しました。

何しろ、基礎的財政余剰の実質値やら、貨幣発行益の実質値やら、専門用語の基礎知識がなければまずお手上げです。

とはいえ、こんな専門用語なんて、その筋の符丁と同じような虚仮威しで、怖がることもないのです。

ある経済評論家が、分かりやすく解説してくれたところによると、このシムズ理論というものは、政府が財政赤字を放置して、政府は借金を返済できないのではないかと国民の不安を煽ることによって、通貨価値を下落させ、物価を上昇させて目標を達成するという実に強引というか、ヤクザのような手口なんですからね。

こんな財政政策が国民の幸福に寄与するというのでしょうか?

豊中市の元国有地と金融リテラシー

バチカン市国

昨日、毎日新聞の名物政治コラムを読んでいたら、国有地がお話にならないくらい破格的安価で売却された今話題沸騰の森友学園瑞穂の國小學院の敷地がもともと何であったかについて触れていて、昭和42年の時点の登記簿では「池沼(ちしょう)」だったことを書いていました。

大阪府豊中市は、その後市内は急速に宅地化して、その沼池も間も無く埋め立てられて、住宅地か何かになっていたのでしょう。

そこで思い出しました。

バチカン市国

渓流斎の叔父さんがこの豊中市に住んでおりまして、私めは大阪で万国博覧会が開催された年の夏休みに1週間ぐらい泊まらせてもらったことがありました。

昭和45年、1970年のことですから、もう47年も昔です。そんな遠い昔の記憶を辿り寄せてみると、その叔父さんの自宅の近くに確かに沼池があったのです。

我々は、叔父さんの自宅からその池沼を迂回して最寄り駅に行き、そこから、モノレールに乗り換えて万博会場に行ったことを覚えています。私は、当時最先端の(笑)コダックのインスタントカメラを片手に大興奮で、「月の石」を見たり、当時珍らしかった「歩く歩道」に乗ったりしたものでした。

こんな体験をした人は、今では50歳は軽く過ぎているんでしょうね。御愁傷様でした(笑)。

ということで、半世紀近く経って、あの豊中市が脚光を浴びて「へー」と思ってしまったわけです。
嗚呼ローマ

ところで、話は変わって、最近、年を取ったせいか、学生時代の友人らは疎遠となり、殆ど滅多に電話がかかってこなくなりました。

その一方で、急激に増えたのが、売り込みやセールスです。昨日なんか、口座のある銀行から2件もありましたからね!

庶民ですから大した金額じゃないんですよ。なけなしの、という表現がありますが、無い袖は振れない金額です(笑)。

それなのに、「いい投資があります」だの、「効率的な運用は如何ですか」だの煩い、煩い。

私は、東洋経済とダイヤモンドと週刊現代の「騙されるな」シリーズと山崎元先生の本を読んで勉強してますから(爆笑)、単に銀行証券金融機関は、手数料を荒稼ぎしたいがために商売としてやってるだけだといことを知っております。はい。

だから、奴らは阿漕ですね。実に不埒ですね。羊の皮を被った狼です!

何と言っても、奴らは軍資金をただ同然で仕入れて、高額な利息を取る脱法スレスレの商売をしているわけですから。

とにかく、アホノミクス(浜矩子教授命名)とバズーカ黒田のおかげで、マイナス金利ですからねえ。どうにかならないもんですかね?

皆さんは大金持ちだから、今の金利を知らないでしょうが、現在銀行の定期預金の金利をご存知ですか?僅か、0.01%でっせ、銭形の親分。

1000万円預けても、年間たったの1000円。いや、国税、地方税とで搾取されますから、手取りたったの800円程度。今、1000万円も1年間預けて、銀座でロクなランチも食べられないようでは、大いに笑ってつかわさい。

その一方、法定貸出金利は18%ですからね。100万円で18万円も取られます。森脇将光の世界です(笑)。やはり、氷貸しが一番ですよ。

過日、ネットの無料メールを使っていたら、無料ですから、うるさい広告が入ります。その広告はプロ野球チームも持つ会社の系列の広告で、貸出金利が年率17.8%なぞと法定金利を意識して設定していたので微苦笑を禁じ得ませんでした。

こんなこと、最高貸出金利が18%だという金融リテラシーがなければ、可笑しみが分からなかったことでした。

金融リテラシーは、あらまほしけれ。

嗚呼、斜陽なのか?ソニー

銀座プレイス

東京・銀座4丁目といえば、日本一、いや世界一かもしれないほど地価の高い超一等地として君臨しております。

昨年、その一角に「銀座プレイス」なるランドマークタワーができましたが、新しモノ好きのお上りさんさんのほとぼりが冷める空いた頃に行ってみよう、と思い、水曜日の昼下がり、昼休みがてら覗いてみたのです。

そしたら、ビックリしましたよ。平日の昼間とはいえ、空いてるどころか、ガラガラで殆どお客さんがいないのです。

一階は、日産自動車のショールームになっていて、このビルが建てられる前と同じです。ここには流石に数人たむろしてました。

私が目指したのは、4~6階のソニーのショールームです。

数寄屋橋に近いソニービルが取り壊されることになり、この4丁目にショールームが移転してきたことは、ニュースで知っておりました。

ショールームではソニーカメラ、ウォークマン、Xperiaなどソニー自慢の商品が並んでおりました。カメラコーナーでは、中国人と思しき観光客を数人見かけましたが、何とウォークマンには私以外、お客さんが一人もいないのです!

私が、軽んじて、商品に手を伸ばした瞬間、暇な店員がすぐさま「如何ですか?」と寄ってくるんですからね。

銀座プレイス
ソニーは、2日に2016年4~12月期の連結決算を発表しましたが、純利益は前年同期比80・7%減の456億円だったそうですね。

80%減とは、超が付くほどの減益です!

映画事業で1121億円の損失を計上したそうですが、ソニーピチャーズは、もともとコロムビアですから、トランプさんが「そろそろ、アメリカに返したらどうか?」と言わないでしょうね?

ゴリオ爺さん、嗚呼、偉大なるバルザック

伊太利亜フィレンツェ

世界的なベストセラーとなったトマ・ピケティの「21世紀の資本」の中で、オノレ・ド・バルザックの小説「ゴリオ爺さん」が、盛んに引用されていました。

単なる小説と馬鹿にする勿れ。

舞台は、バルザック本人がちょうど20歳の誕生日を迎えた1819年のパリです。 マダム・ヴォケーが営む賄い付き下宿で当時の最先端の様々な風俗が活写されます。1834年9月から翌35年1月にかけて執筆されました。時にバルザック35歳。

ちなみに、1819年はフランスでは、皇帝ナポレオンの失脚を経た王政復古(ルイ18世)の時代で、七月革命(1830年)も、二月革命(1848年)もまだ先の話。日本は文政2年。

何とも、古典の名作と言われるだけに、そんじょそこらの小説とは桁が違い違い過ぎます。フィクションとはいえ、恐ろしいほどの取材力で、当時実際にあった流行りのレストランや洋品店、下宿代、パン一斤の値段、銀食器の値段…など微に入り細に入り書き留められ、登場人物の心理描写といったら、あまりにもリアル。

伊太利亜フィレンツェ

なるほど、200年後の経済学者が惚れ込んで引用するはずです。

実は、私も、この小説をフィクションとしてではなく、経済書として読み始めております。

実は、と再び書きますが、無謀にも、いきなり、身の程知らずにも、最初は、原書から挑戦してみました。

しかしながら、とてもとても恥ずかしいことに、サッパリ理解できない。まるで外国語のようです。あ、そうでした、外国語でした(笑)。

1ページ読むのに1週間もかかり、それでも、薄ぼんやりとしか、意味がこのウスノロの頭の中に入ってきません。

遂に、諦めて、アンチョコを買うことにしました。アンチョコなんて、懐かしい言葉ですね。今でも使うのかしら?

伊太利亜フィレンツェ

それは、平岡篤頼早大教授訳の文庫版です。奥付を見ると、1972年4月30日、初版発行です。そして、2015年1月30日で41刷も売れておりますから、日本人も捨てたもんじゃないですね。

初版は、もう今から45年も昔なので、翻訳が少し古い感じがしますが、あの難解なフランス語をよくぞここまで日本語に置き換えたものぞと、感服しました。

正直言いますと、日本語で読んでも分かりにくい難解な部分もありますから、これを端から原書で読むなんて無謀だったんですね。

いずれにせよ、1日50杯もコーヒーを飲みながら、量産に次ぐ量産のライティング・マシーンと化しながらも、最期は力尽きて、借金まみれで僅か51年で生涯を終えてしまうこの大作家の作品を遅ればせながら、まるで同時代人になったつもりで、経済書として読んでいる今日この頃です。

本を読みながら、パリのラスパイユ通りに佇むバルザック像を思い出します。200年間近く、世界中の読者から未だに愛読される理由が、今更ながら分かったような気がします。

バルザックは、ヤバイ!

ポイント囲い込み運動

伊太利亜ヴェニス

山崎元著「お金に強くなる!」本では、競馬は娯楽としてやってもいいが、クレジットカードは使うな、と戒めておりました。

何でかあまり詳しい理由は書いてませんでしたが、一つは「いらない余計な買い物をしてしまうから」らしいのです。

けど、クレジットカードやプリペイドカードは、リボルビングなどという詐欺商法に引っかからなければ、現金だけ使うより、ポイントが貯まって還元されるので、その点だけは、いいのではないでしょうか?山崎先生?

伊太利亜ヴェニス

先日、もう何十年も会社の給料の振込み取引銀行にしていた田舎銀行のATMで、通帳がなくて、カードだけでお金を降ろしたら、紙切れにこの銀行には何とかクラブとかあって、私にもポイントが貯まっていることが初めて分かりました。

今まで、通常ならATMでも通帳を使って降ろしていたので、そんなポイントがあるなんて知らなかったのです。

早速、紙切れに書いてあった何とかクラブに電話して、ポイント還元の仕方を教えてもらい、iPadで事務手続きをしたところ、約1カ月後、今利用している通販のポイントに振り込まれていることが今朝、分かったのです。

長年のポイントが貯まっていて、約8000ポイント=8000円ですから、馬鹿にできませんよ、奥様(笑)。

さて、これで何を買おうかしら? iPadのキーボードにしようか、iPadの携帯用カバーにしようか? あっ!いずれも買ってしまったところでした。(笑)

本でも買おうかしら。

勿論、ポイントを発行する敵さんの真の狙いは、馬鹿な消費者を囲い込み、お金を使わせることだということは充分に分かってます。

ええ、騙されたと思って、8000ポイントを有効に使わせてもらいますよ、大統領。

のれん会

伊太利亜ヴェニス

昨晩は、東京・内幸町にある高級料亭の隣りの大会議室で、「カレーを食べる会」が開催されまして、昔の古い仲間が参集しました。

大分宇佐から八幡先生がお出ましになり、先生の鶴の一声で集まったのが、怒髪三千丈の老若男女30人は超えていたと思います。

凄い集客力です。

中には、随分ご無沙汰している人もおり、3年ぶりか、5年ぶりに会ったというのに、もう数十年に渡って懇親してきた仲ですから、そんなブランクなど感じさせず、すぐ打ち解けるのが昔の由みのいい所です。

石川啄木ではありませんが、昔は顎で使っていた友が皆んな偉くなってしまい、今ではすっかり立場が逆転しまいました(笑)。

内館牧子「終わった人」です。

とはいえ、かなりの極秘情報を仕入れてきましたぜ、旦那。

世の中にはまだまだ知らないことが多く、新聞やテレビや、ましてや、ネットなんぞには出てこない、それはそれは、えっ?と驚くほどの超機密情報というものがあり、そういった情報は全て「口コミ」によって、インナーサークル内だけで伝わるものだということが、今回も分かりましたよ。

まあ、街の商店街の「のれん会」みたいなもんです。経団連だの、新経済政策委員会だの、商工会議所だのと大上段に構えていようと、所詮、内実は、内々の「のれん会」なのです。

さて、極秘情報とは、どんなものでしたかって?いやはや、やはり、残念ながら、ネットには出てこないんですよ(笑)。

金融業界に騙されるな!

 長春 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

山崎元著「お金に強くなる!」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、金融に関する名言、格言がずらりと並び、なーんだ、もっと早く学んでおけばよかった、と多くの人を後悔させてくれます(笑)。

こういう話は、せめて、高校の授業にでも取り入れてほしいものです。庶民がこれ以上騙されないためにも社会人として、誰でも金融リテラシーが必要とされるからです。

またまた、換骨奪胎して、山崎氏の名言・格言を引用させて頂きましょう。

●銀行はお金を相談する相手としては不適切。銀行は客から手数料を稼ぐという点で、証券会社や保険会社と全く同じ。銀行は、単に自社の利益のために動く営利企業なのだ。

嗚呼、そうだったのかあ…。特に、取引先の銀行なんかは、自分の手の内(預金)を知られているのに、胴元を相手に勝負するようなもので、最初から負けに決まっていたわけですね。

私は、東京三菱銀行から不愉快な扱いを受けたので、この銀行嫌いです。(あくまでも個人の感想です)口座は既に解約し、今後も関わりません。

●銀行員や証券マンはあくまでもセールスマンで、自分や会社を儲けさせたい人です。相談相手を儲けさせてくれる人ではありません。だから、金融機関の「お金の無料相談会」などに近づくべきではない。人件費などの経費が掛かっている無料相談会は、「相談」と銘打った「セールス会」というのが実体なのです。

なるほどねえ。道理で、くじ運の悪いこの私が、何で抽選の「無料相談会」に当選するのか不思議でした。やっと、からくりが分かりました。

 長春 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

●あまり知られていないが、健康保険には高額療養医療費制度がある。自己負担の限度額が決められており、限度を超えた分は、健康保険が負担してくれるシステムになっているのだ。だから、基本的に医療費についての心配は無用。がん保険に加入するのも損だ。

ええ!そうだったんだあ。心配して損したなあ。。。

●生命保険は原則的に加入するべきではない。支払う保険料は、実体として「純保険料」と「付加保険料」の二つに分かれており、純保険料は、保証や貯蓄に回る分。付加保険料は、人件費などの手数料のことで、当然、顧客の保証に回らない。しかも、この付加保険料がどれくらいなのか一切開示されておらず、保険料全体の2割から5割とも言われている。

えっ!それは酷い話ですね。5割だと収めた保険料の半分しか保証に回らないということですか!これを白昼堂々の詐欺商法と言わずして何と言う?!

●金融業界が煽っている「老後不安」に騙されるな。「老後不安」を駆り立てて、有利とはいえない金融商品を購入させようと、金融業界がビジネスとして利用しているだけなのだ。

なあるほど、そういうことだったとは…!

●ギャンブルの競馬は25%、宝くじは50%以上、胴元が取り、残りを参加者が再分配するシステムになっている。

つまり、1万円を競馬に賭けた場合、最初から2500円抜き取られ、宝くじともなると、1万円で買ったつもりが、最初から5000円の商品を買わされているという詐欺みたいな商法だったわけですね。最初から「娯楽」として割り切って楽しめば、問題はありませんが、偉く高い授業料だこと!5000円あれば、腹いっぱいステーキを食べて、グラスワインぐらい飲めるはず…。せんべろ店なら、ベロベロです(笑)。

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●個人が最初から投資する候補として外すべき金融商品とは、(1)不動産投資⇒換金性が低い(2)外貨預金⇒為替リスクと手数料が高い(3)FX取引⇒投資ではなく投機なので資産形成に不向き。参加者の8~9割が損をしているという(4)金(ゴールド)などの商品投資⇒これもゼロサム・ゲーム的投機で資産形成には不向き

うーん、早く言ってよお。いや、私ではなく、貴方の呻き声が聞こえてきそうです(笑)。

●投資信託には高額な「販売手数料」と日々運用と管理のための「信託報酬」が掛かり、投資信託の9割以上は買うに値しない。

著者は、東大経済学部卒業後、商社、生保、投信、証券、信託銀行など12回も転職を経験したとか。まあ、金融業界の裏の裏の裏を知り尽くした人なんでしょう。そういう経験者が語る言葉ですから、確かな真実なんでしょう。

でも、こんな正直なことを書いて、業界から刺客を送り込まれないかしら?