知床の最大の見どころのひとつが、このカムイワッカ湯の滝です。
ここに来なければ、ここを見なければ、知床を見たことにならないと言っても過言ではないでしょう。
知床に足を踏み入れた三日目の七月十七日のことでした。
前夜、斜里町の宇登呂にある民宿「知床荘」に泊まり、蟹までおまけに付いた美味しい夕食と温泉に入り、久しぶりにリラックスできました。
この分だと、「いいことあるのかなあ」と、知床岬に行く計画を立てました。
前日、お話したように、知床岬に行くには、道がないので、船でいくしかありません。観光船の「オーロラ号」が6000円、クルーザーを出す所が4、5軒あり、いずれも8000円で、午前10時出発でした。
「オーロラ号」に乗ろうと、余裕で、9時20分頃、乗船券売り場に着きました。何と、それでも満員でした。仕方がないので、ちょっと高いクルーザーにしました。すると、どこもかしこも満員。この日が日曜日だということを忘れていました。「オーロラ号ですら満員ですから」と言われてしまいました。仕方がないので、翌日のクルーザーの乗船を予約して、予定を変更して、カムイワッカ湯の滝に行くことにしました。本当は、最終日の明日に取っておくつもりだったのですが…。
カムイワッカの湯の滝とは、またまた、ガイドマップによると、湧き出した温泉が流れ込んでいる川で、上流に行くほど水温が高くなります。遊歩道が整備されていないので、沢伝いに30分ほど登ると、滝壺があり、天然の露天風呂になっていますーといった所です。
ここまで行くには、夏場(7月中旬から9月中旬まで)はバスでしか行けません。知床自然センターから50分くらい掛かります。
カムイワッカの湯の滝に行くには、事前に準備が必要です。まず、上記の露天風呂に入りたい人は、水着が必要です。そして、何と言っても、歩くのに滑り止めが付いた靴下が要ります。知床自然センターで840円で売っていました。草鞋も売ってましたが、とにかく、普通の靴で滑ってしまい、無理です。裸足だと、ごつごつした岩がちょっと痛いです。
とにかく、ゆるゆると温泉が流れる岩場の斜面を登って行くのです。
そして、30分くらいで滝壺に到着するのです。ここが、まあ、終点です。用意のいい人はやはり水着を持っていて入っていました。皆、成人で、子供や老人はいませんでした。ここまで来るのに体力が追いついてくれないからです。「秘境」にしては、多くの観光客と一緒に、ついに知床を征服したような錯覚を味わうことができました。