企業診断は自己資本比率が要=20%を切るソフトバンク

 携帯のスマホをA社からR社に乗り換えた話は何度も書いておりますが、A社のポイントがまだ残っていたので、A社に問い合わせたところ、A社の携帯を解約しても、A payは、まだ使えるというのです。

 そこで、このポイントを使って、コンビニで月曜日に週刊ポストを買おうとしたところ、お店の人に「このカードは使えません」と言われてしまいました。そこで、仕方がないので、その週刊ポストは現金で買い、再度A社に問い合わせてみたところ、「A社のIDを再登録してログインすれば、A社携帯の契約者でなくても、A社ポイントは使えます」と言うものですから、木曜日にコンビニで週刊文春を買うために使ってみました。そしたら、また、店員さんから「使えません」と拒否されてしまいました。いままで使えたのに、どないなっとるんねん? A社は顧客に優しくない会社ですね。もうカードは捨てるしかありません。

 ということで、残ったポイント処理の目的が果たせず(笑)、せっかく週刊誌を買ってしまったので、気になった記事を茲で取り上げたいと存じます。

最近、料理の写真ばっかしですねえ…

 週刊ポストに載っていた「借金しても『安泰』な企業、無借金なのに『潰れる』会社」という記事です。企業にとって自己資本比率が最も要(かなめ)だということを、私は経済に疎いものですから初めて知りました。

 昨年でしたか、「週刊ダイヤモンド」の記事で、ソフトバンクの有利子負債が15兆円もあることにぶっ飛ぶほど驚いたことがありますが、それを超える企業があったんですね。

 同誌が引用したYahoo!ファイナンスが公表している上場企業の「有利子負債ランキング」(10月22日時点)によると、1位はトヨタ自動車で、約20兆5530億円、2位はソフトバンクグループで約13兆1320億円(昨年より減ってます)、第3位は野村ホールディングス(9兆9800億円)、4位・日産自動車(7兆8000億円)、5位・ホンダ(7兆4700億円)、6位・三菱商事(5兆7600億円)、7位・武田薬品工業(5兆930億円)と続いています(連結ベース)。いずれも、超が付くグローバルな有名大企業じゃありませんか。そんなに借金して大丈夫なんでしょうか?

 大丈夫な理由について、色々書かれていますが、トヨタの場合、有利子負債のほとんどが返済まで1年超の「長期借入金」であり、これは将来を見据えて積極的に投資していることから成長が見込め、有益であると金融のプロがトヨタを信用している証拠だといいます。(過去に経営危機が表面化した東芝もシャープもレナウンもいずれも「短期借入金」の悪循環が災いしたといいます。)

 一方、「雲行きが怪しい」と同誌が指摘するのがソフトバンクです。自己資本比率が20%以上なら、企業経営の状態は健全とされますが、ソフトバンクグループの20年3月期決算での自己資本比率が15.9%だったといいます。ちなみに、トヨタ自動車の同期の自己資本比率は38.08%でした。第7位の武田薬品工業も36.8%です。

 同誌は、経済ジャーナリストの福田俊之氏に、「かつて、スーパーのダイエーも自己資本比率20%を割り込み、倒産前は一桁台にまで低下しました」とまで語らせています。

 ソフトバンクは、携帯電話会社というより、欧米やサウジアラビアなどに莫大な資金を投資しているファンド会社と言っても良いでしょう。

 コロナ禍の影響で、ANAを始め、JRの東日本、西日本、東海まで大幅な赤字が見込まれていますが、ソフトバンクがこれほど自己資本比率が悪化しているとは知りませんでしたし、新聞、テレビ・ラジオのメディアのほとんどが報道していません。

 こういう記事は、ゲリラ的手法が得意な雑誌メディアの真骨頂だと思いました。

言語は世界制覇の最大の武器

昭和10年創業らしい「かいらく」 もやしそば 700円

 人間、否が応でも、政治や経済や社会の影響なしでは生きてはいけないということは自明の理です。でも、それ以上に重要なことは、日ごろ安易に感じられがちな文化だと私は思っています。文化の中でも最も大切なものは、言語です。

 言語は単なるコミュニケーションの手段だと、またまた安易に考えられがちですが、人間は言語によって思考したり、言語によって感情を表現したりする極めて重要なツールなのです。つまり、言語は世界制覇の最大の武器になるのです。

…なぞと、いつもながらの渓流斎ブログらしく、ややこしい前触れから始めましたが、何でこんなことを考えたかと言いますと、欧米が中国の「孔子学院」を相次いで閉鎖している、という記事を読んだからです。

 孔子学院とは、中国教育省傘下の孔子学院本部(北京)が海外の大学構内に設置しているもので、教師や教科書は中国から提供され、運営費の半額は原則的に中国が負担しているといいます。今年10月の時点で、世界162カ国・地域で計541校も開校しているといいます。

 しかし、ここに来て、中国が香港やウイグル、内モンゴルなどに強権的政治力を発動し、人権問題になったりしたことから、欧米を中心に反発が広がり、閉鎖される傾向が続いているといいます。そうでなくても、もともと孔子学院は中国政府のプロパガンダ(政治宣伝)機関かスパイ養成機関ではないかといわれるような疑心暗鬼があったことから、拍車が掛かったようです。

 私自身は、孔子学院でどのような教科書が使われているか知りませんが、中国国内でネット検索すらできない「天安門事件」や「香港国家安全維持法」などは取り上げられていないと想像しています。

実家の老親がやっと退院できるようになりましたが、条件はこのように家内に介護環境を整えることでした

 10月28日付産経新聞は「スウェーデン 対中感情悪化=欧州で突出 香港人権問題契機に」という見出しで大きく報道していました。中国共産党の批判書を扱い閉店に追い込まれた香港の「銅鑼湾書店」の親会社の大株主でスウェーデン国籍も取得している桂民海氏が2018年、中国本土で警察に拘束されたことが関係悪化の契機だったといいます。

 スウェーデンは、国内に8カ所ある孔子学院を全て閉鎖し、携帯電話の5Gで中国のファーウェイの機器の使用を禁止したといいます。

 産経の記事だけを読んでいる限り、「そうですか。中国って悪い国ですね」と言いたいところですが、少し冷静になってみると、そう言い切れないところがあります。この深層に、今年新たに孔子学院を2校閉鎖し、最大120校あったものを現在、81校に減少させた米国と、政治的、経済的に世界制覇を狙う中国との覇権争いがあるからです。つまり、善悪で捉えてはいけないということです。中国が一方的に悪で、米国が善というわけではないのです。言ってみれば、サバンナの弱肉強食の世界です。

 スウェーデンにしたって、2000年初めまでは、経済大国であり、ノーベル賞学者を多く輩出する日本を重視し、多くの日本語講座を設けていたのに、中国が経済発展すると、手のひらを反すようにして、日本語学校を閉鎖・追放して中国語講座を設けるようになったという話を以前、スウェーデン留学歴のある学者に聞いたことがあります。

 正確な引用ではありませんが、勝海舟は毀誉褒貶がある人とはいえ、日清戦争が起きる前、「あれだけ、昔はお世話になったのに、支那(中国)がかわいそうじゃないか」と言って、戦争に反対したと言われてます。

 古代に仏教(漢訳経典)も、稲作灌漑技術も中国大陸から渡ってきたものです。何と言っても、日本語の根幹となった漢字の導入があります。ベトナムや韓国北朝鮮は漢字を棄てましたが、「優等生」の日本は漢字を棄てず、今でも漢字なしでは日本語は語れません。日本人は漢字なしでは思考すらできません。

 尖閣諸島に出没する中国船の話などが連日報道され、世論調査でも中国に対する好感度が極度に下がっています。しかし、隣国として将来に渡って付き合わざるを得ません。

 そう言えば、日本のメディアの中国報道はネガティブなものが多い気がします。それが日本人の対中感情の悪化の原因の一つになっています。

 正直、私自身も皆さんと同じように、今の中国のことを大好きにはなれませんが、何事もほどほどに。欧米だけが一方的に正しいというわけではないのです。「中庸の精神」が大事だと私は思っています。

 

銀座のランチが300円で食べられたお話

  本日も銀座のランチの話題です。

 「お前の書く思想信条や御託なんかよりも、ランチや他愛のない話の方が余程面白い」というある読者からの要望もありましたもので…(苦笑)。

 ということで、最近、贔屓にしているのが10月に開店したばかりの「マグロ食堂 魚金」という店です。歩いていて偶然見つけた店ですが、何しろ、安い(笑)。

 上の写真の通り、「賄い丼」が通常800円が500円。「幕の内定食」が通常1280円が680円。「カキフライ」が通常1000円が800円…なのです。ここは銀座ですよ。

 通常、ということは開店記念で、今だけ安くなっているということなんでしょうね、きっと。

 「魚金」と言えば、新橋に有名な居酒屋があって、いつも混んでいて、満員で断られたりしたことがありましたが、そのチェーン店なのでしょうか。この店も、口コミで広がったのか、ネットで広がったのか、80席もあるというのに、いつも満員で待たされます。

 肝心のお味は、飛び切り上等とまでは言えませんが、悪くなく、いや、美味いですよ(笑)。その証拠に、大半のお客さんはリピーターが多いのです。

 何で分かるかと言いますと、スタンプカードを発行していて、10個貯まると1食分サービスになる特典があるからです。大抵の人はこのスタンプカードを提示して会計していましたから。

 随分、せこい話ですね(笑)。いや、もっと、せこい話をしますと、この店ではデビッドカードが使え、この銀行カードに付いたポイントでも支払いできます。表紙の写真に掲示した「賄い丼」は500円ですが、デビッドカードで払ったら、200ポイントが引かれて、結局支払ったのは300円で済みました。銀座でランチが300円で食べられたなんて、奇跡のようです。

 えっ?お前は相変わらずの「ポイント乞食」だな、ですか? いえいえ、何度も言いますが、それ以上の「ポイント奴隷」ですよ(笑)。

スマホ乗り換え奮闘記

湯島「吟」にて

これから書くことは全く個人的な話なので、ご興味のない方は、Au revoir.

先日、携帯のスマホをA社からR社に替えたことを書きましたが、その前後の手続きでてんてこ舞いでした。

特に大変だったのが、銀行口座のメールアドレスの変更でした。大手銀行もネット登録するようになっていますが、連絡用にA社の携帯メールアドレスを登録していたので変更しなければなりません。X銀行はすんなり出来たのですが、Y銀行は「ワンタイムパスワード」方式にしていたらしく、さっぱり先に進みません。オペレーターに電話して、指南を仰ぎ、ワンタイムパスワードのアプリをダウンロードし、1分でパスワードが変わってしまうので、早く対処しなければならず、もう散々でした。Y銀行は5年前にネット登録して、一度もネットで使ったことがなかったので、やり方をすっかり忘れておりました。

 もう、IDもパスワードも暗証番号もやたらと増えて頭が混乱しそうになりました。

 そう言えば、A社の携帯メールアドレスには、一日5~6通も迷惑メールが届くようになったことも、A社を解約する要因の一つでした。

 他に、A社の自転車保険に加入していたので、他社との契約代えや、A社のクレジットカードの解約など色々ありました。

岩手県のマスコット「そばっち」

 私がA社を解約すると、私だけの問題ではなくなり、家族も雪崩を打ったようにR社に乗り換えることになりました。家族割やら家族無料通話が効かなくなったことも一因です。特に、ma fille cadetteの場合、A社のアップルの最新機種iPhone12を契約しようとしたら、「5Gなので、毎月の通信費がプラス1000円になります」と言われて驚愕して、すぐ契約を辞めたと聞きました。それで、最初は気が進まなかったのに、A社からキャンペーン中のR社に乗り換えたのです。

 1000円も値上げするとは、A社も如何なものか、です。今のところ、5Gは中継基地が少なく、ほとんど使えないのです。10月15日付の読売新聞によると、東京ディズニーリゾートは日本の携帯各社は全滅で5Gは機能せず。羽田空港でさえ、5Gが使えるのはドコモだけです。だけど、驚くべきことに、ドコモは銀座では使えないといった有り様です。5Gが普及するにはまだ2~3年は掛かることでしょう。

 しかも、今、5G基地建設を巡って、人体に及ぼす電磁波が流れるという理由で、世界的に市民による反対運動が起きているのです。(電磁波問題市民研究会は、5Gの周波数は高く、健康に悪影響を与える懸念があり、携帯のヘビーユーザーと脳腫瘍発症との間に一定の相関関係が見られた、といった国際がん研究機関が公表したことを引用しています。ベルギーやスロベニア、ナイジェリア、ウクライナ等では5Gの展開を停止しているようです。電子レンジの周波数は2.45Gヘルツなのに対して、5Gは28Gヘルツだとか。そりゃ大変だ)

 こんな状態なのに、A社は5Gと称して「割増料金」を請求するなんて詐欺に近いのでは?ma fille codetteが頭に来たのは納得できます。

 もう一人ややこしかったのが、ma femme です。携帯がガラケーで、パソコンを一度もやったことがないのに、いきなりスマホですからね。まず、Rショップはマイナーなのであまり店舗がありません。自宅から自転車で片道40分もかけて行きましたよ。お蔭で翌日から脚が痛くなりました(笑)。Rショップの店員さんは、スリランカ人でした。日本語ペラペラでしたが。

 ma femmeは、コンピュータが苦手で、文字入力もガラケーとスマホとは違うので、最初から「分からない、分からない」とギャアギャア喚きます。それでいて、LINEもやりたい、路線案内もやりたい、と要求ばかり。もう勘弁してよ、といった感じで日が暮れる毎日で、落ち着いて読書もできませんでした。

【追記】

 先日、IT関係に詳しい志田君と呑んだのですが、R社のスマホはまだ中継基地が少ないので、圏外となるとA社の回線を使っているんだそうです。しかし、A社は意地悪して、東京23区内の地上は、A社回線の配信は停止しているそうです(地下は大丈夫)。また、23区内でさえこういう状況なので、吉祥寺、立川、町田といった東京都下はR社の回線がまだ繋がりにくく、結局、A社の回線でやっと繋がるらしいのです。東京がこういうことだと、地方もR社の回線は繋がりにくいようです(山奥は特に)。こういった事情を玩味の上、スマホ乗り換えは御考慮ください。

 R社のM会長におかれましては、通信事業は社会事業ですので、基地局などのインフラ整備は、たとえ「前倒し投資」とはいえ、十分に果たしてほしいものです。宜しくお願い致します。ナンバーワン・キャリアを目指してくれい。

「ワシントン・ナショナル・ギャラリー 三十六肖像」

 満洲研究家だと思っていた松岡將氏が、いつのまにか美術評論家になっていました。

 今年7月に「ワシントン・ナショナル・ギャラリー 参百景ー美の殿堂へのいざない」(同時代社)を発行したばかりの松岡氏が、今度は、その「参百景」の補遺版に当たる「ワシントン・ナショナル・ギャラリー 三十六肖像ー美の殿堂へのいざない・補遺」(同)を10月20日に初版刊行されたのです。1年に2冊も出版されるとはそのバイタリティーには脱帽です。松岡氏の略歴は巻末に誕生日まで詳細されておりますが、昭和10年生まれということは、今年85歳。頭が下がるばかりです。解説がうまく的確にまとめられています。

 7月の前著「参百景」では、ワシントンの在米日本大使館勤務時代を中心に何年も何年もナショナル・ギャラリーに通い詰めて、同館の新米学芸員以上の作品に対する知識をご披露されておりましたが、新著の「三十六肖像」も大変読み応え十分で、鑑賞し甲斐があります。

 これでも、小生は大学の卒論にクロード・モネを中心にした「印象派」を選び、記者になってからは文化部の美術担当になったこともあり、全国、全世界の主要美術館も巡り歩き、美術の知識はかなりあると自負しておりましたが、「三十六肖像」の画家の半分近くも知らなくて、自分の不勉強を恥じるばかりです。思えば、自分が詳しかったのは、泰西美術の中でも、バルビゾン派以降の写実派や印象派やキュービズムやバウハウスなど近現代ばかり。それもフランス中心の知識でした。ドイツ・ルネサンスもロシア・アヴァンギャルドもあまり知らないし、英国系は、ターナーかミレイかウィリアム・モリスぐらいです。

 例えば、本書では、ギルバート・スチュアート(1755~1828)とトマス・サリー(1783~1872)という米国人なら誰もが知っている画家が登場しています。何で知られているかと言いますと、二人とも肖像画が得意でスチュアートの描いジョージ・ワシントン初代米大統領は1ドル紙幣に、サリーの描いたアンドリュー・ジャクソン第7代大統領は20ドル紙幣に採用されているからだといいます。正直、私は知りませんでした。

 本書前半にイタリア・ルネッサンスのエルコレ・デ・ロベルティ(1455/56~1496)の「ジネブラ・ベンティヴォーリョ」の肖像画(1474/77)も取り上げられています。

 私自身、この絵も画家も知りませんでしたが、解説を読むと、ロベルティは、40歳余で早逝したため、残された作品が少ないが、後の批評家からレオナルド(・ダビンチ)と比肩するほど高い評価を受けている、とまで書かれています。

 取り上げられた画家の中には、意外とペストや肺結核で亡くなっている方が多いのですが、作品はこうして残り、芸術は永遠だなあ、と感じます

 色々と勉強になりました。

 私自身は、フランスびいきのせいか、ジャック=ルイ・ダヴィッド(1748~1825)の「フランス皇帝ナポレオン:テュイルリー宮殿の書斎にて」(1812)のあまりにも細密でその精巧さに、改めて驚かされました。ナポレオンが目の前に立って、まるで生きているような感じです。
 勿論、写真が綺麗なせいかもしれません。撮影した松岡氏の玄人はだしの腕前です。もしかして、ライティングにもしっかりと気を配り、カメラが当時の最高機種だったかもしれませんが(笑)。

 私も意地が悪いですが、本文中、ジャクソン大統領を第八代としたり(実際は第7代)、セザンヌのところで、1861年のところを1961年としたり、明らかな間違いを見つけてしまいました。恐らく、この本は売れると思いますので、第2刷の際に訂正されることでしょう。

【追記】

 FBからの読者であるK氏からのメッセージで、ワシントンの一連のスミソニアン博物館群の入場は無料だということを御教授頂きました。ワシントン・ナショナル・ギャラリーもその中に含まれるので無料です。K氏は、ワシントン出張の際、スミソニアン博物館に行けなくても、ワシントン・ナショナル・ギャラリーだけは行くようにしたそうです。

 また、私は知りませんでしたが、この一群の中にフリーア美術館があり、(ということは無料公開)、俵屋宗達の「松島図屏風」を所蔵しているそうです。明治に米実業家の手を経て海外に渡ったものですが、日本に残っていれば、勿論、国宝になった作品です。見たいなあ。

荒行「大峯千日回峰行」を満行した塩沼亮潤大阿闍梨

 昨晩は、自宅近くの歩道で、暗闇のせいか、段差に気付かずズッコケてしまい、右膝に軽い打撲傷を負ってしまいました。昼間でしたら、段差に気が付いていたことでしょうが、反射神経も鈍くなったものです。

 さて、先日、「大峯千日回峰行の道を行く 修験道・塩沼亮潤の世界」というタイトルのドキュメンタリー番組を見ました。(24日に再放送があります)

 修験の行者・塩沼亮潤大阿闍梨(52)については全く知りませんでしたが、みるみる引き込まれました。塩沼氏が大阿闍梨の称号を持つのは、彼が荒行「大峯千日回峰行」を満行を成し遂げた人だからです。「大峯千日回峰行」とは、修験道発祥の地と言われる奈良県大峯山で一日48キロ(吉野金峰山寺~大峯山山上ケ岳=さんじょうがたけ=の険しい山道を往復)を5月から9月の間、9年間、歩き、その上で、9日間「飲まず」「食べず」「寝ず」「横にならず」の「四無行」までやり遂げなければなりません。まさに生死の境目を体験する荒行で、塩沼氏の達成は史上2人目ということは納得できます。(「四無行」を満行したのは2000年ということですから、同氏32歳の時だと思われます)

 塩沼氏は、実家のある仙台に戻り、慈眼寺(じげんじ)という寺院を建立し、護摩行を行い、噂を聞きつけた人々が全国から集まります。不動明王が御本尊の護摩堂で、人々が「家内安全」や「病気平癒」などと書いた木片を火にくべると大きな炎が立ち上がり、人々も一斉にお祈りします。

 護摩行なので、真言密教かと思いましたら、慈眼寺のホームページを見てもはっきり宗派は書かれていません。塩沼氏は奈良県吉野の金峯山寺(きんぷせんじ)で修行されたことから、金峯山修験本宗だと思われます。この宗派も初めて知りました。修験道ですが奥が深いです。

 塩沼氏は、僧侶になるつもりはなかったといいます。中学2年生の多感な時に、家庭内暴力を振るう実父が家を出て、極貧の中、母親一人の手で育てられます。その時、母親から「恨み、憎しみを持ってはいけない」と諭されたことが、後の彼の人生に大きな影響を与えたようです。

 人が恨みや憎しみをなくすことなど、なかなか出来ることではありません。煩悩凡夫の私はとてもできません。それなのに、彼はいつも笑顔を絶やさず、「謙虚」「素直」「感謝」を心がけているといいます。仏教で言う「和顔施」でしょう。

 そして、彼の座右の銘は「独り慎む」だと言います。誰も見ていなくても、襟を正して慎み深い行動をする、といった意味らしいですが、英国ジェントルマンのモットーみたいですね。

 番組を見て感動したものですから、こうしてブログに書いておりますが、私は天邪鬼ですから、少し引っ掛かることもあります。素直じゃないんですね(笑)。

 ネットでは彼の笑顔のプロフィールや立派な慈眼寺のホームページが出てきます。英語版もあるので海外の信者もいるようで、コロナ禍の前は年に何度か海外にも出かけていたようです。

 現代は「家」の絆も薄れ、「墓仕舞い」をする家も現れ、オウム真理教やカトリック神父による性虐待事件などの影響からか、宗教離れをする人々も増えてきています。特に地方では住職のいない寺も増え、廃寺になる寺院も多いと聞きます。

 何を言いたいのかといいますと、寺の経営が大変だろうなあ、ということです。しかも、彼は自分の寺を創建したぐらいですからね。テレビに出て露出して有名にならなければならないし、番組を見るとお弟子さんも沢山いらっしゃるようで、どういう風に捻出されているのかなあ、と心配になりました。番組では全く出てきませんでしたが、墓地もあって檀家さんもいるのかなあ、と思ったりしました。

 まあ、天邪鬼の戯言です。御寛恕の程を。

 

 

メンサと政治と宗教とサイコパスと

 人口上位2%のIQ(知能指数 )を持つ人たちの親交を主目的とした非営利団体「メンサ」というのがあることを最近知りました。1946年に設立され、英国に本部があり、会員数は全世界で約12万人。支部は世界40カ国にあり、日本人会員は約3500人いるとか。著名人には、SF作家のアーサー・C・クラークやアイザック・アシモフ、日本人には、お笑いコンビ、ロザンの宇治原史規や脳科学者の茂木健一郎らがいる(いた)そうです。

 まあ、親睦団体みたいなものですから、懇親会等では「政治と宗教の話はタブー」になっているそうです。「金持ち喧嘩せず」ということなんでしょう。そうでなくても、政治と宗教がらみで国家間で戦争になったりしますから、人類のタブー中のタブーでしょう。まず、思想信条は折り合いが尽きませんからね。最近、また、イスラム教の教祖の風刺画を巡り、パリ郊外で教師が殺害されたりしました。

 それなのに、この渓流斎ブログでは、最近、政治と宗教の話題ばかり書いております。勿論、冒涜的なことは書いておりませんが、これでは駄目ですね(苦笑)。

 このブログは2005年3月15日から始めましたから、今年で丸15年も経ちました。我ながら、よく続けてきたものです。しかし、以前、「ブログなんかやってると親友をなくすよ」と忠告されたことがありましたが、事実そうなってしまいました。

 30年来の友人のA氏からは「ブログなんかやっていると、人は離れていき、そのうち誰からも相手にされなくなりますよ」と言って、本人が率先垂範して離れていきました。旧友のB氏からは「君とは住む世界が違います」と通告され、異国に住むC氏は、メールを出しても返信すらしなくなりました。理由は分かりませんが、やはり、ブログが原因なのか、面倒臭くなったのかのどちらかしか思い当たるフシがありません。仲違いしたわけではありませんから。

 ブログをやっていても、ロクなことありませんね。

 でも、半面、良い事も沢山ありました。ブログを通じて知り合った何人もの方が全国にいらっしゃり、実際に交流でもできたことです。色々な「学び」もあり、自分では思いも寄らない「知識」や「情報」が寄せられ、大変勉強になりました。というより、現在進行形です。それが、15年も続けて来られた理由の一つでしょう。

 ところで、最初にご紹介した「メンサ」は、「サイコパス」を調べているうちに、何の関連もなく、ひょんなことで出てきました。何で、サイコパスを調べたかといいますと、最近、どうも独りよがりの人間が増えてきた気がしたからです。まず、挨拶はしない。不注意にせよ、人にぶつかったり、足を踏んだりしても謝りもしない。そこにいたお前の方が悪いんだと言わんばかりで逆切れしそうです。他人が苦しんでも見て見ぬふり、自分さえ良ければ何をしてもいい、そんな輩が増えたように思えるのです。

 そういう人間のことを何て言ったっけ?と一生懸命に思い出して、サイコパスがやっと出てきたのです。一般的に、サイコパスとは先天的に、罪悪感を感じず、良心の呵責に苛まれることはなく、嘘をついても平気で、他者に対する思いやりが皆無で、自尊心が過大で自己中心的、それでいて口が達者で表面的には魅力的なことが特徴だといいます。(両親や教師の教育や環境などの影響で後天的になった人はソシオパスと呼ばれます)

 ニュースで、平気で嘘をつく政治家を目の当たりにしたり、良心の呵責もなく老人を騙したり、殺害したりする若者を見かけたりしますが、もしかしたら、彼らはサイコパスなのかもしれません。

 私自身はサイコパスとは正反対の性格で、他人に気を遣い過ぎるかなりの神経質で、良心の呵責と罪悪感は莫大にあります。特に若い頃は、異様に神経が過敏で、自分の神経はピアノ線より細い!と天を呪ったことがあります。

 でも、何万人に一人か、何十万人に一人か分かりませんが、世の中には、傍若無人で無神経で罪悪感のない人間が存在するという事実を知っただけでも、少し冷静になれました。

(本文中敬称略)

都合の悪いことはなかったことに=菅首相の「政治家の覚悟」

  20日に発売された菅義偉首相の著書「政治家の覚悟」(文春新書)は、野党議員時代の2012年3月に刊行した単行本を改訂したもので、単行本では「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然」と公文書管理の重要性を訴える記述があったのに、新書版では、それらの章がごっそり削除されていたらしいですね。比較して読んだわけじゃありませんが、朝日と毎日が報じています。

 ご都合主義と非難されてもしょうがないでしょう。 

  なぜなら、菅氏は8年前の単行本では、民主党政権(当時)が東日本大震災の際に、会議の議事録を十分に残していなかったことを批判し、「千年に一度という大災害に対して政府がどう考え、いかに対応したかを検証し、教訓を得るために、政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為」とまで書いていたのに、この部分はごっそり削除されているのです。

Photo Copyright par Duc de Mtsuoqua

 ところが、自民党が野党から与党に返り咲き、しかも安倍政権の中枢の官房長官になった菅氏は民主党政権と同じかそれ以上のことをやったわけです。(直接指示しなくても、少なくとも見て見ぬふりをしたわけです)「森友学園」への国有地売却問題や「桜を見る会」問題では、高級官僚らの忖度で、安倍政権や昭恵夫人に都合の悪い公文書や記録が改ざんされたり、廃棄されたり、あったものをなかったことにしたり…。新型コロナウイルス対策会議でも議事録を残さなかったぐらいですからね。

 これでは、首相になって、今さら「公文書管理の重要性」を訴えるわけにはいかなくなった、と勘繰らざるを得ません。

 野党時代は批判していたことを、自分たちが権力を握るとシレっと同じようなことをするとは、姑息ですね。日本学術会議の会員名簿から政権に都合の悪い学者6人を外した問題は、まだまだ尾を引いていますが、菅首相の馬脚がだんだん露わになってきました。

 メディアの世論調査で、内閣支持率の低下がそれを物語っています。

R社スマホ、快適です=「Go to イート」に挑戦

 先日、携帯のスマホをR社に変更したことを書きましたが、データ通信も通話も全く支障がなく快適です。しかも、料金が一年間無料だというので言うことありません。

 さらに、どなたかにR社のスマホを紹介すると、紹介した人に3000ポイント、紹介された人にも2000ポイントが付きますので、もしご興味を持たれた方は、是非小生に御連絡ください(笑)。小生のR社スマホのIDをお伝えします。キャンペーンは期間限定ですのでお早目に(笑)。

 付け加えると、R社のスマホのデータ通信は無制限に使えるので、初めてテザリングに挑戦してみました。そしたら、こうしてパソコンに難なくWi-Fiが繋がりました。となると、今契約しているOCN(NTTコミュニケーションズ)のモバイルWi-Fiも必要なくなります。解約しようかしら?これで、毎月の通信費が大幅に節約できます。感謝、感謝です。

 さて、昨晩は雨が降る中、「Go to イート」に行って参りました。自宅近くの炭火焼店なので、場所も店名も言えませんが(笑)、なかなか良い店、というか高級店でした。

 とにかく、ジャーナリストを自称していますから、時流に乗るといいますか、今、世間で話題になっていることを自分自身でやってみなければならないということを自分に課しておりますから、こういう無節操なこと(?)もやらざるを得ないのです。

 まず、グルメサイトの「食べログ」に登録して、「Go to イート」キャンペーンに参加している自宅近くの店を検索して、ある店に予約してみました。「食べログ」だと、Tポイントとして1人1000ポイントが付くことになっていました。このTポイントはお店に還元されるのかと思ったら、後からお店の人に聞いたら、「そんなこと全くありません」と言うのです。私は、この1000ポイント分は、またその同じ店でしか使えないと思ったら、どこでも使えるようです。つまり、同じ店に還元されるとは限らないのです。

 よく分かりませんが、どうもこのTポイントは、「食べログ」のサイト内のお店(つまり、「食べログ」に加盟料を払って参加している店)にまた予約する際に使えるようなのです。異様に面倒臭い。恐らく、グルメサイトを使用しなければ、この獲得したTポイントは「宝の持ち腐れ」になるんじゃないかと思われます。はっきり言って、「Go to イート」キャンペーンは、店舗よりも、菅義偉首相のお友達の滝久雄会長のやっている「ぐるなび」などグルメサイトが儲かる仕組みになっているのではないでしょうか?

 「Go to イート」キャンペーンの中身は、実際に自分自身でやってみないと、本当に分からないものですね。

 そうそう、私が利用しとお店の話です。普通の焼き鳥屋を選んだつもりでしたが、豈はからんや、高級炭火焼店でした。本日のお薦めのメニューを見たら、「本マグロ2200円 馬刺し2860円…」ですからね。帰ろうかなと思いました(笑)。

 でも、「本日のお薦め」以外を見ると、大衆焼き鳥屋より少し高めの値段。帰らずに注文しました。そしたら、旨いこと、美味いこと。何しろ、塩は食卓塩ではなく、高級などこかの岩塩で、醤油もスーパーには売っていない高級醤油。サラダのタレも凝っていてバルサミコ酢にチーズも入っている感じでした。

 何と言っても凄かったのは、焼き鳥には「みつせ鶏」を使っていたことです。「比内地鶏」や「名古屋コーチン」なら聞いたことはありますが、初めて聞く鳥なので、お店の人に「何処の鳥ですか?」と伺うと、「佐賀県です」と応えるではありませんか。そこで、早速、某マスコミの佐賀支局長を務めたことがある岡元氏にR社スマホのショートメッセージを使って聞いてみると、「みつせ鶏は旨いですよ。佐賀にいた時は滅多に口にできませんでしたが。」との返事を頂きました。

 そんな高級鶏でしたか! いやあ、実に旨い。感動してしまいました。この店は、数年前に線路沿いにあったのですが、火事で焼けてしまい、ここの場所(駅から歩1~2分)に変えて復活されたようなので、またお邪魔しようかと思いました。

(ビール中瓶と日本酒二合、串盛りと串焼き四本、サラダなどサイドメニュー六品、二人で8610円)

【追記】

食べログで獲得したTポイントは、他にも運用できるようです。

🎬「スパイの妻」は★★

 ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞した話題作「スパイの妻」(黒沢清監督作品)を大いに期待して観に行ってきました。

 劇場に着いたら、超満員の観客が列を作ってました。私は事前にネットでチケットを購入していたので安心していましたが、なかなか入り口に辿り着きません。

 「えらい人気だなあ」と思ったら、この作品ではなく、今、子どもから大人まで大人気のアニメ?「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の観客でした。この映画館だけで、この作品を週末は1日15~20回ぐらい上映しているらしく、三密状態で押し合いへし合いでした。

 私は全く興味がないので、漫画なのかアニメなのかよく分かりませんけど、恐らく今年一番の観客動員数を記録することでしょう。

 私の目当ての「スパイの妻」は、7割ぐらいの観客入りといったところでした。

 最初に書いた通り、大いに期待して観たのですが、ガッカリでした。「サスペンス」と称していますので、あまり詳しく内容には触れられませんけど、サスペンスにしては、驚くほど緊迫感はありませんでした。

 「回路」「トウキョウソナタ」などで知られる黒沢清監督も今年65歳となり、もう巨匠です。東大総長も務め、立教大学時代、黒沢監督の師匠に当たる有名映画評論家が、この作品を大絶賛する映画評を新聞に書いてましたが、それほど傑作とは思えませんでした。

 「何でかなあ」と自問してみましたが、はっきりした回答は出てきません。恐らく、もう少し、細部に拘ったドキュメンタリータッチの作品を期待していたのかもしれません。太平洋戦争前夜という緊迫した時代を背景に、神戸の商社社長である主人公福原優作(高橋一生)が、満洲(現中国東北部)に商用で出張した折に、国家機密の情報を知り得てしまうという話で、この映画を観る前、「一体何の話なのか」と思っていたら、結局、「何だ、その話でしたか」という意外性がなかったことで失望したのかもしれません。(その国家機密は、ハルビン郊外の話ですが、映画では新京は出てきてもハルビンのハの字も出てきませんでした。あ、あくまでも映画でしたね)

 この映画は、「スパイの妻」聡子役の蒼井優を中心に描かれた作品ということになるでしょうが、あまりにも彼女の顔のアップシーンが多い気がしました。(だから何だという話ですが)

 出てくる軍人役の俳優が一人も軍人に見えないし,軍隊行進の姿も全くなってない。登場人物の誰一人にも感情移入できなかったのが、最大の難点だったかもしれません。

 研究し尽くされていたのは、当時のファッションだったかもしれません。これは、うまく再現していましたが、当時の人はもっと帽子を被っていたと思いました。

 28歳の若さで戦病死した山中貞雄監督の「河内山宗俊」(1936年)を福原夫妻が映画館で観るシーンが出てきましが、これは旧き大先輩に対するオマージュだったのでしょう。しかし、映画の舞台は主に1940年の神戸。「人情紙風船」などで知られる山中貞雄監督は、1938年に亡くなっていますから、福原夫妻は超大金持ちなのに、弐番館の名画座で観たのかしら?

 昭和初期の細部にこだわる、と言いますか、うるさい人間がこの映画を観ると、難癖をつけたくなってしまいました。あまり詳しくない人にとっては、どうでも良い話でした。