ロゴスとパトス

ある人から「あなたは活字の世界に踊らされているだけで、物事の本質については何一つ理解していない」と指摘されてしまいました。

その通りかもしれません。

しかし、人間はロゴスの世界で生きているので、どうしても、論理的な整合性や説得力がないと行動できないものです。

その人は、「もっとパトスの世界で生きるべきだ」と言いたかったのかもしれません。

理想的な世界ですね。

しかし、子供ならいざいざ知らず、毎日、食べて生きていかなければ大人は、我慢したり、妥協したり、自己保身に走ったり、信念を曲げたり、阿ったり、追従したり、諦めたりしなければなりません。

日本では8年連続、自殺者が3万人を突破しています。それだけ、タナトスの世界に引き寄せられてしまう陰湿な磁場が日本にあるのでしょう。

私は、否定も肯定もしません。

転んでも立ち上がって、無様に生きていくしかありません。

不思議な体験5

「不思議な体験」の続きです。5月26日以来です。何でこんなに間隔があいたかについては、徐々に説明します。前回はこう書きました。

『室岡さんが、最終的に行き着いた所は、パキスタンにあるフンザという村でした。ここに、100歳近い老人がゴロゴロしていて、しかも矍鑠して、簡単な農作業にも従事している。

室岡さんは、フンザの村人たちが、なぜ、長生きできるのか、調べてみることにしたそうです。』

こうして、室岡さんは、村人がなぜ長生きするのかー。その秘訣が「水」にあったことを突き止めたのです。

いわゆる「フンザの水」と言われ、1960年代から欧米でも注目されてきました。

しかし、その室岡さんの説に、真っ向から反対する意見の人が、最近になって私の目の前に現れたのです。その人は、ある大学のヒンドゥー(インド)学の教授で、その道の権威です。カースト制度に関する著作など、何冊か一般向けに本も出している人です。

この人とは、いつぞや書いた「マリー・クレール」の生駒編集長の講演会の後の2次会で知り合いました。早速、この「フンザの水」の話を向けると、彼は「そんな話はデタラメで、全く学会では認められていない。1960年代にレニー・テイラーという人が、フンザを不老長寿と健康の秘境の地として売り出したのが始まりで、そもそもフンザには戸籍もないので、本当の年齢が分かるわけがない。要するに、全くの作り話で出鱈目だ」と全面否定するのです。

これには、大変困ってしまいました。世に言う、とんでもない話を捏造して、健康食品を売りつけたり、治療と称してわけの分からない施術をほどこして大金を巻き上げるーいわゆるインチキ商法ではないかという疑念が生じたからなのです。

そこで、室岡さんにメールで問い合わせることにしました。しかし、待てど暮らせど、なかなか返事が来ない。

諦めかけた頃、そう昨晩、やっと彼からメールの返事が来たのです。

つづく

不思議な体験1

帯広市

 

ここ数日間、都会の雑踏を離れて、秘境で隠遁していました。

 

風邪をひいていたので、寝込んでいるか、温泉に入るか、ボウリングをするか、本を読んでいるか…それぐらいしかしませんでしたが。

 

ここでの滞在の最後の日に、不思議な人に会いました。

 

恐らく長い話になると思います。一回では終わりません。五回か六回ぐらいになるかもしれません。いやもっと長くなるかもしれません。途中で中断して、忘れた頃に再開するかもしれません。

 

そこで考えたのですが、その人の名前とどこでお会いしたかについては、伏せることにしました。文責はすべて私にあるのですが、彼に迷惑をかけてはいけません。差し障りがあると思ったからです。それ以外についてはなるべく詳しく書いてみるつもりです。

 

ですから、ご興味ある方のみ、お読みください。そして、どうしても我慢できなくて意見が言いたくなったら、どうぞコメントしてください。それでは始めます。

 

その人ーこれから室岡さん(仮名)と呼ぶことにしますーとは、Hさんの紹介で会うことになりました。「元ジャーナリストで、難病を治してしまう。自分もガンに罹ったのに治してしまった。医師ではないが、脈診といって脈をみるだけでその人にどこが具合が悪いのかわかってしまう。知識が豊富ですごい人。とにかく、話を聞くだけでもいいから会ってほしい」-それがきっかけでした。

 

それを聞いて、私はあまり気が進みませんでした。正直言って、どこか胡散臭さを感じてしまいました。

 

しかし、Hさんはすでに夜8時半に電話で会うアポを取ってしまったらしい。「室岡さんは、Mさんのお客さんの紹介で知り合ったのです。Mさんも何度も会っています。とても信頼できる人だから」-あまりにも熱心に薦めるものですから、取り敢えず、Hさんの車で室岡さんの自宅に向かいました。

 

私たちはリヴィングルームに招き入れられました。

 

室岡さんは、年齢は50代後半から60代初めという感じでした。いわゆる中肉中背。眼鏡をかけており、その奥に光る瞳は鋭さと柔和さの2つを秘めているような不思議な感じでした。大病を患った経験があるという話を聞いていたせいか、芯の強さの中にどこか体質的に病弱な雰囲気を醸し出していました。身長は170センチくらい。これは、私の脈を取った時に、一緒に立ち上がって測ったので、自分の身長から憶測しました。

 

とにかく、淀みなく話をする人でした。声は低くもなく高くもなく。時折、自身の専門用語を使われたが、聞き取りづらいところはありませんでした。沈思黙考のタイプとも違うし、講釈師のタイプでもない。やはり、真実を追究するジャーナリストタイプといえばいいかもしれません。

 

簡単な挨拶を済ませて、私は室岡さんに単刀直入に聞いてみました。「元ジャーナリストとお伺いしていたのですが、どちらにいらっしゃったのですか」

 

「トップ屋です。光文社の『女性自身』にいました。データーマンからアンカーマンまで何でもやりました。最初は草柳大蔵グループにいました。本当に嫌な奴でしたね。すぐ私のことを『田舎もん』と馬鹿にするのです。まあ、仕事のしすぎで体を壊して、田舎に戻ってきたわけです」

 

Hさんから、室岡さんは数々のジャーナリスト賞を取ったらしいという話を聞いていました。

 

「週刊誌時代で思い出すのは、『東京湾にも水俣病』と、週刊誌ですから、タイトルは大袈裟でしたが、東京湾で見つかったハゼが水銀中毒に冒されていたことをスクープしたこと。そしたら、朝日も毎日も読売も新聞があとをおっかけた。あれは気持ちよかったなあ。あとは、群馬県の安中市で、金属会社の30代の女性社員がカドミウム汚染で亡くなったこと。会社は彼女の労災を認めなかった。しかし、彼女は自身の体が蝕まれていく様子を短歌にしていて、それが公明新聞か何かに載っていたのです。それで注目されていました。もう亡くなって3年近く経っていたのですが、当時、安中市では土葬だったので、彼女の遺体が綺麗に残っていた。掘り起こして、内臓を調べたところ、大量のカドミウムが検知され、彼女の『主張』が証明された。これを連載で記事にしたら随分反響を呼びましたね」

 

女性週刊誌といえば、芸能人や有名人のスキャンダルが売り物ですが、室岡さんは、そんな「軟派もの」には見向きもせず、公害問題などの「硬派もの」を得意にしていたようです。

 

それが今の仕事につながっているようでした。

つづく

五日市 剛さん

 中札内村美術館

 

五日市剛(いつかいち・たけし)さんの講演録「ツキを呼ぶ魔法の言葉」を読みました。あまりにも面白かったので、その触りをご紹介します。

巻末のプロフィールに、五日市さんは昭和39年生まれ。マサチューセッツ工科大学に留学。工学博士。現在、企業経営の傍ら、数社の研究顧問を務めているーとあります。

講演は2000年12月に、金沢で十数人の前で行われたもので、あまりにも面白いので、当時、80歳だった安田善次郎さんという人がテープを起こして小冊子にまとめたところ、あっという間に全国に広がったそうです。

内容を一言で言えば、言葉には魔力があり、絶えず「ありがとう」「感謝します」「ツイている」という言葉を口に出せば、運が開けて、人生が好転するーといった真理を説いています。

「そんなうまい話があるわけない」という人は、それでその人の人生は終わってしまうことでしょう。

特に、毎日、人の悪口を言ったり、天を呪ったり、いつも「バカヤロー」だの「テメー、コノヤロー」などと、汚い言葉を使っていると、その人の人生も同じように汚くなって、運も開けない、というのです。

こちらも一理あるようです。

「感謝の言葉」は、五日市さんが、26歳の時にイスラエルを旅行し、ハイファという港町で出会ったおばあさんから、学びました。

最初は半信半疑だった五日市さんも、その後、次々と不思議なことが起き、おばあさんの言ったことが真理であることがわかるのです。

おばあさんからもらった包み箱から、不思議な縁で、現在の奥さんと結婚することになった話や、不良少女だった女の子の家庭教師になって、彼女を立ち直らせて、見事、宮城県下一の高校受験に合格させた話や、交通事故にあっても感謝の念を忘れずに口に出したら、事故をきっかけに親しい間柄になった話や、就職してから、次々と年収数億円の社長業に誘われる話など、エピソードに事欠きません。

著作権の関係もあるので、これ以上詳しく書けません。もしご興味のある方は、一部400円(送料別)ですから申し込まれたらどうでしょうか。

そこで、問い合わせ先のホームページを今初めて見たのですが、ちょっと宣伝臭い感じがしました。否、宣伝そのものでした。お先棒を担ぐわけではないので、もし必要だと感じられた方はご自分で調べて検索してみてください。

私の内容の評価に変わりはありません。

サラリーマン川柳

第一生命主催のサラリーマン川柳コンクールの入選作は、毎年身につまされます。

つまされる順に紹介するとー。

愛してる あなたが もらう年金を

年金の 出る頃妻は 家を出る

人生の 第二職場は 妻の部下

年金は いらない人が 制度決め

ウォームビズ ふところ常に クールビズ

私の実態がバレそうです。

心の豊かさ

師は言いました。

「おまえは、人の目を気にしすぎる。世間の目を気にしすぎる。人によく思われたいから、嫌なことでもしぶしぶとやっている。だから覇気がない。

要するに、いかに自分を慈しむことができるかにかかっている。
おまえは、百%自分のことを大切に思っているか?
百%大切にしているか?
自分の好きなことをしているか?
自分が納得している毎日を送っているか?

これは利己主義とは違う次元の話だ。
人を蹴落としてでも、自分の目的のために手段を選ばない、ということではない。

要するに心の問題だ。

人は、おまえさんが思っているほどおまえさんのことを見てもいないし、思ってもいない。そう思うのは、おまえさんが自意識過剰なだけだ。

人は自分が見たいようにおまえを見ているだけだ。
人は自分が思いたいように、おまえを見ているだけだ。

人はどれだけおまえのことを知っているのかい?
人はおまえほど、おまえのことを知っているのかい?
単におまえさんが、そういう人間だと思われているだけだろう?
『いい人』『悪い人』『嫌な奴』『頭の良い人』『自己保身の塊』『排他主義者』『ご都合主義』『いい加減な人』…

人は自分の世界の中に生きている。
人はテレビのチャンネルを自分で選んでいるように、自分の好きな世界を見ているんだよ。その番組が飽きたら、チャンネルを変えているだけだ。

だから、人からどう思われるかを基準にして生きると、本当の自分の幸せにはなれないのだ。

自分がどうしたいか。自分が何をしたいか。ーという意識しかないのだ。

自分が喜んでいる。自分が楽しんでいる姿を見せない限り、周囲に幸せをもたらすことができない。それは、職場でも家庭でも同じだ。

ゆめゆめ人から慈しんでもらおうなんて考えてはいけない。職場の人や世間の人や親兄弟、子供からだってもそうだ。人から期待してはいけない。

自分で自分自身を慈しむしかないのだ。
自分で自分自身を慈しんでいる姿を人に見せるしかないのだよ。
毎日、自分が楽しんで、幸せになるしかないのだよ。

そして、それは決して不可能ではないのだよ。
物質的なことを言っているわけではない。
排他的な利己主義のことを言っているわけではない。

精神的な、心の豊かさのことを言っているのだから」

師はそう言いました。

マインドゲーム

「明日の晩に、ある会合がありますが、どうしても会いたくない憎悪している人が出席するので、私も欠席しようかと思います。仮に出席したとしても、彼を無視するか、黙殺するしかありません。もしくは、相手に文句を言って争うか、妥協して、追従笑いをするしかありません。どうしたらいいでしょうか?」

あなた「どうなることを望んでいますか?」

「彼とかかわりたくないというのが正直な気持ちです。できれば欠席したいが、かといって、彼一人のために、欠席したくない。彼以外の人で会いたい人がたくさんいる。彼一人のために妥協したくない」

あなた「何の妥協ですか」

 「彼がいなければ気持ちよく出席できる。彼に気兼ねする必要があるのかーというのが妥協です」

あなた「あなたが関わりたくないのは、その人そのものではなく、その人を通して感じる憎悪でしょう。たとえ、相手が突然死んで、この世から去っても、あなたの心は穏やかではないでしょう。そうやって戦い続けるのですが、以前、あなたが同じようなめに遭った時、あなたの心は平和でしたか?今、人間関係が幸せですか?闘っている相手は、その人ではありません。どんなに排除しようとしても、あなたの心が変わらない限り、また新しい憎む相手を創るでしょう。同じ方法ではもうもううまくいかないこと気がついているのではないのですか?相手が変わってからあなたが変わるのですか?どうか愛を選択してください。もうそれしか、繰り返しの悪循環から逃れることはできません。自分を守るためにうまく立ち回って、あなたは生きてきませんでしたか?あなたが気になる人は良くも悪くも、あなた自身が反映している鏡なのです。みんな自分の立場を守りたいだけなのです。同じなのです、相手もあなたも同じなのです。相手を憎むことは、自分を憎むことになってしまうのです。あなたがそうしたいなら、憎み闘う人生を送ればいいのです。あなたがそうしたいのなら、そうすればいいのです。答えはあなた自身の中にあり、もうすでにあなたはその答えを知っているのです」

弘前の桜

今はゴールデンウイークの真っ最中。皆様、如何おすごしですか?

The Timesに面白い記事が載っていました。弘前の桜は、ゴールデンウイークの名物として有名ですが、丁度、この時期に花が咲いてもらわないと困るので、弘前市は、弘前大学と共同でプロジェクトを組み、ゴールデンウィークの前に花が咲かないように、樹木にスプレーをかけたり、ホルモン注射をしたりして、はたまた、幹の回りに雪を盛って、開花時期を遅らせたりしたそうなのです。

なぜ、そこまでするのかー。それは、観光客が街の景気を作用するためです。例年は200万人の観光客が桜を観に全国から押し寄せますが、昨年は、桜の開花が早く、ゴールデンウィークの時期にはあらかた散ってしまったので、わずか、60万人の観光客しか訪れなかったからです。まさに、市にとっては「死活問題」だったのです。

この記事は英国の新聞に載りました。日本の新聞から転電したのかどうかわかりませんが、たかが桜とはいえ、英国人の関心を呼ぶほど、世界的な話題になってしまうのですね。