驚くべき全国の地域格差=シニアが住みやすい街ベストワンは東京都板橋区、ワーストは山口県萩市

 話題の荻原博子著「役所は教えてくれない定年前後『お金』の裏ワザ」(SB新書)を読了しました。

 知らなかったことが多く、それなりに勉強になりましたが、一番驚いたのは、全国の「地方格差」です。

京都・木屋町 高瀬川の桜 Copyright par Kyoraque-sensei

 例えば、水道料金(家庭用20立方メートル当たりの値段)。全国で一番安い自治体が兵庫県赤穂市で853円であるのに対して、一番高い自治体は、北海道夕張市で6841円。何と約8倍。6000円近くも高いのです。

 国民健康保険の保険料も全国一律ではないといいます。

 厚生労働省によると、保険料は、平均所得者の「標準化指数」と中高所得者の「応能割指数」と低所得者の「応益割指数」という3指標があり、これらを県別に見ると、「標準化指数」の最も高いのが徳島県で14万5991円(年間)で最も低いのが埼玉県の10万1977円。その格差は1・4倍。「応能割指数」 では最高の徳島県が最安の愛知県の1・8倍、「応益割指数」 は、最高の石川県が最安の埼玉県の1・7倍もの格差があるといいます。(2018年9月同省発表)

 映画「翔んで埼玉!」では、埼玉県は「人間が住むような所ではない」ような酷い県に設定されておりましたが、保険料が安いので住みやすいのではないでしょうか(笑)。


京都・木屋町 高瀬川の桜 Copyright par Kyoraque-sensei

 介護保険料も同様です。

 例えば、奈良県天川村は月額8686円ですが、鹿児島県三島村は2800円とその差は3・1倍だといいます。

 住民税も、税率が一律10%(道府県民税+市町村民税)になっているので、同じ所得ならどこでも同じかと思いましたら、住民税は、前年の所得金額に応じて課税される「所得割」と、一定以上の所得がある人が全員同じ額を払う「均等割」の合計で決まり、「均等割」には地域差があるといいます。例えば、最も高い宮城県と、最も低い北海道、青森県、埼玉県、東京都などと比べると、月額何と1200円の差があるというのです!


京都・木屋町 高瀬川の桜 Copyright par Kyoraque-sensei

 この本では、「日経グローカル」が2016年に発表した「シニアにやさしい街 総合ランキング」まで紹介しておりました。それによると、「医療・介護」「生活支援・予防」「社会参加」などの偏差値総合ランキングで、全国第1位が東京都板橋区なんだそうです。ちなみに、全国ワーストは、山口県萩市でした。

 気になる方は、引用させて頂きましたので、クリックして見てみてください。

 若い人たちは「自分たちには関係ない」と思っていることでしょうが、すぐあっという間にシニアになります(笑)。今の若い人がシニアになった頃は、今よりもっともっと酷い格差社会になっているかもしれませんよ。

新元号「令和」をことほぐ

 新元号は「令和」Reiwa に決まりましたか。まずは、ことほぎたい思いでいっぱいです。

 正直、全く、予想も、想像も、つかなかった年号でしたが、だんだん、徐々に、慣れていくことでしょう。平成の時もそうでした。最初はしっくりこなかったのですが、今では平成以外は考えられませんからね。

 令和の出典は、万葉集で、日本の古典から採用したのは初めて。「大化」以来、「平成」に至るまで1374年の間に247の元号が使われてきましたが、「令」の字も初という「初ものづくし」でした。これまでの元号は、すべて漢籍から採用されていましたが、今回は時の政権が保守勢力を忖度して、中国の古典を避けたのではないかという憶測もありますが、とにかく、世界中どこを見渡しても現在、元号を使用しているのは日本しかありませんから、私自身は誇りに感じます。

独り花見

 さて、話はがらりと変わりますが、ネット隆盛時代となり、既存の新聞、ラジオ、テレビは、「マスゴミ」と批判され、形無しです。

 しかも、年内にはネット広告の売上高がテレビ広告を上回ると言われておりますから、名実供に、メディア代表の地位をネットに譲った格好になります。

 私自身、既存メディアにいまだにほんの少し片足を突っ込んでいる身として、耳が痛いのですが、既存メディアの報道に関する批判は確かに認めざるを得ない部分があります。

 特に、私が気になっているのは、新聞がやたらと、ツイッターなどSNSの話題をフォローして報道する傾向が高まったことです。何かあった時に、すぐ手っ取り早く、「街の声」や「市民の反応」と称して、SNSを引用して報道したりします。昔々、ブン屋と呼ばれた新聞記者は、小耳に挟んだ話をゼロから足で稼いで当事者に当たって、記事を書いたものですが、今や、冷暖房の効いたオフィスでネットサーフィンして記事のネタを探す時代になりましたからね。

 新聞の記事なのに、何で、テレビの話題やネットの話題ばかり取り上げてお茶を濁すのでしょうかー。それなら最初からネットだけ見ていればいい。だから、今や、新聞も読まないし、テレビも見ない人が増えたのでしょう。

 
今回の新元号は、 忙しい人は、新聞やテレビよりも、ネットで知った人が平成の新元号発表時より増えたことは確実です。

 これから先、どんな時代になっていくのか皆目見当も付きません。

 でも、新元号「令和」は5月1日からです。「街の声」や「市民の反応」の中には、新元号は4月1日からで、平成は3月31日で終わると誤解している人も多くおりました。

 「街の声」なんぞは、その程度ですか。。。。

【追記】

毎日新聞は、新元号「令和」の考案者は、中西進・大阪女子大名誉教授(89)ではないか、と報じてます。中西名誉教授は、万葉学者の第一人者で、政府が委嘱した人の一人だったからです。

 また、個人的ながら、中西先生は、小生の予備校時代に習ったことがあり、(確か、当時は成城大学教授)しばらく、年賀状も交換しておりました。もし、毎日の報道が事実なら嬉しいですね。