ラジオは脳にきく

ミケランジェロ「ダビデ像」(フィレンツェ)

「ラジオは脳にきく」(東洋経済新報社)などの著書もある和歌山県立医科大学教授で付属病院長の板倉徹氏の話を聞きました。大変面白かったです。

人間の脳の細胞は150億個あるのですが、生まれた時が最大で、年を取ると減る一方で、退化してしまうそうです。鍛えない脳細胞はどんどんなくなってしまうというのです。だから、名ピアニストとはいえ、毎日数時間の練習は疎かにできません。1ヶ月でもさぼったりすると「タダの人」になってしまうからです。脳細胞だけでなくても、人間、やはり歩かないと、退化して歩けなくなっていきます。人の名前が出てこないのも脳の老化の一つです。私も、学生以来、数学の勉強をしていないので、微分も積分も忘れてしまいました。

・左脳は、「言語」活動や「計算」などを掌る

・右脳は、音楽を聴いたり、楽器を演奏したり、絵を描いたり、芸術活動を掌る

日本人は、どうも、左脳ばかり使いすぎなんだそうです。左脳は、いつも「頑張らないと」と、気を張っている。右脳だと「まあ、程々に」と、リラックスする。生真面目な日本人の心因性が如実に現れていますね。

板倉教授によると、脳を鍛えるために、ラジオを聴きながら、洗濯や掃除をしたりする「ながら」が効果があるそうです。それだけ、脳に負担がかかるからです。例えば、人間、アルツハイマーに罹ったりすると、靴を履きながら、自分の生年月日を言ったり、同時に二つのことをすることができないというのです。

テレビをボーと見て、受身のことだけしていては、ボケにつながります。その点、ラジオは色々と想像したり、思い出したりするので、ボケ防止になります。

例えば、「富士山」なら、テレビだとそのものが写って、イメージが固定化されますが、ラジオで「富士山」と聞けば、自分が登った富士山や、銭湯で見た富士山の絵や、写真で見た富士山や、新幹線の窓から見た富士山を思い出したりして、それだけ脳が活発化するのだというのです。

私は、最近、ほとんどテレビは見ません。この話もラジオ(TBS)で聞きました。