地球温暖化の恐ろしさ

「環境省のチームマイナス6%」などのリポートから

・桜の開花は、1980年代は、三月三十日前後だったが、地球温暖化の影響で、2000年以降は、三月二十二日前後と早くなった。だから、四月の入学式の頃は、既に花は散って、葉桜になっている。

・同じように秋の紅葉も、半月遅れ、秋刀魚の旬も遅くなって、秋の魚が冬の魚になりつつある。これから、さんまは「冬刀魚」と書くようになるのかもしれない?

・暖冬で、東京では、ここ50年間で、冬日(気温が0度以下)が9割も減少した。つまり、東京ではかつて、0度以下の日が1年に平均30日あったが、今では3日しかない。

2040年には、北極、南極の氷が解けてしまうのではないかという予測もあります。そういえば、最近、白熊が絶滅危惧種に登録されたそうです。氷が少なくなって、途中で休憩する所がなくなり、溺れてしまうという、嘘のような話です。

「昆虫力」

また、ラジオの聞き書きです。

「昆虫力」(小学館)などの著書がある赤池学さん(1958年、東京都大田区生まれ)のお話です。

昆虫といえば、どうしても軽くみられがちですが、人間なんかより、遥かに大先輩で、意外と知られていない高度の「技術」を持っているのです。人類の歴史が、500万年、せめて1000万年まで遡ることができるとしても、昆虫は、何と3億年の歴史があるのです。しかも、何度かの大氷河期など気象の天変地異を経験してきて、そのまま生き残ってきた種もあるそうです。地球の全生物の実に75%が昆虫で占められているそうです。その数は200万種。まだまだ未解明な部分が多く、1000万種はあるとも言われています。

昆虫の研究がまだ発展途上なのは、昆虫の多くは、アジアに多く棲んでいるためです。欧米では、その種類が意外と少ないのです。日本では、「ファーブル昆虫記」は有名で、知らない日本人はいないほどですが、本国フランスでは、ほとんど知られていないそうです。ヨーロッパ人は、日本人ほど虫とともに生きてこなかったということでしょう。日本人なら、夏に昆虫採集したり、秋には、キリギリスやコオロギの声を聞いたりして、昆虫と身近に生きてきました。

最近の研究では、昆虫の驚くべき「力」が発見されつつあります。例えば、あの蛆虫は、大変不衛生の所にいても、病気に罹らない。なぜだろう、と調べてみると、自ら「抗菌性のたんぱく質」を生み出していることがわかりました。この抗菌性たんぱく質を何かに利用できないか、現在、研究中です。

また、蚕には、休眠細胞があり、この細胞をガン細胞に移植したら、がん細胞の繁殖を抑えられるのではないかという研究も、岩手大学で進んでいるそうです。これまで、やたらと、抗生物質を投入して、健康な細胞まで、「破壊」していたのですが、この研究が成功すれば、ノーベル賞ものではないでしょうか。