トレッキングに初挑戦

北海道芽室町にある「T牧場」は、知る人ぞ知る国内有数の牧場で、敷地100ha、馬の数100頭。雄大な自然環境に恵まれて、馬たちはほぼ放し飼いの状態でした。

そこで、私は無謀にも生まれて初めてトレッキングに挑戦しました。値段は2時間以上6000円という安さ。ほかの牧場なら、人間の手で曳かれた平地の牧場の中、1周400mくらい、わずか5分程度で2000円も3000円も取る。東京近郊なら1時間で数万円取られるから、相場と比べてあまりにも安さにその道に詳しい人は驚くことでしょう。

しかし、残念ながら、ほとんど御主人のK氏の趣味みたいなものなので、トレッキングのできる人は1ヶ月に数人しかいない。つまり、よほどコネがあるか、よほどご主人がご機嫌がいい時に限るのです。

私の場合は、Hさんの紹介でその幸運に浴することができました。
長くなりそうなので、途中をカットすると、御主人のKさんは焦げ茶色の「バーディー」、Hさんは、どさんこの「テンリュウ」、私はアラブの「コータロー」でした。「コータロー」と「バーディー」は同じ群れ仲間なので仲がよかったのですが、「テンリュウ」は違う群れ出身なので、最初は蹴りあいの喧嘩をして大変でした。しかも、25歳になる「バーディー」は初めてのトレッキング。私も初めてのトレッキングなのに、Kさんはお構いなしに山超え、谷超えの連続です。バーディーは、川を渡ったことがないらしく、途中で1歩も進もうとしません。そりゃあ無理な話ですよね。途中、放し飼いの馬が逃げないように、電圧線が張っている狭い小道がありました。電圧線に少しでも触れると、馬は驚いて飛び上がります。クリストファー・リーブの事件もありますし、私も、馬に振り落とされないように必死でした。

結局、3時間半のトレッキングが終わった頃は、奥歯ガタガタ、膝頭は笑っていました。それでも、その爽快感ったらありませんでした。私の乗ったコータローは、本当に従順でした。途中で大好物の熊笹の小道を通った時、まさしく道草を食って気分転換をしていましたが、重かったでしょう。ご苦労様。下の写真はコータロー号です。