「ブリッジ・オブ・スパイ」は★★★★

Bamboo fille

昨年末の大晦日のドサクサ紛れに携帯のスマホをiPhoneに機種変更したことは、前にも触れました。

docomoからau へ、MNPを利用して、電話番号は変わらずに「一括0円」で、乗り換えたことも書きました。

しかし、そのおかげで、途中解約したdocomoに違約金9500円+税を払わなけらばなりませんでした。

ところが、古いdocomoの携帯を、データ初期化して、引き取りに出したところ、auから10,800ポイントも振り込んでくれたのです。同時にauカード(クレジットではなく、プリペイド)も送られてきて、ポイントをそのカードにチャージすれば、そのまんま、1万800円のお買い物(コンビニや居酒屋、スーパーなど使える指定店のみですけれど)ができるのです。

ラッキーです!docomoの違約金を取り返したようなものです(笑)。auは、映画館とも提携しているので、私は、今話題の「ブリッジ・オブ・スパイ」をこのカードを使って、「タダ」で見てきましたよ(笑)。

スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演のスパイ映画なので、面白くないわけありません。1960年の米ソ冷戦の真っ只中の話です。ちょうど、ベルリンの壁がつくられる場面も出てきます。

サスペンス映画なので、あまり中身に触れない方がいいかもしれません。ただ、ル・カレの小説のようなスパイらしいスパイはあまり脚光は浴びず、主役はあくまでも弁護士です。事実に基づく話で、この弁護士は実在の人物で、いわゆる「キューバ危機」でも、カストロ首相と会い、交渉役を務めたといいます。

私の大好きな60年代のファッションや車が登場します。その60年代の恰好をした台詞のないこれだけのエキストラを集めるのは大変だったろうなあ、と感心してしまいました。

SMAP解散?物語


Hiquafo
 
いやはや、たくさんのコメントが寄せられておりますね。

 辛辣、いや、間違いました(笑)。芯を突いた慧眼なコメント、有難うございました。と、国会答弁のような曖昧さでしか表現できず、あいすみません。皆さんお忙しいのに、本当に有難いものです。

 さてさて、今、国民的人気アイドル・グループのSMAPの分裂・解散で昨日から大騒ぎですね。経緯や原因などについては、皆さんの方がご存知でしょうから、ここでは、改めて触れません。

 私は智慧者ですから(笑)、それ以外のことに注目します。

 ●なぜ、13日付の新聞では、「スポーツニッポン」と「日刊スポーツ」だけにスクープ記事を書かせたのか?なぜ、14日発売の「週刊新潮」にリークしたのか?

 こんな、どうでもいいことに、興味がありますね(笑)。

 さすがに、クオリティーペーパーと言われる一般紙も14日朝刊から派手に「後追い」することになり、日本の文化レベルの高さを感じました。(シニックですね=笑)

 5人のメンバーのうち、リーダーの中居さんと一番人気の木村さんが43歳にもなるらしいですから、もう「アイドル」という歳でもないですね、という話は置いといて、意外に思ったのは、キムタク以外のメンバー4人が脱退して、キムタク一人が事務所に残留するということでした。

 キムタクは、半分自分の事務所を持っているという噂もあり、独立するなら、彼しかいないと思っていたからです。彼だけが結婚を許されるなど「特別扱い」されていることが、他のメンバーの反発を買っていたのでしょうか?

 まあ、芸能界の話とはいえ、イメージの世界ですから、テレビなどのCMに引っ張りだこの彼らの去就は、経済界にも影響を及ぼすことでしょう。そういう社会の仕組みになっています。テレビCMや広告宣伝を見たり、聴いたり、読んだりしなくても、販売製品には、しっかりとこれら広告料の経費が含まれています。ということは常識ですね。

 だから、宣伝するその会社が儲かっているというのは事実の半面、売れないから、(売れない商品に限って)必死になって宣伝するという側面があるということです。

 あれ?何か、SMAPの話は何処かへ行ってい仕舞いましたね(笑)。
 
 

嗚呼、デヴィッド・ボウイまで…

 Paris

 昨晩の7時のニュースを見ていたら、いきなり、何の脈絡もなくデヴィッド・ボウイが出てきたので、「何かの番宣かな?来日するのかな?」と思った途端、字幕で「デヴィッド・ボウイさん死去」と出るではありませんか。

 驚きましたね。本当にショックでした。デビッド・ボウイの公式ツイッターが、彼が10日に死去したと発表したのを、英国BBCが速報で伝えたことから、ニュースが全世界に瞬く間に広がりました。

 まだ、69歳だったとは!彼は、この1月8日に69歳の誕生日を迎えて、その日に久しぶりに、ニューアルバムをリリースしておりましたから、てっきり、元気でバリバリにやっているのとばかり思っていました。だから、「来日ツアー」の宣伝かと勘違いしたのです。

 そしたら、1年半の闘病生活での末、がんで亡くなったというではありませんか。。。

 デヴィッド・ボウイは1970年頃からグラム・ロックのスーパースターとして、Tレックスとともに、日本でも注目されました。私もまだ多感なエイジでしたから、衝撃的でした。男のくせに、(とわざと書きますが)、お化粧をして、中性的で、どこか宇宙人みたいな印象を受けました。しかし、彼の影響で、ストーンズのミック・ジャガーらも化粧しだしますし、その後のビジュアル系のロックバンドのほとんどは、彼の影響を受けたことでしょう。私は、彼の代表作でもある「スターマン」(1972年)が大好きでした。この曲は、彼の5枚目のアルバム「ジギー・スターダスト」に収録されています。

 デビッド・ボウイは、音楽ステージに演劇的要素を取り入れて、音楽を単に「聴く」だけから、「観る」まで広げた先駆者じゃないかと思っています。でも、音だけ聴くとめちゃくちゃ唄がうまいですね。

 ボウイさん、本名デヴィッド・ロバート・ヘイワード=ジョーンズさんのご冥福をお祈り申し上げます。

 ◇結婚格言

 アランの「幸福論」を読んでいたら、「ロマン・ロランが云った」として、こんな文章が引用されていました。

 ・幸せな結婚生活を送っている夫婦はめったになく、しかも、それにはもっともな理由がある。

 アランの「幸福論」は、10代で読んだので、内容をすっかり忘れているどころか、当時は、人生経験がないので、ほとんど腑に落ちなかったのですが、今の年になれば、色んな経験をしましたから、読むと、身に沁みますねえ(苦笑)。

 そこで、ネットで検索したら、結婚に関して、古今東西の色んな「格言」が出てきました。その中で面白かったのはー。

 ・女は二種類に分けられる。結婚だけを夢見ている独身女性と、離婚だけを夢見ている既婚女性の女に。(ジョルジュ・エルゴジィ)

 フムフム、なるほどねえ。

・結婚をしばしば宝くじに例えるが、それは誤りだ。宝くじなら当たることもあるからだ。(バーナード・ショウ)

 さすが、皮肉屋ショウらしい、捻りが効いていますね(笑)。

「完全なるチェックメイト」★★★★

 When I was fine.

今年最後の、そして日本アカデミー賞協会会員としては最期の映画を観てきました。

何にしようか、迷いましたが、1972年にチェスの世界チャンピオンになったボビー・フィッシャーの実話を描いた「完全なるチェックメイト」(東京・日比谷シャンテGK)を観ることにしました。

私自身、チェスはやったことがないので、ルールも知らないのですが、そんな細かいルールを知らなくても十分に楽しめる映画でした。チェスって、サイコ・ゲームなんですね。サイコロ・ゲームでも最高ゲームでもありませんよ(笑)。psycho(精神病質的な)ゲームです。

原題は、「Pawn sacrifice」。意味が分からないので調べてみたら、両方ともチェス用語で、Pawnは、将棋の「歩」に当たる駒、 sacrifice は、「捨て駒」のこと。私の知っている範囲の単語力で、「担保の犠牲」かと思ったら、全然違いました(苦笑)。でも、「ポーン・サクリファイス」じゃ邦題にはなりませんよね。チェックメイトならチェスの話だと分かります。

ボビー・フィッシャーを演じたのは、スパイダーマンのトビー・マグワイア。彼は、あまりにも、スパイダーマンのイメージが強すぎて期待していなかったのですが、実は、プロデュ-サーも兼ねて、脚本からキャスティングまで関わったそうなので、この映画に賭ける意気込みもスクリーンに出ていました。

米ソの東西冷戦の最中の1972年のチェスの世界選手権(アイスランドのレイキャビク)で、ソ連の王者のボリス・スパスキーを米国人のボビーが破って世界チャンピオンになる話ですが、結果が分かっていても、手に汗を握るほど、ヒヤヒヤします。ソ連のブレジネフ書記長や米国のニクソン大統領、キッシンジャー国務長官が、直々に電話をかけてくるなど、まるで、国家の威信を賭けた冷戦の「代理戦争」みたいでした。

世界トップのチェス・プレイヤーともなると、芸術家の域に達するのか、我儘で、癇癪持ちで、傲慢で、気分屋。気に入らないと試合を放棄したり、閉じこもったりします。まさしく、天才(ボビーはIQ187もあったらしい)ゆえの、奇人、変人です。

ボビー・フィッシャー(1943~2008)は伝説の人物ですから、1970年代当時から太平洋を渡った島国でも広く知れ渡っていました。一時、日本(東京・鎌田)に住んでいて、国外退去になった話題も私は、ニュースで知っていました。彼は、奇しくも、世界選手権の行われたアイスランドが亡命を受け入れて、レイキャビクで64歳で亡くなります。

彼が、日本に、しかも、渓流斎が生まれた蒲田に住んでいたとは!そのせいか、奇人とはいえ、随分、身近に親しみを持って見ることができました。

無伴奏ヴィオラソナタ

 Transylvania copyright by Takehiko Soueoka

作曲を「アングルのバイオリン」にしている友人の末岡君が、新曲を送ってきましたので、サクラでアップすることにします(笑)。

彼曰く、

「10月に行ったルーマニア・トランシルバニア地方のイメージで無伴奏チェロソナタをヴィオラソナタに編曲しなおしました。全く違う世界が出来ました]

彼は昨年辺りから、果敢にも積極的に自作曲をユーチューブで発信しております。

「無伴奏ヴィオラソナタ 『トランシルバニアの空と空気を感じて』」 なかなか、ええんでなえかえ

「リライフ」は★★☆

Acodatee

ま、クリスマスもお正月も関係なく、何とか生きている、という感じでしょうか。

昨日は、ついにスマホの制限データ通信量(3G)を超えてしまい、また、極端にアップが遅くなってしまいました。もう、動画は見づらいでしょうね。モバイルWiFiも契約の5G/月を既に半月で超えてしまい、データ通信速度が重くなってしまいました。ちょっと、使い過ぎたんでしょうね。これまで、スマホのデータ量が超えることはなかったし、以前に契約していた阿漕なYモバイルも、月4G契約なんか超えたこともなかったでした。

要するに、デジタル機器に頼りすぎってことでしょうね。これから、手帳もやめて、スマホのカレンダーに予定登録しようかと思いましたが、せめて、手帳ぐらい、アナログを残しておいた方がいいかもしれません。

さて、先日、映画「リライフ」を日比谷シャンテで観てきました。ヒュー・グラント主演のそれだけの映画でした。特に、「スターウォーズ」ほど話題になっていませんでしたが、タイトルが気に入っていました。「人生をやり直す」ということですから…。アカデミー脚本賞を獲った脚本家が、その後、ヒットに恵まれず、田舎の大学の客員教授に就任するという話です。

何か観てて、「ありえない」展開ばかりが続き、物語に全く関係ないのに、コーシャが出てきたりします。そう言えば、主演のヒュー・グランドは生粋の英国人とはいえ、この映画の舞台は米国だし、そもそもハリウッド映画だったんだなあ、ということを忘れていました。

そういえば、サリンジャーの名作「ライ麦畑でつかまえて」は、第二次大戦後まもなくの米国が舞台に設定され、主人公のホールデン・コールフィールドがニューヨークを放浪する話ですが、確か、最初の出だしで、ハリウッドの脚本(家)の話が出てきました。もう何十年も昔に読んだので、うろ覚えですが…。

韜晦的に書いているので、これで、何を言いたいのか分からないと思いますが、分かる人は何を示唆しているのか、すぐ分かると思います。

「母と暮らせば」★★★

 L’automne deja

今年いっぱいで、「日本アカデミー賞協会会員」の資格が剥奪されてしまうため、12月は、せめてあと2~3本の映画は見たいと思っています。今年はほとんど映画が見られなかった年でした。

取り敢えず、山田洋次監督、吉永小百合、二宮和也主演「母と暮らせば」を東京・有楽町の丸の内ピカデリーまで、映画料金と同じぐらいの交通費を払って(笑)見に行っててきました。

とにかく、観終わった第一感想は「長いなあ…」でしたけど、後で調べてみると、上映時間は2時間10分しかなかったんですね。わずか、2時間余の時間、じっとしているのができない身体になったのか、作品自体が間延びしていたのか、どちらか分かりませんが、山場と谷場のギャップは確かにありました。

もう少し、カットを減らせば、最高傑作になっていたと思われます。大船松竹直系の最後の大物には誰にも文句が言えませんからね。

主に長崎に原爆が落ちて、3年後が舞台になっています。ほんの少し落ち着きを取り戻した時代、ということになっているのですが、いくら長崎郊外だとはいえ、あんな無傷のままでいられたのかなあ、というのがまずの感想。吉永さんが何かあまりにも若過ぎて美しすぎるんじゃないのかなあ、というが第2の感想。

要するに、そんじょそこら辺の庶民とあまり変わらない感想しか持てませんでした(笑)。

主演の嵐の二宮(32)は、クリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」にも出演した俳優ですね。演技がうまいのかどうか分かりませんが、私生活は謎に包まれているそうです。とはいえ、申し訳ないですが、あんまし、興味がありません。チャーリー・シーンとは違うと思います。あ、余計なことを書いてしまいました(笑)。「一緒にするな」と熱狂的なファンに怒られそうですね。

山田監督については、ファンタジーはあまり似合わないですね。来年公開予定の「家族はつらいよ」の予告編を観て、こちらの喜劇の方が面白そうに見えました。

アクセス数、マイナンバー、レディ・ガガ

Londre

以前、皆様にお約束しましたように、この渓流斎ブログのランキングをお伝えしましょう。これまで、20,000位前後をウロウロしていたのに、昨日初めて、4ケタの何千番台に上昇したのです。今、gooブログには233万9284件が登録されているようですね。以前は、150万件ぐらいでしたから、随分、増えましたね。今回、9000番台でしたが、初めて10,000台を突破しましたので、素直に喜びませう(笑)。

◆過去1週間の閲覧数・訪問者数とランキング(日別)

日付        閲覧数    訪問者数    ランキング

2015.12.14(月) 298 PV 104 IP  9506 位 / 2339284ブログ
2015.12.13(日) 188 PV 78 IP  13745 位 / 2338369ブログ
2015.12.12(土) 128 PV 72 IP  16712 位 / 2337497ブログ
2015.12.11(金) 113 PV 53 IP  25614 位 / 2336607ブログ
2015.12.10(木) 180 PV 76 IP  16198 位 / 2335606ブログ
2015.12.09(水) 141 PV 70 IP  16750 位 / 2334608ブログ
2015.12.08(火) 147 PV 70 IP  18171 位 / 2333747ブログ

◆マイナンバー

マイナンバー制度が来年1月から始まるそうで、よく分からないので、本屋さんで立ち読みしてみました。何社かの出版社から雑誌の特集も含めて出ていました。でも、何となく「帯に短し、襷に長し」といった感じで、結局、マイナンバーの本は買わず、代わりに「知らないと絶対損するお得ワザ ベストセレクション」(マイウェイ出版=880円)というムックを買ってしまいました(笑)。「誰でもできる節約&便利な暮らしとお金の裏技を集めました!!」そうですから、いつか、また、機会があれば、ご紹介しましょう。

さて、マイナンバーですが、ある出版社に「Q&A」方式で載っていた一つに、「通知が来たら、必ず申請しなければいけないのですか?」という質問がありまして、その答えが「しばらく様子見しましょう」ですからね(笑)。

しかし、サラリーマンでしたら、必ず、職場で番号を聴かれるそうです。扶養家族も含めて。勤めていれば、バイトでもパートでも、マイナンバーを聴かれるそうです。その代わり、もう引退した仕事していない年配者や子供の申請は、無理することはない、というアドバイスにも笑ってしまいました。

とはいえ、老人は、特に、病院に行く機会が多いでしょうから、申請せざるを得ないでしょうね。

まあ、独裁者が歓びそうな「国民総背番号制度」が始まるということなのでしょう。

◆レディ・ガガ

ラジオを聴いていたら、トニー・ベネットとレディー・ガガがデュエットで唄う「The lady is a tramp」が、かかり、なかなか聴き応えがあって、感心してしまいました。早速、もう一度、ユーチューブで見てみました。

実は、私は、レディー・ガガについては、その奇抜なファッションとメイクに、かなり違和感を覚えて、いくら大人気とはいえ、ご遠慮申し上げていたのですが、この曲を聴いて、初めて彼女の歌唱力に感服してしまったのです。実にいいです。

今は便利な時代で、ちょっと検索すれば、歌詞を和訳している人もいますし、この曲について、色んな情報が載っています。

例えば、この曲の邦題は、「気まぐれレディ」で、1937年上演のミュージカル『青春一座(Babes in arms)』の挿入歌。1939年に映画化され、ジュディ・ガーランドが歌っているそうです。作曲は、リチャード・ロジャース、作詞は、ローレンツ・ハート。だから、この歌の歌詞の中で、急に、ヤンキースのジータの話から、ロジャースとハートが出てくるんですね。

調べたら、この曲は2011年にリリース。もう4年も前じゃありませんか。大学生なら卒業して就職する時間(笑)。時の経つのは早いものだという、相変わらず陳腐な使い古された言葉しか思い浮かびません。

「007 スペクター」は★★★★

Paris

何を隠そう、とは言っても、別に隠す必要もないのですが、私は映画「007シリーズ」の大ファンで、大人げもなく(笑)小学生の時から観ております。全作を観ています。もっとも、子供の時は、映画館には行けませんから、テレビで見ていましたが。

けれど、確かに全24作を観ています。そして、細かい内容は全部忘れています(笑)。でも悲観してはいけません。また、新たに、新鮮な気持ちでビデオを観られるという特権を持つことができるということですから(笑)。

扨て、今鳴り物入りで、ロードショー公開中の最新作「スペクター」を観てきましたよ。

ジェームス・ボンド役は、やはり、初代のショーン・コネリーがあまりにも恰好良すぎて、ナンバーワンだと思いますが、6代目のダニエル・クレイグもなかなかのものです。第4代ティモシー・ダルトン、第5代ピアース・ブロスナンとハンサムが続いたので、クレイグはどう見ても、真逆(失礼!野性的と書けばよかった)。あまり期待していなかったのですが、彼の第1作の「カジノ・ロワイヤル」と観ると、何か一番ボンド役にふさわしいような、人間味を感じて、すっかりファンになってしまいました。

「スペクター」はよかったですよ。難癖つければ、もう少し短くしてもいいかな(つまり間延びするシーンがあったということ)と感じましたが、まあ満足な出来でした。最初から、荒唐無稽なフィクションだということは分かっていても、ハラハラドキドキ。どんな銃弾の嵐を浴びても007は死なないですからね(笑)。

最初の「つかみ」のメキシコの「死の祭り」(確か)のシーンは、どうやって撮ったのか、凄いアクションで度胆を抜かれてしまいました。

どう考えても、本物の祭りに潜入して撮影できるわけがなく、要するに多分、あれだけ多くのエキストラを集めたということでしょう。もしかしたら、CGかもしれませんが、とにかく「製作費をかけているなあ」と圧倒されました。

これから観る皆さんに遠慮して内容については、触れないことにしましょう。

ただ、一点だけ、気になったことがありました。それは、「食事する場面」が一つもないということです。もちろん、お決まりのドライ・マティーニなどお酒を飲むシーンはありますが、レストランが出てきても、食べ終わった後、何か食べ物を美味しそうに、もしくは淡々と食べるシーンがないのです。それに舞台となっている場所が、砂漠のど真ん中だったり、雪深い山奥だったりして、コンビニがあるわけでなく(笑)、「どうやって食糧を調達するのだろう」と思ってしまいました。

かつての007シリーズも食事のシーンは出てきたでしょうか?全作観ても、私は忘れています。読者の皆さんの中には小生より「マニア」がいることでしょうから、コメントでご教授ください。

最後に、ボンドガールは、昨年観た「アデル、ブルーは熱い色」に主演したフランスの女優レア・セドゥーでした。彼女がボンドガールに抜擢されたというゴシップ記事を昨年読み、是非観たいと思っていたのですが、やはり、良かった。ボンドガールにピッタリでした。

007シリーズが続いているのも、product installation(確か)と言って、車や時計などの小道具に製品を忍ばせて、「宣伝費」として莫大な製作費の穴埋めをしているからでしょう。今回もボンドは、オメガの時計に、トム・フォードの高級スーツをばっちり決めてました。あ、宣伝の尻馬に乗ってしまった!(笑)

荷風の日常


ウチにやっとマイナンバーなるものが来ました。ウチには来ないものと思っていたのですが…。

これで、国家は、番号一つで、国民を管理し、税金を絞るだけ絞って、脱税なんぞはもうあり得ない現象になるかもしれません。
何しろ、この番号はその人に一生涯、付きまとわりつくというではありませんか。詳しいことは分かりませんが、今は、年金や納税用かもしれませんが、そのうち、戸籍代わりになり、出身地から学歴、職歴、そして、犯罪歴まで一目瞭然で分かるようになるかもしれませんね。

あ、そうそう、安保法案も可決したことですし、将来、徴兵しやすくなるかもしれません。政治犯や囚人になったら、マイナンバーの番号で呼ばれるのかしら。ま、12桁もあるので覚えられないと思いますが…。

扨て、最近、ちょくちょく、永井荷風が出てくるのは、今、少しずつではありますが、川本三郎著「荷風と東京ー『断腸亭日乗』私注」(都市出版)を読んでいるからでした。索引を入れて600ページ以上の大冊です。平成8年9月5日が初版なので、もう20年近く前の出版。既に読んでおられる方が多いことでしょう。

この本では実に多くのことを教えてもらいました。漢字が読めないので、久しぶりに「漢和辞典」を横に置いて読んでいます。何しろ、荷風散人は、英語、フランス語だけでなく、漢籍の素養が豊富にあったからでしょうね。こういった教養面では、戦後の日本人は駄目になりましたね。

湯灌場(ゆかんば)、◇(草かんむりに兼)◆(草かんむりに暇のつくり)=けんか、俗累(ぞくるい)なんて、読めないし、意味も分かりませんでしたね。何しろ、フリガナさえふっていないのです。

荷風が自宅にした東京・麻布の偏奇館は「偏屈な変わりもの」だから、命名したのかと思いましたら、洋館に水色のペンキを塗ったからだそうですね。ま、両方をかけているんでしょうが。

断腸亭も、持病の腸が悪いことから断腸の思いで付けた雅号かと思いましたら、花の好きな荷風が断腸花(秋海棠)から付けたそうです。もっともこれも、両方をかけているのでしょう。秋海棠と言えば、中原中也が小林秀雄と鎌倉で散歩している時に、この花を見て「ぼーよー、ぼーよー」とうめき、後で小林が「ぼーよーってどういう意味なんだ」と聞いたところ、中也は「前途茫洋ということだよ」と言った話は有名ですが、私はてっきり、秋海棠だと思って調べてみたら、実際は「海棠」の花でした。

この本は何処の章から読んでも面白いです。都市出版ですから、恐らく雑誌「東京人」に連載されていたのでしょう。

日本で最初の地下鉄は、昭和2年に浅草―上野間を開通した今の「銀座線」ですが、どんどん延長されていくことが「断腸亭日乗」に書かれています。荷風は懐古趣味だけでなく、最先端をいくジャーナリストでもあったのですね。

実は、この路線は、浅草の松屋、上野の松坂屋、日本橋の三越、白木屋、高島屋、銀座の松屋、三越、松坂屋を結ぶ「デパート線」だったことがこの本で初めて知りました。

何しろ「三越前」は、三越が駅名に「三越前」を採用してもらう条件で、工事費のほぼ全額を三越が負担したそうです。日本橋駅は白木屋と高島屋、銀座駅は、松屋が駅建設費の多くを負担したそうです。

久しぶりに「知的好奇心」が満たされました(笑)。