花咲徳栄高校の皆さん、優勝おめでとうございます!

加須先生ことウマズイめん食い村の赤羽彦作村長さんの地元埼玉県加須市の花咲徳栄高校が、夏の甲子園大会で、埼玉県勢としては初の全国優勝を遂げました。

今年の高校野球は、99回ですから、100年近くも埼玉県は一度も優勝していなかったことになります。えっ?本当ですか?実に驚きです。

加須先生は、100年前から住んではいないようですが、地元高校の優勝を待ち望み、こうして御邸宅に祝賀アイテムを飾り立てて喜んでおられます。

花咲爺さんも喜んでます(笑)。

人間、この矛盾なる存在

久し振りの、という言葉も変ですが(笑)、遅ればせながら、夏休みで別荘で寛いでおります。

場所を書くと嫌味になりますので、書きません(笑)。

軽井沢、清里? まさか。

バンクーバー、メルボルン?うーん、どうでしょう…

えっ?別荘がないんですか?ルイス・ブニュエルのブルジョワーの嗜み、いや、ブルジョワーの秘かな愉しみですよ。

太陽がいっぱい!プールでカクテルを飲んでいます。

と、日記には書いておこう!

昨日は、この愛用のiPhoneのアプリをいくらクリックしても反応がなく、「とうとう壊れてしまったのか」と、銀座のアップルストアに修理の予約をしました。面倒臭い!2日先まで予約が満杯!スマホ中毒となると、とてもスマホなしでは生きてはゆけぬ。いかにも敗残者になった気分でした。

でも、まだ神に見放されたわけではありませんでした。再起動したりしているうちに、アプリをクリックするとちゃんと起動してくれたのです。

お蔭様で、予約をキャンセルすることができました。

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ところで、個人的なことながら、小生、2年前に大病して、後を追うようにして、ではなく、望外の悦びとも言うべき、その1年後に娑婆世界に這うようにして復帰したところ、すっかり周囲の景色が変わっておりました。

若い頃、というより、少年の頃から非常に親しかった友人が次々と離れていくのです。まるで、疫病神を除けるかのように。

こちらは、何度も「飲みに行こう」なぞと誘ったりするのですが、その度に、「体調が悪い」だの「家族の具合が悪い」だのとドタキャンするのです。

それでも以前までは、会う約束まではすることができたのですが、最近になって「そのうちに」ということになって、すっかりその気がないのです。こちらは、何があったのか分からず、彼に直接迷惑を掛けたつもりはないので心外なのですが、そろそろ、いくら親友でも諦めてこちらから身を引くべきかな、と思うようになりました。(ちなみに、彼はスマホどころか、パソコンもやりませんし、できません)

残念ですが仕方ないでしょう。第二の人生に入り、余分なものは断捨離しなければならない時期に入ったということでしょう。

それは、モノだけでなく、交友関係にも言えるかもしれません。

それなのに、つい3日ほど前から、あれほど蛇蝎の如く嫌っていた友人募集のような「顔本」、いやフェイスブックを始めるのですから、人間、どうも矛盾に満ちた生物だと認めざるを得ないですね。

私だけではないかもしれませんが…。

資本主義のたそがれ、または終焉

大連駅裏通り Copyright Par Duc de Matsuocha gouverneur

水野和夫、大澤真幸両氏による対談共著「資本主義という謎」(NHK出版新書)が、結局、著者らは何を言いたかったのか、と考えてみますと、今の時代、日本は「失われた20年」どころか、これからまあ、あと50年か100年は経済成長のない低迷、停滞、低空飛行が続いて、働けば働くほど貧乏になるワーキングプアの時代だというのが現実で、それを冷静に見つめろ。諦めるのではなく、最後は政治の力でどうにかしなければならないので、「百年の大計」を持ったしっかりとした政治家を選ぶべきではないかと、私なんか解釈しました。

営業利益を上げて経済成長を遂げていくというやり方は、もうこの新自由主義のグローバル化時代では、どんどん低賃金の労働力が「現物」だけでなく、ネットを通して入り込んでくるので、要するに人件費を低く抑えることで労働者に分配せずに、内部留保の形で営業利益を水増しさせていく手法が、今の先進諸国の資本主義の行き着いた形、姿ということになるのでしょう。

 大連駅裏通り Copyright Par Duc de Matsuocha gouverneur

この本に再三再四出てくる「利子率革命」というのは、恐らく水野氏の造語で、「長期金利が2%以下の時代」のことを指すようです。

リーマン・ショックとユーロ・ソブリン危機で、日本に加えて米英独仏の先進4カ国の10年国債利回りがそろって2.0%以下となり、世界の牽引車となるべき先進諸国は「長い16世紀」(1450年~1650年)以来の「長い21世紀」(1971年~)の利子率革命に入っているわけです。

水野氏はこう言います。「利子率革命、すなわち資本の低利潤化が長期化すると、過去の過剰資本に耐えられなくなって、具体的には働く人を貧しくすることでしか、資本を維持できなくなるのです」

「働けど 働けとども…」の石川啄木ですね。

また、こうも言います。

「資本主義は元来、貧乏人を相手にしないという本質を持っているようです。最初の資本家が誕生した12~13世紀のイタリアのフィレンツェで、資本家が競って読んでいた小冊子に『商業についての助言』があり、そこには『貧乏人と付き合うな。なぜなら、彼らに期待すべき何もないからだ』とあります」

大連駅裏通り Copyright Par Duc de Matsuocha gouverneur

また、水野氏は未来社会についても。こう予言しております。

「資本主義には利潤を極大化しようという意思があると思います。だから、短期でゼロ金利、長期で2%では、もう信用リスクぐらいしかない。そうすると、何処へ行っても利潤率が事実上ゼロということでしょうから、対処療法的にはこの30年間でなされたような『電子・金融空間』のようなものをつくるしかないかもしれない。
でも、それすら成立しないとなれば、資本主義はもう立ち行かなくなって、市場経済だけが残る。市場の交換によって利潤は発生しないという状況ですね。…しかし、資本主義が周辺をどんどん取り込んでいった段階で、みんなが豊かになることはありえなくなった。ということは、市場経済が残る保証だってありえないわけです」

うーん、偉い経済学者様の見立てですが、絶望的ですね。

このままいくと、年収が減るばかりでなく、年金も75歳まで出なくなる可能性もあり、若い世代も大変です。年収が増えなければ、結婚もできず、先進資本主義諸国は、どこもかしこも、ますます少子高齢化、超高齢社会となる寸法ですね。

これでは身も蓋もなくなります。水野氏らは最後に将来、人々の希望までもが奪われて、いずれ滅びるか、滅びないかは「政治の責任だ」と断言します。そして、彼はこう忠告します。

「21世紀の現在、非正規社員が3割を超え、年収200万円以下で働く人が給与所得者のうち23.7%、金融資産非保有世帯が26%という日本で、現在『民』は大切に扱われているとは全く思えません。新自由主義の人たちは、個々人の努力が足りないと非難し、貧乏になる自由があるとまで言います。『春秋左氏伝』によれば、亡国の道をひた走っていることになります」

劣化した全ての日本人に告ぐ

盆栽美術館

「匿名希望」様、コメント有難う御座いました。よく「罪を憎んで人を憎まず」と言いますから、個人攻撃だけをしても仕方がないと思っています。牟田口廉也もその典型で、彼個人よりも、彼のような怪物を産んだ社会機構にも問題があったと確信してます。特権階級なら何でも許されるという風潮もそうです。

※※※※※

扨て、お盆休みが、昨日の京都の送り火で終わりました。

かつてのお盆休みというと、東京都心は、地方出身の皆々様方が郷里にお帰り遊ばされますので、電車も街中もガラガラ。私のようなd?racin?(デラシネ)にとっては、実に余裕を持って街を歩けて爽快な気分を味わえたものです。

しかし、今年の銀座は、異様な人混みでした。あれっ?地方出身者は今年は不況で、お墓詣りもできないのかと思ったら、そうじゃないです。人集りの殆どが外国人でした。

昨日発表された統計によると、7月の訪日外国人は268万人で、過去最高だったそうですね。道理で…。

もうほとんど、日本人の口に入ることができなくなった鰻の高級店「銀座 竹葉亭」に並んでいるのも、外国人ばかりでした。

観光客が多いのは京都はピカイチでしょう。京洛先生は、いつも余裕で市バスを利用しておりますが、最近は外国人客が増えて、ダイヤが非常に乱れて困っているそうです。

彼らはデカいボストンバッグを抱えて乗り込むので時間がかかる上、小銭がないので一万円札で払ったりするので、お釣りを出すのが大変ですからね。

昔の外国人観光客は、タクシーやハイヤーを利用し、市バスなんか乗りませんでしたからね。と、書くと進歩主義者から怒られますかね?

 京洛先生は情報通ですから「先日、日刊ゲンダイを読んでいたら東京圏も千葉市内の高浜小学校は生徒の半分は中国人だそうですね。千葉市内の分譲団地も5階建てで、エレベーターが無いので1階は値段は高く、上層の3、4、5階は安いそうです。高齢者は階段を上がるのが辛いからだそうです。そして東京圏の大規模のニュータウンでは、いろんな住宅問題が起こっているようですね。
 大手新聞、テレビは少しもそういう真実を報じず、芸能人のついた離れたやら、どうでも良い都会の上辺だけの情報だけ報じています」と溜息をついておりました。

日本人は劣化したんでしょうかね?

村上世彰という人物

滝の城址

昨日は久しぶりに体調崩しましたが、一日寝たら回復しました。まだ、若いです(笑)。

読了しました村上世彰著「生涯投資家」(文藝春秋)の中で、備忘録として残したいことを引用しときます。

●日本の株式市場の規模は約600兆円。米国の規模は2000兆円で日本の約3.5倍だが、両者とも上場企業の数は2000数百社と変わらない。

●日本の株式市場の比率は、外国人投資家30%、事業法人20%、信託銀行20%、個人20%、生保・損保5%、都銀・地銀5%。

●米国の比率は、個人・投資信託55%、年金15%、外国人投資家15%、ヘッジファンド5%、その他10%。

村上さんは、IRR(内部収益率)、MBO(マネジメントバイアウト)、MSCB(修正条項付新株予約権付社債)、ROE(収益力指標)など専門用語を駆使して、色んな提言をしておりますが、上記の数字を覚えておけば、この本を読んだ甲斐があったというものです。

そもそも、村上さんが2006年に逮捕された容疑は「インサイダー取引」でした。このことについて、本書でも詳しく触れられ「納得いかない」とご本人は弁じ、読者も確かに「この程度のことでインサイダー取引になるなんてかわいそう」という思いにさせられます。

しかし、彼は、容疑を掛けられた取引で幾ら儲けたのか、はっきり書きません。彼は、2億円払って保釈されたようですが、それ以上儲けていたということでしょう。

一部の報道では、彼が儲けたのはインサイダー取引史上最高額の30億円とありました。まあ、村上ファンドは4000億円以上の資金を運用していたといいますから、30億円など端金なんでしょうけどね。

恐らく、彼は、これらの金で保釈後、様々な分野に投資して、資産をさらにさらに膨らませたようです。飲食業、介護業…。中でも一番大きいのは不動産業です。彼はこの本の中で、日本国内は勿論のこと、海外ではシンガポール、インドネシア、ベトナムなど東南アジアを中心に、住宅数千戸を販売し、現在建築中などが一万戸、土地の広さが30万平方メートル、延べ床面積100万平方メートルの物件に投資している、と書いてます。

(ただ、彼は儲けるだけではなく、社会還元のために「村上財団」を設立して、東日本大震災では炊き出しを行ったり、かなり多くのボランティア活動をしていることも書かれていたことは、付け加えておくべきかもしれませんね。)

結論、「資本がなければ生涯どころから最初から投資家になれましぇん」

「生涯投資家」を読み始めて

盆栽美術館

スマホ中毒なので、こうして1日も休ませてくれません。

まさに、スマホ依存症なのかもしれませんね。1日我慢できても、3日間、スマホをやらないことはとてもできません。 困ったもんです。

今、文藝春秋が送る話題騒然、沸騰の村上世彰著「生涯投資家」を読み始めましたが、なかなか面白いです。

あのインサイダー取引容疑で逮捕された「村上ファンド」の創業者の回顧談です。著者近影の写真を見て吃驚仰天。あの「物言う株主」として怖いもの知らずで、ブイブイ言わせていた超々やり手の投資家が、今では髪の毛は白くなりすっかり老人になっていました。

70歳代に見えましたが、ちょうど昨日8月11日が誕生日だったようで、まだ58歳の若さです。恐らく、あれから相当苦労と辛酸を舐めたことでしょう。

ま、本書を読むと、そのあらましが書かれています。悪く言えば、自己弁護の塊に見えなくもないのですが、単なる文章を読んだだけではありますが、想像していたような傲岸不遜ではなく、かなり謙虚で反省もしているようで、「コーポレートガバナンス」という自己の信念を最後まで曲げなかったということは大した人物だと思いました。

私は投資はズブの素人ですが、この本を読んで初めて投資家の世界が少し分かったような気がしました。

それは最終的には、人間同士の信頼関係なんですね。

村上氏はお世話になった人を沢山挙げています。一番影響を受けた人物が、「政商」と言われたオリックスの宮内義彦会長。(ああ、あたしも昔、ハワイで待ち伏せして捕まえて話を聞いたことがありました=笑)この他、最終的には迷惑を掛けてしまった福井俊彦・元日銀総裁、藤田田・日本マグドナルド社長、リクルート創業者の江副浩正、セゾングループの堤清二会長、元大本営陸軍参謀の瀬島龍三…といった錚々たる大御所です。

「なるほど、こういう人脈からトップシークレットの情報が取れるのか」と感心しましたが、結局、長続きした人もいれば、一度お話を聞いただけでその後はプッツリ切れてしまった人もいたと正直に書かれていました。

異色だったのが、小池百合子・現都知事です。著者が通産省官僚時代にエジプトで大型プロジェクトを手掛けた際、行きつけのカイロの日本食レストラン「なにわ」のオーナーから「娘がアナウンサーをやっているから会ってほしい」と言われ、日本でお目にかかった人が、今の都知事だったそうです。世の中確かに狭いですね(笑)。

著者は、台湾出身の父親に多大な影響を受けたことなど、出自についても書いていますが、どういうわけか、高校や大学名など一切触れないんですね。神戸の灘中・高校から東大法学部~通産省という超エリートコースだったため、書くのが気が引けたのでしょうか?

まあ、こんなことは彼にとっては瑣末な話なんでしょうね。

とにかく、著者は、投資が好きで好きでたまらないようで、何と小学校3年生で初めて株式投資を始めたというぐらいですから、うまいタイトルを付けたもんだと思いました。

嗚呼、世界遺産「九寨溝」

中国四川省の世界遺産九寨溝 Copyright par Duc de MatsuokaSousumu

8日夜、中国四川省でマグニチュード7.0の大地震がありました。

震源地はチベット族が多く住むアバ・チベット族チャン族自治州で、震源地近くには世界遺産に登録されている観光名所「九寨溝」があります。

満洲研究家で、中国通の石川八十右衛門こと松岡総裁も、この九寨溝を訪ねて沢山の写真を撮ってきたということで、わざわざそれらの写真を送って下さいましたので、この渓流斎ブログに掲載させて頂くことにしました。

実に見事なエメラルドグリーンです。
中国四川省の世界遺産九寨溝 Copyright par Duc de MatsuokaSousumu

テレビのニュースでは、9人の観光客も亡くなり、景観もかなり損なわれてしまったようです。

中国四川省の世界遺産九寨溝 Copyright par Duc de MatsuokaSousumu

となると、これらの写真は大地震前の景観として、かなり貴重かもしれません。

中国四川省の世界遺産九寨溝 Copyright par Duc de MatsuokaSousumu

松岡総裁は、御邸宅で九寨溝の46枚の写真のスライドショーを開催されたそうです。

中国四川省の世界遺産九寨溝 Copyright par Duc de MatsuokaSousumu

大陸の自然はやはり桁違いです。

中国四川省の世界遺産九寨溝 Copyright par Duc de MatsuokaSousumu

これも

中国四川省の世界遺産九寨溝 Copyright par Duc de MatsuokaSousumu

こちらも

中国四川省の世界遺産九寨溝 Copyright par Duc de MatsuokaSousumu

まだあります

中国四川省の世界遺産九寨溝 Copyright par Duc de MatsuokaSousumu

まだまだあります

中国四川省の世界遺産九寨溝 Copyright par Duc de MatsuokaSousumu

地震で亡くなった方の御冥福を御祈りし、被災された皆様にはお見舞い申し上げます。

ワセダクロニクルが天下の電通と共同に果たし状!

久し振りの

今、早稲田大学ジャーナリズム研究所が運営するワセダクロニクル(Waseda Chronicle)というネット上の調査報道メディアが注目されています。

編集長は昨年、朝日新聞の調査報道の「限界」を見極めて同社を退社した人です。

本来、ジャーナリズムというものは苦労と手間ばかり多く、あまり儲からないものです。

昔は「ブン屋」と蔑まれ、まずは表玄関では会ってくれず、「裏口に回れ!」と叫ばれた賤業でした。相手の男の職業がブン屋だと分かると、父親は「娘は嫁にはやらん!」と断ったものです。

これは、嘘でも冗談でもなく、ブン屋は職業として「犬殺し」と同等の扱いでした。

何故これ程まで、ブン屋が嫌われたのかと言いますと、「報道」にかこつけた恫喝、恐喝まがいなことをする事案が多く、報道と宣伝との境界が曖昧だったからなのです。

業界の専門用語に「記事稿」と呼ばれるものがありますが、これは、一般の報道記事に見せかけた広告のことを指します。今でも、証拠隠滅逃れのために紙面の片隅に虫眼鏡で見ないと分からないほど細かい字で「広告」と書かれています。

この記事稿を発明した人は誰なのか分かりませんが、日本でその手法を高めたのは恐らく、1901年に電報通信社を創業した光永星郎だと思います。

電報通信社は昭和11年、聯合通信社に吸収合併される形で同盟通信社となり、戦後は電通として復活します。同盟が解散してできたのが、この電通と共同通信社と時事通信社です。

で、最初に取り挙げたワセダクロニクルですが、調査報道として、この電通と共同通信社を俎板に乗せております。両社が製薬会社と結託して、記事に見せかけた広告を共同が全国の地方新聞社に配信し、その記事を一方的に信じた読者が、その高価な脳梗塞の予防薬や糖尿病治療薬などを購入したというシリーズ「買われた記事」を報道しております。

まあ、詳しくは「ワセダクロニクル」http://www.wasedachronicle.org/ を検索して読んでみて下さい。

ワセダクロニクルは、広告「記事」を執筆した共同通信社の編集委員にまで突撃インタビューしており、まさに調査報道の最たるもんです。

恐らく、世間一般の人の中で、新聞の記事やラジオ・テレビのニュースが共同通信社が配信したものだと知っている人はほんの僅かでしょう。

全国には一県一紙以上は必ず地元紙があり、そこのニュースは大抵、共同通信社から配信されております。「朝日だ、読売だ」と騒いでいるのは、東京や大阪の大都会に住む人だけで、北海道の人なら道新、名古屋なら中日新聞しか読まないのです。

ですから、共同通信社の読者の累計は1000万部を超え、その影響力は、朝日や読売は足元にも及ばないわけです。少し言い過ぎですが(笑)。

その天下の共同が「成功報酬」を得て、記事に見せかけた広告を配信する暴挙は、何処のメディアも取り上げることはないので、ワセダクロニクルというネットメディアが今、注目されているわけです。

佐川君への手紙

rainbow Copyright par Keiryusai

佐川君、君は、瓦版の連中に対して、国税庁長官跡目相続全国御披露目会見をスッポかしたそうで、君らしいなあと思いましたよ。

森友学園国有地売却問題では、財務省理財局長として、君は国会では「記録に御座いません」を連発して、時の安倍政権に忠義の限りを尽くして、論功行賞として、国税庁長官に就任しました。

年収基本給1770万円プラスアルファ、恐らく2500万円を獲得して、さぞかし大リーグ・ヤンキースか、レアルマドリッドと契約した超一流職業運動選手になった気分だったことでしょう。

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国税庁長官は、君が1982年に大蔵省に入省して以来の念願のポストでしたね。駆け出しの頃の84年に大阪国税庁に配属されて、そこで、民百姓から税を絞る取る旨味を覚えました。

東大経済卒のキャリアを御旗にして、わずか30歳にして高山税務署長に就任してからは「生かさぬように、殺さぬように」と妙味を実際に体験しました。

国税庁長官に就任した際、全国30万人の税務署職員に向かって、「貧乏人は麦を喰え」「パンがなければお菓子を食べればいいじゃん」とのビデオメッセージを送り、拍手喝采を浴びたことは記憶に新しいことで、文書ではないので、これは簡単になかったことにすることができました。

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ただ、わたくし的に分からないのは君の出身高校を公開していないことです。

福島県の現在のいわき市出身。市立平一小、平一中卒は「広報いわき」に掲載されてますが、その後、東大経済学部卒で、高校名は非公開なのです。

「サンデー毎日」を調べると、1978年東大文科二類入学に君の名前を見つけましたが、東京の高校を卒業したことが分かりましたが、校名まで載っていませんでした。

まさか、麻布高校じゃないですよね?

麻布高校出身の官僚には、反政府主義者急先鋒の前川君(文科省)や古賀君(経産省)を産んでいます。

前川君が華々しくデビューした時、霞が関では「また、麻布か!」と大きな話題になりました。

霞が関では、大学は東大が当たり前ですから歯牙にかけられず、高校が話題になるのです。

恐らく、忠誠心の強い開成高校ではないかと思います。

開成高校は、「一強」安倍首相の熟読広報紙読売新聞のナベツネさんを産んだ忠義心溢れる高校ですからね。

【追記】
あくまでも創作ですから、渓流斎も佐川長官の顰に倣って、記者会見は開きません!

「資本主義という謎」の衝撃

大宮盆栽村 Copyright par Keiryusai

エコノミスト水野和夫氏と社会学者の大澤真幸氏による対談「資本主義という謎」(NHK出版新書)を読み始めております。

初版が2013年ということで、もう4年も前の本ですが、久し振りにエキサイティングな本で、知的好奇心を満足させてくれます。

この本は、「どうせお前さんには社会科学の知識が足りないだろうから」という友人の本山君が貸してくれたもので、当初は全く興味がなかったのに、読み始めるとグイグイ引き込まれてしまいました。「食わず嫌い」では駄目ですね(笑)。

大宮盆栽村 Copyright par Keiryusai

この本が面白いのは、あの共産主義であるはずの中国共産党まで染まった資本主義経済とは一体何なのか、その歴史的背景を担保にして明快に分析してくれていることです。

水野氏は、フェルナン・ブローデルやカール・シュミット、大塚久雄らの著作を引き合いに出して、大変説得力のある論理を展開しています。

特に、印象的なことは、資本主義の誕生と成長にはキリスト教、その中でもプロテスタント、もっと細かく言えばルター派ではなくカルバン派の役割が大きかったという説です。

その前に何故、資本主義が欧州で起きたかという素朴な疑問です。(水野氏は、資本主義の勃興を12世紀のイタリア・フィレンツェ説に賛同しております)近世ヨーロッパが大航海時代で海外諸国を植民地化してのし上がる前は、世界一の富裕大国だったのは中国でした。何故、その中国で資本主義が起きなかったのか?また、何故、国際的に商人が大活躍していたイスラム世界ではなかったのか?という疑問です。

この中で、中国に関しては、1793年に清の皇帝が英国のジョージ3世に宛てた手紙が残っており、そこには「我々の生産品と交換に異国の生産品を輸入する必要はない」とはっきり書かれていたそうです。

つまり、中国は遠方から財やサービスを輸入するほど国内ではモノ不足がなかったから、資本主義も発達しなかったわけです。

イスラム世界に関しては、利子を禁止されていたからというよりも、「コーラン」に書かれている相続法によって、遺産は多数の家族に厳格に等分に分配されるため、イスラム経済圏を膨張させる資本の蓄積が十分ではなかったからという説が有力なんだそうです。

大宮盆栽村 Copyright par Keiryusai

水野氏は、リチャード・シィラ、シドニー・ホーマー共著「金利の歴史」(紀元前3000年のシュメール王国から金利があった!)をもとに、利子率革命の歴史を辿って、資本主義誕生・発達の背景を探ります。

●1555年=ピークの9%(アウブスブルクの和議=神聖ローマ帝国内で初めてルター派が認められる)
●1611年=2%を切る
●1622年=4%台に上昇(英、蘭が東インド会社設立。仏ブザンソンの「大市」の支配者だったジェノヴァが、アムステルダムの「取引所」に取って代わられる)
●1648年=(カトリックとプロテスタントとの30年戦争終結のウエストファリア条約)

この間、利子を禁止していたカトリック教会の監視の目をくぐって、イタリアのメディチ家が為替のテクニックを使って、実質的に時間が金利を生んでいく手法を生み出していく様も描かれます。

時間を支配するのは「神」の独占特権事項だったため、教会の権力が強かった中世までは、カトリックが経済規範を握っていました。それが近世になって宗教革命~宗教戦争~和解などのプロセスを経て、資本主義の萌芽と成長につながっていくというわけですね。

これは実に面白い!