昨日(11月8日)の夜は、皆既月食の最中に、天王星が月でその姿が隠れる惑星食も442年ぶりに起こる「天体ショー」が奏でられ、世間は大騒ぎでした。
野次馬の私も勿論、自宅で観覧致しました。
私は、都心から離れた高層長屋に住んでおりますが、空気は都会より澄んでおり、しかも、自宅の天守閣では群衆から誰にも邪魔されず、悠々と眺めることが出来ました(笑)。
マスコミは、「皆既食中に、天王星食のような惑星食が見られるのは442年ぶり」「天王星食は4000年以上なかった」「次回は322年後の2344年の土星食」(国立天文台)などと報じていました。
322年後に生きている今の人類は確実にいないと思われますから、茲では442年前の話をー。
前回は、1580年7月26日(土星食)だったというのです。日本は天正8年、安土桃山時代です。この2年後の1582年に「本能寺の変」が起きるので、織田信長の全盛期と言えます。信長拠点の安土城は4年前の1576年に完成しているので、もしかしたら、信長は安土城の天守から見たかもしれません。この時、信長46歳。羽柴秀吉は43歳。徳川家康は37歳(いずれも満年齢)となります。
当時の史料が残っているのかどうか、分かりませんが、信長は安土城下に家臣を住まわせていたので、もしかして、家臣と一緒に眺めたかもしれません。
でも、当時は、予告してくれるメディアもなかったし、望遠鏡も南蛮から手に入ったのかどうか…。そもそも、望遠鏡は、1608年にオランダのリッペルスハイによって発明されたと言いますから、1580年の時点では存在していなかったことになりますね。
とはいえ、偶然に、月の満ち欠けに遭遇して、色が赤っぽく変色する月を「何じゃ、こりゃあ~」と見ていたかもしれません。ま、そういうことにしましょう(笑)。
ちなみに、1580年は、スペイン国王フェリペ2世がポルトガルを併合した年です。この8年後の1588年にスペイン無敵艦隊が、アルマダの海戦で英蘭連合艦隊に大敗したことで徐々に国力が衰えていきますから、この年はスペインが世界一の覇権大国だったと言えます。でも、「皆既月食+土星食」は日本でしか見られなかったのかしら?
何もよく分かっていないのに、ブログを書くべきではありませんね。このブログを読んだ322年後の人類に笑われてしまいますよね。(東京~新潟より東、つまり東北、北海道辺りでは、天王星食までは見られなかったようです。)
ともかく、いずれにせよ、私は、今回、442年ぶりの歴史的瞬間の現場に立ち合った気分になれました。