エリート教育の是非=牟田口廉也とジョン・フォン・ノイマンを巡って

 昨日は、このブログで、インパール作戦の最高司令官・牟田口廉也中将のことを書きましたが、彼がいくら「部下のせいで失敗した」と自説を主張しようと、9万2000人もの将兵をビルマの山岳地帯に置き去りにして、自分だけ一人で飛行機で逃げ帰ったのは歴史的事実です。

 彼は、この作戦で2万3000人もの将兵が戦死(主に餓死)したというのに、一切責任を取りませんでしたし、陸軍上層部も彼に責任を問わず、帰国後は陸軍予科士官学校長に栄転させています。

 日本人は、戦前も戦中も戦後も、トップは自分の責任を取らないし、責任を問われないということが、日本のお家芸であり、伝統であるという良い見本をみせてくれています。(となると、コロナ感染拡大について、菅首相が責任を取ることはないことは、容易に分かります。)

 戦前戦中は、今では考えられないほどの階級社会であり、エリート階級とそれ以外の庶民では天と地の違いがありました。将軍が雲の上の神さまなら、一兵卒は将棋の駒どころか、奴隷以下です。将軍ともなると、中には兵隊の人命など虫けら以下、と考えていたことでしょう。だから、インパール作戦のような無謀な作戦が立案できるのです。

 牟田口廉也は、何十倍もの競争率を勝ち抜いて、陸軍士官学校~陸軍大学を出たエリート中のエリートです。恐らく幼年時代は、「神童」と周囲から褒められたことでしょう。超秀才です。しかし、学業成績が良いとか偏差値が高いといったエリート教育だけでは、国家を破滅させるほど弊害があることが、牟田口の例を見ても実証されています。

 先日、面白い記事を読みました。西垣通東大名誉教授が書いた「天才ノイマンの悪魔的価値観」です(8月11日付毎日新聞夕刊)。ノイマンとは原爆を開発したマンハッタン計画に参加した天才科学者ジョン・フォン・ノイマン(1903~57年)のことで、その驚嘆すべき業績は、原爆だけではなく、人工知能など現代情報通信技術にまで広く及んでいます。ただ、ノイマンの思想にあるのは、徹底した科学優先主義と犠牲を顧みない非人道主義で、普通人の苦悩には無関心だったというのです。この下りを読んで、牟田口のことをすぐ思い起こしました。牟田口も成績優秀の秀才だったことでしょうが、犠牲を顧みない非人道主義者で、一兵卒の苦悩には無関心だったということです。

 つまり、頭の良さと人格、思いやり、優しさ、品性とは一致しない、ということを私は言いたいのです。天才に限って、不幸だったり、浪費僻や性格が悪かったりします(笑)。

銀座・「金目」本マグロ握りランチ1000円

 フランスのマクロン大統領も、最近、エリート教育の弊害に目覚めたらしく、自分の出身校でもあり、超エリート教育校で高級官僚の養成機関として知られる国立行政学院(ENA)の廃止を今年4月に表明しました。

 でも、私はエリート教育の反対者ではありません。試験で良い成績さえ取れば、たとえ貧乏な家庭に生まれようが、爵位がなく、卑しい家系であろうと(注=差別用語なのですが、あえて)、上流国民に這い上がれるからです。人間生まれながらにして不平等であり、親を選んで生まれてくることはできません。本人の努力で、しかも、試験で、チャンスをもらえるなら利用しない手はありません。

 ただ、エリートは何でも優遇されますから、本人が気が付かないうちに傲岸不遜となり、他人の犠牲はやむ得ないという思想になることでしょう。軍人とは言っても、高級官僚ですから、自分自身は、最前線に出ることなく、血の雨も見ることはなく、安全地帯にいて、飲食の心配をすることもないからです。

ですから、エリート教育だけではなく、落ちこぼれた人への敗者復活の機会や場所の提供、セイフティネットの充実と福祉事業も必要です。何よりも、傲慢なエリートたちの所業をチェックする機関とその人材育成も大切でしょう。となると、江戸時代の目付役のようなものも必要でしょうが、批判精神を持ったジャーナリスト、操觚之士の出番です。ジャーナリズムがその国の民度を表すというのは、正鵠を得ているのではないでしょうか。

焼肉が食べたくなって…

 コロナの新規感染者が、毎日のように「過去最多」を更新しているというのに、銀座を歩いていると10人に1人ぐらいマスクをしない輩を見かけます。バカップルも含め、老若男女問わずです。「ニュースを見ない人間なのか?」「他人に対する配慮に欠けている自己中か?」「自分だけはワクチン打ったから重症にならないと思っているのか?」「週刊新潮の読み過ぎなのか」…などと一人で色々と考えてしまい、いつの間にか、自分自身が「マスク警察」になっていることに気付きます。

 さて、テレビの「孤独のグルメ」を見ていると、結構の割合で何度も焼肉屋さんが登場します。主人公の井之頭五郎さんは、何でも、金に糸目を付けず、2人前も3人前も平らげてしまいます。ちょっと信じられない食欲だ、と思ってましたが、考えてみれば、漫画のフィクションの話でしたね(笑)。焼肉も、原作者の大好物だから、何度も題材として取り上げるのでしょう。

 その焼肉屋さんですが、あまりにも登場するので、機会があればランチで行きたいとずっと思ってましたが、やはり、銀座で食べるとなると高嶺の花子さんです。でも、思い切って、行ってみることにしました。

銀座・焼肉「天壇」歌舞伎役者のサイン色紙がいっぱい

 その焼肉店は、晴海通りを挟んで、歌舞伎座の向かいにある高層ビルの10階にある「天壇」という店です。店に入ると、入り口近くにずらっと有名人のサイン色紙が飾られていました。よく見たら、片岡仁左衛門丈を始め、歌舞伎役者がずらり。歌舞伎座が目の前ですからね。よく御利用されているのでしょう。(東銀座は松竹の本社もあり、業界人は「松竹村」と呼んでいます。松竹のライバル東宝の本社は、日比谷にあるので、日比谷が「東宝村」です。)

 緊急事態宣言下でどこの飲食店も客足が落ちていることでしょうが、人気・名店となると、それほど影響を受けない感じです。この店は、結構、お客さんが入っていて、入口でちょっと待たされました。

銀座・焼肉「天壇」天壇ロースランチ1650円

この店の正式名称は「焼肉の名門 天壇銀座本店 since 1965」でした。自ら「名門」と付けるぐらいですから、よっぽど自信があるんでしょうね。1965年に創業した本社といいますか、本店は京都の祇園にあり、出汁のようなタレで食すのがこの焼き肉店の特長だそうです。

 事前に下調べしてきたので、最初から注文するランチは決まっていました。 天壇ロースランチ(1650円)です。

 上の写真のように、ロース2枚が付いており、これにご飯、スープ、サラダ、小鉢、デザート、コーヒーが付いておりました。

銀座・焼肉「天壇」ロースランチのコーヒーとデザート

 お肉は柔らかく、上品な味で、韓国料理というより、もう和食でしたね。

 井之頭五郎さんのように、お肉は2人前、3人前食べたかったでしたが、遠慮して、その代わり、白御飯をおかわりさせてもらいました(笑)。

 周囲を見渡す必要はないのですが、やはり、独りで来ている若い男性も、美男美女の若いカップルも、富裕層というか、高価なネックレスや高級腕時計をはめ、お金には不自由しない雰囲気を皆、プンプンと醸し出しておりました。

 その時、どういうわけか、昔、池田勇人総理大臣が、「貧乏人は麦を喰え」と発言したことを思い出しました。(事実は、蔵相時代の池田さんが、米価が高騰していた1950年12月の参議院予算委員会で「所得の少ない方は麦、所得の多い方はコメを食うというような経済原則に沿った方へ持っていきたい」と答弁したため、これが「貧乏人は麦を食え」と伝わり、国民の顰蹙を買った。)

 この伝でいきますと、「金持ちは焼肉を喰え」てなことになるのかなあ、と思いながら、舌鼓を打っておりました。

ワクワク・メールがわんさか、わんさか

 最近、見知らぬ人からのワクワク・メールがわんさか来ます。

 先日は、ジェシカちゃんという若い女性から、「はーい、髙信さん! メールアドレス変えたので、こっちに返信してね」と来ました。ジェシカちゃん? うーん、誰だっけなあー?と思いつつ、特段の緊急の用がないのでそのままにしていたら、今朝は何と朝の5時に、今度はジェーンちゃんという女の子から、また同じ英語の文面が送られてきました。

そう言えば、先週は、ジュリアちゃんから「私はあなたの応答が必要です」と日本語で至急便が届きました。 

良い一日、私はあなたの資金をATMカード経由であなたに送金する義務があります。(中略)ATMカードがあなたに送られるように適切な手配をします。次のことを私に再確認してください。

1.あなたのフルネームとフルアドレス

2.私がいつでもあなたに連絡できるようにするためのあなたの直通電話番号

敬具、

 なるほど、なるほど。わざわざの御連絡、痛み入ります。

 そうかと思えば、先々週は、ケイトさんという年配の方から「あなたのメールはあなたのためにお金を獲得しました(完全な詳細を読んでください)」とのメールが、これも日本語で届きました。 

 私の名前はケイト・ジェームズ夫人です。私は81歳の子供がいない未亡人で、献身的なカトリックの女性であり、スコットランドの不動産業者です。私は11日目から不幸なcovid-19ウイルスと闘っていますが、医者は「私」は私の年齢のために生き残れないかもしれないと言いました。二日前、神の預言者が私のために祈るようになりました。そして私のために祈った後;預言者は私のお金をすべて見知らぬ人に分配するように私に言いました。(中略)今すぐ私の弁護士にメールで連絡し、あなたが18番であることを彼に伝えてください。そうすれば、「彼」から合計USD4,000,000.00が送られてきます。(後略)

 そうですか。わざわざ、「見知らぬ人」と正直に断っているところが素晴らしい。怪しい人ではなさそうです。しかも、外国人なのにとても流暢な日本語の文章を書かれる。Googleの翻訳ソフトも、人工知能(AI)もこんなに書けないでしょう。

 実は、この他に数十件のワクワク・メールが、私のメールボックスに充実しているのですが、最後に1件だけ御紹介致しましょう。 

 こんにちは、サー。私の名前はバンギ中央アフリカ共和国のニコラ・チャンガイさんです。私はあなたに送った私の電子メールの無応答に行う前にあなたと一緒に来ました。 そして、あなたの国の市民であり、あなたと同じ姓(姓)を持っている私の亡くなったクライアントに関する私の以前の電子メールを確認する機会を得たかどうか疑問に思いました。私はあなたの親戚/子孫および国籍である可能性があると信じていました。 より多くの情報と説明を喜んで提供します。ありがとう、よろしく、

 まあ、全く聞いたこともないアフリカの国からなのに、何と完璧な日本語。自分のことを「さん」付けするとは、相当、日本語に精通しているとしか思えません。こちらこそ、ありがとう、よろしくです。

このように、インターネットで国境を越えて見知らぬ人から瞬時に多くのメールが毎日、毎日届き、メールボックスは満杯になります。善意と利他主義精神に満ちていますね。やるじゃん、人間って捨てたもんじゃない。素晴らしい!

 それにしても、どうして私のメールアドレスが世界中に漏れたのかしら?えっ?何? 全く同じ文面のメールが貴方にも届いているんですか? あらまあ、あたしだけかと思ってました。。。

菅首相、お辞めになった方が

 8月と言えば、原爆忌と終戦記念日です。

 それなのに、日本という国家の最高権力者である菅義偉首相は、6日の広島市での平和記念式典のあいさつで、事前に官僚が用意した原稿の一部を読み飛ばしたり、9日の長崎市での平和祈念式典では遅刻したりしました。総理大臣としての資質と品性に欠けていると言わざるを得ません。

  特に、広島で読み飛ばしたのは「わが国は、核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国であり、『核兵器のない世界』の実現に向けた努力を着実に積み重ねていくことが重要だ」などといった箇所。一番重要な部分を読み飛ばすとは、確信的だったのではないかと疑惑を生むほどです。後で、「その箇所のページが糊付けされていたから」などと釈明したらしいのですが、白々しいもほどがあります。

 式典では、核禁止条約にも一切触れず、これでは、広島にも長崎にも、嫌々行ったことが見え見えで、被爆者の皆さんに失礼ではありませんか。歴代首相の中でも最低の部類です。

 この体たらくですから、安倍政権時代に「御用新聞」と揶揄された読売新聞までもが、「自民支持層も『菅離れ』」などと10日付朝刊紙面で大々的に展開しています。読売新聞の内閣支持率調査で、過去最低の35%だったらしく、「五輪で政権浮揚 不発」「首相の解散戦略に暗雲」といった見出しの活字が躍っています。

 御用新聞にまで見放されては、菅氏の命運も尽きた感じです。それに、「東京五輪開催とコロナウイルス感染拡大とは関係がない」と言い張る辺りは、よほど鈍感なのか、人の機微に触れることを理解できないのか、もう救いようがないのではないでしょうか。

銀座・ベトナム料理「ニャー」ハーフ&ハーフ(チキンカレーと海鮮フォー)ランチ1130円

 御用新聞といえば、日本で最初にこの名称を付けられたのは、明治7年、福地源一郎が主筆と社長を務めた東京日日新聞(後の毎日新聞)と言われています。同紙は、「太政官記事印行御用」を売り物にしていたため、世間では「御用新聞」と目されましたが、実は、同紙は社説などで常に政府を擁護したわけではなく、御用ではなく誤用だった、と「幕末明治 新聞ことはじめ」の著者奥武則氏は書いていました。

 しかし、世間の評判を覆すことが出来ず、福地源一郎は「御用記者」呼ばわりされ続け、ついに自ら新聞業界から離れ、明治22年、歌舞伎座創設など演劇改良運動にのめり込んでいくのです。 

 菅さんも来月末に任期満了で首相をお辞めになっても、テレビ改良運動の先頭を走るあの「東北新社」が席を空けてお待ちしているのではないでしょうか?

メダルかじった、はなおかじった

 何と言っても、オリンピックは番外編の方が面白いのです(笑)。

 名古屋市の河村たかし市長が8月4日に表敬訪問した五輪選手の金メダルをかじったことで、国内外で批判が高まり、市長は謝罪しましたが、海外では「市長が新型コロナウイルス対策を訴えるボードの前で、マスクを外してメダルをかんだ」(ロイター通信)と、皮肉を込めて報じられ、世界に大恥を晒しました。

 金メダルをかじられたのは、ソフトボール日本代表で、名古屋市出身の後藤希友選手で、同選手が所属するトヨタ自動車までもが抗議声明を発表する事態に発展しました。

 しかし、東京五輪組織委は「メダル製造で瑕疵(かし)があった場合のみ無償で交換対応するが、それ以外は対象外です」とし、たとえ、河村市長の歯形が付いたとしても、交換しないからねえーといった意味を込めて?、わざわざ声明を発表するほどです。ウイルス感染も心配なのになあ…。

 河村市長は「宝物を汚す行為で配慮が足りなかった。後藤選手には申し訳なかった」と陳謝しましたが、こんな市長を選んだのも名古屋市民ですからね。恐らく、この陳謝で、一件落着で終わることでしょうけど、河村さんが公費ではなく、自腹で弁償してあげれば一番スッキリすると思います。組織委は、有償なら交換してくれるんでしょ?

築地料亭「わのふ」ランチ「親子丼」1000円

 「メダルかじった」市長、と聞いて、「はなおかじった」先生を思い出しました。花岡実太と書きます。1966年に放送されたドラマ「忍者ハットリくん」に出演していた強烈な個性の先生で、よく、同僚の先生や生徒から「鼻をかじった」先生と呼ばれるので、いつも「鼻をかじった、ではにゃく、わたすは、花岡実太だ」と、東北のズーズー弁で反論するのがお決まりのパターンでした。

  「忍者ハットリくん」 は藤子不二雄原作の漫画を実写版ドラマとしてNET(今のテレビ朝日)系で放送されたものでしたが、私は子どもだったので、よく見たものですが、内容については、この「はなおかじった」先生のことしか覚えていません(笑)。

 今は便利な時代で、すぐ検索することができ、この花岡実太先生役を演じていたのは、谷村昌彦(1927~2000年)という俳優で、山形市出身だったんですね。喜劇役者としてスタートしましたが、時代劇からヤクザ映画まで幅広く出演していました。夏目雅子主演の「鬼龍院花子の生涯」や黒澤明監督の遺作「まあだだよ」にも出ていたこともすっかり忘れていました。

 谷村昌彦さんは、恐らく、もう若い人は誰も知らず、すっかり忘れ去られた俳優さんなんでしょうけど、昔の俳優さん、特に脇役の方は、今より遥かに個性的で強烈な印象を残したものでした。悪役の上田吉二郎なんか、いつも子分たちに「ムハハハハ、馬鹿野郎、早くやっちまえ」とハッパをかけて主役を食っていましたし、「悪魔くん」のメフィスト役などに出ていた吉田義夫なんか、本当にアクが強そうだった。.品川隆二は、近衛十四郎(松方弘樹、目黒祐樹の父)の「素浪人 月影兵庫」の焼津の半次役で滑稽な印象がありますが、その前に出ていた「忍びの者」では、石川五右衛門役をやったりして本当に怖かった。。。

 その点、今の主役級の俳優さんは、誰とは言えませんけど、偉大な俳優の二世、三世ばかりで、残念ながら、コマーシャルばかり出ているせいか、宣伝マンに見えて、魅力に欠けますね。雷に当たったような痺れるほどカリスマ性があった俳優は松田優作辺りが最後かなあ、と思っています。

 

残念!夏休みの宿泊旅行キャンセルしました

 「疑惑の松葉杖」「地面に触れないフシギの松葉杖」ー!

 何の話かと思いましたら、今最も注目されている音楽グループ小室ファミリーのリーダー佳世ちゃんが、借金問題を抱える元婚約者との面会を避ける目的で偽装し、パートで働く和菓子店に労災申請した疑惑があるというのです。

 この佳世ちゃん、ただの市井の人ならともかく、息子のラッパーKを、「令和の道鏡」として朝廷に入れようと画策しているので、その一挙手一投足が、世間の注目を浴びているわけです。

 こんな醜聞、週刊誌がほおっておくわけがありません。佳世ちゃんが、長期入院中だったはずの5月に松葉杖なしでスタスタ歩いている写真まで掲載しています。

 好きですねえ、日本人は。スキャンダルが。

新世界グリル 梵 銀座店

しかし、度が過ぎると大変なことになった例があります。明治44年、大逆事件で処刑された幸徳秋水は、「万朝報」の若き記者だったときに、伊藤博文ら元勲の妾のスキャンダルを次々と書き立てました。今でこそ幸徳秋水は冤罪だったことが明らかになっていますが、明治政府が幸徳秋水を処刑したのは、彼の危険な社会主義思想というより、過去に書いた記事の恨みつらみが当局の癇に障ったからだったようです。

 うーむ、確かに、大逆事件は、かなり露骨なでっち上げ事件ですから、その方が、納得がいきますね。

東京・銀座・新世界グリル「梵」ランチ「 ビーフヘレカツサンド・ハーフセット」1100円 セットじゃないとハーフサイズ1120円、アイスコーヒー460円ですからお得です。大阪発祥のお店らしいですが、こりゃ、旨い!

 さて、東京五輪を開催したせいなのか、コロナウイルスの感染拡大が止まりません。昨日(8月4日)なんか、国内最多の1万4207人が感染し、東京では4000人も突破して、4166人ですからね。このままでは、東京が5000人を突破するのは時間の問題でしょう。

 そこで、私は夏休みの宿泊旅行を諦めることにしました。先月読んだ佐藤賢一著「日蓮」(新潮社)の影響で、8月中旬に、山梨県の身延山久遠寺の宿坊と近くの下部温泉の旅館に先月予約しましたが、昨晩キャンセルしました。

 もう2週間を切っているので、キャンセル料を覚悟していたのですが、宿坊の女将さんは「この事態ですから、キャンセル料はお取りしませんよ」と言ってくださいました。温泉宿の年配の御主人は、声色から、しょうがねえなあ、といった感じでしたが、結局、キャンセルを認めてもらいました。確かに、観光業者の皆さんは小生だけでなく、キャンセル攻勢に辟易していることでしょう。コロナが収束したら、名誉挽回、汚名返上でまた予約するつもりですので、許してつかわさい。

 目論見が甘かったとしかいいようがありません。7月末に2回目のワクチンを打ったので、8月は大丈夫だろう、と思っていたのですが、想像以上の感染拡大です。全国都道府県知事会も、県境を越えた移動の自粛を要請しました。ワクチンを打ったからといって、感染しないという保証は全くなく、何と言っても、自分より他人様に御迷惑をお掛けしてはもってのほかですからね。

 とにかく、命あっての物種です。日本人は、マナーを守る素晴らしい国民なんでしょ?皆さんも、今は我慢の時期です。

緊急事態宣言・疫病下の東京五輪狂詩曲

 宰相のガースーさんは「もう民百姓の面倒は見きれん」と、ついに匙を投げてしまいました。「もうどこの病院も患者でいっぱいじゃ。疫病に罹ったら中等症でも長屋で黙って寝ていろ!」と御前会議での勅許を得ることなく、記者会見も開かず勝手に通達してしまったのです。

 これに怒った水戸浪士たちは桜田門外で、ガースーを待ち伏せておりましたが、ガースー宰相は、予定を変更して、東京・虎ノ門のホテル「The Okura Tokyo」内のレストラン「オーキッド」で秘書官と朝食を楽しんでおりましたので、難を逃れました。

 巷では、東海道五十三次飛脚大合戦と浜名湖古式遠泳競技大会の真っ最中で、これに参加した邦人と異人との間で疫病蔓延が拡大しているのではないかというのが、適塾の緒方洪庵先生の見立てです。

築地・手打そば「つきじ文化人」フランス語講師のベルギー人ローランさんが板前さんやってました

 感染拡大を怖れた庶民があれだけ大会開催に反対したというのに、国際遊戯委員会のヨハン・セバスチャン・バッハ男爵と、米南北戦争の北軍の英雄で、電気紙芝居会社を起業したエヌ・ビーシー会長らの策略で開催は強行されました。全ては天保通宝の威力の賜物でした。お主も悪やのお~、あれです。

まさに、飛脚合戦と遠泳大会は、国際政治の策謀と渦に巻き込まれました。旧おろしや帝国の流れを汲むベラルーシ国の最高責任者ルカシエンコさんという大統領(66)は、「欧州最後の独裁者」と言われ、「大会でメダルを獲らずに帰国したら、牢屋に入れちゃうからねえ」と派遣選手団を脅迫したらしく、女子飛脚大会で予選敗退したツイマノウスカヤ選手は母国帰国を拒否して、ピアノの詩人ショパンを生んだポーランドに政治亡命することになりました。3年後の巴里大会には、 ツイマノウスカヤさんは、ポーランド選手として参加するかもしれませんが、彼女のご両親やご家族はどうなってしまうのか心配です。

それにしても解せないのは、ドーピング違反で出場停止処分を受けたおろしあ国が、国としてではなく、おろしあ遊戯委員会(ROC)だったらいいよぉーと、個人参加が許されたり、香港が優勝しても、他の国の異次元の国歌が会場で流れたりしたことです。誰も「おかしい」と声を大にして叫ばないんですからね。不思議です。

築地・手打そば「つきじ文化人」淡雪せいろ1080円

 そもそも、熱中症が危険視される猛暑のニッポンの夏に大会を開催すること自体が間違いの元です。NBA、大リーグ、アメフト、サッカーとドル箱の競技が目白押しの秋のシーズン開催を避けたいという電気紙芝居エヌ・ビーシー会長の思惑と策略によるものです。

 蝦夷地も、このところ、日中は35度に迫る猛暑で、せっかく江戸開催のマラソンと競歩を蝦夷地への移転開催を決めたというのに、これでは、効果ないかもしれませんね。蝦夷地で選手がバタバタ倒れないことを祈るばかりです。

 あらあら、もっと明るい前向きな話をしたいのに…、うーん、ちょっと無理ですかねえ。

タイ料理を食して昔のタイ旅行を思い出す

 昨日は、東京・銀座のベトナム料理専門店「ニャー」に初めて行った話を書きましたが、そのお店の近くにタイ料理専門店があるのを偶然見つけました。

 「よし、いつか、行ってみよう」と思っていたら、今朝の校正原稿の料理記事の中に「ナンプラー」が出てきました。ナンプラーはタイ料理に欠かせない「魚醬」です。え?また、タイ料理?昨日今日の話ですから、これは「神の啓示」ということで、本日、その店に早速行ってみました。

銀座7丁目「バンコクナイト」

 7丁目にある「バンコクナイト」という店です。人気店なのか、緊急事態宣言下なのに結構満員でした。50人以上は入れる結構大きな店です。意外にも、お客さんは、若い綺麗な女性が多いのです。しかも、給仕してくれるお店の女性も、マスクで目しか見えませんが、結構瞳が大きく、かなりの美人さん。真っ直ぐ伸びた綺麗な黒髪で、日本人かと思ったら、「タイ人なんでっすぅ~」。

 こりゃあ、鼻の下が長いおっさんがリピーターになるはずです。この日は、残念ながら、私の隣に座ったお客さんは、30代後半か40代前半の男の野郎さん3人組のビジネスマン風で、「タイの駐在の日本人は10万人もいるんだよ」と、何となく3人の中の1人は、タイ駐在歴があるような感じでした。

銀座7丁目「バンコクナイト」ランチ「ガパオ バイトン」(鶏肉のバジル炒め)1070円

 私が注文したのは、 ランチ「ガパオ バイトン」(1070円) でした。日本語では「鶏肉のバジル炒め」となっていました。ドリンクバーが付くのでリーズナブルな価格だと思います。

  「ガパオ バイトン」 の中に、料理記事に出て来た「ナンプラー」が入っていたのかどうか…、恐らく入っていたんでしょうね(笑)。東南アジア料理特有のスパイスが効いていて、自然と額から汗が出てきました。まあ、食欲が落ちる猛暑の夏にはピッタリでしょう。

 あれっ?結局、本日も「銀座ランチ」の話になってしまいましたね。

 それが何か?

 タイには、大昔、まだ私が20代だった頃、会社の同期のM君に誘われて夏休みに一度行ったことがあります。何処かのツアーに潜り込んだのですが、1週間ぐらいの日程で、11万円だったという金額だけはどういうわけか覚えています。バンコクを中心に寺院巡りをしたり、リゾート地、プーケット島では、スカイダイビングをしたり、モーター艇に乗ったり、かなり愉しみました。勿論、その時、生まれて初めてタイ料理を体験しました。

 このタイ旅行では、若気の至りの武勇伝もありますが、さすがに茲では書けませんね(笑)。

 お後がよろしいようで。

ベトナム料理を食べながら1泊300万円には憤慨

 猛暑の中、米国のテレビ放送権のために東京ではオリンピックをやっているようですが、それより、私自身、さすがに食欲も落ちてきました。

 暑い時には何を食べたらいいのか?

 真っ先に思い浮かぶのは、カレーですが、そうしょっちゅう食べてもいられません。そうだあ!ベトナムにしよう!猛暑のときは、東南アジア料理が一番です。先日、銀座のカレー屋さん「アナム」に行った時に、近くにベトナム料理店を見つけたので、今日はそこに行ってみよう!

 でも、まさか、本日のブログのテーマも「銀座のランチ」じゃないでしょうね? ジャーナリストを自称しているのなら、少しは社会問題、国際問題、経済問題に触れたらどうかね?

 …そんな声が聞こえてきそうですが、皆様のお声はしっかり心の内に受け止めて、誠心誠意、皆様の安心安全を留意しながら遂行していきたいと存じます。

 これでも、結構、ランチを求めて、銀座の隅々を歩いているつもりですが、このベトナム料理店「ニャー」を知ったのは初めてでした。結構、広いお店で、銀座にあるベトナム料理専門店の中でも一、二を争う広さかもしれません。単に私だけが知らなかっただけで、知る人ぞ知る有名店かもしれません。

 まあそうなんでしょう。私が入店したときは、30~40人のお客さんがいたでしょうか。緊急事態宣言下なのに、店内は超満員でした。(12時45分を過ぎると結構空きました)

銀座「ニャーヴェトナム」ランチ「バインミーのハーフセット」ドリンクバー付き1150円

 ベトナムには、ハノイ、ハイフォン、ホーチミン、ビンズオンなど仕事と旅行で何度が行ったことがあるので、私はベトナム料理は大好きです。早速、フランスパンのサンドイッチ=バインミーとシーフード・フォーのセットのランチを注文しました。

 あれだけ食欲が減退していたのに、食が進みました。懐かしいベトナムの味です。バインミーには私の嫌いなパクチーが入っていましたが、これぞ、ベトナムといった感じでした。

 ベトナムの思い出と言えば、私の世代は悲惨なベトナム戦争のイメージが強いのですが、6~7年前に初めてベトナムに行った時は、戦争の惨禍は、ホーチミンの「戦争証跡博物館」に行かなければ分からず、街中は、非常に綺麗で清潔感があり、非常に驚いたものでした。(ただし、街中はバイクだらけで、通りを渡るのも一苦労でした)当時、ベトナム人の平均年齢は27歳だとかで、若い人でいっぱいでした。でも、逆に言えば、年配者は戦争で亡くなっていたということなのでしょう。また、旧宗主国だったフランス語が全く通じなかったことも少し驚きでした。

 で、これで話が終わってしまっては、「なあんだ、また、銀座ランチの話かあ」なぞと、何や、かんや言われそうなので、追加を書いておくことに致します。

銀座「ニャーヴェトナム」

 今朝の毎日新聞を読んでいたら、国際オリンピック委員会(IOC)会長のバッハさんは、目下、1泊300万円の東京・ホテルオークラのスイートルームにお泊りになっていることを知りました。1泊250万円に値引きしたという説もありますが、割引は、滞在が1週間や10日ではなく、まあ1カ月ぐらいにはなるからでしょう。30日で7500万~9000万円ですか。…まさに、王侯貴族並みですね。失礼、彼は既に「ぼったくり男爵」として有名な「貴族」でした。

 私は「東京五輪強行開催のせいで」と言いたいのですが、コロナウイルスの急激な感染拡大が止まりません。7月31日は、東京で、ついに4000人超えの4058人が感染者を出しました。もう皆さんお忘れでしょうけど、東京五輪開催が1年延期された昨年3月24日の時点で、東京都の新たな感染者数はわずか17人でした。

 あんとき17人で大騒ぎしていたというのに、4000人超えても冷静な東京人は、もう感覚が麻痺しているというほかないでしょう。

 私は東京五輪開催前から感染拡大の恐れがあることをこのブログに書いてきましたが、何を書いてももう無駄な気がしてきました。そのうち、変異した「東京株」が世界中に蔓延したとしても、1泊300万円のスイートルームに泊まっているIOC貴族は絶対に責任取らないでしょうからね。

 それにしても、1泊300万円なんて、何が御用意されているのか想像もつきません。ワインセラーには1本200万円のロマネコンティが、当然のように「飲み放題」で鎮座しているんじゃないかと想像しますが、庶民の想像の限界はそこまでです。

ネット詐欺に騙されるな!=私の経験から

 いつの間にか、自分でも信じられないスピードで高齢者になってしまい、日々、是れ思ふことは、社会の第一線から離れてしまい、別に悲しくはありませんが、「終わった人」になってしまったなあーという感慨です。

 今、第一線で大活躍されている大学の准教授クラスとなりますと30歳代です。彼らは大体、1980年半ば以降生まれとなりますので、東西冷戦もソ連も知らない世代です。例えば、今、「人新世の『資本論』」(集英社新書)がベストセラーになっている斎藤幸平大阪市立大准教授(34)は、旧ソ連時代の記憶はなく、むしろ人生で大きなインパクトがあったのは、リーマン・ショックであり、気候変動問題であり、東日本大震災による原発事故だったといいます。(8月1日付朝日新聞「グローブ」)

 となると、スターリンの粛清やシベリア抑留を身近に話してくれる人もいなく、日本の連合赤軍事件も知らないので、共産主義の怖さやアレルギーもないと思われ、日々重要な関心課題は、SDGsであり、ダイヴァーシティーの問題だと思われます。今の現役世代は、我々の世代のように、高度経済成長も、バブルも知らず、色んな拘束でがんじがらめで、生き抜いていくのが大変ですね。

 (今注目されているフレヴニューク著「スターリン」(白水社)によると、1930年代のソ連スターリン政権下では、飢饉のため500万人から700万人が餓死し、70万人以上が粛清で処刑され、ドイツ戦では2700万人もの人命が奪われたといいます。これまで、ソ連の「大祖国戦争」での損害は1000万人とも2000万人とも言われていましたが、最新資料では2700万人とは!…驚きを超え、茫然自失となります。北方領土問題が解決しないはずです)

 いつの時代でも世代交代があり、「老兵は消え行くのみ」と言われますが、過去の歴史的事実だけは忘れてほしくないと思っています。

 老兵は、老兵なりに小言を言うなり、気になることは、発信していきますよ。

東京五輪開会式前日。銀座に異様な雲? あれは、どうやらブルーインパルスだったようです

 まあ、新聞を読んでも、書く記者がそうなのですから、若い現役世代ばかり登場するので、私自身は日々、世代間ギャップを感じながら生きているのです。

◇ネット詐欺には気を付けろ!

 ところで、昨晩は週末の土曜日ということもあり、お誕生日プレゼントで頂いた冷酒を少し、きこしめしてしまい、もう少しでネット詐欺に引っ掛かるところでした。

 悪者はフェイスブックです。やってる方は御存知のように、毎日のように、知らない方からも「友達リクエスト」や「知り合いかも」といった通知が頻繁に押し寄せてきます。昨晩も「友達リクエスト」が来ました。その方は、大富豪の有名人で、学生時代の友人のA君の友人(紹介?)だったので、信頼して「友達」になってみました。ま、酔狂でやってみたのです。

 そしたら、すかさず、その大富豪から「おめでとう御座います。当選しました。下のリンクから登録して頂ければ、10万円が当選します」とメッセージが来たのです。その大富豪は、余ったお金を巷にばら撒くということで有名な人なので、「そっかー、やったー」と、私も調子に乗って登録してみました。私自身は、普段は「石橋を叩いても渡らない」慎重な人間なので、きこめしていなければ、普通、そんなことはやらないんですけどね(笑)。

 その「登録」ですが、名前と郵便番号、メールアドレスを入力するところまでは分かりましたが、メルアドのパスワードを入れないと次に進めません。これでやっと少し目覚めたのですが、何しろきこしめしているわけですから、次に行きたいという思いが強くて、パスワードも入力して次に進んでみました。

 そしたら、今度は、クレジットカードの番号を入れたり、暗証番号も入れたりしなければならなくなりました。「何も買っていないのに、何でクレジットカードの番号を入力しなければならないのか?現金を振り込んでくれるのなら銀行口座なのでは?」。これでやっと目覚めました。

◇スーパーボランティアの尾畠春夫さん

 そこで、メッセージに「私は、スーパーボランティアの尾畠春夫さんのように貯金はなく、月5万5000円の年金で生活していますが、やりたいことをやるのに足りるので十分です。さようなら」と書いて返信しました。(恐らく、相手は人工知能=AIだったでしょうが)

 そしたら、また、顔写真だけは本物の大富豪を自称する詐欺師AIから「全てを登録しなければ当選金はもらえませんよ」としつこくメールしてくるのです。いくら学生時代の友人A君からの紹介?だからといっても、さすがに酔いも醒めました。勿論、詐欺師の「友達」も取り消し、メッセージも消去しました。フェイスブックは、無責任にも、こんな詐欺師を野放しにしているんですかねえ!!危ない、危ない。A君は大丈夫かしら?心優しい人間なので、引っ掛かったりしなければ良いのですが…。

 皆さんにとっては、信頼しているFacebookなんでしょうけど、気が緩んだ土曜日の夜は、くれぐれもご用心を!

 これも若い世代なら決して騙されることはないんでしょうから、シニア世代は特に要注意です。