「オデッセイ」は★★★

 The Earth, Wind& Fire

リドリー・スコット監督作品、マット・デイモン主演の「オデッセイ」を見てきました。

上映までのCMも入れて、155分とちょっと長い映画でしたが、リドリー・スコットらしい手慣れた手法で、最後まで飽きらせないように「工夫」を凝らしています。

地球から2億2530万キロ離れた火星探査で、独り残された宇宙飛行士ワトニー(マット・デイモン)のサバイバル映画です。宣伝文句をそのまま使わせて頂ければ「水:無し 酸素:ほぼ無し 通信手段:無し 食料:31日分 次の救助:1400日後」という過酷な状況です。

どうなるか?見てのお楽しみですが、時代設定は恐らく21世紀後半かそれ以降なのでしょうが、この映画で中華人民共和国の宇宙局が出てきたことには驚きました。しかも、米NASAと協力して極秘プロジェクトを遂行することになることにさらに驚きました。

NASAのある技術者グループの幹部が中国系の米国人で、彼の伯父さんに当たる人が、中国で宇宙局の幹部をしているようで、その繋がりで、米中が仲良く国旗を並べて、救助船を打ち上げる場面も出てきます。宇宙飛行士ワトニーの救助活動の様子が、全世界の街頭大型ディスプレイで公開され、ニューヨークとロンドンのトラファルガー広場に加えて、北京辺りの群集も写し出されます。

はっはあ、ハリウッドも随分、世界第2位の経済大国・中国のマーケットを意識しているなあ、と思いましたよ。世界一の人口13億人を擁し、映画観賞者も日本の10倍近くあるのでしょう。ハリウッドの大スターも、プレミア宣伝では、東京を通り過ごして北京に向かっているといった噂を聞いたことがありますからね。最近、日本では洋画より邦画の興行成績の方がいいですしね。

まあ、そんな裏事情に拘ることなく、ただただ、ハラハラドキドキしながら見ていれば、それでいいんじゃないかという気もしてます。

ところで、これはSF映画ですが、このSFはScience Fiction(空想科学小説)の略であることはよく知られています。しかし、米英ではあまり、SFとは略さず、sci-fi(サイファイ)と略称するらしいですね。これは知らなかった。

「鑑定団」の謎が解明

 L’arc de Triomphe

私はあまりテレビは見ない、と言いながら、TX系の「開運!なんでも鑑定団」はよく見ていますし、よく見ていました。

変な表現ですが、つまりは、22年前に番組が始まった初期の頃は欠かさず見ていたのですが、中抜けして、途中でそれほど見なくなり、また最近になって録画してでもよく見るようになったというわけです。

そして、見るのを再開して、司会者の一人である石坂浩二さんが番組ではほとんど喋らず、「どうしちゃったのかなあ?」と違和感を覚えていました。メイン司会者が、「芸能界を追放された人」から「今の人」に変わって、余計それが目立つようになりました。
石坂さんといえば、本人も二科展に入賞するなど絵画は玄人はだし。美術には造詣が深い芸能人として知られています。ですから、番組の初期は、彼が薀蓄を傾けるシーンがしばしばあったのですが、ここ最近は、全くといっていいくらいない。顔のアップも1回あるかどうか、といった感じです。とにかく、存在感がないのです。

そしたら、先週から女性週刊誌のスクープでその「原因」が公になり、揣摩臆測がネット上でも乱れ飛んだようです。

私も、野次馬ですから、昨日は「Sentence Spring」を買って読んでみました。なるほどね。ストンと納得しました。何よりも、何で今頃になって、情報が外部に漏れたのか、裏社会に詳しい渓流斎ですので、スッキリするほど腑に落ちました。

ライバル誌「New Current」にはそこまで、詳しい背景が書かれていなかったので、SPの勝ちです(笑)。

内容については、ご自分で購入してお読みください、と書けば、Hさんは大喜びでも、他の皆様は、フラストレーションが貯まるので少しだけ、かいつまんで紹介しましょう。

結論は、鑑定団の番組製作会社「ネクサス」のチーフプロデューサー(CP)と石坂氏との間で確執があり、このCPが、わざと、石坂さんが話す場面はMCの今田耕司さんと同じくらい発言しているのに、放送ではカットしていたというのです。なるほどね、です。

そして、今回の「いじめ事件」を発覚させることができたのは、石坂さんが個人事務所から、芸能界で最も影響力のある人の系列事務所に移籍して、後ろ盾を得ることができたからだというのです。

まあ、この辺りの構図については、知らない方が楽しめるかもしれないので、あまり深入りすることはお勧めできませんが、石坂浩二のような大物俳優でも、干されることがあるという事実には驚きましたよ。私の世代は、石坂浩二は、半世紀前の「ウルトラQ」のナレーターとして知っておりましたからね。芸能生活半世紀以上の大ベテランが、こんな扱いを受けていたとはね…。よくぞ、頑張ったと思います。

人間、変なプライドはかなぐり捨てて、一に忍耐、二に辛抱、三に我慢に徹すればいつか花が咲くかもしれません。

石坂さんも、番組降板と引き換えに、新番組のメイン司会者に抜擢されるそうです。

諸行無常―「マイナス金利」「無料アプリ」など

 Ohovihirrow

今日は諸般細々(こまごま)としたことで、よしなしごと(由無し事)を―。

 ●日銀が「マイナス金利」を16日から導入。これは、庶民の預金の金利がマイナスになるのではなくて、民間銀行が日本銀行に持つ口座が一定の額を超えると、その預金部分が「マイナス0.1%」なるというもの。
 しかし、鷹揚に構えていたら大変。早速、一部の市中銀行が、定期金利を普通金利並みに引き下げる構えを示し始めました。結局、日銀が民間銀行に対する「マイナス金利」は名目上だけということで、実態は、預金者への直接「マイナス金利」じゃないですか。銀行は、自分たちが損をしないように、庶民の虎の子の財産を分捕るのが目的です。「(金利をお上から)取られたから、取り返す」。まるで、ババ抜きですね。

 
 ●「最後は金目でしょう」と舌禍事件を引き起こして、大臣を辞任した人がまた新たに別の大臣に復帰するとは。しかも、前大臣が、執念を懸けていたニュージーランドでのTPP署名式にも参加しないとは。DNAですかね。(代理で出席した内閣府副大臣は、変な和服を着て奇妙奇天烈)

 ●先日、夕方のTVニュースを見ていたら、業界用語でいう「ヒマダネ」なのか、ホームレスさんの特集をやっていました。都心でも雪が降った冬の極寒の中、彼らはどうやって生き延びているのか、といったルポでした。勿論、顔は画像修正して写らないようにしていましたが、その中で、東京・新宿で野宿をしているホームレスの人をカメラが捉えていました。夜中に歌舞伎町界隈を徘徊して廃棄されたご飯を拾いに行って食いつないでいたのです。その方は、70歳代でしたが、字幕で、「有名私立大学を卒業後、新聞社に入社…」と出てきました。その人は「何でも修行ですよ」と、悟ったような感じでしたが、世知辛い世の中になりましたから、才覚と世渡り上手にならなければ、これから生き抜くことはできませんね。

 ●また、スマホの話で恐縮。地図のアプリは沢山ありますが、iPhoneに最初から備わっている「マップ」は、建物やマンションなどの名称が付いていないケースが多く、はっきり言って、使い物になりません!!「グーグル・マップ」もいいですが、今一番充実しているのは「Yahoo!マップ」の方です。このマップで検索するとその土地の天気予報が出てきたり、近くにあるトイレまで教えてくれます。それが、2月2日に、「アップデート」の通知があったので、アップデードしてみましたが、全然できない。WiFiを使ってもできません。それなら、再起動すればいいかな、と試してみても駄目。つに、一旦、アンインストールしてもう一回ダウンロードしようとしましたが、今度は、インストールさえできない…。
 どうなっているの?自分のiPhoneだけがおかしいのかと思いまして、この「Yahoo!マップ」のレビューを見てみたら、何十、何百の人から「アップデートできないが、どうなっているのか!」といった文句愚痴不平不満のオンパレードでした。

 自分の機器がおかしくないということが分かり、少し安心しましたが、無料のアプリですから、あまり、技術者を罵倒するレビューを読まされると、いやあな気持ちになります。そう思いませんか?
 

ギガ喰い虫

Parc Hiviya

またまた、スマホ・WiFi奮闘記です。

昨日2016/02/02、2月に入ってたった二日なのに、モバイルWiFiのデータ通信量を見たら、吃驚。な、なんと、6.7GBも消費していたのです!(契約は、一カ月10GB)

特に、長い動画や映画を見たわけではないし、思い当たるフシがない。もしかしたら、遠隔操作で、データを盗み取られたのではないかと疑心暗鬼になりました。

そこで、モバイルWiFiのルーターの会社であるNECに問い合わせてみました。すると、その数値は、ほぼ間違いないのではないでしょうか。できれば、通信会社に聞いてもらえませんか?と仰るではありませんか。

そこで、今度は、通信会社のOCN(NTTコミュニケーションズ)に電話してみたのです。そしたら、平日の昼間だというのに待たせるわ、待たせるわ。40分ぐらいして出てきたおばさんに、「データ通信量は、どうやったら分かりますか?」と伺ったところ、「専用のアプリで見られますが、サービスパッケージというものがありまして、そこに入会すれば、そういった質問でも何でもお答えできますし、メールのウィルスバスターも付き、様々な特典が付きます。一カ月無料ですから、お使いしなければ、すぐ解約できますが、今月までは、タダでお使いなれます」と言うではありませんか。

そこで、私は、そのパッケージに入らないと、通信量が分からないのですか?と聞くと、言葉を曖昧にして、「一応、入会の手続きを取らせて頂きますから、いつでも解約して下さっても結構です。詳しいことは、0120の何々番に、もう一度電話してもらえませんか」と応えた後、性懲りもなく、「頂いた電話で、恐縮ですが、光通信ネットの契約がまだされていないようですが、ご検討は如何ですか?」と畳み込んでくるではありませんですか!流石に、ムッとしました。

「それはいいです」と電話を切り、早速教えられた何とかパッケージに電話してみました。

それがまた、繋がらない。30分ほどして、やっと繋がり、通信量の確認の仕方を聞いたら、今度は、男性が出てきて、「OCNモバイルoneの無料アプリがありますから、それで簡単に見られます」と言うのではありませんか!「では、サービスパッケージに入会しなくてもみられるのですか?」「はい」「それなら、今契約したサービスパッケージを全て解約して下さい」と、もう、てんやわんやです。

結局、やはり、2日間で6.7GBを使ったのは、間違いなく、思い起こせば、iOSを始めとした色んなアプリのアップデートをしたのも確かだったのです。しかも、スマホ2台とタブレットとパソコンをこのWiFiルーターで使いましたからね。通信量が減るはずです。

あとで、ITに精通している石田博士にメールで聞いてみたところ、「OSのアップデートだけで、3GBは、いってしまうので、OSのアップデートは、キャリアショップでやるのが鉄則」といったお答え。

なあるほどね。アップデートだけで、そんなにもデータ通信量を消費するんだ!

今、某社が盛んに「1GB学割」とか宣伝しまくってますが、1GBじゃあ、何にもできませんよ!と大声で叫びたくなってしまいました(笑)

それなりの対処

 Passage Couvert

前から噂は聞いていましたが、偶然にも、現政権に対して持論を展開する「辛口キャスター」が、そろって同時にこの春で降板するようです。TBS系「NEWS23」のアンカー岸井成格(しげただ)氏、ANB系「報道ステーション」のメインキャスター古舘伊知郎氏、20年以上も続いたNHK「クローズアップ現代」のキャスター国谷裕子さん。

実は、全番組を最初から最後まで毎日のように見ているわけではないので、発言権はないのかもしれませんが、「偶然」にしては奇妙な一致ですよね?「火のない所に煙はたたない」と言われますから、何か、当局からの圧力があったような気がしてしょうがありません。

何しろ、当局様は、電波の許認可権を握っていますからね。事業者も時の政権の顔色を窺って「経営」していかなければならないので、免許を取り上げられてしまっては、元も子もない。倒産してしまうということなんでしょうか?

顔色を窺わなくても、某国営放送の会長さんは、最初から右向け右の政権ベッタリだったので、身内の国谷さんのことを「獅子身中の虫」とでも思っていたのかしら?でも、国谷さんほど、臆することなく堂々と欧米やアジア、アフリカの要人とインタビューできる人は、そう滅多にいないし、見つかるもんじゃないでしょうけどねえ。そもそも外国語ができても、それ以上に日本語の教養と智識が必要ですし、何と言っても、度胸がなければやっていけませんから。

やれやれ、以上書いたことは、私が個人的に勝手に想像しただけで、事実誤認があるかもしれません。その時は、訂正する用意はあります。

まあ、今ではネット上で、もっともっと凄い(眉に唾をつけたくなるような)情報が錯乱しておりますし、日本の大手メディアも、ロシアや中国や北朝鮮並みになったから、「バイアスがかかっている」とそれなりに考えて接すれば、気が楽なのかもしれませんね。

成果主義の時代

arrondissement

今や何処の企業でも、メーカーからマスコミに至るまで、「成果報酬」なる妖怪が歩き回っています。

デパート大手の三越伊勢丹も4月から販売員にこの「成果報酬」を導入するようですね。最大年100万円ほど上乗せされるそうです。コンビニのせいか、百貨店も、「衰退産業」と最近言われるようになり、インセンティブを導入することになったのでしょう。

確かに、日本の雇用形態は、一昔前と比べてすっかり様変わりしました。私が就職した頃は、「終身雇用」「年功序列」がほぼ当たり前で、社畜じゃなかった、社員は一生、身を粉にして会社に精神精励尽くすというのが基本でした。もっとも、当時は定年は55歳で、年金もたんまり出た頃でしたが。

それが、今では、グローバリズムとやらで、「終身雇用」も「年功序列」も崩れ、ポストに給料を支払う時代になってきました。例えば、「部長」というポストに賃金を与えているだけであって、その部長が30歳だろうが、50歳だろうが、関係ない。もしかして、人格も教養も品格も関係ないかも(笑)。

基準は「成果」のみ。30歳で部長になっても、営業成績が落ちれば、ウカウカしていられません。50歳代ともなれば、子供に教育費が幾何学級数的に増大する頃。ヒラのまんまでは、子供に大学進学を諦めてもらうしかないかもしれません。

昨日もご紹介した小口幸伸著「2時間で分かる外国為替」(朝日新書)には、こんな面白い記述がありました(換骨奪胎)。

…私の経験では、収益力のある為替ディーラー(全体の1割程度でしたね)は、ほぼ例外なく寡黙か、饒舌のどちらか。饒舌なら非論理的で支離滅裂です。その一方、収益力のないディーラー(全体の約2割)ほど、論理的でしかも明解で分かりやすい。私はその理由について考えたところ、相場の肝は、ギリギリの場面では判断力がモノを言い、決め手になるが、その場合、いくつかの要素がせめぎ合っているため、論理的に語れない。それに対して、収益力のないディーラーは、そこを素通りにして明解な世界でしか勝負していないから判断が遅くなるのではないか…

これは、どんな仕事にも通用するような示唆に富んだ言葉ですね。

私の考えは、「終身雇用」「年功序列」のようなシステムの方が、日本人に合っていると思います。「成果主義」は、上司のさじ加減でどうにでもなりますから、まるで戦国時代みたいなもんです。非論理的な、つまり今で言う反知性主義で、ヒラメのように寡黙か、声がでかい奴の勝ち(笑)。

「日本式では、国際競争に乗り遅れる」と、社内公用語に英語を導入した企業もあるようですが、笑止千万。「滅私奉公」も「刻苦精励」も読めない、意味も分からない日本人を増やすだけです。

今メディアに盛んに出てくるグローバル社長は、儲かれば何をしてもいい。手段を選ばない我利我利亡者みたいに見えてきてしまいます。

確固とした経営哲学を持っていた松下幸之助や本田宗一郎らとえらい違いです。

マイナス金利って!?

馬鈴薯留多

日銀が1月29日の金融政策決定会合で、「マイナス金利」の史上初めての導入を決定をしました。(2月16日から)

こんな重要な決定が、わずか9人の多数決で決まるとは知りませんでした。しかも、5対4の超僅差での可決です。

ちなみに賛成したのは、黒田東彦総裁、岩田規久男副総裁、中曽宏副総裁、原田泰審議委員、布野幸利審議委員の5人。
反対したのは、白井さゆり審議委員、石田浩二審議委員、佐藤健裕審議委員、木内登英審議委員の4人。

マイナス金利政策は、既に、ECB(欧州中央銀行)などで導入されていますが、何しろ、日本では見たことも聞いたこともない。

マイナス金利ですから、市中銀行が日銀に預け入れると、利子が付くどころか、保管料みたいに、金利を獲られてしまう。仕方がないので、銀行は損しないように、企業や個人に借りてもらうしかない。

一般の消費者から見ると、住宅ローンなど借りている人にとっては、金利が下がって得をするかもしれませんが、預貯金や運用商品の金利が下がって、確実に損することになります。

昨日は、マイナス金利に関する新聞記事は、隅から隅まで読みましたが、何しろ「未知の領域」なので、「先行きどうなるか分からない」ということが分かりました。誰も予測もつかないことが起きるかもしれません。

デンマークでは、このマイナス金利の影響で、お金を地元の銀行から借りたおばちゃん、いや失礼、淑女が利息をもらった、という「逆転現象」が起きたと、英フィナンシャルタイムズが紹介しています。

さすがに私も今、一生懸命に金融について勉強しています。ビッドとオファー、オプションのコールとプット、TTS、TTBなど、慣れない専門用語を覚えて、金融リテラシーを高めています(笑)。

例えば、小口幸伸著「2時間で分かる外国為替」(朝日新書)によりますと、先物レートを知らずに外貨預金をすることは、ブレーキの操作を知らないで運転するようなもの。とにかく、無謀だ、といいます。やはり、金融リテラシーが必要です。

それでも、この本によりますと、成功している為替ディーラーはわずか1割程度なんだそうです。プロでさえ、この有様ですから、素人が生半可な金融知識で、相場に手を入れると危険でしょう。しかも、著者の小口さんは、「どうしたらうまくやれるのか」との質問に応えて、16条の項目を挙げ、第1条が「金融機関の営業を信じるな」、第2条「エコノミストを信じるな」、第3条「銀行ディーラーを信じるな」、第4条「ハウツー本を信じるな」、第5条「信頼できる人を探せ」…と力説しているのです。

いやあ、この本を読むのに2時間どころか、20時間もかかりましたが、実に為になりました。

昔は、本といえば、フィクションかノンフィクションばかり読んでいたので、こんなに経済もんを読むようになるとは思ってもみませんでしたけど(笑)。

彼の昨年のユーフォリアからルインまでの波乱万丈は、全てはトマ・ピケティのせいですかね?(笑)

「ブラック・スキャンダル」は★★★ 「俳優 亀岡拓次」は★★

Pulis

今日は、映画を2本も見てしまいました。勿論、自腹ですけど、au割引が効いたからです。今月いっぱいですが、大人1800円のところを1200円で見られます。

最初に見たのが、「ブラック・スキャンダル」Black Mass(スコット・クーパー監督)。実在したボストンのアイルランド系のギャング、ジミー・”ホワイティ”・バルチャーが、幼馴染のFBI捜査官コナリーと実弟の上院議員ビリーと手を組んで、イタリア系マフィアとの抗争に打ち勝ちますが、そのあまりもの残忍な手口でついに…。といった話は、もう既に、色んなところで紹介されているので、これぐらい書いてしまってもいいでしょう(笑)。

凶悪犯バルチャーを演じるのが、ジョニー・デップで、特殊メイクで、オールバックの薄毛と色付きコンタクトレンズでバルチャー本人になりきったところが見どころ。ちょっと、やり過ぎかなあ、て感じでしたが…。

凄く期待して初日の最初の公開時間を観たのですが、まあ、何と言いますか、カタルシスがないので、つまらなかったでした。1970年代後半が舞台になっていますが、バルチャーは逃亡し、最重要指名手配犯となります(2011年に逮捕)。映画は尻切れトンボで終わって、後は、スクリーン上で文字で説明するハリウッド映画がよくやる手(例えば「アメリカン・グラフィティ」などで見られる)を使って終わり。何か、肩すかしに合った感じでした。

後味があまりよくなかったので、ランチを外で取って、もう一本映画を見てしまいました。今度は邦画です。安田顕主演の「俳優 亀岡拓次」(横浜聡子監督)です。

そう言えば、本編が始まる前にスクリーン上でコマーシャルが流れますが、「葬儀会社」が2社も出てきましたよ。しかも、両方とも有名俳優を使った凝ったつくりでした。今、成長産業なんでしょうね。勿論、ブラックジョークですが。

さて、この「亀岡拓次」もつまらなかった。つまらない、と言っては言い過ぎでしたら、ちょとsur(シュール)し過ぎて、彼らの世界について行けなくなり、途中で出ていきたくなりました。

売れない俳優が、売れない俳優の役をやるのですから、何とも奇妙奇天烈。しかし、初主演した安田顕は、この映画で飛躍して、相場か為替市場か分かりませんが、今後株が上がるかもしれません。

2本見る間に時間があり、食事の後、紀伊国屋書店にも立ち寄って、本を買ったので、やはり、ちょっと疲れてしまいました。映画が面白ければ、スカッとしでしょうけど、残念。

甘利大臣辞任と再びのSMAP解散騒動

Ovihiro

甘利経済再生担当大臣が28日に、突然、辞任しました。本人は、少なくとも2月4日のTPP署名式まで「職務を全うしたい」と述べていたので、ちょっと意外でした。

建設業者から約1200万円の便宜供与を受けたという「週刊文春」の報道をほぼ全面的に認めた、ということなのでしょうか。
となると、辞任だけでは済む話ではないでしょう。

甘利氏は、由緒ある一族で、平安時代にまで遡ることができ、戦国時代は武田家の譜代家老も務めていたということです。甘利元大臣は、その末裔とも言われています。

ネット時代になると、色んな情報が飛び交いますね。今回の件について、中には凄い陰謀論をばら撒く輩もおりますが、私は単なる贈収賄事件と睨んでいます。

面白かったのは、昨日発売された「週刊文春」と「週刊新潮」との報道の違いでした。文春のスクープをまともに後追いしていては売れないので、新潮の方は、文春の曖昧さの痛いところをついていました。

例えば、文春は、献金した千葉県の建設会社を「S社」とぼやかしていますが、新潮は「S社とは薩摩興業のこと。なぜ、文春は堂々と書かないのか」と追及します。そして、本名で文春に暴露した人物についても、もともと正式の社員ではなくて、裏組織から送り込まれた胡散臭い人間だという印象を与える書き方でした。まるで、芥川龍之介の「藪の中」ですね。

あと、「SMAP解散疑惑」をスクープしたのは、週刊新潮だそうで、それを察知した事務所側が、スポーツ2紙にネタを売り込んだそうです。真偽は分かりませんが、SMAP報道に関しては、文春より新潮の方が上でした。文春では、マッチが主催したシャンシャンの手締め式では、何事もなく終わったような感じでしたが、新潮は、SMAPの面々が先輩のマッチやヒガシに迷惑をかけたことを謝罪する場面を、後輩でライバルの嵐の連中が見ている真ん前でやらされて、大層プライドが傷つけられた、といったような踏み込んだ書き方でした。

何となく、SMAP騒動は、このままでは終わらない感じです。

私は、この渓流斎ブログで「キムタクは、したたか」と書いて「絶対に許せない」と非難を受けましたが、文春は、一連の騒動で誰が悪いか、といった読者アンケートを募り、木村さんはメンバーの中で最高の第2位にランクされました。

この中で、ある読者が「キムタクは平成の小早川秀秋だ」とまでコメントしているのです!

こおれんは、凄い。凄すぎる。「したたか」どころじゃありません。

もっとも、小早川秀秋が何者なのか知らなければ、全く意味が通じませんけどね(苦笑)。

熱烈なファンの皆さんとは違って、一般の人は、今回の騒動を創業者と雇用者との内紛に見立てたり、見方がかなりシビアだということが、分かりました。

女性は強い 歴史は塗り替えられる?

Dekkaido

電脳空間倫理管理委員会主幹様から「『へ~、そんなことあるの…』といった話題が欲しい」とのご下問でしたので、探してみましたが、最近は事情があって、単調な生活をしているものですから、ありませんね(笑)。

 それでも、先程、新聞を読んでいたら、面白い記事がありました。生物学者の福岡伸一さんのコラムです。「生命の基本形は女性で、38億年にわたる生命進化のうち、最初の30億年間は女だけで足りた」というのです。「ヒトの男は女から生まれた」という基礎知識はありましたが、これほど、長い間、女性天下だったとは!!

 そして福岡教授はこんなことまで言うのです。「基本仕様を逸脱したもの=男、は壊れやすい。威張ってはいるが実は脆い。病気になりやすいし、ストレスに弱い。寿命も短い」。私は男ですので、よーーく分かります。納得してしまいました(笑)。(女性から反論があるかもしれませんが)

 もう一つ、「へ~」と思ったのは、「歴史は塗り替えられる」ということです。

 残念ながら、「南京虐殺」や「慰安婦問題」など近現代史の話ではありません(苦笑)。

 例えば、「縄文時代」の時期がこれまでの検証より、もっと長かった、とか、科学の進歩で分析法が発達し、古代や近世の教科書がどんどん塗り替えられていっているという話です。

 少し、古い例ですが、我々の世代が習った「足利尊氏」(実は、高師直説が有力)や「源頼朝」の肖像画は別人だったので、今の教科書には掲載されていない、とか。

 最近驚いたことは、江戸時代の「士農工商」のキーワードが教科書から削除されつつあるという話です。なぜなら、実際、江戸時代は、武士とそれ以外の区分けしかなく、「士農工商」というガチガチの身分制度は、徳川制度の悪いことを強調するために、明治時代に「創作」されたものだというのです。そう言えば、悪の権化のように扱われた「封建主義」なんかも最近あまり使われませんね。

 最近、豊臣秀吉(1537~98)が、柴田勝家との天下分け目の賤ヶ岳の合戦で活躍した家臣の脇坂安治(1554~1626)に宛てた書状33通が兵庫県たつの市の安治を祭る神社で見つかり、このほど解析されて、秀吉の「かなりしつこくて、細かい性格」の一面が分かったそうです。本能寺の変後に書かれ、天下統一する前に書かれた書状で、お館様の織田信長のことを、書状の中で「信長」と呼び捨てにしたりして、新発見も多いようです。

 へ~(笑)。