二重被爆


広島と長崎のことについて何か書かなければならないと思っているうちに、その時は過ぎてしまいました。


が、一昨日に読んだ記事が忘れません。そのことについて書こうと思います。


広島と長崎で実に二回も続けて被爆していた人々がいたという歴史的事実です。私は全く知りませんでした。不明を恥じます。


実態は不明です。国立広島原爆死没者追悼平和記念館の昨年の調査では、「二重被爆者」は約160人と言われますが、正確な数字かどうか…。


ドキュメンタリー番組の製作会社のタキシーズが、生存者にインタビューして、記録映画にしました。その中で登場する人は、当時、長崎の会社員で広島に出張中に被爆し、長崎に戻って、職場の上司に広島の惨状を報告している途中で、また被爆した山口彊(つとむ)さんという方がいます。現在90歳で長崎に住んでおられます。


広島市在住の賀屋美佐子さん(76)は、広島で被爆し、母親ら3人の親族を失い、父親の実家のある長崎に逃げ帰ったところ、残留放射能を浴びたということです。


生存者の多くは、その体験があまりにも恐ろしいので、また、差別も恐れて、長い間、その事実を伏せてきたそうです。私も同じ体験したら、そうするかもしれません。もしくは、絶望して、途中で命を投げ出してしまったかもしれません。


朝日新聞の地方版(東京)に出ていたので、この記事に目を触れた人はそれほど多くないかもしれません。


それにしても、人間には運命があるのでしょうか?人はよく「人生は、いいこともあれば、悪いこともある。プラスマイナスゼロだよ」と言いますが、これほどまでに不運が続くと、どこに怒りのエネルギーをぶつけていいのか分からないでしょうね。


彼らの話に耳を傾けることしか私にはできません。