朝倉彫塑館には圧倒されました


「タンキリ飴が食べたい」というスペクターからの指令で、遠路はるばる東京・谷中ぎんざに「パシリ」で行ってきました。

その筋では有名な「後藤の飴」で日暮里駅を降りて、谷中ぎんざに行く階段を下りて、まもなく右手にありました。

店には何十種類もの飴が並んでいて訳が分かりません。最初、私自身は間違って「タンセキ飴ありますか?」と伺うと、御主人は笑いながら「タンキリ飴のことかな?」とその品がある飴を指さしてくれました。

ついでに「さらし飴」=写真=も合わせて5袋も買ったところ、小さい袋の「柚子の飴」をおまけにくれました(笑)。

他に別に欲しいものがなかったので、わざわざ谷中まで来たということで、「朝倉彫塑館」を覗いてみました。ここは何度行っても「工事中」でなかなか入ることができませんでした。

パンフレットによると、2001年に国の有形文化財に登録され、08年に国の名勝に指定を受けたため、09年から13年にかけて、修復、耐震補強工事をしていたようです。2009年から13年にかけては、私が一番多く、谷中に足を運んだ頃でした。

「朝倉彫塑館」は、確か、何年前か、何十年前かに一度は入ったことがありますが、今回「改修」されたものをみて、まるで初めて見る感じでした。

とにかく、圧倒されました。都会のど真ん中にこんな素晴らしい館(やかた)があったのか、と驚くばかりでした。彫刻家朝倉文夫(明治16年、大分県生まれ、明治40年、東京美術学校卒)は、明治40年にこの谷中にアトリエを構え、その後増改築されて、昭和10年に今のような原型ができたようですが、とにかくどでかい。アトリエがあり、中庭には大きな池があり、3階建てで、屋上にはガーデンまであり、大根などの野菜が育てられていました。

朝倉はここに「朝倉彫塑塾」を開講して門下生を養成したので、学校でもあったわけです。書斎には岩村先生から寄贈された2500冊もの原書がぎっしり天井まで届く書庫に収められ、茶室まであったりするのです。2階の「素心の間」から見下ろす中庭はまさに絶景でした。

肝心の作品ですが、朝倉は猫好きで何匹も飼っていたらしく、猫の彫刻が結構多かったです。巨大な大隈重信像もありました。

なお、「朝倉彫塑館」での撮影は禁止されていたので、一枚も写真を撮れませんでした。悪しからず。

原節子さんの訃報に触れて


世界的に有名な会田昌江さんが、今年9月5日に亡くなっていたことが分かりました。享年95。
 
 えっ?知らない?会田さんは、日本を代表する大女優原節子の本名です。1935年の「ためらふ勿れ若人よ」でデビュー。1920年生まれですから、15歳です。そして、1962年の「忠臣蔵」を最後に引退。この時42歳ですから、わずか、と言っていいのか、27年間の映画人人生ということになります。

 残りの53年間は、隠遁するように表舞台には出ず、映画人生の2倍近い年数を単なる(?)会田昌江さんで過ごしたわけです。

 それで、「伝説」が生まれるわけですが、小津安二郎監督との関係の噂などをはじめとして、いわゆる伝説には、私は興味ありませんね。

 関心があるのは、2カ月以上前に亡くなっていたのに、なぜ今頃になって公になったのか。25日に一斉に報道されたので、確実にどこかの筋が発表したのでしょう。会田さんの遺言だったのか、親戚の意向だったのか、知る由もありませんが。

 もう一つは、女優というのは、「一生の仕事」で、お婆ちゃん役でも何でもありえたはず。引退の本当の真相(変な日本語ですね)を知りたかったですね。恐らく、彼女独特の「美学」だったのでしょう。最近のタレントは、一旦、引退宣言しておきながら、すぐカムバックする人があり、やはり、他の芸能人とは別格です。

 私もまだ元気だった春先、彼女が主演した日独合作映画「新しき土」(1937年)と成瀬巳喜男監督の「山の音」(54年)を図書館からDVDを借りて観たばかり(笑)でした。

 やはり、「清楚」さはどんな監督が撮っても現れるものですね。代表作である小津監督の「晩春」(49年)や「東京物語」(53年)などのヒロイン役では、台詞だったにしろ、昔の日本の女性は本当にこんな丁寧な言葉遣いをしていたものか、とほとほと感心してしまいます。

 そこには今の日本人が忘れた「気品」があります。

 今のテレビが(と一括りしてはいけませんが)つまらないのは、気品がない、はっきり言って下品だからです。

 原節子という女優は、私にとって、顔だちやスタイルよりも、声と言葉遣いに魅せられた女優でした。誤解を恐れずに書けば、まるで「絶滅危惧種」が亡くなってしまったような感じです。

 会田昌江さんのご冥福をお祈り申し上げます。

モネ展を見たぞい

○○中の渓流斎さんに代わってゴーストライターのミカエルが、東京・上野の「モネ展」を見に行きました。

えらい計算違いは、一番のお目当てだった「印象、日の出」が10月18日で展示が終わっていたことですね。

それを早く言ってよ!

でも、渓流斎さんは去年の3月に、実際、パリのマルモッタン美術館まで足を運び、この絵を間近で堪能するように見ているんですよね。

「日の出」については、詳しい説明はいらないでしょう。

それより、主催者による拡張販売で、タダ券を貰った人が多かったのか、平日の昼間だというのに、10分も待たされ、絵の廻りは、三重、四重の人だかりでした。

明日は「シルバーデイ」とかなんとかで、65歳以上は無料ですから、まあ、躊躇ったほうがいいでしょう。

私は、モネは、世界中の色んな所でたくさん見てきましたが、今回の内容は悪くなかったです。

晩年は、訳の分からないように絵の具をぬりたくったりして、とても具象には見えません。やはり、モネは、印象派の創始者であり、抽象画家の先駆者でもあることが分かります。

私の一番好きな凄い画家です。

「告発のとき」★★★

  いいご身分なので、平日の朝から映画を見てきました。

 

「クラッシュ」や「ミリオンダラー・ベイビー」でアカデミー賞を受賞したポール・ハギス監督作品「告発のとき」です。トミー・リー・ジョーンズ、シャーリーズ・セロン主演。

 

イラク帰還兵の息子マイクが、脱走兵(AWOL=Absent Without Official Leave)http://en.wikipedia.org/wiki/AWOL#Absent_Without_.28Official.29_Leaveになったという知らせを受けた元米軍憲兵軍曹のハンク・ディアフィールド(トミー・リー・ジョーンズ)が、真相を探るべく軍の基地に出かけ、驚愕の事実をつかむ話です。シャーリーズ・セロンは地元警察の女性刑事エミリー役で、軍警察と地元警察との間で所轄をめぐって微妙な駆け引きも見どころです。

 

いまだ現在進行形のイラク戦争をこういった形で取り上げるとは、「自由の国」アメリカも大したものです。

 

ただし、原題は、In the valley of Elah (エラの谷で)http://en.wikipedia.org/wiki/Valley_of_Elahなんですね。これは、旧約聖書サムエル記第17章に出てきます。後のイスラエル王になる若きダビデがペリシテ軍の戦士ゴリアトhttp://en.wikipedia.org/wiki/Goliathと戦った所です。

ハンクがエミリーの子供に寝しなに語って聞かせる話として、このダビデとゴリアトが急に出てきますが、全体のストーリーとはさほど関係がなく、異様に唐突で、旧約聖書に精通していない日本人の一人として、よく分かりませんでした。やはり、ハリウッド資本が関係しているのではないか、と勘ぐりたくなってしまいました。

 

でも、アメリカ人は子供の時から、この物語は聞かされ、教科書にでも取り上げられているのではないのでしょうか。ですから、「エラの谷で」http://en.wikipedia.org/wiki/In_the_Valley_of_Elahというタイトルを見ただけで、中身を想像できるのでしょうね。

それにしても、アメリカという国は、第二次世界大戦が終わっても、朝鮮戦争、ヴェトナム戦争、湾岸戦争、アフガン戦争、イラク戦争…と戦争のない時代がほとんどなく、まるで戦争が国家システムの中に必然的に組み込まれているかのように見えてしまいます。

「イースタン・プロミス」★★★★

 久しぶりに映画館で映画を見てきました。5月に見た「ぜア・ウイル・ビー・ブラッド」があまりにもつまらなくて、正直、映画館に足を向ける気力さえ失せていました。あまり面白そうな映画がなかったこともあります。

 

でも、今回見た映画はすごかったですね。

 

「イースタン・プロミス」という映画です。今年一年で印象に残るベスト7に入ります。

 

現代ロンドンを舞台に、人身売買の売春組織の話です。実在のロシアン・マフィア「法の泥棒」を扱っています。薄っぺらなハリウッド映画ではなく、イギリス映画なので、問題意識、問題提起が異様に深く、斬新で、残酷で、胸奥にぐさーとナイフを突きつけられた感じです。

 

抗争の殺害シーンは、あの「ゴッド・ファーザー」より、残酷で、正視に耐えません。東映ヤクザ映画も顔負けです。あまりにも残酷で、私もまともに見ることができませんでした。18歳未満お断りどころか、心臓が弱い人は見ない方がいいかもしれません。

 

運転手、後に罠に嵌められた格好で組織に正式に入会するニコライ役のヴィゴ・モーテンセンは、一癖も二癖もあって、本物のマフィア以上にマフィアに見えます。悪党ぶりが内部から滲み出て、それでいて、変な純粋な正義感があったりして好感が持てます。

 

トラファルガー病院に勤める主人公の助産師アンナ役のナオミ・ワッツの知的な美しさには吸い込まれそうです。イングリッド・バーグマンにも匹敵します。

 

粗筋を言ったら面白くないので、是非、一度見ることをお奨めします。あまり宣伝もしていないので、上映していることを知らない人も多いかもしれませんが、こういう映画こそ、いっぱしの鑑賞者を納得させてくれます。感動の余韻に浸ることができます。派手に宣伝したり、アカデミー賞候補などと言って騙されて見た映画にはがっかりさせられましたからね。

 

ただし、もう一度言いますが、心臓の悪い人は見ない方がいいですよ。

あ、明日は、通院、いや違った痛飲のため、お休みさせてもらいます。

おやすみなさい。

DVD半額セール

ここ数日、DVDで映画ばかり見ています。近くのレンタルビデオ屋さんが、半額セールをやってくれたからです。1本何と150円です!ロードショーの値段で10本以上見られてしまいます。

 

この半額セールは、レンタルビデオ屋さんにメールアドレスを登録すれば、その時期がくれば教えてくれます。店頭で、「半額セール」の証明書メールを見せればいいのです。1カ月に1回くらいあります。便利な世の中になったものです。

 

早速、3カ月前から見始めた「デスパレートな妻たち」シリーズを借りようと思ったのですが、丁度見たい巻だけが借りられていて、続けて借りられませんでした。仕方なく、第2シリーズの第5巻だけ借りてきました。内容の説明は省きますが、相変わらず、台詞がしゃれているというか、恐らく、本物のデスパレートな妻たちに取材して、彼女たちの会話を取り入れていることでしょう。とてもフィクションだけでは、ここまで書けません。

あとは、「ボビー」。1968年6月5日にロサンゼルスのアンバセダーホテルで暗殺されたロバート・ケネディ大統領候補を取り巻く、当日のホテルで繰り広げられた人々による群像劇。ロバート・ケネディは当時のテレビ画像などを使って本物が登場し、臨場感たっぷり。うまく作っていました。

 

「ダイ・ハード4」。おなじみのブルース・ウイルス主演の刑事ものアクション。コンピューター・ギークGeekが登場して、アメリカのインフラ(電気・ガス・水道・交通標識)システムに侵入して、米国内を大混乱に陥れる敵と戦うブルース・ウイルス。ありえるわけがない矛盾だらけの話なのに、「なかなか死なない人」の活躍を最後まで見てしまいました。

 

「ブラックブック」。第二次大戦末期のナチス支配下のオランダ。レジスタンス闘志の活躍を描くハラハラドキドキの物語。主人公は美人のユダヤ人で、ナチス大尉に取り入って、スパイとして潜り込むのですが、裏切りや報復があったりして、何か展開がよくわからなくなってしまいました。敵だと思ったナチスがレジスタンスのシンパだったり、一番信用していたドクターが結局は裏切り者だったりするからです。レジスタンスの闘志はほとんど殺され、最後はこの美人の主人公とリーダーだけしか残らない。美人さんはイスラエルに移住して二人の子持ちの母親兼小学校の先生というハッピーライフを送るのですが、ハリウッド資本映画にありがちな映画になってしまいました。ここには詳しく書けませんが、迫害されるパレスチナ人が主役の映画はほとんど全くないか、公開されたりしませんし、小説や物語が全世界で翻訳されることもありませんね。ということだけに留めておきます。

 

あと「オーシャン11」がありますが、まだ見ていません。

天保水滸伝

 

 

 

私事ながら、年に1回、眼の定期健診を受けなければなりません。「眼底検査」といって、実質、5分くらいでしょうが、それが50分か5時間くらい感じられる長さで、まさに拷問に近いものです。瞳孔を開く薬を付けられ、眼球にレンズを入れられて、100ワットぐらいの光を眼に当てられるのですから。検査が終わってもしばらく眼が見えません。回復するのに5,6時間は掛かりますので、その日は一日、使い物になりません。眼の有り難さをしみじみと感じます。

私が行く眼科医は、名医と評判の美人の女医さんなので、「お客さん」の数が半端じゃありません。受付は朝の9時からですが、1時間前から何人も並んでいます。9時を過ぎて行きようものなら、午前に受付ても、検診が午後3時とか、5時になってしまうのです。以前、私も6時間くらい待たされたことがありますが、今では事前に「午後4時になるので、また来てください」と受付の人が言ってくれます。

あ、今日はこんな話ではありませんでした。眼科に行くと、その日は眼が使えないので、ちょうど、図書館で借りてきた二代目玉川勝太郎の浪曲「天保水滸伝・笹川の花会」を聞くことにしました。駅に近い公園のベンチで平日の昼間に聞いていると、何か、オツなものです。

「天保水滸伝」は、調布先生が「是非とも聞きなさい」と奨めてくれたものでしたね。

ベンベンベン~ 利根の川風 袂に入れて  月に棹さす 高瀬舟~

なあ~んだ。聞いたことがある。一番、有名な浪曲だったんですね。

話は、天保の時代に、下総の笹川で渡世の稼業をしている繁蔵という男が、天保の飢饉で苦しむ世間の人に恩返しがしたいと思い「花会」を開こうとする。社会に還元できたら、もう1つ、角力道の祖と言われる野見宿祢(のみのすくね)の碑を諏訪神社の境内に建てるつもりです。花会は、「はながい」と発音していました。花札賭博のことでしょう。碑は「ひ」ではなく「し」とはっきり発音していました。江戸っ子ですねえ。

全国の親分衆に声を掛けるのですが、繁蔵と対立する飯岡の助五郎にも「形だけでも」ということで、繁蔵の子分の小南の正助が挨拶に行きます。生憎、助五郎親分は留守で、事情を詳しく知らない子分の荒町の寛太という若い者が土産物を受け取ってしまったので、帰ってきた助五郎がカンカンになって怒ります。

結局、助五郎は仮病を使って欠席し、助五郎の一の子分、洲の崎の政吉という男が代理で、花会に出席します。すると、そこには、仙台、肴町間宮の忠吉、伊達の信夫の常吉、信州、相の川の政五郎…と全国の錚々たる親分が列席しているではありませんか。6番目に紹介された病み上がりに無精髭を生やした男は、急に政吉に食ってかかる。「手前の親分がどんなに体が悪いか知らねえが、義理も礼儀も知らねえ野郎だあ!」

その男こそ、泣く子も黙るあの国定忠治だったのです…。

まあ、そんな話です。全部を聞かなければ分かりませんが、昔の人が涙を流しながら何度も聞いたんでしょうね。いつも同じ箇所で「いよ~忠治親分!」だの、客席から声がかかったんでしょうね。何か、古いDNAが騒ぐようです。

浪曲のおかげで、大正時代にラヂオ受信機が庶民の間に普及したという話を聞いたことがあります。

むべなるかな。

銀座の恋の物語

「デスペラートな妻たち」に強力なライバルが現れて、借りようとしたレンタルDVDが既に借りられてしまいました。目下、第2シーリーズの第4巻までいきました。スーザン、ブリー、リネット、ガブリエル、イーディーそしてマイク、ジョージ、ポールとみんな夢にまで出てきそうな強烈なキャラクターで、早く彼らから逃れたいと思っています。

 

仕方がないので、他のDVDを物色して「銀座の恋の物語」と「気狂いピエロ」を借りました。

 

「銀座のー」はもちろん、石原裕次郎と浅丘ルリ子主演の映画で1962年の作品です。記憶喪失になる荒唐無稽なストーリーには興味がなかったのですが、46年前の銀座がどんな風景だったのか興味があったのです。

 

驚きました。全く変わり果てて、面影すら残っていないのですよね。唯一、残っていたのは、この映画で最初と最後に出てくる銀座4丁目の和光の時計台だけです。向かいの三愛ビルは「建設中」でした。もちろん、道路には路面電車がまだ走っています。かすかに日劇と数寄屋橋が出てきます。そうか…。東京が変わり果てたのは、この後だったんですね。1964年の東京五輪に向けて、首都高速が作られ、川はほとんど埋め立てられんですね。

どういうわけか、銀座の松屋デパートが何度も出てくるのですが、恐らく、映画とタイアップしたからでしょう。もちろん、今の「MATSUYA」とは全く似ても似つかない百貨店です。

画家役の裕次郎とミュージシャン役のジェリー・藤尾が下宿している屋根裏部屋みたいな銀座のビルはどこら辺にあったのか、見当もつきませんね。そうそう、日比谷公園の噴水が出てきました。昔は夜はネオンでライトアップされていたんですね。

裕次郎も浅丘ルリ子も20歳代でしょうか。若いですね。二人とも歯並びがガタガタのところが新鮮でいいです。今の芸能人は、老いも若きも気味が悪いほど、白く矯正していますからね。

江利チエミも出演していて、時代の最先端のファッション・シーンが出てきますが、今では全く、通用しないファッションなので、ファッションというのは本当に一過性なんだななあと思ってしまいました。

 

「気狂いピエロ」はヌーベル・バーグの旗手ジャン・リュック・ゴダールの代表作(1965年)です。主演はジャン・ポール・ベルモンドとアンナ・カリーナ。

よく分からない映画でしたね。台詞が観念的すぎて、ちょっとついていけませんでした。昔はこれが「高尚」だと思われていたんでしょうね。でも、こういう作風ならやはり、ヌーベル・バーグは廃れるはずです。難解さと高尚さと紙一重かもしれませんし、この映画は誰でも知っている歴史的な名作かもしれませんが、私的には、ちょっと趣味が合いませんでした。途中で飛ばしてしまいました。

本当にクラプトン?

公開日時: 2008年5月19日 @ 18:33

4月29日に書いた「性善説」の後日談です。

アメリカで大流行のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に登録して、私は外国人の友人がいないものですから、戯れに冗談半分にエリック・クラプトンさんに「友人」として登録したら、何と、先日、お許しが出たのです。

本当にギターの神様、エリック・クラプトンが直々に登録してくださったのか、疑わしいのですが、まずは、驚いてしまいました。

米国に住む日本人の友人に聞いたところ、「あ、あれね。知っているよ。高校生の間で流行っているよ。僕はやんないけどね」と、あっさりしたお返事。
「なーんだ。高校生レベルならやめてしまおうか」と思った矢先、返事が来たので、このまま様子を見ることにしました。

そしたら、今日の日経新聞の朝刊で、このサイトのことが出ていましたね。何と、1カ月に全世界で1億人が利用する世界第2位の巨大SNSで、今度、日本語版も始めるという記事でした。

このサイトの最高経営責任者は、今月24歳になったばかりの若武者だそうです。

相当儲かるみたいですね。

このサイトには、何か沢山の広告が、しかも日本語の広告が出てくるので怪しいなあ、とは思っていたのですが、どれくらい儲かっているのか、この記事のどこを探しても出てきませんでした。

日本最大のSNSは「ミクシー」ですが、わずか(?)1400万人の会員しかないそうです。

こちらは1億人ですからね。「場所」や「住所」を登録させられるのですが、JAPANと登録したので、日本語の広告がバンバン登場していました。

SNSの場合、建前上、「友達の友達は皆友達だ」理論に基づいて構築されていますから、全く知らない赤の他人が薦めるモノよりも、友人、知人、家族、親戚が薦めるモノの方が信頼度が高く、それだけ、サイト運営者にとっては、広告の掲載費を高めに設定しやすいらしいのです。

「有名人」を潜り込ませるのも、サイト運営者の策略の1つでしょうか。

何しろ、1億人も登録していたら、全員が、正直にデータを登録しているとは限りません。チェック機関もないし、嘘を申告しても偽証罪すら問われませんからね。

でも、「性善説」に基づけば、私は晴れて、ギターの神様、エリック・クラプトンさんの友人になったわけです。

でも、やっぱり、実感がないなあ~(笑)

駄作でした…「ゼア・ウィル・ビ・ブラッド」


先週、満員で断られた映画「ゼア・ウィル・ビ・ブラッド」を敗者復活戦として、日比谷のシャンテ・シネまで観に行ってきました。アカデミー男優賞を獲得したから期待して観たのですが、ひどい駄作。観て損しました。

一番、面妖に思ったのは、主人公の「石油屋」が、そこまで大した理由がないのにも関わらず、平気で人を殺すことです。全く同情できません。勘弁してよ…、という感じです。

原作者も含めてこの映画の製作者は一体何が言いたいんでしょうね?

この世は、偽善者だらけで、金こそがすべて?

神は存在せず、迷信に過ぎない?

世の中、選ばれし者だけが成功して、それ以外の者はいくら努力しても報われない?

なるほど、それは自明の理で、永遠の真理なのかもしれません。

とはいえ、それらを現実問題として、毎日戦っている我々庶民にとっては、全くカタルシスがないじゃないですか。

私が観て損した、というのは、そういうことです。