稀勢の里逆転優勝から見る角界の歴史社会哲学的驚天動地流考察論考

中国 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 昨日の大相撲大阪場所の千秋楽。19年ぶりの日本人横綱稀勢の里(30)が怪我を押して、照ノ富士を優勝決定戦で下して逆転優勝し、日本中を感動の渦に巻き込みました。

 会場では、どよめきと歓声で地鳴りが起きたとか。

 凄いですね。スポーツは、筋書のないドラマですから、誰もこんな展開が待ち受けているとは想像できなかったことでしょう。ご案内の通り、稀勢の里は十三日目に横綱日馬富士戦で左肩を負傷して救急車で搬送され、一時は休場までささやかれたというのに、稀勢の里は「自分の力以上のものが出た」と言いますからね。

 久しぶりの名勝負を見せてもらいました。

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 しかし、捻くれ者の渓流斎ですから、素直にこのまま万歳と喜んでいいものやら、と魔がさしてきてしまいました(苦笑)。

 まず、あれほど騒がれた八百長問題は一体どこに消えてしまったのでしょうか?

 今場所は、あまりにも出来過ぎたドラマなので、それさえ疑われる余地がないことを不思議に感じてしまいます。

 それに、あの八百長問題では急先鋒だった「週刊ポスト」でさえ、鳴りを潜めてしまっています。

 やはり、すべて真剣勝負、ガチンコ勝負だった、ということで一件落着しても問題ないということなのでしょうね。

 何しろ、休場が危ぶまれる大怪我をするぐらいですからね。

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 相撲は日本古来の伝統格技で、神にささげる神事とまで言われています。

 しかし、興行ですから、それにまつわる興行師、地元名士と呼ばれる裏社会の人たちが業界を支えているという事実を見落としがちです。

 関取のパトロンのことをタニマチと言いますが、大阪の地名の谷町から来たという説が有力だということはよく知られています。

 2017年2月18日の渓流斎ブログ「角岡伸彦著『ピストルと荊冠』は深く考えさせられました」でご紹介した部落解放同盟大阪府連合飛鳥支部長であり、広域暴力団山口組系柳川組傘下の金田組組員でもあった小西邦彦氏があの昭和の大横綱と言われた千代の富士のタニマチで、会合に出る約束を破った千代の富士を殴りつけたというエピソードが、同書の中に出てきます。

 山口組三代目の田岡組長と出羽の海一門、二所の関部屋一門のタニマチであったことも知られています。

 最近では、政治家への献金が発覚して不遇で亡くなった実業家や女占い師さんがタニマチとして有名だったらしいですね。

 タニマチになれなくても、懸賞金を出す富裕層も多くおります。あれは、相撲担当記者さんから聞いた話では、1本5万円で、力士本人には3万円の金額が懐に入るそうです。

 まあ、それがどうしたということで、こんな細かいことをゴチャゴチャ考えなくて、何も知らないで、ただただ、ハラハラドキドキしながら楽しんでいればいいかもしれませんね。
 
 日本的な、あまりにも日本的な世界で、世界中見渡しても他に何処にもない世界ですから、個人的には、この伝統は未来永劫続いてほしいと思っています。

 

海城高校の同窓会

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昨晩は、母校の東京・新大久保の海城高校の同窓会に久しぶりに参加し、二日連続の痛飲で、どうやって帰宅できたのか覚えておらず、またもや二日酔い。遊びまくってます。

場所は、新宿御苑にほど近い「北海亭」という居酒屋で、アジフライと貝スキが名物らしく、驚くほど美味のメニューでした。どうやら、早稲田大学のボート部・OB連中のたまり場らしく、奴らはこんなうまいもんを食べているから、体力勝負の闘いを乗り切れるのだと納得しました(笑)。

担任だった目良誠二郎先生の御来駕で、色々と話が盛り上がりました。先生は73歳でまだ若々しく、他人が見れば、どっちが先生で、どっちが生徒か分からないほど逆転してしまいました。

何しろ、卒業して42年も経つんですからね。

昨日は、本当に卒業して以来一度も会ったことがなかった友人とも会いました。42年ぶりだというのに、心は高校時代にスイッチが入ってしまっていますから、そこら辺の悪ガキと全く変わらず、「おい」「おまえ」「馬鹿野郎」と言いたい放題でした。

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個人情報ですから、どしどし、渓流斎ブログに載せよという声はありませんでしたが、ほんの少し御紹介しますと―。

今回幹事役を務めてくれた某有名女子高の教頭先生になった金澤大君。

中谷元防衛相と防衛大時代同期ながら途中でやめて、国立大歯学部に入り直して博士号まで取得して、北海道旭川で巨大な歯科医院を経営している林俊輔君。東京の下町で薬局店を開業している平田高司君。青森弘前の病院で理学療法の技師長になったタコこと小島俊夫君。文化系だったのに理系に転向したこの3人は凄いと思います。

ズバリ当たる本も数冊出している経済評論家の岡本昌巳君。彼は高校時代から長編小説を書き作家を目指しておりました。

鉄道系に入った磯淳二君と北川勉君。あ、彼らには、牧久氏の「昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実」(講談社)を読むように勧めるのを忘れてしまいました。

プロのミュージシャンになった佐藤史朗君。アコーディオン奏者としてのコンサート活動のほか、舞台音楽も作曲しているとか。

銀座(安藤組が横井英樹を襲撃したビルの近く)で宝飾店を経営している田中英夫君。病気が完治してよかった。

商社マンとして活躍している斎藤正明君と菅谷元一君。斎藤君は社長さん、菅谷君は室長さん。

色々あって造園設計の社長さんになっていた一番騒がしかった惣田俊司君。彼とは42年ぶりに会ったというのにいきなり「おまえ馬鹿野郎」ですからね(笑)。次回の幹事に決定しました。

以上、私と先生を含め全部で14人が参加しました。クラスは50人でしたから、多いのか少ないのか、まあ、こんなもんでしょう。

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皆、お爺さんになって、偉い社長さんになっても、「おい」「おまえ」「馬鹿野郎」の3語で話が通じ、しかも、40年以上のブランクがあるのに、それさえ感じさせないというところも凄いところです。

高校の同窓会のために、わざわざ北海道や青森から東京にまで出てくるんですから、ブログに書き甲斐があるというものです(笑)。

まあ、本当は、皆さん、山あり谷ありの人生で、色々問題を抱えたり、新聞に出るような問題を起こしたりした人もおりましたが、いずれも、どこにでもあるような社会の縮図で、とにかく健康で穏やかに過ごせることが一番です。2次会でカラオケ店に寄って、来年の再会を約して別れました。

次の幹事は惣田だけど、大丈夫かなあ?(笑)

京洛先生を囲む会

霞が関

昨晩は、久し振りに痛飲し、翌日は二日酔いで半日は使いものにならず(笑)。

京洛先生が京都から東下りされて、彼を慕って集まった人雲霞の如く。まさに、仕事も取引先とも監督官庁でもないのに、老若男女が16人も参集しました。

東京・内幸町のプレスセンター地下にある「おか田」という焼鳥店でしたが、10人の予約なのに、後から後からいらっしゃるもんですから、花金のせいで座る席もなく、立っても執念深く呑み続ける方もいらっしゃったか、いらっしゃらなかったのか、群衆にまみれて確かめようもありませんでした。

昔のプレスセンターの地下は、呑み屋さんや喫茶店だらけでしたが、驚いたことに、今では飲食店は、この「おか田」のみ。あとは、眼医者とか歯医者さんだらけになってしまい、つわものどもが
夢のあとを感じました。

飲み会には、「破(わ)れ鐘三羽烏」と呼ばれる声が半端じゃないくらいどデカイ三人衆が集まったものですから、この3人による独演会となりました。

まあ、他愛のない話です。単に普段の欲求不満を解消するような与太話ですが、早晩、こんな与太話も共謀罪法の成立で、何もできなくなるかもしれませんね。

皆さん京洛先生を通じて集まったものですから、どういう繋がりあるのか、京洛先生のみぞ知るという感じで、こんな与太話会が30年以上も続くこと自体、奇跡に近いと言えます。

私は、破れ鐘どもの聞き役に徹しておりました。後で、森友学園問題の鍵を握るノンフィクション作家の菅野完さんとフランス大使館の近くで本当に偶然にお見かけした話でもすれはよかったかなあ、と思いました。

参集された方は、殆どこのブログを読まれていないでしょうからね。

それにしても、あれは本当に凄い奇遇だったなあ、今思い出しただけでも、武者震いがしてきます。

ナンデ…(笑)。

戦後2番目の疑獄 アッキード事件 終わりの始まり

ウマイめんこい村通信

ついに昨日、千両役者森友学園の籠池理事長さんが国会の証人喚問に登場しました。

昨晩は、東京・銀座の超高級料亭「東京吉兆」で、お仲間の今井敬経団連名誉会長らとご一緒に、官房機密費かなんかで会食会を開催して、「籠池屋、お前も悪やのぉ~」などという話で盛り上がりました。

周りの芸者衆も「お戯れを~」と大はしゃぎでした。

勿論、私や妻が森友学園問題に関係したとしたら、わたくしは、首相どころか、国会議員も辞めるつもりです。このことは、国会でも堂々と宣言致しました。

ただ、谷査恵子の名前が籠池理事長さんの口から出てくるとは思いも寄りませんでしたね。

谷は、首相夫人付秘書です。私があれだけ、「妻は公人ではなく私人だ」と口を酸っぱくして言いくるめたのに、これでは台無しです。

いくら無能な国民でも、「何で、私人なのに公務員の付人をつけるんだ?」と素朴な疑問を呈せられてしまっては一貫の終わりです。

谷は、大変優秀ですから、妻に代わって、お堅い財務省との交渉役を進んでかって出てくれました。いわゆる口利き、政治的圧力かもしれません。

まさか、籠池理事長さんが、証拠品のファクスを国会にまで持ち込むなんて思いも寄りませんでしたけれど…。

おお!既に、谷が1998年経済産業省入省の公務員であることが、ネットでバレてしまってますね。顔までアップされてしまってます。誰なんでしょう。こんなこと書く素人は!

でも、女房役の菅官房長官には厳しく、火消しに努めるよう発破をかけておきましたから、大丈夫。新聞の論説委員連中には既に手を回しておきました。

テレビのワイドショーには、いつも接遇している強力なシンパのコメンテーター、スシローがおりますから、馬鹿な国民を上手く騙くらかしてくれるので、これで安心です。

街の声とやらは、吉本かジャニーズしか興味ないことは私もよく分かっていますからね。こんなコップの中の嵐はすぐ止んで、年を越す頃は、みんな忘れていることでしょう。

この世で、私ほど天下国家の行く末を案じている者はいないでしょう。

首相の私が、100万円の端金なんか渡すと思ってるんですか?桁が違うでしょ、桁が!

私は辞めません。これで日本も安泰だ。

(最近の事案を元に創作されたもので、事実関係は不明です)

ポールの10万円は暴利では?

竹林の賢人

ポール・マッカートニーが4月に再来日して、日本武道館で公演を行いますけど、SS席が何と10万円なんですからね。ぶったまげましたよ(笑)。

今の私の一人当たりのGDPは、ベトナムかカンボジア並みですから、チケット代が、私の1カ月に貰える手取り給金よりも高いとは!

一体、誰が行くんじゃい、とファンを返上したくなりました。

ポールで連想すると、彼はよくビートルズのメンバーだったジョージ・ハリスンのことを最年少で弟分だったことばかり強調していました。

しかし、ポールは1942年6月生まれ。ジョージは1943年2月生まれですから、日本で言えば、学年は同じで全く変わらないんですよね。

ところが、英国の教育制度では、新学期は9月から始まり、7月に終業しますから、ポールは41年9月以降生まれと同学年、ジョージは42年9月生まれ以降と同学年で、ポールが一年、リバプール高校で先輩だったわけです。ちなみに、ジョン・レノンは1940年10月生まれですから、ポールの2年先輩だと思っていたのですが、1年先輩だったということになります。

何でこんなことに拘るのかと言いますと、教育制度だけでなく、国家予算の会計年度が世界でバラバラだということに、3月の卒業シーズンになって気づいたからです。

我が国日本は、新学期も会計年度も4月から始まり、3月に終わります。企業の決算もそんなもんでしょう。

一方の米国は、教育は9月~8月(7~8月は夏休みですが)なのに、合衆国連邦の会計年度は10月~9月なんですよね。

そして、企業の決算も10月~9月もあれば、1月~12月もあればバラバラのようです。

面白いのは英国で、教育は9月~8月なのに、会計年度は日本と同じ4月~3月だとか。

ちなみに、中国やベトナム、それにフランス、ドイツ、ロシアなどの会計年度は1月~12月です。

よく国の予算と企業決算と教育がバラバラでやっていけるものだと思いますが、英米は、日本のように、新卒の集団面接試験とか、採用時期が決まっていないからなんでしょうね、きっと。

こんなもん世界で統一するのも愚の骨頂ですが、教育制度の違いで先輩と後輩の概念も変わるのですから、面白い現象だと思います。

共謀罪法、万々歳

somewhere

その時

共謀罪が閣議決定されたその時

国家の最高権力者の安倍首相はその場にいませんでした。何やら「複雑怪奇なり」(平沼騏一郎)の欧州へ出張中だったとか。

閣議の雛壇にいたのが、戦時中に外国人捕虜を強制労働させたと言われる麻生鉱業財閥の末裔である副首相、一人置いて、豊洲問題で百条委員会に喚問された石原元都知事の賢息子の顔も見えます。

歴史に残る晴れ姿と彼らの顔と名前をしっかりと脳裏に刻み付けることです。

共謀罪閣議決定、万歳です。

このおかげで、悪い共産主義者や無政府主義者、労働組合幹部らを拷問できる治安維持法の役割を果たしてくれます。何しろ、奴らは、ソ連と手を組んで国家転覆を図ろうとしてますからね。

このおかげで、悪い中共や朝鮮に機密情報を流しかねない左翼や進歩的文化人を処罰してくれる軍規保護法の役割を果たしてくれます。中共は、尖閣列島や東シナ海を我が物顔で軍艦に乗って睥睨してますし、朝鮮は竹島を占領し、物騒なミサイルを我が帝国の排他的経済水域までぶっ放してきますからね。

このおかげで、生命を賭して我が国を守って下さっている自衛軍の皆様の安心と安全を守る国防保安法の役割を果たしてくれます。

真珠湾攻撃(昭和16年12月8日)が始まる直前の10月、これら治安維持法、軍規保護法、国防保安法のおかげで、売国奴のスパイ、リヒャルト・ゾルゲと尾崎秀実を中心にした国際諜報団を次々と逮捕し、監獄死させ、首魁を処刑することができました。

法治国家として、事前に法の支配で効力を発揮できたおかげで、我が国は、真珠湾攻撃に成功し、昭南島や海南島の制覇と生命線の満洲帝国を確保できたのです。

めでたし、めでたし。

大阪毎日新聞も、讀賣報知新聞も、時事新報も、同盟通信も、朝日新聞が本領を発揮した上海の大陸新報も、満洲日日新聞も、皆んな大本営の応援をしてくれました。

決して市民の皆様にはご迷惑をおかけしません!

共謀罪法、万々歳です。

昭和17年3月22日

追伸

思想信条に踏み込みます。

対象外は、あくまでも大政翼賛会と日本会議と森友学園友の会の会員と善良な市民のみです。

貴方は? どうでしょうかねえ。

シムズ理論は国民を幸福にするのか?

竜宮小僧?

黒田さんが日銀総裁に就任して5年も経つのに、デフレ脱却と2%インフレ目標の達成は、結局うまくいかず、いわゆるアベノミクスも失敗に終わったようです。

黒田さんの標榜した異次元の緩和とやら、国債をジャブジャブと発行して買い漁り、遂には、マイナス金利という禁じ手の金融政策を導入しながら、大衆の消費は伸びず、景気も上がらず。

笛吹けども踊らず、というより、無い袖は振れず、ということなのでしょう。

所詮、無理な話なのです。

賃金も上がらず、年金もカットされれば、大衆は馬鹿じゃないですから、敢えて欲しい物は我慢することでしょう。

竜宮小僧?

今は、スマホという大変な武器がありますから、これさえあれば、ゲームも出来れば、新聞雑誌も読めれば、百科事典にもなり、料理本にもなり、教則本にもなり、テレビにも映画にもなりますから、敢えて少ない可処分所得から消費動向に貢献しないでも済んでしまっているわけです。

そこで、ここにきて、金融政策の限界説から、財政政策にシフトして、今「シムズ理論」なるものが脚光を浴びてます。

何知らない?

今や経済専門紙・雑誌で取り上げられない日はないくらいですから、知らない人は潜りですよ(笑)。

竜宮小僧?

何の潜りか分かりませんが、私も潜らずに浮かび上がってみました。しかし、このノーベル経済学賞を受賞したプリンストン大学のクリストファー・シムズ教授の「物価水準の財政理論」を理解できる人は、世間ではそうザラにはいないだろうと確信しました。

何しろ、基礎的財政余剰の実質値やら、貨幣発行益の実質値やら、専門用語の基礎知識がなければまずお手上げです。

とはいえ、こんな専門用語なんて、その筋の符丁と同じような虚仮威しで、怖がることもないのです。

ある経済評論家が、分かりやすく解説してくれたところによると、このシムズ理論というものは、政府が財政赤字を放置して、政府は借金を返済できないのではないかと国民の不安を煽ることによって、通貨価値を下落させ、物価を上昇させて目標を達成するという実に強引というか、ヤクザのような手口なんですからね。

こんな財政政策が国民の幸福に寄与するというのでしょうか?

謀略と裏切りの物語。「昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実」

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 崇敬するジャーナリスト、牧久氏から新著を贈って頂きました。「国鉄分割・民営化30年目の真実」という副題の付いた「昭和解体」(講談社)です。

 日経の副社長まで務められた牧氏は、東京五輪の開催された昭和39年(1964年)に経済専門紙ながら社会部記者としてジャーナリスト生活をスタートし、国鉄本社の記者クラブに常駐するなど国鉄の動向をつぶさに観察してきた人です。

 記者生活から離れても、好奇心を失わず、その国鉄解体の過程を歴史というより、「同時代の目撃者」として書き残したいという熱望を長年心に秘め続け、ついに大願成就したわけです。

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 牧氏の凄いところは、世に送り出した著作のほとんどが、ご自身の体験に基づいたノンフィクションだということです。ベトナム特派員時代の体験に基づいた著作が「サイゴンの火焔樹」「安南王国の夢」「特務機関許斐氏利」などです。

 国鉄体験は、以前に国鉄総裁を務めた十河信二の評伝を「不屈の春雷」のタイトルでまとめております。

 2年前は、満蒙開拓団の指導者として戦後指弾された加藤完治と張作霖爆殺事件の実行犯東宮鐵男を中心に、彼らを歴史的に再評価をした評伝をまとめた「満蒙開拓、夢はるかなり」を発表しています。

 昨年後期高齢者の仲間入りを果たされながら、大変な労作とも言うべき意欲作を次々と発表される牧氏のバイタリティーには頭が下がります。

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 さて、この「昭和解体」ですが、まだ読了しておらず、ほんの少し序章等を読んだだけですが、そこには本書の全体像が克明に描かれています。

 牧氏は、16ページから17ページにかけてはっきりと書いております。

 …国鉄の分割・民営化は、25兆円を超える累積債務(これに鉄建公団の債務、年金負担の積立金不足などを加えると37兆円)を処理し、人員を整理して経営改善を図ることがオモテ向きの目的であったが、そのウラでは、戦後GHQの民主化政策のもとで生まれた労働組合、なかでも最大の「国鉄労働組合」(国労)と、同労組が中核をなす全国組織「日本労働組合総評議会」(総評)、そしてその総評を支持母体とする左派政党・社会党の解体を企図した、戦後最大級の政治経済事件でもあった。…

 なるほど、今の左翼勢力の低迷というより崩壊に近い状態と極右勢力の台頭は、わずか一(いち)国有企業(とは言ってもあまりにも巨大過ぎますが)の消滅によるもので、結局、国鉄解体が戦後日本の政治体制、ひいては既成勢力の政治思想と大衆の思想信条にも多大な影響を与えていたというのです!

 ここまで意図・企画して図面を書いたのは、当時の元首相中曽根康弘氏で、牧氏はしっかりと98歳(当時)の中曽根氏にインタビューされているので、これから読むのが楽しみです。

 もちろん、「三人組」と呼ばれ、のちにJRの各社長に就任する国鉄の若きキャリアの井出正敬(いで・まさたか)、松田昌士(まつだ・まさたけ)、葛西敬之(かさい・よしゆき)の各氏らも登場します。

 「そこには策謀と裏切り、変節、保身、憎悪、怨念など、さまざまな人間の情念が渦巻いていた」と牧氏は明記しているので、どんな展開になるのか、既に事実を知っていても愉しみです。

 【追記】

 現在、映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」が公開中のケン・ローチ監督。ネット情報によりますと、ローチ監督は2003年に「高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞します。彼はこの賞のスポンサーが「反動的」メディアであるフジサンケイグループであり、中曽根康弘氏がバックにいることも知っていたが、敢えてこれを受けた。彼は、その賞金の一部を、日本のどこか適当な労働運動に寄付したいと考え、人の勧めで国鉄分割民営化に反対したためにJRから閉め出された闘争団に寄付した、と書かれておりますね。

片岡みい子さんのお別れの会

神楽坂「紀の善」のクリームあんみつ

昨日は東京・神楽坂の日本出版クラブ会館で行われた翻訳家・フリーライターの片岡みい子さん(1950~2017)の「お別れの会」に参列してきました。

彼女の交流の深さと人徳でしょうか、およそ170人もの友人知人が集まりました。亡くなったのが2月7日ということでしたが、まだこれから先のあるお若い年齢であの世に旅立たれたので、多くの方から惜しまれる声が聞かれました。

本当に、多くの友人知人に恵まれました。旧ソ連の反体制派の人々の支援運動家として活動した正垣親一氏(1947~2001)を支えるパートナー、妻として、毎年東京・銀座の渋谷画廊で発表する「It’s 展」会員の芸術家として、世間ではよく分からないおつな寿司セミナーの世話役などとして日々社会貢献されてきたせいか、彼女と関わってきた人たちが縁の下で働き、会場には、彼女が翻訳した数多くの本や、描いた絵画なども展示され、パワーポイントで作成された写真や動画も公開されていました。

これらは、すべて、残された友人知人が手分けしてボランティアでやったわけで、とても人徳がなければ、こんな形で盛大な会が催されることはないと思いました。

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小生は、(2014年に解散した)おつな寿司セミナーのメンバーの一人として、もう30年近いお付き合いでした。大学の後輩であったので、「先輩」と呼び掛けると、よく「先輩はなしにしましょうねえ」と怒られたものでした(笑)。

それでいて、「渓流斎君、これちょっと調べといてくれない?」「渓流斎ブログで本の宣伝してくれない?」なぞと、さりげなく頼りにされたこともしばしばでした。いや、ほんの数回程度ありました(笑)。

彼女の辛酸を舐めるような人生体験は、著書「たいへんよく生きました」(論創社)に詳しいのでここには触れません。

ただ、とても、しっかりとした方で、苦悩は表には出さず、むしろ、物事を前向きに明るくとらえて、話が暗くなったりすると、「そっかー」と相槌を打ちながらも、「もうその話は終わりにしましょうねえ」と言う方でした。

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そして、準備のいい方で、遺言として以下の言葉を我々に残してくれました。

「皆さま、生前は大変お世話になりました。仕事や旅行や会食や趣味や、色んなプロジェクトでご一緒でき、本当に楽しかったです。いろいろ教えていただき、誘っていただき、心配していただき、美味しいものを御馳走していただき、見守っていただき、有難うございました。私はお先に参りますが、もし精霊になったら、皆さまをしっかり応援することをお約束します。

2017年2月 みい子」

あの世に旅立ち、精霊になったら見守ることを約束する、なんて実に彼女らしい。彼女の性格がモロ表れていました。

お別れの会で、司会進行役を務めた方は、彼女と親しかった元民放の女性アナウンサーの方でしたが、この文章を読みながら途中でもらい泣きさえしておられました。

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私も、多くの方が集まる会合は3年ぶりぐらいで、久しぶりに参加しました。

会場には、おつな関係の方は、全体からみると意外と少なく28人程度でしたが、それでも多かったようです。

中には、3年ぶりのYさん、5年ぶりのHさん、10年ぶりぐらいのSさんら久しぶりにお目にかかる方もおりました。自分を棚に上げて何なんですが、皆さん、さすがにお年を召しました。

会が終わって、せっかく神楽坂にまで出て来たものですから、私の行きつけの料亭に行く予定でしたが、そんなものあるわけなく、いつものことながら、一体何人集まるのか分からないので予約もできず、その場で決めてしまうのですが、京都から下って来られた京洛先生がお入りになった所は、何と、近くの目の前に飛び込んできた焼き肉屋さんでした。

そこには後から合流した方も含めて12人ぐらいの大所帯になり、朝鮮の濁り酒のマッコリをガバガバ飲んで、「おつなの会って何なのですか?」と聞かれ、なんやらかんやらお話をして帰りました。この中で、この春、O氏の御子息が名門校から赤門大学に現役合格された話や世界シェアナンバーワンのベンツのバスがなぜ日本に参入できないのかといったKさんの講義は面白かったですね。

このまま帰る予定で一人、皆さんと別れたところ、途中で、悪い人たちに捕まって、何と、昼間は行列ができる老舗甘味処「紀の善」に入って、クリームあんみつまで食してしまいました。

昔は、お酒を呑んだ後はラーメンが定番でしたが、今はもう、お酒を呑んだ後はあんみつの時代になりましたか(笑)。

ここでは、重職に就いているY君が54歳にしてパパになる話(ママは何と犯罪的にも21歳も年下!)や、スウェーデンから帰国中のH氏が、意気盛んにも若い女性からもてているという自慢話をさんざん聞かされて盛り上がりました。

本当にごちそうさまでした!

サイバー攻撃には気をつけろ!

Invalid

この世は悪意に満ちた世界なのか。

庶民の必死の防衛策として、先日、銀行の振込手数料が格安か無料になるいわゆるインターネット・バンキングを申し込んだところ、サイバー攻撃犯罪のニュースを聞きました。

スパムメールや、マルウェアウィルス等を送りつけて、ID、パスワードを盗み、遠隔操作するという奴らの手口は分かっていました。

だから、決まったパスワードではなく、瞬時にしてコロコロと変わる使い捨てのワンタイムパスワードなら大丈夫かと思ったら、何と、今のハッカーの皆さん(なんて言う必要もないか?)には、そんなもんでさえ簡単に打ち破ることができるんですね!

我々庶民は、どうせよと言うんじゃいと、力なく苦笑するしかありません。

世の中、悪人だけが住んでいるわけではありません。

そんな悪意のソフトが、パソコンやスマホやタブレットに紛れ込んでいるか無料で診断してくれるサイトを、一般財団法人「サイバー犯罪対策センター」が公開してくれました。

このニュースは、瞬く間に広がったせいか、このサイトにアクセスするとかなりの民衆が雲霞の如く押し寄せているようでなかなか繋がらず、かなり待たされます。

それでも辛抱強く待っていると、繋がり、数秒で診断してくれます。

私もやってみました。

大丈夫でした。でも、インターネット・バンキングを利用する前に、毎回、診断をやってみようかと思ってます。

先日も、東京都税局と名乗る収税人から、ネット登録して納税すれば楽ちんよ、と勧誘のお手紙が届きましたが、その数日後に、都税局のサイトにサイバー攻撃があり、何万人かの住所氏名年齢から口座番号等がハッキングされたという ニュースを聞き、嗚呼、ネット登録しなくて良かったと安心したものでした。

やはり、毎日、毎時、ニュースに接していなくては、現代社会を生き抜いていくことができません。新聞も一紙だけ読んでいては駄目です。複数紙読んで初めて違いが分かり、各紙の趣味趣向も分かり、欠けた部分も補うことができます。

ワンタイムパスワードを盗み取る事件も、某大手紙には一行も載っていませんでした。私は、ラジオのNHKニュースを聞いて知りました。