愛読者の皆様のご質問に答ふ

 Hyakkodouate

私は生来、気が小さいことを売りにしているので、コメントは毎日のようにチェックしております(笑)。

例えば、1月24日に投稿した「【番外編】『渓流斎日乗』とは」に関するコメント。

何と言っても、「電脳空間倫理管理委員会」なる組織が存在するとは知りませんでしたね。その主幹様からのご指摘で、「新しいブログに写真が少なくなった」とありましたので、お応えしましょう。

まず、小生、アナログ人間なので、IT技術に精通していないという理由が挙げられます。以前は、「gooブログライター」というアプリケーションがあり、とても使いやすく、写真は何枚でも何十枚でもコピペで素早く添付しやすく、しかも、大きさを換えたり、順番を換えたりするのはお手の物。ですから、まず、写真をベタベタ貼り付けて、それに合った文章を写真を見ながら楽々と書けたのです。それが、どういうわけか、この「gooブログライター」は廃止されてしまったのです。

今は、「新規投稿」をクリックして、一々写真を選び出して、添付する手作業で、あまり、写真を重視していないので(笑)、飾りとして付けているだけなのです。しかも、大きさを調整しにくいので、何枚も添付するのが面倒になってしまったのです。もう一つ、今、パソコンは、OCNのモバイルWiFiを利用しておりますが、既に、契約の「10GB」を超えてしまったのです。最初は「3GB」で足りないので「5GB」にしたのですが、「10GB」でも足りないことが分かりました!

(ですから、ソフトバンクの新料金の格安プランの「1GB」は、確かに格安にはなりますが、1GBでは、すぐなくなってしまうことでしょうね。)

電脳空間倫理管理委員会主幹さんから「237万余のブログのうち堂々の9千位」とのお褒めのお言葉に与りましたが、実は「第二版」では、700何位か、800何位になったことがあるんですよ。証拠がないので、証明できませんが、3桁位になったことは間違いありません。ただ、当時は全体のブログは150万余でしたから、比べようもありませんが…。それにしても、最近、また、ブログのような過酷な無償労働をする奇特な方が増えたもんですねえ(笑)。

もう一つ、1月26日(昨日ですか…)に投稿した「SMAP解散騒動余波」についての、「一番の星」さんからの「キムタクはしたたか この言葉絶対許せない 本人の何を知っているのでしょうか?」との「不信感」。…しかと受け止めました。

恐らく、「一番の星」さんは、検索をかけてチェックして、たまたま通りすがりでこのブログに行き着き、不愉快な内容に衝動的にコメントされたことでしょう。ですから、恐らく、もう二度とこのブログをお読みになることはないでしょうから、弁明してもしょうがないのですが、恐らく熱烈なファンか、身内の方のどちらかと思われますので、敢えてお応えします。

木村さんとは、私は10年以上昔に一度お会いしただけなので、「素」の本人のことは何も知りません。「一番の星」さんの仰る通りです。ただ、今でも、今回の件で週刊誌に載っていた事務所のある方とは毎年、年賀状を交換して近況を聴いたりしております。生意気ですが、芸能界の内幕については、ある程度、普通の人以上に知っているつもりだったので、「高飛車だ」と取られたように思われまする。

しかしながら、「この言葉絶対許せない」は、ちょっと脅迫じみておりますねぇ。最初に書いた通り、私は「気が小さい」ですから、ビクビクしながら、今後の成り行きを見守っていきます。このコメントも本文も削除しませんし、また、異議異論があれば、「一番の星」さん、懲りずにコメントしてください。

嗚呼、電脳空間倫理管理委員会主幹さんがご指摘された通り、新しくブログを再開して、随分「理屈っぽく」なってしまいましたね(苦笑)。

SMAP解散騒動余波

Nouukavilla

この渓流斎ブログは、速報性を重視していません(笑)。ですから、またまた古い話を持ち出します。

 SMAPの解散騒動のことです。(何しろ、一国の総理大臣がコメントするぐらいですからね!)

 昨日、ラジオを聴いていたら、東浩紀さんという評論家が、津田大介さんというパーソナリティと対談していて、「SMAPの謝罪会見は、40歳過ぎの大人がやるものではない。日本は、あそこまでしないと許されないものか、と恐ろしさを感じる」といったような趣旨の発言を、かなりテンションの高いボリュームでしていたものですから、またまた興味を持ってしまったわけです。

 そこで、見ていなかった1月18日のCX系で放送された「スマスマ」の「生放送」を、私も興味津々でアイチューブ、いやユーチューブで見てみたのです。

 吃驚しました。東さんの言う通り「あそこまで」という感じでしたね。まるで、晒し者です。

 【未公開映像】では、リーダーの中居君が、涙をぬぐっている場面がありました。まるで、クーデターに失敗した「敗軍の将」のようでした。いや、「将軍」扱いさえされていません。中央にキムタクが陣取り、リーダーの中居君は画面に向かって左端に追いやられ、発言も最後から2番目。完全に権威が失墜した有様を暴露してしまったようです。芸能界も政治の世界も変わらないんだなあ、と思いました。

 SMAPは、不祥事を起こした企業の幹部のように、深々と頭を下げて「謝罪」していました。でも、誰に対して?そりゃあ、事務所の社長や副社長や次期社長に対してでしょう。(私も週刊誌を読んだりして、このクーデターの経緯について勉強しましたよ=笑)

 やはり、キムタクの計算高い無情な「したたかさ」を感じましたね。先輩の動向を冷血に伺い、事務所を独立した田原のトシちゃんと、事務所に留まって「大御所」になった近藤マッチを比較したのでしょう。SMAPは、デビューして3年も鳴かず飛ばずの苦労をしたので、芸能界の移ろいは、身に染みて感じていたのでしょう。結果的に、独立したトシちゃんは芸能界から干され、マッチの方は、事務所のトップに君臨して、モーターレースなど自分の好きなことができる環境に恵まれたわけですからね。

 キムタクは、したたか、と書きましたが、情にほだされず、一番頭がよかったということでしょう。また、自分の力を過信していない冷静さを保持し、事務所の力を認知していたということですね。キムタクなら、最後まで芸能界に残るでしょう。他の4人は今後どうなるか分かりませんが。

 いみじくも、リーダーの中居君は、以前ほかの番組で「アイドルは8年サイクルなんですよ。世代交代するし、8年持てば十分。俺たちはもう25年以上やっているからね」と、かなり冷静に分析していたのですが…。

 ちなみに、私のフリークであるビートルズ4人の活動は、1962年から、正確には69年までのわずか7年間だけでした。

 

「分からない」ということ

Noukyavilla

昨日は、大関琴奨菊が日本出身力士としては、10年ぶりに優勝して大騒ぎでした。

「日本出身力士」というと江戸時代の人は、さぞかし違和感を覚えることでしょうけれど、この10年間は、春場所でも秋場所でもなく、全て「モンゴル場所」になっていましたから、私は、「日本出身人」として、素直に嬉しく喜ばしかったです。ま、これ以上書くと、不特定多数の人が目に触れるブログですので、差し支えることにもなりかねないので、やめておきます(笑)。

また昨日は、と書きますが、列島全土に異常な寒波が押し寄せて、南国奄美大島では、何と明治34年(1901年)以来115年ぶりに降雪が記録されたそうでね。大した魂消た。ちなみに、この年は、福沢諭吉が亡くなり(享年68)、官営八幡製鉄所が竣工し、田中正造が足尾銅山鉱毒事件で、天皇に直訴した年であり、世界では、英国自治領としてオーストラリアが発足し、英ヴィクトリア女王が逝去した年でもあります。ちょうど、ロンドン留学中の夏目漱石が、女王の葬列を見送ったといいます。

南国に100年以上ぶりに雪が降るなんて、「異常気象」に他ならない、などと人間は、言葉で納得する動物です。そして、「エルニーニュの影響」などと説明されれば、さらに理解度が深まります。

さて、話が飛んでしまうようですが、今朝の新聞で、「週刊ポスト」と「週刊現代」の広告が出ておりまして、「ポスト」が「わずか半年で株価2万3000円まで大反騰する」と力説する一方、「現代」の方は「株価1万4000円割れへ 急いで逃げろ―世界経済の潮目が変わった」と真逆の悲観論を展開しております。

一体、どちらが正解で、どちらが当たるのでしょうか?(いずれにせよ、勝負がどうなろうと、その頃、読者は忘れ、すべて自己責任ということで、メディアの誰も責任は取りませんが)

私の答えは、「分からない」が正解です。

一体誰が、昨日、115年ぶりに奄美大島で雪が降ると予測しましたか? それに、正確にいつどこで地震が起きるのか、世界中の叡智を集めても分からないそうではありませんか。

それでも、ヒトは「分からない」では納得できず、何らかの意味づけをして、分かったようなふりをして、刊行物を発行して売り上げを伸ばそうとします。

ま、「踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら踊らにゃ損、損」という流れで世の中は動いていきますから、私は単なるひねくれ者か、皮肉屋かもしれませんけど…(笑)

【番外編】「渓流斎日乗」とは

Jakarta

既に、お気づきの方も多くいらっしゃるかと思いますが、このブログのタイトルは、「新・渓流斎日乗」から「渓流斎日乗(最新版)」と名称が変わりました。(アクセスが増えれば、「最新版」もカットするかもしれませんが)

私がブログを始めて、もう10年以上経過しますが、一番最初のブログ(2005年3月15日~2008年7月23日)を、「旧・渓流斎日乗(初版)」 としました。

そして、つい最近まで少しやっていたFC2ブログ(2015年11月6日~21日)を「旧・渓流斎日乗(第三版)としました。(ちょっと、アダルト系とゲーム系の宣伝があまりにも多すぎるのでやめてしまいました)

ですから、今皆さんがご覧になっている渓流斎ブログは、この「最新版」(2015年11月20日~)となるわけです。

えっ?「第二版」はどうしたのかって? はい、それが、私自身の勘違いと手違いでこの電脳空間から消え去ってしまいました。誰かさんの仰るように、マダガスカル辺りのサーバーに残っていれば復活できるかもしれませんが、永久に見ることができなくなってしまいました。

「第二版」は、恐らく2008年7月24日から2015年8月まで約7年間書き続けました。東京・銀座にある超高級理容室「米倉」を自腹で体験してみたり、京都の名刹の東京別院で座禅したリポートを掲載したりして、大きな反響を呼び(笑)、300万アクセス到達を目指しておりました。

困ったことは、自分自身の「備忘録」として書いていたので、自分で自分のブログを検索して、記憶を取り戻したりしておりましたが、消滅してしまったので、ほとんどの内容ははっきりと覚えていないということです。(爆笑)

「消滅」は事故みたいなものです。起きてしまったことは、起きてしまったことなので、諦めるしかありません。

ただ、残念なことは、多くの友人知人や酋長、大将らから許可を得て掲載した画像や動画や、皆様からの貴重なコメント等も一緒に消えてしまったことです。そのことについては、大変申し訳なく思っております。

これらの話は、長年ご愛読されておられる方々は、よくご存知でしょうが、もしかして、今日、たまたま「通りすがり」で、この渓流斎ブログを目にする方もいらっしゃるのではないかと思い、老婆心ながら、【番外編】として掲載させて頂くことにしました。

皆様のご健勝を祈念申し上げます。

恐惶謹言

渓流斎朋之介

過去3週間の閲覧数・訪問者数とランキング(週別)
日付 閲覧数 訪問者数 ランキング
2016.01.17 ~ 2016.01.23 1855 PV 756 IP 9111 位 / 2375503ブログ
2016.01.10 ~ 2016.01.16 1611 PV 709 IP 9155 位 / 2368291ブログ
2016.01.03 ~ 2016.01.09 1603 PV 729 IP 9079 位 / 2361850ブログ

思いやり予算

Gallieni

  新聞の片隅に「思いやり予算」の記事が載っていました。

 「思いやり予算」とは、ご案内するまでもなく、在日米軍駐留経費の日本側負担金のことです。

 2011年から15年度までの5年間で、9332億円でしたが、2016年から20年度までは、133億円値上がりして、総額9465億円になるそうです。

 5年間ですから、1年で、1893億円。
      1カ月で、157億7500万円。
          1日で、約5億円。

 ですか!?…。 

 うーむ。これで、日本は安心ですかぁ…

 戦後民主主義教育を受けてきた私なんかは、占領軍のことを「進駐軍」と教えられ、(言いくるめられ)、GHQは、悪い軍国主義者を公職追放して民主主義の道を開いた解放者と叩き込まれました。

 しかし、事実は、彼ら占領軍が、何もボランティアで手弁当でやってきたわけがなく、戦勝国として、敗戦国を占領、支配するためにやってきたわけで、駐留経費は全て日本側持ち。その上で、司法、立法、行政に至るあらゆる権力を戦後約7年間、掌握しました。(建前上、主権は日本側にありましたが、実質、GHQの顔色を窺った傀儡政権でしょう)
 敗戦で国家財政も破綻していた時期に、よくも当時の日本政府は、「思いやり予算」を献上できたものです。

 もしかしたら、現在の貨幣価値に換算するとそれほど変わらないのかもしれません。(ちゃんと調べなければなりませんが、学校の授業で「占領時代」のことは、時間がなくなったということで、習うことは一度もありませんでした)

  いまだに国民の税金で「思いやり予算」を献上しているということは、日本は現在でも、占領状態と変わらないような気がしてきました。

甘利大臣とベッキーのスキャンダル

Noukuavilla

 久しぶりに雑誌ジャーナリズムの真骨頂をみせてくれましたね。昨日発売された「週刊文春」の「TPP立役者に重大疑惑 甘利明大臣事務所に賄賂1200万円を渡した 口利きの見返りに大臣室で現金授受」の記事のことです。(なお、渓流斎ブログは、速報性は重視していません=笑)

 「実名告白 現場写真 音声公開」とありますから、「タレこみ」、いや失礼、「持ち込み」ネタでしょうが、それにしてもアッパレです。公設秘書のあからさまな「驕り」「たかり」が如実に描かれ、「いやあな感じ」を受けました。

 先日ラジオを聴いていたら、月刊「創」の篠田博之編集長が登場し、今の出版界の惨憺たる有様を嘆いておりました。10年前と比べて、雑誌の発行部数が半分になったというのです。公称100万部、200万部を誇っていた週刊ポストは、既に過去の栄光で、今一番売れている「週刊文春」も公称60万部程度だというのです。
 
 単行本も特にノンフィクション関係が売れず、「調査報道」に力を入れていた「月刊 現代」などが次々と休刊されて、ライターの行き場(生き場?)がなくなった、と絶望気味に明かしていました。

 ジャーナリズムがなくなれば、財界と政治屋の贈賄収事件や、社会の不正が暴かれることなく、闇に葬られます。ネット情報なんぞは、素人が多いので、エンタテインメントとしては有効でしょうが、やはり信頼性に欠けます。

 甘利大臣は「記憶にない」「しっかり調査して説明責任を果たす」と言い逃れしていましたが、「実名告白 現場写真 音声収録」というこれだけ「証拠」があれば、限りなく真っ黒ではないでしょうか?

 週刊文春は、タレントのベッキーさんの「禁断愛」も3週にわたってスクープしていますね。ベッキーさんと「ゲスの極み乙女」の川谷さんの二人のLINEでの「会話」がダダ漏れになっているのです。ネタ元は誰か?身近な人と推測されていますが、それでほぼ間違いないでしょう。(皆様も気を付けましょう。他人に見られない秘策があるらしいですので、いつかお教えしましょう=笑)

 面白かったのは、二人はLINEで、「文春のおかげで、オフィシャルになったね」「ありがとう文春」などと、自虐的に(?)交わしているのです。ベッキーさんは最後に「Sentence Spring」と書かれていて、え!どういう意味かな?と思ったら、「Sentence=文」「Spring=春」で「文春」のことですって!

 まあ、公共の(笑)「渓流斎ブログ」で随分、「週刊文春」の宣伝をしてしまったものですね(笑)。
 
 いや、訂正します。「頑張れ!雑誌ジャーナリズム!」

山崎元著「投資バカにつける薬」

 Nouchavilla

1月13日に書いた渓流斎ブログ「人間にはひねくれた性質があるらしい」に「金満家」さんから貴重なコメントを頂きました。

あのコメントを読んで、私も発奮しましたよ。何しろ、私は自他ともに認める金融リテラシーが大幅に欠けた人間ですからね(笑)。

難しいことは分からないので、やさしそうなものを片っ端から読んでみました。例えば、小宮一慶著「現金は24日におろせ!」(KKベストセラーズ)、同著「お金を知る技術 殖やす技術」(朝日新書)、澤上篤人著「10年先を読む長期投資」(朝日新書)等々です。

なるほど、世の中、こういう金融システムで動いているのか、と入門書としてなかなか勉強できました。

ただ、一番ショックを受けたのが、例のコメントをして下さった「金満家」さんが名前を挙げた山崎元氏の著書でした。「投資バカにつける薬」(講談社)という本です。

実は、まだ途中なのですが、目下、「金融リテラシー界」(そんなもんないですか=笑)で広まっている「常識」に果敢に挑戦し、「こんなことを暴いたら、金融界のボスから暗殺されるのではないか」と思わされるぐらい、著者は、金融界の内幕を暴露しています。

これまでの社会通念といいますか、「常識」への問いかけとその反論で、この本は成り立っています。

例えば、「いま投資すれば、確実に儲けることができます」と言われたら…。「だったら、何故自分で投資しないのですか?」と問え、というのです。要するに販売する証券会社も銀行なども、客(業界ではドブと言っているらしい)の販売手数料さえ取れれば「営業成績」になっていいだけの話で、自分たちは損すると考えているから投資なんかしない、というわけです。

澤上篤人さんの「10年先を読む長期投資」を読んで、「そっかあー、投資は、長期でするものなんだなあ」と感心していたら、山崎さんは「投資に『短期は不利』『長期は有利』という法則は当てはまらない」と、バッサリと袈裟懸けに斬りまくります。

「はじめに」で山崎さんは、「本書の内容は、売り手(銀行、証券会社など)にとって不都合な話ばかりです。こういうことばかり言っていると、私もそのうち売り手に嫌われてしまうかもしれません。(中略)いずれにせよ、個人投資家は自ら理論武装し、正確な知識を身に着けて『投資バカ』を治療し、自分で考えて投資を行えるようにならなければなりません」と明快に書いています。

その上で、「運用商品のほとんどが投資に値しない」「セールスマンの『相場観』は当てにならない」「『売り手の儲けは借りての損』―これはすべての金融商品に当てはまる法則だ」と明記しています。

これからも、世知辛い世の中が続くと思います。既に、変なものに投資してしまった人は、大いに反省して、「理論武装」するしかありませんね。まあ、これだけのことを書いても、著者の山崎さんは、干されたりされないで、今でもご活躍中ですから、彼の「理論」に、皆さんも一度接近してみたらいいかもしれませんね。

本多静六という人

Hyakkodatei

かつて、私の勤める会社が日比谷公園(地名)にあった頃、よく日比谷公園(場所)を散策したものです。

この公園内に「資料館」といいますか、小さくて狭い「資料室」がありまして、そこで初めて、この日比谷公園をつくった人が本多静六という人だということを知り、脳裡に刻まれました。ただ、庭園家か造園師かと思い、「凄い人だなあ」と感嘆しましたが、この人についてそれ以上の興味が湧くことはありませんでした。

そしたら、先日、開架式の図書館でたまたま、この人の名前を見かけて、手に取って読み始めたらやめられず、借りてきてしまいました。

その本は、本多静六著「私の財産告白」(実業之日本社=初版は昭和25年)という本で、同社から復刻された本多の三部作(残りは「私の生活流儀」「人生計画の立て方」)の一つだったのです。

この本で初めて、本多静六の人となりを知ることになりました。本多は慶応2年(1866年)、埼玉県河原井村(現久喜市菖蒲町)生まれ。東京帝大農学部の教授を務めながら、巨万の富を築いて、昭和2年(1927年)の定年退官後、匿名で全財産を寄付した人でした。日比谷公園のほかに、埼玉県の大宮公園や福岡県の大濠公園など100カ所以上の公園の設計、改良などを成し遂げた人だったのです。

東大農学部は、もともと東京・駒場(現在の東大教養学部)にあったことは知っていましたが、本多が入学した頃は(1884年)、東京山林学校と呼ばれていたんですね。これは知らなかった。東京山林学校は、1886年に東京農林学校となり、翌87年に帝国大学農科大学となり、本多は90年に首席で卒業し、ドイツ・ミュンヘン大学に留学します。

その後、東大の助教授、教授となりますが、後述する方法で巨万の富を得て、学士会の寄付金に一千円を寄付したところ、「一介の学者が何でそんな大金を寄付できるのか」と同僚の学者らから妬まれて、「辞職勧告」を受けたりします。本多の蓄財法は至ってシンプルで(とはいえ、誰にでもできるわけではない)、毎月の給与の4分の1を貯蓄に回し、いくらか貯まった後、株や山林などに投資して雪だるま式に増やしていくというもの。ただし、当初は、世帯には親子ら9人もいたので、月末は、胡麻塩ごはんだけで済ます苦労を強いられたりします。とにかく、勤倹貯蓄、刻苦精励を実践して、「人生即努力、努力即幸福」をモットーに、働学併進の質素な生活を続け、昭和27年(1952年)に85歳で逝去するまでに、370冊以上の著作を残したといいます。

この本で、1カ所だけ引用するとしたら、189ページにある…

「なんでもよろしい、仕事を一生懸命にやる。なんでもよろしい、職業を道楽化するまでに打ち込む、これが平凡人の自己を大成する唯一の途である」

本多静六は、造園家としてだけでなく、中村天風のような人生訓の大御所として名を残していたんですね。

存在が意識を規定する

 Whachoduaete

昨晩、食事していたら、何か硬いものが当たり、「何かな?」と思ったら、右下の奥歯の銀(恐らくまがい物=笑)のかぶせ物が取れてしまったのです。

治療したのは、5年前か10年前か、すっかり忘れてしまいましたが(笑)、「あー、厄介だなあ」と嘆き悲しんだものでした。

幸運にも、翌朝に歯医者さんの予約ができ、覚悟して出かけていきました。「恐らく、本物の銀ならお金も掛かるし、何度も通院しなければならないだろうなあ」と暗澹たる思いで、臨んだところ、何と、歯のお掃除をして、取れたかぶせ物をまた接着剤か何かで付けてこれでおしまい。わずか、20分足らずで終わってしまいました。

意識が存在を規定するのではなくて、存在が意識を規定するものですね(笑)。

私は、特定の教団に入信しているわけではありませんが、これでも毎日、暇さえあれば、お天道様に感謝の祈りを捧げながら生きています。

そもそも、存在するだけで、有難いのです。しかも、私は今、取り敢えず、一日3食も食べて、十分睡眠も取ることができる境遇にも恵まれています。国際NGO「オックスファム」の調査では、世界で最も裕福な62人の資産が、経済的に恵まれない約36億人分に当たると発表しました。それだけ、格差が拡大しているということです。私は裕福ではありませんが、1日3食も食べていれば、恵まれない人の範疇には入らないでしょう。

さて、「電力の鬼」と言われた松永安左衛門の言葉に諸説ありますが、こんな名言があります。

「人間、大病するか、投獄されるか、会社が倒産するなど浪人になるか、そのどれかを体験しない限り、一人前にならない」

この言葉は、人間、艱難辛苦を自分の力で乗り越えなければ、何事も成就できないという意味だと私は、解釈しています。

個人的ながら、私も昨年は大きなピンチに見舞われましたので、半人前からやっと一人前になったような錯覚をしています(笑)。

悲惨なスキーバス事故のことなど

 Hakkoduatei

 15日に起きたスキーバス事故は、死亡者の15人のうち乗員2人を除く全員が将来のある若き大学生だったということで大きなニュースになりました。中には今春からの就職先も決まった卒業旅行の学生もいたらしく、親御さんや兄弟親戚、友人、先生らは嘆き悲しんでいることでしょう。犠牲者の中には私の出身大学生もいたので、とても他人事には思えませんでした。

 でも、何か既視感(デジャビュ)がありました。以前も、格安バスツアーで死亡事故が何件かありましたが、共通しているのは、睡眠も十分に取れない運転手の過酷な日程と、杜撰な管理体制でしょう。今回もハンドルを握っていたのは65歳のベテランながら、マイクロバス(9メートル)の経験はあっても、大型バス(12メートル)の経験はほとんどなし。しかも、バス会社から正確なルートも示されなかったというではありませんか。先月契約社員になったばかりというのですから、初めて運転するコースだったのではないでしょうか。

 ツアーを企画した会社は法定水準の27万円を大幅に下回る19万円で落札させて、丸投げしたらしいですね。暖冬でスキー客のキャンセルが相次いだ不運な背景もありましたが、それにしても、職業倫理に反します。

 今、並行して大きなニュースとなっている、「Coco壱番カレー」の廃棄処分したヒレカツなどが、廃棄業者から卸に転売されて、スーパーに並んでいたという事件も、明らかに倫理観欠如の「人災」ですね。礼儀正しい真面目な日本人はどこに行ってしまったのでしょうか。新市場主義経済の拝金主義に呑みこまれてしまったのでしょうね。

 消費者もやはり、「格安」「激安」の裏には何かある、と睨んだ方がいいですね。私も、携帯auのポイントが欲しくて、気軽にアンケートに応えていましたが、考えてみれば、個人情報が流出して、見たくもない不必要な宣伝メールが押し寄せてくることでしょう。後悔してます。

 あ、今日はこんな話をするつもりではありませんでした。諸行無常、私の住む街の風景がどんどん変わっていくということを書くつもりでした。日本の全国、どこもそうでしょう。ウチの場合、本屋さんが4件も潰れて、豆腐屋さんになったり、マンションになったりしました。古い金物屋さんや、名門高校の前にある文房具店を兼ねた本屋さんも潰れてしまいました。小中学校の運動会などの行事の撮影を任されていた地元老舗のカメラ屋さんも、スマホの影響で潰れてしまい、今は介護施設になっていました。

 安くて旨い中華料理屋さんは、いつの間にか、歯医者さんに様変わりしていました。そう言えば、私の住む街は、やけに歯医者と理容・美容院ばかり目立ってあります。

 勿論、どこもそうでしょうが、コンビニばかり増えています。

 何か、浦島太郎さんの気持ちが分かるような気がします。