「東京アウトローズ」はエグイサイトです

両国
 山梨にお住まいの武田先生は、お忙しい中、寸暇を惜しんでエグイサイトを探訪するのが趣味で、時たま、小生にもその存在を教えてくださいます。

  エグイというのは、皆さまが期待されるようなそっち方面ではありません。悪しからず(笑)。

 社会の深層や不条理、弱肉強食、企業スキャンダルなど、正直もんが損する世の中をぐさっと斬り込む社会構造とカラクリを暴露した地を這うような無償の愛の行為とも言うべきサイトのことです。

 今回、武田先生から紹介されたのが、東京アウトローズ WEB速報版という実にエグイサイトです。「茶太楼新聞」もびっくりですね。

 まあ、グダグダ説明することなく、ただ読んで頂ければ、内容が分かりますが、2017年6月12日(月)付の記事には、【アウトローな豆知識】 ジャーナリスト上杉隆らが「準強姦疑惑」の元TBS記者・山口敬之に言及、「スパコン補助金」で2億円のバックマージン―といった最先端の流行(?)を行く記事を掲載しております。

 何で、こういうようなネタが取れるのか不思議でしたが、このサイトは、編集長の奥村順一氏と雑誌「財界展望」の元編集者が集まって発刊した「真相リポート」で、企業のスキャンダル取材はお手の物のようです。

 ツイッターもやっておられるようです。

 しかも、このサイトでは「内部告発」や「情報提供」も求めており、なるほど、インサイダー情報でしたら、それに勝るものはないと納得した次第です。

 ついでながら、この東京アウトローズのツイッターがリンクというか、フォローしていた百田尚樹氏の「安保タダ乗り論」に井上達夫氏が激昂!「あなたほんとに右なの?」を思わず見てしまいました。普段、私はあまりテレビを見ませんから。

 百田さんといえば、あの強面で論法鋭く、天下無敵の右翼の巨魁として有名ですが、井上さんから「あなたは本当の右翼ではない」と論破されても、何ら言い返せず、たじたじになっていたので驚愕してしまいました。意外と優しい人なんですね。

一方の井上さんは、鐘馗様のような怖い髭を生やして如何にも恐そう。「憲法9条削除」論者で、将来的には日本に徴兵制を復活させることが信念のようです。大島渚監督のように直ぐにキレやすく、いかにもテレビ受けしそう。

東大教授で、左翼護憲派を怒鳴り倒し、極右の方かと思ったら、本人はリベラルらしく、これでは昔のように、右翼とか左翼とかいったジャンル分けがいかにナンセンスなのか、よく分かります。

「茶太楼新聞」は実に痛快

江戸東京博物館

今風に言えば、チャラ男か?

大正11年(1922年)から昭和15年(1940年)まで18年間にわたって青森県で発行された地方紙「茶太樓(ちゃたろう)新聞」について、今では知る人は皆無に近いかもしれません。

昨日(6月12日付)の毎日新聞夕刊で、学習院大学の斉藤利彦教授が、この幻の新聞を紹介する論文を発表し、私も初めて知ることができました。実に痛快です。

編集兼発行人は、古木名均(こきな・ひとし)という人。この人がどういう方なのか書かれていなかったので、今のところ詳細不明なのかもしれません。

この新聞は、「滑稽新聞」を発行した「稀代の変人」宮武外骨や、プロレタリア労働運動の著名弁護士布施辰治、それに東京で「民衆娯楽」を刊行していた添田唖蝉坊(そえだ・あぜんぼう)らが顧問となっていたそうですから、皮肉と反骨精神に満ち溢れた反政府新聞だったようです。

何しろ「茶太樓新聞」の題字の両肩に「花柳界の御用新聞 資本家の奴隷雑誌」と堂々と掲げているので笑ってしまいます。花柳界情報や人気芸妓の消息のほか、芸妓の人権擁護、治安維持法批判まで紙面で展開したようです。

太宰治も旧制弘前高校生のときに、この新聞に短歌を投稿して採用されたようです。太宰の最初の内縁の妻小山初代も芸妓でしたから、彼女の源氏名も載っているようです。

 この新聞の「社告」がこれまた凄すぎる!

「資本家各位に告ぐ
各位は絶対に安心して可なり
吾等は必ず各位の期待に添ふ可く
最も忠実な番犬となり
最も勇敢なる用心棒として
各位の為にプロ階級の文無し野郎共を相手に闘ふ事を誓約す」(昭和2年12月1日号)。

権力批判もここまでくると、まさに、痛快この上ないですね(笑)。

江戸東京博物館

もう、今から100年近い昔の話とばかり言ってられませんよ。

安倍菅独裁政権のおかげで、ものを自由に言えない密告閉塞社会が、今になって、ジワリジワリと歩み寄ってきておりますからね。

そこで、100年前の古木名編集権発行人に敬意を表して、渓流斎ブログも社告を出すことにしませう。

「善良なる市民の自由を奪う共謀罪を推進する政治家各位に告ぐ
各位は絶対に安心して宜しい
吾等は必ず各位の期待に応えるよう
最も忠実なる番犬となって
最も勇敢な用心棒として
各位のために非正規雇用の負け組貧民の文無し野郎どもを相手に闘うことを茲に誓います」(昭和92年6月13日)

5年ぶりの「ジャポネ」

久しぶり、5年ぶりぐらいに西銀座「ジャポネ」に行きました。カウンター14席に、ずらっとトグロを巻くように14人も並び、結局30分も待たされました!

うまい、安い、遅いがこの店の特徴(笑)。

散々迷った末にジャリコ並600円を注文。やはり安いですね。

並んでお腹を空かせたので、美味い、旨い。

若くないおじさんは、ジャリコ大盛り750円を頼んでました。

もうこんな長く並びたくないので、今度行くときはいつになることやら…。

左翼崩壊と右翼伸長戦略は、「昭和解体」にすべて書いてあった

Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

2017年6月11日。何故、今のような一強独裁の密告社会になってしまったのかと言いますと、第一に、選挙制度の小選挙区制にあったことは以前にも「国民の声」として書きました。

 1選挙区に1人しか当選しませんから、例えば有権者1万人の選挙区に10人が立候補し、その平均の1000票獲得しても当選しませんが、1位の候補者が1001票獲得して、2位以下が(1000票以下で)合計8999票となっても当選できるというシステムなのです。

 圧倒的多数の有権者が1位候補を支持しなくても、1位候補は当選し、逆に不支持票は死に票となります。これでは果たして、正確な民意を反映できるものなのか実に疑わしい。

Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 もう一つは、2014年の内閣人事局の創設によって、官邸が官僚の人事権を全て握って、気に食わない官邸の意向に沿わない人間は好き放題に閑職に飛ばすことができるようになったことです。

 これで、独裁者は、権力の一極集中に大成功し、賢明なる官僚諸兄姉諸君は、面従腹背で、黒いものでも白と言い、独裁者の意のまま動くことになりました。

 その前に、「昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実」(講談社)を書いた牧久氏は、この著書の中で、戦後日本政治体制だったいわゆる「55年体制」の崩壊の直接の原因は、30年前の国鉄分割・民営化にあったと見事に喝破しております。

 単なる一(いち)国有企業の解体が、日本の針路を決定する政治体制にまでどうして影響を与えるのか俄かに信じがたい話です。
Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 話を単純化しますと、30年前の「55年体制」には、国鉄(日本国有鉄道)利権を手離そうとしない政治家と経営陣と労働組合との派閥闘争がそのまま日本の政治を反映したというわけです。

 労働組合には、大きく分けて、国労(国鉄労働組合)と動労(国鉄動力車労働組合)があり、国労の背後に総評(日本労働組合総評議会)があり、総評の支持政党に日本社会党があったわけです。国労職員がそのまま、社会党から立候補して国会議員になっていたケースがあったわけです。

 動労の中央本部執行委員長だった有名な松崎明(2010年死去)は、元日本共産党員で、革マル(革命的マルクス主義者)派に籍を置いていた事実がありました。

 つまり、国鉄解体とは、イコール国労、動労の解体であり、イコール総評の崩壊であり、労組が支持していた社会党や共産党など左派勢力の崩壊となったというわけです。

 国鉄分割を総指揮した当時の中曽根康弘首相は、かなりの政治的野心と意図で、あらゆる戦略を使って国鉄解体に全ての意力を注ぎ込み、その最大の目的は左翼勢力の解体と壊滅にあったことを自分の著書の中で触れています。牧氏の著作(496ページ 終章 国鉄落城)からの孫引きですが、大変重要な箇所なので、引用させて頂きます。

 「ダブル選挙の圧勝と国鉄の分割・民営化によって、国鉄労組が分解して、総評が分解した。自民党を中心とする保守が都市に自信を回復し、ウイングを左に伸ばして、社会党の生存基盤を奪った。五五年体制の崩壊の兆しというのは、やはり国労の崩壊じゃないですか。国労が崩壊すれば総評も崩壊するということを、明確に意識してやったのです」(「天地有情」)

 なるほど、今の日本の左翼勢力の体たらくと極右勢力の幅広い拡大と「一強多弱」政治の原点は、30年前の国鉄解体にあったことが、この本を読むと手に取るように分かりますねえ。

江戸本所両国、迷い人のお知らせを致します

回向院

先日、江戸本所両国は回向院のことを書きましたので、是非とも一度は実際に行かなければならないですよ、との天からのお触れがありましたので、行って参りました。

回向院

皆様ご案内の通り、回向院は、明暦の大火で亡くなった10万人にも及ぶ被災者(無縁仏)を弔うために、四代将軍家綱の命で建立されました。

当時の江戸市中の人口100万人(当時の世界一)のうちの10万人(一説には10万8000人)が亡くなったというわけですから、とてつもない甚大な被害だったわけです。

岩瀬醒の墓

墓苑には、明暦の大火以外にも、安政の大地震の被災者や大正の関東大震災の被災者、それに先の大戦で、米軍による市民への無差別爆撃(東京大空襲)で亡くなった方々も葬られておりました。

他に著名人としては、浮世絵師の鳥居清長や戯作者の山東京伝、鼠小僧次郎吉らの墓もあります。戯作者山東京伝の本名は岩瀬醒。山東は、芝の愛宕山の東、京伝は京橋南伝馬町生まれから取ったそうです。
知らなかったでしょ?(笑)

鼠小僧次郎吉の俗名は?

中村次郎吉という実在人物だったんすよ。ですから、幕末の河竹黙阿弥が脚色して作り上げた人物とはちと違っていたようですが、歴史上の人物であったことは確かです。

江戸東京博物館

本当は、両国駅前の江戸東京博物館で開催中の「坂本龍馬 没後150年 特別展」を見に行くのが今回の小旅行の目的でした。(実際は、徘徊迷い人)

お目当ては、暗殺される5日前の慶応3(1867)年11月10日に福井藩の重臣中根雪江に宛てて書かれた龍馬の手紙。
その1カほど月前に将軍徳川慶喜が大政奉還したことから、新政府の財政担当として福井藩士三岡八郎(維新後の由利公正=五箇条の御誓文を起草)が適任なので、一日も早く三岡が京都に来て仕事ができるよう、藩内の手続きを進めてほしいと要請したものでした。

坂本龍馬展

異様とも言える凄い混雑で、龍馬が暗殺された時、持っていたとされる佩用刀「吉行」や暗殺現場に掛けていた血染掛軸「梅椿図」など、遥か遠くから垣間見るのがやっとでした。

特別展だけの入場料1350円は高いのでは?

すみだ北斎美術館

この後、昨年開館したばかりで、いつか行ってみたいと思っていた「すみだ北斎美術館」に行ってみました。

こう見えても、自慢ではありませんが、私は大の方向音痴なので、この美術館を探すのが大変でした。とにかく、方向音痴で、全く逆の隅田川の方まで行ってしまいましたから(笑)。

この美術館は、江戸東京博物館の半券があれば割引が効くというので、お願いしたら、割引券では、「複製」の狭い常設展だけしか見られないというのです。仕方がないので観覧料1000円也で企画展「てくてく東海道」までも見させてもらいました。残念なことに土地がないせいか、美術館にしては細いペンシルビルで、階段がなくて、四階までエレベーターでしか行けませんでした。

誰でも知っているジャポニスムを代表する「神奈川沖浪裏」や「凱風快晴」は葛飾北斎、齢七〇を過ぎた作品だったとは改めて驚かされました。しかも、北斎は満八十九歳で亡くなる直前、「あと十年、いや五年でもいいから長生きできれば、もっとうまく絵を描けるのに…」と言い残したとか。

悪いですが、文化国粋主義者みたいですけど、北斎は比類なき世界一の絵師ですなあ。

嫌になりますが、ここも混雑で、見にくかった。

吉良邸正門跡

せっかく、両国まで来ましたので、周辺の観光資源を、迷い人になりながら、全て回ってみました。(笑)

忠臣蔵 吉良邸跡

この赤穂浪士による討ち入りで殺害された吉良家の家臣小林平八郎(実際は上杉家の家臣で応援部隊)は、葛飾北斎の曽祖父だったとか。

芥川龍之介文学碑

勝海舟生誕の地

勝海舟生誕の地

芥川龍之介生育の地(生誕の地は、築地の聖路加病院の近く) JR両国駅東口からすぐ近くでした。芥川は、築地の牛乳屋さん(明治時代は冷蔵庫がないので、都心の近くに牛舎があったのです)新原敏三の長男として生まれましたが、母親フクが精神的な病を患い、母方の兄である幕臣の家系の芥川道章の養子となります。地元の両国小学校~府立三中(都立両国高校)と進み、無試験で第一高等学校に入学し、東京帝国大学で学びます。
小説家として一本立ちする決心ができたのは、師の夏目漱石の太鼓判もあったからでしょう。

漱石は、朝日新聞社の文芸欄を創設して、小説記者として活躍します。その師の姿を見てきた芥川も大阪毎日新聞社の社外社員となって、毎日に寄稿しました。

誠恐謹言

読売不買運動には反対します

大宮公園

読売新聞の不買運動がネット上で広がっています。

何故なんでしょうか?

と、一応惚けてみせます(笑)。

安倍首相の酒飲みゴルフ仲間の刎頚の友が理事長を務める加計学園に130億円余の便宜供与を与えて獣医学部大学の新設を「総理のご意向」で決めたのではないか、という疑惑がある最中に、その不正を告発した前川文科省前事務次官の人間性を冒涜するような下半身のスキャンダルに問題をすり替えた手口が、多くの読者の反感を買ったからでした。

外務省の機密漏洩事件を男女の問題にすり替えた西山事件を思い起こさせます。

昨日は一日中、この読売不買運動の投稿を読んで、笑ってしまいました。可笑しいわけではなく、ここまで言ってしまえるなんて、日本もまだ捨てたもんじゃない、といった感想に近いものでした。

勿論、知性のひとかけらもない暴論、暴言や事実誤認も散見されましたが、言論封鎖されたり、言論の自由を奪われるよりも遥かに健全でしょう。

投稿そのものに著作権があるかもしれないので、そのまま引用せず、換骨奪胎で我田引水しますとー。

●読売はゴミ。読まずに廃棄すべし。

●読売は、ナベツネ(渡辺恒雄主筆)の意見広告紙

●ナベツネは首相の靖国参拝は許さない。1000万人の読売読者を使って阻止すると言う。ナベツネは元共産党員だからな。

●そもそも、読売を買収した正力松太郎は警察官僚で、記者に多くの警察官を採用したから、「オイ、コラ」体質が抜けないんだよ。

●正力はCIAのエージェントだったからな。

…うーん、まあ、よく御存知だこと。

●官邸からのリークを確かめもせずに記事にする読売新聞の責任は大きい。

…確かに、読売は「前川前事務次官が、売春の温床になっている新宿・歌舞伎町の出会い系バーに出入りしていた」とウラも取らずに官邸リークのまんま報じ、週刊文春が、そのお相手となった女性に直接インタビューして、「不純な関係は一切なかった」と否定していたのにも関わらず、今度は原口隆則社会部長の署名入り記事で「次官時代の不適切な行動は、メディアが報道すべき公共の関心事である」と反論し、火に油を注いだ格好になってしまいました。

かわいそうに。原口という人は、直接知らないのですが、あれは本心で書いたのかなあ、と思わず同情してしまいました。「無理矢理書かされた」とか、「出世したいから進んで忖度して書いた」という説がネットで飛び交ってます。

記事では「私たちは、これからも政権・行政の監視という報道機関の役割を果たしていく」と締め括っていますが、時の権力者から「読売を熟読しなさい」と太鼓判を押された御用新聞に政権監視能力が一切ないことは明々白々でしょう。

ブラックジョークにしてもほどがある(笑)。恥知らずですね。天下の読売もここまで地に堕ちたのか。だから販促活動のドル箱の職業野球読売巨人軍が球団設立以来最悪の13連敗を記録するんですよ。

読売新聞は、もともと尾崎紅葉の「金色夜叉」で部数を伸ばした小新聞で、東京だけの小さなローカル新聞でした。

大正になって潰れかかっていたところを、虎ノ門事件で警察官僚(警視庁警務部長)を懲戒免官された正力松太郎が、東京市長の後藤新平から大金を借用して買収したのでした。

そして、何と言っても「販売の神様」務台光雄がいたからこそ部数が拡大したわけで、大阪進出が1952年、九州が62年、名古屋が74年で、つい最近、やっと全国紙になった新聞社なのです。

その間、「インテリが書いてヤクザが売る」と噂される凄まじい販売店争奪戦争が勃発し、小説になったり、映画化されたりしたものです。

とはいえ、私は読売不買運動には反対です。御用新聞だろうが、広報宣撫機関紙だろうが、存在意義があるからです。

キューバのカストロと同年齢のナベツネさんが存命中は、このままの状況が続くことでしょうが、その後は変わるかもしれませんからね。

読売頑張れ!もっと顰蹙を買って、御用新聞の存在意義を示せ!

「政治少年死す」を読み考えたこと

東京・新富町

ノーベル賞作家大江健三郎(82)が56年前の1961年に雑誌「文學界」2月号に発表して以来、右翼団体からの抗議で一度も書籍化されることがなかった中編小説「政治少年死す」が、来年7月から刊行開始する「作家デビュー60周年記念 大江健三郎全小説」全十五巻(講談社)の中に初めて収録される、ということで話題になっております。 

 「政治少年死す」は、1960年の浅沼稲次郎社会党委員長の刺殺事件(東京・日比谷公会堂)の被疑者で、勾留中に自殺した右翼団体「日本愛国党」の山口ニ矢少年をモデルにした小説「セヴンティーン」の続編です。

浅沼事件は、たまたまテレビでも放送され、刺殺の瞬間をとらえた毎日新聞のカメラマンは、確か、最後の残り一本のフラッシュかフィルムでギリギリ撮影したものだと回顧していました。この有名な写真は、ピューリツァ賞を受賞したと思います。間違っていたら訂正しますけど(笑)。

私は、皆さんと同じように、若き頃、「セヴンティーン」は読んだことがあります。そして、また、皆さんと同じように、その続編「政治少年死す」も読んでみたいと思っていましたが、当時はその願いは叶いませんでした。

それが、今のようなネット全盛時代となると、今では、この小説がネット上にアップされていることを発見して驚きました。全集に収録されなくても、簡単にこの小説が読めてしまうんですね。本当にびっくりですよ。

私も早速、ダウンロードしました。56年目にして読めるとは、非常に感慨深いものがありました。

大江健三郎は、ノーベル文学賞を受賞した方ですから、当然ながら、50年に1人出るか出ないかの大天才です。この小説も25歳の時の作品ですから驚愕します。私も、彼の「個人的体験」「万延元年のフットボール」「新しい人よ目覚めよ」…代表作はかなり読みました。

しかし、実際にお目にかかったりしたりすると、大変がっかりしたこともあり、一気に彼に対する敬意も覚めてしまったことがありました。ここでは理由は書きませんけど(笑)。

それは置いといても、やはり、彼の文才には尋常ならざるものがあります。今の25歳は書けないでしょう。

というのも、「セヴンティーン」にしろ、その続編の「政治少年死す」にしろ、浅沼刺殺事件が起きて、一年も経たないで、同時代として発表しております。フィクションの体裁を取っておりますが、ほぼノンフィクションに近いのです。

当時、日本でも公開されて大ヒットしたアラン・ドロン主演の映画「太陽がいっぱい」と思しき映画も出てきて、非常にタイムリーで、舞台も、原爆投下からまだ15年しか経っていない広島だったり、後に「ヒロシマ・ノート」を書く大江本人と思われる若い作家まで登場してこの右翼少年からナイフで恐喝されたりして、微苦笑を禁じ得ませんでした。(誹謗中傷する意図は全くありませんよ!)

「教育勅語拝読」「御真影」「左翼どもが」…などとまるで今のネトウの先駆者のような言辞を少年の口を借りて披歴して、とても56年も昔の作品とは思えませんでした。

1960年代初めは、深沢七郎の「風流夢譚」事件(中央公論社嶋中社長宅刺殺事件)などもあり、右翼によるテロが横行して、市民に恐怖を与えていた時代でした。

(「風流夢譚」は発禁本となったので、私は仕方ないので国会図書館まで足を運んで読みました。私は、右翼でも、左翼でもなく、単なる負け組ですが、正直言って、酷い残酷な作品で、これなら右翼でなくとも怒るのは無理もないなあ、と思いました。ただし、刺殺事件などのテロを起こすことは言語道断で許しがたいですが)

東京・銀座シックス

今は、安倍菅独裁政権によって、忖度社会となり、言論の自由まで脅かされている時代となってしまいました。

右翼テロ全盛期の1960年代初期に発表できなかった作品が、今、発表できるなんて何か面妖な、不思議な気がします。

この小説にご興味のある方は検索してみてください。そのうち削除されるかもしれませんから。

民間議員が怒っている!

紫陽花

【京都三条河原の落書】

●祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる自公も久しからず

●文科省は再調査しません

●安倍様の耳はロバの耳

●加計学園を認可したのは「国家戦略特区諮問会議」であって、総理の意向が働くわけがない。腹わたが煮えくりかえる。民間議員の竹中平蔵様も怒っている

●あったものをないというわけにはいかない

●印象操作で事実をねじ曲げないでくださいよ

●わが広報紙読売巨人軍は永遠の不滅です。42年ぶり球団ワーストの11連敗

●加計そば、一丁

忖度社会 VS 印象操作

目黒不動尊

ーあれっ? 渓流斎先生、休筆したんじゃないんすか?

いやあ、どうも最近の忖度社会には妙に気になっちまってねえ。「物言えば、唇寒し」では駄目でしょう。

ー眼精疲労ではなかったのでは?

もう、そんなこと言ってられんでしょ。いずれにせよ、最近発売されている週刊誌の見出しだけでも読んでご覧なさい。

●加計学園問題 「規制緩和」〝偽装〟した「便宜供与疑惑」ー森友疑惑に続き「知らぬ、存ぜぬ」

●前川前文科次官が反乱した本当の理由(「サンデー毎日」6月18日号)

●安倍官邸に巣くう加計学園人脈 前川前事務次官に迫った和泉首相補佐官は「菅官房長官の市議時代からの友人」/首相の側近らは「加計」系列大学の客員教授に…(「週刊朝日」6月16日号)

●安倍政権に96億円カツアゲされた今治市 加計学園問題 貧乏自治体にお金を出させて、国は1円も出してくれない!?(「週刊SPA!」)

●加計学園スキャンダル 「前川の乱」に激怒して安倍が使った「秘密警察」(「週刊現代」)

●加計学園問題 「あったものを、なかったことにする」総理周辺の“見過ごせない発言”ー「いいとか悪いとかではなく『一強』だからできる」

●加計問題 内閣参与も特区推進を前川氏に要請(「週刊文春」)

●「安倍官邸」一強で日本が失ったもの▼恐怖人事「菅官房長官」の「前川個人攻撃」全発言録
▼証人喚問!? 「前川前次官」はキャリア試験4位の大資産家御曹司▼獣医学部新設で「加計学園」は本当に儲かるのか(「週刊新潮」6月8日号)

ーなあるほど。凄い忖度社会、秘密警察社会が到来した感じですね。

まあ、これら全ては、安倍首相に言わせれば「印象操作」になるらしいけど、やはり、本音を書けるのは週刊誌で、新聞は駄目だね。建前しか書かないから。

ーそれは、昔からそうだったんじゃないですか。ロッキード事件だって、フリーライターが月刊誌に田中金脈暴露記事を書いたら、新聞記者の連中は「そんなこと前から知ってた」と嘯いてましたからね。

それより気になるのは、安倍首相の広報機関紙に成り下がっってしまった讀賣新聞。記者たちには、隔靴掻痒、忸怩たる思いはないのかなあ。まあ、あそこの「週刊読売」はとうの昔に廃刊したから、もう本音が言えないメディアになったけど、このままでは本家本元の新聞も危ないね。元検察官で弁護士の郷原信郎氏は「読売新聞は死んだに等しい」とまで長い論文を書いているからね。ネットでも読めるよ。

ー官僚の事務次官と言えば、昔は泣く子も黙る最高権力者だったのに、文科省の前川さんを見てても、官邸に人事権から何から何まで権力が集中して、事務次官なんか子供扱いですね。

そりゃあ、霞ヶ関の官僚様は、日本で最も頭が賢い集団だから、自己保身には長けてますよ。何を聞かれても、偉そうに「ノーコメント」だからね。しかし、鶏が先か、卵が先かの問題になるけど、菅官房長官は、前川前事務次官のことを「天下り問題の責任を取らず、事務次官の職に恋々としがみついていた」と非難していたけど、あれは逆だね。
加計学園の認可を渋っている 前川氏を陥れるために、文科省の天下り問題を官邸がマスコミにリークして、前川失脚を図ったというのが専らの噂だよ。

ーなるほど、それならすっきり謎が解けましたね。2014年の内閣人事局の設置や国家戦略特区制度も、加計学園ありきの撒菱みたいなツユ払いだったわけですか。

そりゃそうだよ。悪いけど、文科省なんて霞ケ関では二流の役所。本丸は財務省や経産省なのに、あれだけ天下りがあるのに、なんにもリークされない!せめて、不正融資問題で揺れる商工中金の安達健祐社長が、経産省事務次官からの天下りだったことが話題になったぐらいでしょ?

ーごもっとも。先生も夜道には気をつけて。月の出ない日もありすから。

渓流斎、ついに断筆宣言?!

江戸城大手門口

【政治屋】
うまくいった。帝国議会で、やっと俺様一強多弱法案が通過したぞ!これからも縁故主義を徹底し、気にいらねえ奴は、どんどんしょっぴいてやる。讒謗律でも新聞紙条例でも国防保安法でも何でもいい。

とにかく、主義者や危険思想の持ち主、扇動家、弱い無名ブロガーはドンドン逮捕しろ!

【公安当局】

へー、八丁堀の旦那、分かりやんした。

あっしも、渓流斎とかいう野郎、むっかしから気に喰わなかったんでがんすよ。

あんの野郎、いつも調子の良いことばかしほざきやがって、ただじゃおけねえ。そう、思ってたところでがんすよ。

市中引き回し、獄門、遠島…何でも御座れ。

あやつの息を止めて、まずは金輪際、ブログなんぞで危険思想をばら撒かないよう断筆宣言させましょう。

お約束致します。

何の花かなあ?

【渓流斎】

最近、スマホ中毒で眼精疲労になってしまいました。

ススメ ススメ ヘイタイサン ススメ

木口小平ハ テキ ノ タマ ニ アタリマシタ ガ、シンデモ ラッパ ヲ クチ カラ ハナシマセンデシタ(尋常小学校修身書)。

渓流斎は寝ても覚めても、電車に乗っても、トイレに入ってもスマホを離しませんでした。

これじゃあ眼痛で夜も眠れない。

百薬の長の酒だって、呑み過ぎたら身体に悪い。賢者は「休肝日」を設けるものです。

て、ゆうことで、小生も「休刊日」ではなく「休眼日」を設けることにしやんした。

それゃあ、毎日毎日、小さな液晶画面ばかし見てたら、お目めさんも疲れますよ。

今、毎月400円払えば、週刊新潮、文春、現代、ポストを始め、月刊誌まで100冊ぐらい読めるネットサイトもあり、契約しようか、どうしようか悩みましたが、やめました。あの憎っき、ドコモですからね(笑)。それに、人智を超えているというか、自分の処理能力を超えてます。

100冊なんか読めるわけない。しかも、液晶画面で眼が痛くなる。それで人生が終わってしまう…(笑)。

…ちゅうことで、断筆はしませんが、たまには休筆させていただきます。

熱烈な読者諸兄姉の皆々様方にはご迷惑をおかけしますが、今後とも御指導、御鞭撻の程宜しゅうお頼み申し上げ仕りまする。