変な日本語

銀座4丁目

9月28日のこの日乗で、「身体が壊れていく…」のタイトルで、目の不調を訴えたところ、有り難いことに、SNSを通じて、東アジア広域を活動拠点にしている衣川さんから「アントシアニン、ルティン、ゼアキサンチンを摂りましょう」とのアドバイスを頂きました。

そこで、藁をもすがる思いで、それらが配合されているサプリメントを捜し求めました。

私は、東京・銀座界隈を活動拠点にしておりますから、たまたま、派手に新聞テレビやネットで宣撫活動を行っているD社の直営店があったので、早速そこに入ってみました。

猫の額ほどの狭い店舗に3人も若い女性スタッフがいて、暇を持て余しており、私が入ると、「いい鴨が来た」とばかり、網に掛かった獲物を捕らえる蜘蛛のように店員が近寄って来ました。

あたしは、最初から買うものは決まってましたから丁重に介助はお断りして、アントシアニンなどが配合されている「速攻ブルーベリー」とかいうサプリメントを買いました。

1458円。「ちょっと高いかな」と思いつつ、「直営店だからしょうがないか」と支払いを済ませたところ、レジの女性は「お飲み方は、ご存知だったりされましたか?」と言うではありませんか。

「はあ!?」ですよ。コンビニやファストフードに行ったりすると、「5000円からお預かりします」などと、馬鹿丁寧な間違った敬語もどき言葉が飛び交います。マニュアルにでも書いてあるのでしょう。やたらと変な日本語が蔓延ってます。

「ご存知だったりされましたか、だと?」ーなんじゃやらほい、と言いたくなりましたが、向こうは「朝食後にお飲みになると、一日中効果がありますよ」と澄ました顔で言うではありませんか。

その後、たったこれだけの小さな商品なのに、「お出口までお持ちします」と言うので、まさか、グッチやエルメスの高級ブランド品を買ったわけじゃあるまいし、こちらも丁重にお断りしました。

はっきし言って、過剰サービスですね(笑)。

後から、「高い値段はサービス料が入ってるせいだな。田舎のマツモトキヨシで買えば、もっと安く買えたかもしれないなあ」なぞと、自ら、器の小ささを露呈してしまいました。これは内緒ですよ(笑)。

希望の党とは

カキフライ定食1080円

あまり、トーシローが政局なんか予想するもんじゃありませんね。

先日は、貧すれば貪した自民党が小池さんの新党と連立を組まざるを得なくなり、結局、小池さんが天下を取るでしょう、なんて予測しましたが、事態は急展開して、全く予測もつかないとんでもない方向に政局はダッチロールしております。

とにかく驚いたのが、最大野党の民進党が、小池新党の「希望の党」に合流したことです。と、昨日の28日付の殆どの新聞朝刊が書いてましたが、合流なんて、そんな生易しいもんじゃありません。産経と毎日だけが、はっきり「打った」ように「解党」でした。

実態は、解凍かもしれないし、とにかく自壊、自滅、消滅です。前原代表は、次の選挙では無所属で立候補するらしいですが、何じゃこりゃです。

ところが、俄かに出来た烏合の衆の希望の党も何か胡散臭い。小池都知事は、その時、その時の最高権力者に寄り添って甘い汁とおこぼれに預かってきた政界の渡り鳥ですから、あまり信用置けません。

そしたら、関西広域を活動拠点にしている京洛先生から今朝、ちょうどこんな飛脚便が舞い込んできました。

…ご存知ですか?今話題の金子修介監督の短編映画「希望の党」です。12年前に総務省の依頼で製作されたこの映画、無知な有権者の啓蒙とともに、今の現実を予測した映画です。無料で見られますから、ご覧になると良いでしょう。
「小池新党」と同名というのも偶然、傑作です。平凡なサラリーマンが「どうせ投票しなくても世の中変わらない」と棄権すると・・・・。次々、過半数を得た新政党「希望の党」が支持を得て、斬新な改革をしていく。最初は「動物虐待」の重罰、痴漢は死刑、3年間選挙に行かなかった有権者は選挙権を剥奪、そして、選挙権の年齢引き下げ、最後は徴兵令となるのです。

恐ろしいでしょう(笑)。パソコン検索すればユーチューブで見られますよ。…

へー、12年前から未来を予測していたとは!

しかし、安倍自民党には絶対入れたくないし、対抗馬の希望の党も、自民党よりもさらに極右路線を展開するようでは、どうしたものか。

10月22日の投票日まで、納税者として、じっくり、じっくり、研究しますよ。

身体が壊れていく…

仕事でパソコン、遊びでiPhoneとiPadを毎日、ろくに休まずに9時間ぐらいやり続けていたら、一昨日、とうとう身体が壊れてしまいました。

目をやられてしまいました。

いわゆる飛蚊症という症状で、これまで、小さな糸くずのようなものが眼前にちらついていたのが、今度は巨大なロープのような束があちらこちら飛び交って、目元が邪魔で新聞を読むことさえ苦痛です。

夜間になると、縦3センチ、横3ミリほどの白い閃光が目の前にチラつき、稲光しているかのようです。異様です。

兆候はありました。酷い眼精疲労で、毎朝、眼の奥の激痛で目が覚めます。やめときゃいいものを、つい夜更かしで古い音楽の動画を見たりしたのが良くなかったのかもしれません。

流石に心配になって、昨日、飛び込みで、いつものお茶の水のI眼科に行ったところ、3時間も待たされましたが、 先生から「加齢によるものですね。また来月来てください」と優しく労わるように言われてしまいました。

先週は、歯の治療のために2回も通いましたし、見事、歯、眼、何とかの順で壊れていってます。お、何とかの方は、松永耳庵先生並みにまだ大丈夫のようですが。(笑)

でも、このほぼ毎日欠かさず書いている日乗もあと何年持つかなあ、と逆算したくなりました(笑)。

鰻はむなぎ

「江戸の銭勘定」は、テレビの番組制作会社の三次団体の若いADが、クイズ番組の種本にするんじゃないでしょうか、と先日、書きましたけど、本当に面白い種が満載されています。

森友学園、加計学園、略してモリ・カケ問題が尾を引いてますが、モリ蕎麦は、文字通り「盛り」から来たことは、誰でも分かることでしょう。だけんど、カケ蕎麦の語源が分かる方は相当の通です。

ま、諸説ありますが、「汁のぶっかけ蕎麦」から来ているそうでね。知りませんでした。

日本人なら大好きな鰻。もともと、昔は「むなぎ」と言っていたそうです。胸黄と書きます。文字通り、鰻の胸が黄色かったからです。

せっかちな江戸っ子は、むなぎ、なんて七面倒くさいことは言ってられず、うなぎとなまったのかしら。

鰻の蒲焼は、天明年間(1781〜89)に上野で始まったらしく、串に刺して焼く様が川辺に生える蒲(がま)の穂に似てたからだそうです。

また、「握り寿司」の登場は、比較的新しく江戸は幕末に近い文政年間(1818〜30年)で、深川の「松の鮨」、両国の「与兵衛鮨」など諸説あるようです。となると、家康どころか、吉宗も握り寿司を知らないわけで、映画や時代劇で、暴れん坊将軍が握り寿司を食べていたら、間違いということになりますね(笑)。

このほか、「天丼」の発祥地は、諸説ありますが、天保8年(1837年)創業の浅草「三定」が有力だそうです。いつか、行きたいものです。

「国難突破解散」なのか、「敵前逃亡解散」なのか?

日比谷公園(本文と関係ありません)

安倍首相が昨晩記者会見しまして、28日の臨時国会召集日に、演説も質疑応答もなく、問答無用の「冒頭解散をする」と宣言しました。

解散の理由が、遠い先の2年後の消費税増税の使い道の変更を国民に問いたいからだそうな。そして、北朝鮮ミサイル危機に対処するためというもの。自ら「国難突破解散」と命名しましたが、本音は「今がチャンス」と思ったからでしょう。スキャンダルにまみれ、離合集散してる今の野党では勝ち目がない、と踏んだのでしょう。

「国難」を煽り立てれば、国民は不安になり、付け込む隙を確保できますからね。

早速、民進党の前原代表は「森友学園、加計学園問題隠しの責任逃れ。『敵前逃亡解散』だ」と口汚く罵っております。

有難いことに今の時代は、男女同権の民主主義ですから、最終的に、この顚末は国民の判断に委ねられます。前回の選挙でも、国民の判断で安倍さんを選んだのです。

とはいえ、投票率は2014年12月の衆院選は、52.66%、2016年7月の参院選は54.70%。半分近くが棄権してるわけです。つまり、半分ちょっとの国民から25%ぐらいの支持を得れば、好きなことが何でもできますよー、というのが、今のお寒い日本の実態なわけです。

自民党の暴走に歯止めをかけたいという人たちの間では「受け皿がない」という不平不満が広がってます。もう、民進党では頼りないし、まさか共産党に入れるわけにはいかない、というわけです。

今夏の都議会選挙では、「都民ファースト」が反自民の受け皿になり、内閣支持率も下がり、安倍首相が「反省」する題材を与えました。

今回、そのフィクサーの小池都知事が、都政を投げ出して、自ら新党「希望の党」の代表に就任するということですが、これで、彼女は都知事より総理大臣の椅子を狙っていることがはっきり分かりましたね。

恐らく、10月の総選挙で自民党が議席を落として、希望の党と連立を組まざるを得なくなり、党首の小池さんが主導権を握るのではないでしょうか。

政治の世界は「一寸の先は闇」の世界ですから、この先どうなるか分かりませんが、税金を払っている国民がもっともっと責任を持たなければなりません。

まさか、中川秀直さんや宮崎謙介さんや山尾志桜里さんといった不倫スキャンダル議員や豊田真由子さんといった暴言暴行議員をまた選ぶんじゃないでしょうね?

今読んでいる「江戸の銭勘定」の中で、江戸時代の不倫のことが出てきましたが、南町奉行の大岡裁きによると、不倫は姦通罪で、男も女も、市中曳き回しの上、斬首され、浅草で獄門の刑に処されたそうです。(白子屋お熊事件)

件の議員さんたちは、江戸時代に生まれなくてよかった?

「江戸の銭勘定」は一読の価値あり

自宅近くの本屋さん「よむよむ」で見つけた山本博文監修「江戸の銭勘定」(洋泉社歴史新書)を読んでます。

斯界の権威山本博士は監修になっているので、御本人の執筆ではなく、自分の東大の院生にでも書かせたのかもしれません。あくまでも空想に近い推測ですが(笑)。

それでも面白いことに越したことはありません。恐らくテレビの番組制作会社の三次団体の若いADがクイズ番組の種本にするにはもってこいかもしれません(笑)。

そもそも、私自身は、江戸を舞台にした時代劇や小説や歌舞伎に出てくるお金が今の幾らぐらいになるのか、素朴な疑問がここ何十年もあったのでした。この本はその疑問に見事に答えてくれます。

江戸時代は300年近くも続きましたから、そりゃ、物価の変動はかなりあったことでしょう。そこで、本書では目安として、文化文政期を基本にして、1両=18万円、1匁=3000円、1文=30円としております。

握り寿司一貫4文=120円、蕎麦一杯16文=480円、銭湯8文=240円で、大体現代と変わりませんが、酒一升250文=7500円はちょっと高いですね。

文化文政期の職人(上大工)の年収はおおよそ26両2分=447万円だったようです。

庶民の娯楽の歌舞伎の木戸銭は100文=3000円、大相撲となると銀3匁=9000円と結構したようですね。勿論、座席はピンからキリまでありますから、概算です。

「千両役者」ともなると、年収が1億8000万円ということになるんですか。花形ですね。

私が注目したのは、江戸時代の新聞、瓦版で当時は読売と呼ばれていたそうですが、今もあるじゃん!(笑)

この本によると、現存する最古の読売は、元和元年(1615年)5月8日発行の「大坂阿倍野合戦図」で、あの真田幸村が活躍した大坂夏の陣を報道したものらしいですね。江戸時代の探訪記者、従軍記者も頑張ってたんですね。

このことは、横浜にある日本新聞協会の新聞博物館にもない「新事実」でした(笑)。

「エル ELLE」は★★★★

ポール・ヴァーホーヴェン監督作品「ELLE エル」をやっと観に行って来ました。東京・日比谷のシャンテシネマにまで行ったのですが、今、この辺りに、どでかいビルが建設中で、東京宝塚歌劇辺りの道路まで工事現場だらけでした。

さて、ヴァーホーヴェン監督は「氷の微笑」や「ショーガール」など官能サスペンスで知られていますが、この「エル」も彼得意のジャンルのようです。

代表作に「ロボコック」などもあるオランダ人のヴァーホーヴェン監督(78)は当初、ハリウッドで映画化する予定でしたが、主役のミシェル役がなかなか見つからず、原作(フィリップ・ディジャン「ベティ・ブルー」原題”Oh…” 2012)も場所もフランスであり、イザベル・ユペールがミシェル役に名乗り上げてくれたことから、フランス・ドイツ・ベルギーの三カ国合作映画になったようです。

スリラーサスペンス映画なので、結末は書けませんが、ゲーム会社の社長を務めるミシェルが、自宅で覆面を被った男に暴行されるという衝撃的な場面で始まります。ミシェル自身は直ぐに警察に届けることなく、普段通りの不可解な生活を続けることから、彼女のその後の人生を決定づける過去の「事件」にまで遡ってストーリーが展開されます。

この映画では、恋愛好きのフランス人らしさが現れてます。いわば半径100メートル以内で男も女も関係を持ちたがり、何か、いくら作り物だとはいえ、「勘弁してほしいなあ」と呟いてしまいました(笑)。あまりにも人間的なドラマかもしれませんが。

異様に蠱惑的なミシェル役のユペールは1953年生まれですから、撮影時63歳ぐらいです。「えーー」と思ってしまいました。「人生100年時代」の到来が日本より先にフランスで始まってます(笑)。

脚本のダビド・ビルクの軽妙洒脱でエスプリの効いた科白は、恐らくハリウッド作品だったら実現できなかったかもしれません。フランス語の会話は、この私でも字幕を見ないで所々少し理解でき、2時間6分、パリで過ごせた気分でした(笑)。

俳優陣の肩肘を張らない、自然な振る舞いが、まるで演技をしていないかのように見えて良かったですね。

ほぼ全員、初めて見る俳優さんでしたが、隣人パトリック役ローラン・ラフィットと元夫リシャール役のシャルル・ベルランはフランスでは有名な俳優さんらしいですね。いつもヒステリー状態のミシェルの息子ヴァンサンの彼女ジョジー役のアリス・イサーズ(26)は、なかなかの美人さんで、この先伸びるんじゃないかなと思いました。彼女の出演作品のほとんどが日本では劇場未公開なので、恐らく日本ではあまり知られていないでしょうから、私が先鞭をつけておきます(笑)。

パブ屋ばっか跋扈

今はほとんど読まれなくなってしまった作家山本夏彦が、何の本か忘れましたが、エッセイで「全ての新聞や雑誌の記事は宣伝である」といったような趣旨で世相を斬り、世の中の本質を喝破しておりましたが、私も最近、そのことを痛感しております。

媒体(メディア)として、新聞・雑誌が、ラジオやテレビに代わり、それがネットに代わっても窮極的には同じなのです。

番組も記事もサイトも全て、宣伝、広告なのです。

政治の世界で、「安倍首相がどうのこうの」と書けば、自民党の宣伝になりますし、経済面に「iPhone8が発売」と書けば、米アップルの広告、スポーツ面に「清宮、プロ宣言」と載れば、職業野球興行の宣撫活動といった具合です(笑)。

以前は、それを世間の人に分からないように、巧妙な手口で、いわゆるサブリミナル効果を狙っていました。福島原発事故を起こす前の東京電力なんかは、莫大な広報宣撫活動費を使って、記者やジャーナリストを接待して、提灯記事を書かせ、「安心安全」「明るい未来の原子力」を演出しました。

それが最近は、露骨になりましたね。テレビはBSのチャンネルが増えて、「電波の希少価値」が薄れ、朝っぱらから「テレビ・ショッピング」ばかりやってます。

ラジオを聴けば、「痛散湯」「痛散湯」と耳にタコができるくらい連呼して、本当に耳にタコができてしまいました(笑)。

ネットも宣伝広告だらけで、一度見た広告は、いつまでも、何処までもついてきます。パソコンで、しょうがなく仕事で調べものをしただけなのに、見たくもない顔のタレント(の宣伝広告)が、どこのサイトを開いても、いつまでも付きまとってきて、仕事にならないほどウンザリすることはしょっちゅうです。

冷静に観察すれば、検索エンジンのグーグルやヤフーは、検索を隠れ蓑にした広告宣伝会社であり、SNSのLINEやツイッターやフェイスブックも交流サイトを謳った宣伝会社です。彼らの広告費獲得行為を「ビジネスモデル」などと高尚な言い方をしているだけなのです。

先日聞いた話ですが、皆さんも御存知の某テレビ局の某報道記者が、上司から、ある取材を命じられた時、「何で、パブ屋のお先棒を担がなきゃならないのですか」と反抗したことがあったそうです。

うーん、随分気骨のある人だったんですね。

とはいえ、「これは個人の感想です。効果には個人差があります。」と私も顰みに倣って付け加えておきます(笑)。

安河内さん、出てましたね

foigras

「ヤスコーチ君がテレビに出てますよ」ーとのチェーンメールが昨日、世界的規模で瞬く間に広がり、私も昼休みを利用して東京・新橋の街頭テレビで見てきました。

NHKの「サラメシ」という番組で、各企業の社員食堂やお弁当などを紹介する番組です。

ヤスコーチ君というのは、老舗出版社の新潮社に勤めている安河内龍太様のことで、「敏腕編集者」として業界では有名人です。

番組では、しっかり実名と実年齢までもが明記されてましたので、本人も意欲満々でした。安河内先生は以前に「識者」として、東京新聞のオピニオン欄にも登場されてましたから、御存知の方々も多いことでしょう。

番組では、ボリューム沢山の日替わメニューが紹介され、「チキンライス」と言いながら、この他にコロッケやナポリタンなどもサイドメニューとして用意され、どれだけ盛っても200円という超破格な御値段!

おーい、今度俺も食べさせてくれい!

「サラメシ」の番組紹介欄には「東京神楽坂の新潮社にはユニークな社食がある。社員は約500。社食が登場したのは昭和41年。現在も総務部直轄で運営している。青木繁幸シェフの正式な肩書も総務部食堂係主任となっている。きょうのメニューはのりのり丼ということだが、青木シェフは早速中華麺を茹で始めた。出版の現場からは炭水化物のリクエストが多い。今日は焼き魚など6品をつくる。揚げ物などの仕込みも当日行い、その数は280人分。」とありました。

鬼の編集者、安河内先生は「のりのり弁なんて聞いたこたあねえな」と言いつつ、美味しそうに頬張っておりました。

この鬼の編集者とは、もうかれこれ27年も昔、渋谷区神南のNHKの11階にあった放送記者クラブで知り会いました。当時、彼は東京タイムズ(現在休刊)の若い駆け出し記者でしたが、その頃から風格があり、私なんかより10年以上先輩に見えました(笑)。

安河内記者の東京タイムズの先輩というか、上司というか、デスクというか、編集主幹とかいう人物が、今は関西広域を拠点に活動されている京洛先生でした。当時は東京に住んでいたので、自ら調布先生と名乗っておりました。

放送記者クラブには、各社のユニークな名物記者のオンパレードでした。「ザッキー」の異名を持ちスクープ記者として恐れられたサンケイスポーツの尾崎さんを始め、報知の稲垣さん、産経の岩切さんと安藤さん、毎日の仲西さん、東京の村上さん、そして立命館大学に奉職された日経の松田さんら昭和30年代の日本映画の黄金期とテレビ草創期を過ごした超ベテラン記者揃いでした。

当時若手ながら、後に放送評論家として名を成す読売の鈴木嘉一さんや朝日の隈元信一さんもおりましたね。

マスコミ業界では、文化、学芸、芸能記者は、政治、経済記者らよりも一段も二段も低く蔑まされて見られておりましたが、実はなかなか奥が深い(笑)。レコード大賞を作ったり、地方の美術館の館長さんにデーンとおさまったり、演劇、映画評論家になったり、大学教授に招聘されたり多士済々なわけなんです。

あっ?鬼の編集者から話が飛んでしまいましたね(笑)。ま、い、か。

日美と幻冬舎

存在が意識を規定する

昨日は、関西広域を活動拠点にされている京洛先生から、「政界の黒幕」と言われた大谷貴義(1905〜91)のことをご教授受けました。

そこで、私なりに調べてみますと、驚くべき事実が判明しました。

大谷氏は、昭和の初期から活動されていて、政財界を始め裏社会の方々にも精通されていたようです。ざっと見ただけでも、元首相の田中角栄、昭和の最大のフィクサー児玉誉士夫、国際興業の小佐野賢治、山口組三代目田岡一雄組長、東声会の町井久之会長らロッキード事件などでも登場した錚々たる歴史的人物です。

しかも、作家吉川英治夫妻と福田赳夫夫妻を媒酌人に長女享子(1957年度ミスユニバース日本代表)が裏千家宗家の三男巳津彦と結婚したため、茶道界にも縁戚があります。

政財界だけでなく、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川、メリー喜多川きょうだいを駆け出しの頃にお世話をしたことがあるらしく、芸能界にも通じることになります。

「日本の宝石王」と呼ばれた大谷氏は1956年6月に日本美術宝飾倶楽部を設立し、62年に社名を日美と変更して、宝飾卸業から不動産業、清掃業に至るまで、幅広く多角経営に乗り出します。

今は東京は西新橋に本社を構えているようですが、日美の公式ホームページを見て驚きましたね。あのプリンスホテルの清掃業を請け負っているだけでなく、意外にも出版界の風雲児見城徹社長が率いる幻冬舎ビルの清掃業まで請け負っているのです。

日美は現在、大谷貴義の三代目の方が継いでおられるようですが、幻冬舎とも接点があるとは、凄い偶然ですね。

(歴史的人物ら一部敬称略)