延暦寺で秘仏本尊「釈迦如来像」特別御開帳

比叡山延暦寺 ©️Ohtsu

HNKラヂオの昼間の憩いです。

本日は晴天なり。滋賀県大津市にお住まいの大津農林水産通信員からのお便りです。

比叡山延暦寺 ©️Ohtsu

渓流斎主筆の労力を少しでも和らげようと、本日は、伝教大師・最澄が建てた「延暦寺」に行って参りましたのでご報告させて頂きます。

◇秘仏本尊「釈迦如来像」
ご案内のように「延暦寺」は延暦7年(788年)に比叡山に建立されましたが、境内の「西塔(さいとう)」では今月10日(日)まで、33年ぶりに秘仏本尊「釈迦如来像」の「特別御開帳」と、比叡山内で最も古い建造物の釈迦堂の「内陣特別拝観」が行われているので拝観してきました。

仏さまが祀られている聖域の内陣には、平素も限られた僧侶しか入れず、勿論、一般にはこういう機会でないと入ることはできません。

比叡山延暦寺 ©️Ohtsu

特別御開帳の「釈迦如来像」を守るように、東西南北に「四天王像」が並び、内陣の四つの扉も今回初めて開扉されました。
今年10月から、この御開帳は始まりましたが、紅葉の季節は、西塔・釈迦堂前は長蛇の列だったそうですが、今日は平日で、その時期も過ぎたので、人出も少なくゆっくり御開帳の時間を過ごせました。

延暦寺境内での、ボランティアガイドさんによると「恐らく今週末の12月9日(土)、10日(日)は、御開帳も最後となるので相当な人出になるでしょう」と話してくれました。
そして「京都市内と違って延暦寺や近江、滋賀のお寺、神社にはアジアの旅行客はそれほど増えていませんが、この静寂さも、いつまで続きますかね」と、まだ、騒がしい”外国人旋風”が吹いていないことを教えてくれました。

◇特別御開帳の有り難み
”花のお江戸”では、「運慶」展が大変な賑わいだったそうですが、主筆も行かれたのでしたね。以前、京洛先生も「絶対秘仏」のことについて、この《渓流斎日乗》で紹介されていましたが、「特別御開帳」「特別御開扉」は、美術館や博物館での陳列、展示と違って雰囲気が全然違います。お線香、お香の匂いが漂う中、数百年、千年以上の秘仏を拝むのですから、その有難味は比べようがありません。

◇217年ぶりの御開帳
実に217年ぶり、2008年に御開帳された、和歌山の「粉河寺」本堂の「千手観音像」などは、人間の一生のうちに、拝むことはとても無理な話です。

比叡山延暦寺 ©️Ohtsu

最近、週刊誌が、浅草寺の「仲見世」商店街の家賃が16倍に大幅に値上がりになる、と報じましたが、お読みになりましたか?
主筆もご存知のように「浅草寺(聖観音宗)」のご本尊は、飛鳥時代、推古天皇36年(628年)の早朝、江戸浦(隅田川)に漁撈(ぎょろう)中、はからずも一躰の観音さまのご尊像を得たのが起源です。
そして大化元年(645年)、勝海上人(しょうかいしょうにん)がこの地で、観音堂を建立、夢によりご本尊を「ご秘仏」と定められ、以来、今日まで、この伝法(でんぼう)の掟は厳守されている、というのが寺伝です。

◇「絶対秘仏」は住職、管長すら見られない
文字通り、観音像は「絶対秘仏」です。「お前立ち」は、一年に一度、特別御開帳されますが、ご本尊は「絶対秘仏」で、住職、管長ですら目に触れることは出来ません。
俗な話で恐縮ですが、この際、何処かの新聞社、テレビ局が「浅草寺」に掛け合って、「2020年東京五輪開催記念」として、この「絶対秘仏」を「超特別御開扉」として拝める機会を設ければ、大変な話題になって凄い賑わいになると思いますよ。
家賃、地代の値上げなど、吹き飛び、周辺の商店街も大繁盛、東京五輪も大いに盛り上がるでしょう。罰当たりな考えですかね?

◇善光寺は6年に1度
ちなみに、信州の「善光寺」は、6年に一度、ご本尊の「阿弥陀三尊立像」のお前立ちの特別御開帳をしていますが、浅草寺のご本尊のお前立ちの「特別御開帳」は、今月13日(水曜)午後2時から、一年に一度だけ拝めます。皆さんも足を運ばれては如何でしょうか?

「禅と骨」のミトワ禅師にまつわる意外な話の展開

東銀座「ねのひ」B定食800円

(昨日の続き)

渓流斎です。

昨日は、京都にお住まいの京洛先生のお薦めの映画「禅と骨」をご紹介しましたが、あれから吃驚。京洛先生も知らない驚くべきお話が寄せられました。

スクープですかね?(笑)

「禅と骨」は、「粋人か?変人か?」と言われた有名な禅僧ミトワさんの評伝ドキュメンタリー映画でしたね。

そしたら、世間は狭い。このミトワ禅師の奥さんを知っている方がいらしたのです。

京洛先生行きつけの馴染みのお店。京都三条商店会「力」(今年、惜しまれて閉店)の女将さんの美人従姉妹マキさんです。知ってるどころではありませんでした。

いわゆる一つの今年の流行語大賞を受賞した「インスタ映え」、じゃなかった、「LINE」で女子高生のような電報を送って下さったのです(笑)。

…こんにちは。従姉妹のマキです。お元気ですか?渓流斎さんのブログを読ませて頂き、特にミトワさんの記事に驚きました‼️(びっくり)

実は中学生の頃から奥様のMrs.ミトワ (幸子)さんに英会話を習っていました☺️高校生の時に、Mrs.ミトワと一緒にアメリカ??旅行へ行きました✈️

当時まだ日本に東京ディズニーランドの無い時で、“遂に私は夢の国へやって来た〜?”と大興奮(笑)
その後20代前半までMrs.ミトワ家(天龍寺)へ通ってました。ヘンリー・ミトワさんとはご挨拶くらい。
そして、私が13年くらい前に帰京した時に、再会したのが最後です。

とても懐かしかったので、ここでお喋りさせていただきました☘…

ねっ?大スクープでしょ?

これは京洛先生も知らないことなので、さぞかし吃驚していることでしょう(笑)。

映画「禅と骨」所感

東銀座・イタリア「ダ・フェリーチェ」ランチ1000円

京都の京洛先生です。私の書いた記事が《渓流斎日乗》で大変好評だと聞きまして、これは横井英樹さんに倣って乗っ取るしかないと確信し(笑)、一筆啓上仕ります。

◇禅僧ミトワの半生

帝都は東中野の「ポレポレ東中野」で12月11日まで上映している「禅と骨」はご覧になりましたか?

迂生は京都の”小芝居”ならぬ”小映画劇場”の京都シネマで見てきました。ドキュメンタリータッチで、禅宗の周辺には、こういう人士が多士済々なのだ、と再認識しました。

青い目のミトワという生臭い「禅僧」の戦前、戦後の一代記を評伝風に作ってあります。ミトワは日系アメリカ人ですから、戦前はスパイとして特高からマークされ、父親の母国に行っても、今度は敵国から来たという扱いを受けたり、何処の国でも、ハーフ、混血というのは苦労が多く、生き方も大変だと、思い至ります。

”グローバリズム”は、体裁の良い事ばかりが、強調されますが、「日本の近未来」の前触れというか、歴史は同じことの繰り返しです。

◇男を迷わせるもの

また、ミトワ自身も、家族をほったらかしにして、思うように生きたわけです。親しかった作家の水上勉の臨終直前には、お互いの◯◯を握り合って「これが男を迷わせるので、困ったものだ」と言ったり、「ワシは未来に興味、関心はない。過去に興味があるのだ」と言ったりします。

天龍寺の老師は「風流人だった」と言っていますが、家族は迷惑だったことでしょう。面白い生き方の一つだ、と思いますが…。

◇千玄室大宗匠の迫力
ミトワの末娘が父親の生き方を批判的で、反発しますが、あれは本当は父親のミトワが大好きだった、と思いますね。
映画には「裏千家」の千玄室大宗匠も出てきます。もう、93歳なんですね。この人も、生臭くて、ミトワと相通じるものがありますが(笑)、久しぶりに映像で見ました。風格が出て、何とも言えない雰囲気が出ています。底の浅い映画俳優より迫力をにじませています。

予告編は「禅と骨」で検索されるとみられます。 野口雨情作詞の「赤い靴」の謂れも紹介されたり、「映画製作はカネが無いと踏んでかかると、サッと皆んなが引いていく」とか、新たな人生勉強になりましたよ。

青野画伯のパステル画個展

東京・銀座「澁谷画廊」青野平パステル画個展で熱心に鑑賞される辰澤殿下

昨晩は、赤羽先生からのお導きで東京・銀座の澁谷画廊で開催中の「青野平パステル画個展」に行って来ました。

何の予備知識もなく、ただ単に「澁谷画廊の瀬戸内支配人さんが、皆んなで集まって飲み会をやりますので、参加しませんか」と誘われ、待ち合わせ場所が、澁谷画廊だと聞いて、ホイホイ出掛けただけだったのでした。

そしたら驚きましたね。

色鮮やかなパステル画で、風景画や静物画が多く、北海道の美瑛や中国の蘇州や興福寺の阿修羅や薔薇の絵などデッサンもしっかりしていて玄人はだし。

いや、青野画伯はもともと裁判官だった方だというお話を聞いていただけでしたので、まさか、絵までお描きになるなんて知らなかったもので、失礼なことをしてしまったなあと思ったわけです。

消息筋によりますと、青野画伯は愛媛県で、本当は東京芸大に進学したかったらしいですが、県下一の大秀才という誉れ高く、教師らから猛反対されて、渋々、東京大学法学部を受けたところ首席で合格。愛媛県の同世代にノーベル賞作家の大江健三郎がおりますが、彼より頭が良かったそうです。

司法試験にもトップで合格し、裁判官の道に進みますが、少年時代からの夢を捨てがたく、札幌家裁の所長として赴任した際に本格的にほぼ独学でパステル画を始めたそうです。

パステル画の絵の具は、世界的に有名なドイツ製のシュミンケを使っているそうですが、色彩が豊富で、プロが使うような720種になると15万円ぐらいするそうですね。

ですから、青野画伯に対して「玄人はだし」なぞという言葉は大変失礼で、今は正真正銘のプロの作家です。これまた、噂ながら、青野画伯の絵は、1号当たり、ウン万円もするらしく、もう数点、売約済みなんだそうです。

東京・銀座8丁目「八丈島 ゆうき丸」いも焼酎「島流し」

この後、瀬戸内支配人のお導きで、彼女の行きつけの銀座8丁目「八丈島 ゆうき丸」に行きました。青野画伯も同席されるのかと思ったら、そうではなく、本当に予備知識なく、言われるまんまついて行きました(笑)。

そこは、超が付くくらい高級の八丈島料理店でした。銀座ですからね。

そこで、瀬戸内支配人おススメの芋焼酎「島流し」や明日葉と烏賊の天ぷら、お刺身盛り合わせなどに舌鼓を打ちました。(そいえば、関ケ原の合戦で敗れた秀吉五大老の宇喜多秀家は、八丈島に島流しされましたね。島流しをブランド名にするとは!)

画廊の瀬戸内支配人の話で驚いたことは、中国人観光客のマナーの悪さです。画廊ですから、確かに誰でも出入り自由ですが、彼らは団体で押し寄せ、大きな声でお喋りして奥のソファに居座って絵なんか見やしない。その反対に、断りもなく勝手にバチバチ写真を撮り始める。厚かましいことに勝手にトイレまで使ってそのまま休憩して出て行くというのです。

考えられませんね。我々が海外に行ってトイレを使えば、チップを払いますからね。

意外なことに、と書くと怒られてしまいますが、韓国人観光客は礼儀正しく、勝手に写真を撮ったりしないというのです。

へーと思ってしまいました。

ところで、同席した圧力団体職員幹部の辰澤殿下は「渓流斎日乗って、最近、つまんないですね。いつも、ITの松長社長と痛飲した話ばかり。面白いのは、京洛先生の京都のお話ぐらいですよ」と、何を血迷ったのか、日馬富士のようにリモコン片手に絡んでくるのです。

しかも、私、本人がいる前、まさに面罵ですからね。

ちったあ手加減してくれい!

「密偵」は★★

映画「密偵」ポスター

◇750万人も観客動員

韓国で750万人もの観客を動員した大ヒット映画「密偵」(キム・ジウン監督)を、先週の日曜日、ちょっと風邪気味を押して出掛けて新宿まで電車に乗って観てきました。

片渕須直監督のアニメ映画「この世界の片隅に」が1年間の超ロングランという記録を伸ばしてまだ上映中だと言われてますが、それでも私も観たこの名作の観客動員は200万人ですからね。

韓国の人口(5125万人=2016年)は、日本の半数以下なのに、750万人も動員するとは、何じゃこっちゃ!と思い、つい無理して観たわけです。日本でも大ヒットした「シュリ」(1999年)や「JSA」(2000年)と同じくらい面白いのかなあと期待したわけです。

◇日ごろの鬱憤を晴らす?

しかし、ちょっと大いに期待し過ぎてしまったせいか、満足度は落ちてしまいました。まあ、仕方ないでしょう。大日本帝国によって植民地となった朝鮮の1920年代が舞台で、「義烈団」と呼ばれる革命独立組織が、暗躍するものの、そりゃあ、韓国の映画ですから、日本はとんでもない植民地征服者であり、朝鮮に正義があるという描き方で、最後は日本人はやられるという映画ですからね。韓国の人も日ごろの鬱憤を晴らすことができたのでしょう。

主役のソン・ガンホは今や国民的大スターらしく、日本では来年4月に公開される予定の光州事件を題材にした実話を基にした「タクシー運転手」にも主演しているようですが、興行成績の成功は彼によるところが大きかったのでしょうね。(「シュリ」にも出演していたらしいですが、あまり覚えてません=笑)

ソン・ガンホは、元朝鮮人ながら今や革命団を取り締まる日本の警察の犬と嫌われるイ・ジョンチル役。民族間で悩みを募らせます。セリフの日本語のうまさには驚いてしまいました。鶴見辰吾がイ・ジョンチルの上司の朝鮮総督府警務局部長ヒガシ役。人気俳優イ・ビョンホンが、義烈団の団長役、コン・ユという若手俳優が義烈団のリーダー役でした。女優さんは、名前を覚えられず、皆同じ顔に見えてしまいました(笑)。

映画なので、やたらと必要のない人殺しがあり、ちょっと荒唐無稽な場面も多くがっかりしてしまいましたが、近現代という時代的には好きなので、上海や満洲などの場面や話も出てきて、当時のファッションや自動車や列車内も厳密に再現していて、それなりの見どころもありました。

「正倉院展」見聞記

奈良・東大寺 Copyright par Saidaiji sensei

奈良の西大寺先生です。

◇宝物10件が初出陳

昨日は「正倉院展(〜13日まで)」を見てきました。パリからこちらに戻ってから、毎年見て来ていますが、今年の陳列58件の宝物のうち10件は、初出陳でした。

ご案内のように写真厳禁で撮れませんので「こうだ!ああだ!」と言えませんが、初出陳のうち、蠟ミツバチの巣から作った「﨟蜜(ろうみつ)」は興味を持って見てきました。

奈良公園 Copyright par Saidaiji sensei

◇薬品を工芸に使う

「正倉院展」で検索すれば写真が出てくると思いますが、今年の目玉の出陳品は、羊木﨟纈屏風(ひつぎろうけちびょうぶ)などに使われた宝物の薬品です。この薬品を使って、屏風の模様を描く材料に使われていたそうです。

1〜2センチ程度の形状で、お餅というか円盤のような形をしていました。トウヨウミツバチの巣を溶かし圧搾してつくるということです。
中国の古代の医書にも記されていて、正倉院でも「種々薬帳」に記載されていて、古代、薬を工芸の目的に使っていたのです。

このほか、緑色ガラスの「緑瑠璃十二曲長坏(みどり るりの じゅうにきょく ちょうはい)」は色鮮やかで、人だかりが多く、ちらっと見ることしかできませんでした。ウサギの模様が描かれているのですが、「ちらっと」ですから、よく確かめられませんでした(笑)。

奈良公園 Copyright par Saidaiji sensei

◇三軒茶屋ガルーダ博士の講釈聴きたい

「伎楽面 迦楼羅(ぎがくめん かるら)」も、初出陳で、中国・江南地方が源流と言われる「仮面舞踊劇」に使われたお面です。古代インドのガルーダ(霊鳥)に由来するという事で、三軒茶屋のガルーダ博士の講釈を伺いたいところでした。

京博の「国宝」も長蛇の列ですが、「正倉院展」も舞員御礼。入場制限がありそうなので、混雑しない時間はないかと調べてみたら、「平日の昼食時12時から1時半が空いている」という事でした。
確かに12時過ぎに行きましたが、スイスイ入場出来ましたね(笑)。
帰途、「東大寺」の大仏さんも久しぶりに見てきましたが、東大寺、奈良公園の紅葉はこれからでした。

「ブレードランナー2049」★★★

久し振りに映画を観てきました。

SF映画史上の名作、もしくは金字塔とまで言われた「ブレードランナー」(リドリー・スコット監督、フィリップ・K・ディック原作)の続編「ブレードランナー2049」です。

前作は1982年公開と言いますから、あれから実に35年も経ってしまったとは!それほど「SF好き」とは言えない小生ですが、「ブレードランナーを知らないなんてもぐりだね…」なぞという輩の挑発に乗ってその当時、観に行きましたが、よく分かりませんでした。

第一、35年も経っているので内容も忘れました(笑)。何か、渋谷の交差点や猥雑な場末の盛場を思わせるような場所が出てきたり、ビルの高い所に立体的な広告が出てきたりして、遠い未来の世界を暗示させるものがありました。

でも、驚いたことに、あの前作の舞台は2019年だったんですね!再来年じゃありませんか。まあ、当時から見れば、37年後の遠い遠い先の未来の話でしたが、恐るべきは時間の経つ速さです。

東京

今回(ヴィルヌーヴ監督)は、前作から30年後の2049年のロサンゼルスが舞台になっていました。2049年なんかも、あっという間に来るのかもしれませんよ(笑)。あなたは生きておられますか?

映画の解説には「30年前に行方不明となったブレードランナーのリック・デッカードを捜す物語。前作の主人公デッカードを演じたハリソン・フォードが同役で出演し、「ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴズリングがデッカードを捜す“K”を演じる」とありましたが、観てもあんましよく分からない映画でした。

ブレードランナーそのもの自体は、ロサンゼルス市警の一員として人造人間のレプリカントを抹殺をする役目のようですけど、何でそんなことするのかもよく分からない。悪役のレプリカント製造会社の若い社長さんも変なコンタクトレンズを入れて、思いっ切り悪そうに見せても、ハリウッド映画悪役のワンパターンの域を出ることができず、何を企んでいるのか。。。世界征服なのか、そんなことして楽しいのか。とにかく、どの登場人物にも思い入れが湧かず。途中で我慢できず、思い切り低く腰を屈めてスクリーンを横切ってトイレに行ってしまいました。そのせいで筋が分からなくなったのかしら?(笑)

まあ、映画はエンターテイメントですから、つべこべ言わずに30年後の近未来のSF世界を楽しめばいい、てなところでしょうか。

日本のソニー映画のせいか、 「うどん」や「カラオケ」など、やたらと日本語が出てきましたね。また、ソニーやコカコーラなんかも広告に登場してちゃっかり宣撫活動に勤しんでました。それに、飛び切り若くて美人の女の子も登場してくれて、娯楽映画としてのお役目を十分果たしてくれたようです。

【音声】サン・トワ・マミー

パリ・モンマルトルのシャンソン酒場「ラパン・アジール」

この「渓流斎日乗」は、今年9月1日から世界最小の双方向性メディアとして再出発しました。

まあ、あたしゃ、ラジオのDJかナビゲーターみたいなもんです。皆様からのお葉書やメールをここでご紹介する、そんな番組を作っているようなもんです(笑)。

では早速、皆様ご存知の宮さんからのメールと【音声】をご紹介しませう。

宮さんは、もう10年前から「◯◯ウクレレサウンズ」というアマチュアのバンドを作って会長を務めております。

「ラパン・アジール」
…サークルの指導の先生がメロディ、サブメロディ、リズム、サブリズムなど楽譜を書いてくれて、それぞれのメンバーが自分の好きなパートを演奏しております。
演歌、フォークソング、ジャズ、ポップス、シャンソンなどジャンルにとらわれず、珍しいウクレレアンサンブルのサークルです。先生がウクレレで弾きやすい編曲をしてくれるので楽しく続いています。皆、ウクレレを初めて演奏する初心者だったのですが、気がついたら10年過ぎていました。
てなことです、ハイ。…

ということで送って下さったのは、アダモの「サン・トワ・マミー」です。「恋人よ、君がいない世界なんて」てな意味でせうか。アダモが19歳の時に作ったとは早熟ですね。

私もコピーを試みたら、キーはF(へ長調)でした(笑)。

NHK古典芸能鑑賞会〜鶴澤清治から歌舞伎梨園の世界へ

東京・渋谷 NHKホール

昨晩は、台風22号の影響による雨の中、東京・渋谷のNHKホールで開催された「NHK古典芸能鑑賞会」の観劇に行ってきました。能、文楽から歌舞伎に至るまで観ることができて、この御時世で、2階のD席ながらたったの1000円で鑑賞できるのですから、六本木ヒルズ族ではない私のような民族にとっては大変有難い(笑)、毎年楽しみにしている観劇です。(12月16日午後2時〜Eテレ放送)

NHKホールには、人混みを避けて、渋谷ではなく、原宿から行くことにしました。

表参道・ラフォーレ

そう言えば、ここしばらく、表参道に行っていなかったので、NHKホールに行く前にちょっと散策しようと早めに家を出ました。

それが吃驚。原宿駅に着くと、雨が降る中、雲霞の如く、人混みが殺到していたのです。道路が塞がり、歩けたもんじゃありません。何があったんだろう???

あとで分かったのですが、ハローウインとかいう今時の西洋被れの若者が、天下の公道で、しかも、公衆の面前で仮装パーティーをしてもよくなったらしく、千葉や埼玉や茨城や栃木、群馬から集まってきていたのでした。

這々の態で、表参道を抜け出してNHKホールに向かいました。途中、岸記念体育会館が見えました。思い起こせば、今から40年近くも大昔、この会館の3階に日本体育協会(体協)運動記者クラブがあり、毎日のように通ったものでした。

ここから、昼休み抜け出して、表参道から青山方面まで足を伸ばして、当時の最新のファッションに触れたり、当時流行っていたイタリアンではなくフレンチ・レストランでランチを取ったものでした。今は全く様変わりして当時の面影すら残っていません。

表参道

話がズレてしまいました(笑)。

古典芸能鑑賞会でした。

演目は、第1部「月に舞う〜人間国宝至芸競演〜」▼舞囃子「融(とおる)」(源氏物語の光源氏のモデル源融)▼琉球舞踊「諸屯(しゅどぅん)」▼文楽「関寺小町」(小野小町百歳伝説)▼長唄「二人椀九」(大坂の豪商椀屋久右衛門と傾城松山の恋物語)

第2部が歌舞伎「俊寛」(俊寛=芝翫、瀬尾=弥十郎、丹左衛門=東蔵)

一週間程前に京都の京洛先生から指令が来まして、「私は今回行けませんが、三味線の人間国宝の鶴澤清治を聴きたかった」と非常に残念がっていましたので、私も今回初めて、彼に注目してみました。

鶴澤清治は、 文楽「関寺小町」に出演していました。文楽ですから本来なら人形に注目しなければならないのに、彼の三味線ばかり聴いてしまいました。ホレボレしました。テクニックがずば抜けていて、もう他の三味線は聴けないという感じです。私はロック少年でしたから、比較するのも変ですが、ヴェンチャーズも顔負けのテケテケを披露するのです。義太夫は500年以上の歴史がありますから、やはり格が違いますねえ。痺れてしまいました。

芝居がはねて赤羽「まるよし」へ 浦霞580円、ポテトサラダ210円

歌舞伎「俊寛」は、御説明するまでもないでしょう。私も吉右衛門の俊寛など何回か拝見したことがあります。プログラムを見たら、解説が、今や歌舞伎評論界の大御所になられた毎日新聞の小玉祥子編集委員じゃありませんか。御活躍されてますね。お元気ですか?

これでも、小生、20年程前に文化記者もやっていたことがあり、小玉先生とは文藝と演劇記者会で御一緒したことがありました。

小生、若い頃は、スポーツ記者をやったり、芸能記者をやったり、忙しかったですね(笑)。

ここで、一つ講釈をたれてみます。古典芸能鑑賞会では人間国宝にスポットが当てられていたので、それについて。

梨園には現在、片岡仁左衛門、坂東玉三郎ら7人の人間国宝がいます。その中で今回の俊寛で丹左衛門役の中村東蔵もその一人です。この方は、大相撲のようにピラミッド社会である歌舞伎の世界で、頂点の幹部と言われる名門家出身ではないのに、異例の出世をしたとやっかむ関係者もいるようです。

東蔵丈は父親が医者で、芝居好きから当時最大の実力者の一人中村歌右衛門の芸養子となります。しかし、これだけでは「化外の民」ですから、大きな役はもらえず、幹部に昇進することはまず無理です。それが…ということになります。

父親は単なる医者でありません。野口英世らを排出した日本最古の私立医科大学として知られる日本医科大学の学長を務めたことがある河野勝斎でした。後は御想像にお任せしますが、東蔵丈の実姉は、女優藤間紫で、彼女は市川猿翁の妻でもありました。

ここからは下衆い話になります。人間国宝というと、世間の方々は圧倒されますが、日本経済新聞社史観で言えば、文化人として最高峰ではないのです。

つまり、年金で比較すると、人間国宝は200万円、芸術院会員が250万円、文化功労者が350万円となっているわけです。(文化勲章は、文化功労者の中から選ばれ、「最高名誉」ですから、勲章だけで、年金はありません)

梨園で言えば、芸術院会員は中村梅玉、松本幸四郎ら6人、文化功労者は先日なったばかりの中村吉右衛門、尾上菊五郎ら5人です。そして、文化勲章は坂田藤十郎の1人です。

ちなみに、藤十郎の奥方様は皆様御存知の通り、参院議長も務めた「政治家」の扇千景です。

別に、これ以上言いたいことはありませんよ(笑)。

芸能界裏情報

Notre Damme de Paris

竹林賢人「失対ですな…」

私「えっ?失敗?」

竹林賢人「いえ、失対です」

私「失対?」

竹林賢人「失業対策ですよ。全て失業対策で世の中回ってます」

私「???」

竹林賢人「つまりですな。渓流斎さんはテレビを見ますか?テレビを付ければ、若いあんちゃん、ねえちゃんが歌って、踊って、泣いて、笑って、愛想を振りまいてます。究極の目的は何か分かりますか?」

私「はあ…」

竹林賢人「コマーシャルに出るためですよ。テレビなら、旬のタレントなら一本5000万円とか1億円とか貰えます。全部じゃないですよ。ほとんどが事務所が経費として持って行ってしまいますが」

私「はあ…」

竹林賢人「若い子は、親や先生の言うことは聞かないでしょ?それなのに、テレビのブラウン管…あ、今はそんなテレビありませんな。とにかく、液晶画面の向こう側にいるタレントさんの言うことなら、何でも言うことを聞きます。タレントが勧めるモノなら何でも買います。企業はモノを売りたいから、番組のスポンサーになっているだけで、何もボランティアでやってるわけじゃありません。自分たちの商品に傷が付かなければ何でもオッケーです。車がスポンサーのドラマに交通事故の場面はカットされるでしょ?それが資本主義のカラクリです」

私「そんなこと言ったら身も蓋もないですね」

ニラもやし蕎麦 700円

竹林賢人「身も蓋もないのが世の中です。タレントは『一日警察署長』や『一日税務署長』になって公安や行政当局と結託します。数年前に、覚醒剤撲滅キャンペーンに採用した有名タレントが、本当に覚醒剤をやっていたという笑えないブラックジョークがありましたが、もともとタレントになるような人間は聖人君子じゃないんですよ。普通のサラリーマンや公務員生活ができない、一攫千金狙いが多いのです。暴走族あがり、半グレあがり、ヤンキーあがりのタレントが少なからずいるわけですよ。それに大概のタレント志望者は、就職を差別されている人や半島や大陸出身者。日本人なら、片親なくした人とか、母子家庭で育ったとか、とにかく、底辺から這い上がっていきたいという連中です。逆に言えば、厳しい芸能界で生き残るためにはそれだけの不幸を抱えたハングリー精神がなきゃ駄目だということなのですよ」

私「そ、そ、そんなことまで言っていいんですか?」

竹林賢人「あたしゃ、関係ない。渓流斎さんに責任を取ってもらうだけですから(笑)。で、不祥事を起こす御し難いタレントを扱うのには、普通の9時5時勤務のサラリーマンができるわけがない。それに、公演切符を買ってもらうにしろ、地方で興行を打つにしろ、地元の名士、つまり、顔役にお世話にならなきゃならない。えっ?顔役が分からない?要するにタレント事務所を仕切っているのが裏社会の人々が多いということですよ」

私「ちょっと、ちょっと待ってくださいよ。あまり具体的な名前出さないでくださいよ」

竹林賢人「ハハハ、ビビってますな。お互いあと何年生きられるか分からない人生。筋を通していきましょうよ、筋を。で、当のタレントさんたちは売れている時は良いですが、山があれば谷もある。今売れてても明日は分からない浮世稼業。となると、神頼み、宗教団体に縋りますな。某広域宗教団体は、結婚相手の世話もしてくれる。売れなくなったら、音楽事務所を持ってますから、地方巡業のスケジュールも入れてくれる。たった一曲ヒット曲がありゃ、一生食っていけますからな」

私「ほーなるほど。そういうカラクリで世の中回ってるわけですか」

竹林賢人「感心している暇ありませんよ。あまり筋を通すとその筋の人が追いかけてきますよ。今のうちに荷物をまとめてサッサと逃げた方がいいんですよ」