共産党が保守とは…?

東京・東銀座

昨日の10月26日付東京新聞夕刊の論壇時評は実に面白かったです。

東工大の中島岳志教授が担当しているのですが、「中央公論」10月号の「遠藤晶久・三村憲弘・山崎新『世論調査にみる世代間断絶』」を引用して、今の19歳から29歳の若者は、自民党を「保守」と見なさず、むしろ共産党を「保守」的な政党と見なしている、ということを記述しておりました。

私も、「えっ?何?ど・ゆ・こと?」と驚いてしまいました。

我々の世代では、自民党=保守、共産党=革新という構図が当たり前だからです。

ところが、よく読むと納得せざるを得ないのですねえ。

つまり、共産党は農家を守るためにTPPに反対し、グローバル資本主義から中小零細企業を保護すべきだと訴える。雇用の安定を促進し、最低賃金の引き上げによって、労働者の生活を守ろうとする。(引用終わり)

これが若者からすれば、「保守的」と映るんだそうです。

となると、TPPに賛成し、グローバル資本主義を率先し、非正規雇用を増やして、持てる者たちがさらに裕福になる革新的な政策を信奉する自民党は、革新政党ということになりますか。

昔、「貧乏人は麦を喰え」と言った自民党の総理総裁がおりました。ま、働かざる者は喰うべからず、てなところでしょうけど、「弱者切り捨て」政党ですねえ。(笑)

ねのひ揚げ定食 800円

今の29歳以下の若者は、戦後闇市を知らないどころか、バブル全盛期も知らないわけです。

学校出てからは就職は狭き門でバイトか非正規雇用に甘んじ、結婚して家庭を持つどころではない世代です。

とはいえ、先の総選挙の結果が示しているように、共産党は議席を減らして低迷し、自民党の安泰が決定しました。

ある統計によると、日本の約1億人の選挙民の3割が自公支持(いわゆる組織票)、2割が立憲・共産支持、5割がいわゆる無党派層なんだそうです。投票率が5割程度だと、小選挙区制なら当然、3割の組織票がある自公が圧勝するというわけです。

逆に言うと、5割の無党派層が立憲・共産支持に回れば、一気に逆転するわけです。

若者のほとんどが無党派層で、「自分の一票など大勢に影響ない」と考え、選挙に行かなかったのか、それが今回の選挙結果に如実に表れたわけですね。

少し納得しました。