有り難い話

ピエタ

Yさんが、色々と体調のことを心配してくださって、何軒か病院まで紹介してくださいました。

一軒は、漢方医薬局で、もう一つは大学病院です。大学病院も、念には念を入れて、その筋では権威と言われている二件の医師まで紹介してくださいました。「医師の診断は、一人だけでは駄目。いわゆるセカンド・オピニオンを求めなければならない」というのがYさんの信念です。何度も何度も電話を戴き、どうして、そこまで、心配して戴けるのかと思っていたところ、何年か前に、Yさんは、知り合いから、それとなく、相談を受けたとき、仕事が立て込んでいて、後回しにしていたら、その方は、亡くなってしまったというのです。その後悔の念が今回、Yさんを駆り立てているようです。

「少しばかりのお金とか、名誉とか、そんなものは、なくたって生きていけますが、生命は、1つしかありませんからね」というYさんの言葉は、本当に心に染み入りました。

ところで、この文章に主語はないですね。ということで、誰のことかは、伏せておきます。