菅新首相の背後に「ぐるなび」と京浜急行電鉄があり

 コロナ禍になる前は、誰一人も予想すらしなかった菅義偉さんが第99代の内閣総理大臣に昨日就任されました。まずは、おめでとうございます。秋田県出身の首相は初めてで、法政大学出身も初めてということで、「たたきあげの苦労人」というイメージも板につきました。

 菅氏の地元秋田県湯沢市はお祭り騒ぎで、何と「提灯行列」まで繰り出されたようです。提灯行列なんて、昭和12年12月の「南京陥落」を私は思い出しましたよ。生まれていませんでしたが…。

 閣僚人事も発表されましたが、マスコミ、特に週刊誌は、大臣の「身体検査」に余念がありません。17日発売の文春砲では、菅義偉首相本人のスキャンダルを追っていたので、早速買い求めました。出勤途中の電車の中で読んだのですが、私以外、私の目に入る範囲で、一人も週刊誌を読んでいる人はいませんでした。勿論、新聞を読んでいる人も皆無です。新聞を読まなければ、週刊誌の広告を目にしないので週刊誌の売り上げも落ちていることでしょう。私なんか数少ない上客です(笑)。

 そう言えば、電車内でも週刊誌の吊り広告も減った気がします。東洋経済によると、関西の阪急電車は、週刊誌の広告の扱いをやめたようですね。メディアの衰退は、国力の衰退に等しいのです。健全じゃありませんね。そのうち反動がくることでしょう。

 さて、菅首相の話ですが、「政商による献金とそれの見返りの政策」という明治以来の利権の構造という伝統です。

 例えば、菅氏が先頭に立って推進している最大469億円の予算がついた「Go toイート」というキャンペーン。その背後にはグルメ情報サイト「ぐるなび」の滝久雄会長が控えているようです。1996年から2012年にかけて、滝会長の広告代理店「NKB」から菅氏の政治団体「自由民主党神奈川県第2選挙区支部」と「横浜政経懇話会」に対して、計280万円献金し、ポスター制作費58万8000円請け負ったことが収支報告書に書かれているといいます。

 NKBは、滝久雄会長の御尊父の滝冨士太郎氏が創業した交通文化事業社が母体になった会社で、最初は地下鉄のベンチの広告から始めたといいます。まさに「たたきあげの苦労人」という共通点があるんでしょうか?

 「Go toイート」は、コロナ禍で大きなダメージを受けた飲食店の救済が表向きの名目ですが、結局は、菅氏の政治団体に何かと気を遣う「ぐるなび」にも還元される仕組みになっているようです。

 もう一つ、菅首相が、官房長官時代から異様な意欲を示しているIR(カジノを含む統合型リゾート)事業です。その菅氏のIR事業を推進する「横浜カジノ計画」に名を連ねているのが京浜急行電鉄です。またまた文春砲によると、京急は2014年8月にIR事業参入発表し、カジノ建設地として想定される山下埠頭へのアクセスを整備したといいます。

 その間、京急の副社長から社長、会長に昇りつめた小谷昌氏は、1998年から2013年にかけて、菅氏の政治団体「自由民主党神奈川県第2選挙区支部」に対して、確認できるだけで700万円の献金をし、京急の関連会社「京急開発」の斎藤行正社長は900万円を寄付していたといいます。

 一方の菅氏は、その見返りなのか、京急の屋台骨の一つである京急百貨店で毎年開催される「京急将棋まつり」の名誉会長を務めているそうです。

 それにしても、随分、分かりやすい政商と政策の意味深な関係ですね。こういう裏ではなく、本筋の話は、テレビや新聞ではどういうわけか、あまり報じないので、週刊誌はなくなってほしくないものです。