辛いことに負けない

 ローマにて

作家で医師の久坂部羊氏は1996年、パプアニューギニアで、伝説の映画監督レニ・リーフェンシュタールと会っています。

彼女は、ヒトラー・ナチス政権下で行われた1936年のベルリン・オリンピックを撮影し、一躍脚光を浴びます。時に34歳。もちろん、このことで、彼女は一生、十字架を背負って生きていくことになります。

久坂部氏が、レニに会ったのは、その50年後のことで、彼女が94歳の時。レニは、戦後、アフリカのスーダンのヌバ族の生活を10年以上追い続け、写真集「ヌバ」を出版し、再評価の兆しを獲得しつつありました。その頃は、現役のスキューバーダイバーとして、海中写真を撮っていました。

当時、現地の日本大使館で医務官を務めていたという久坂部氏は、勇気を出して彼女に話しかけ、元気の秘訣を聞きました。

すると、彼女はこう答えたというのです。

「それは人生をつらいことで満たすことよ。それに負けないことがエネルギーになる」

2003年に101歳で没。

(27日付朝日新聞)

寸鉄人をさす

ローマ

警句

●人生とは孤独と見つけたり

●情報の99%はゴミである

 

アカデミー賞に香港映画のリメーク作品「ディパーテッド」のマーティン・スコセッシに監督賞と作品賞。「バベル」の菊池凛子は助演女優賞を逃し、日本人が主演した「硫黄島からの手紙」(クリント・イーストウッド監督)も落選。

●投票権を持つ会員のレベルが落ちたのか。ハリウッド映画のレベルが落ちたのか。アカデミー賞といっても、もともと、仲良しクラブの会員を褒めてあげる仲間内の賞なのかもしれない。東洋人なんて、百年早いってことか?

決して諦めないこと

決して諦めてはいけません。
心配してはいけません。
くれぐれも安心するように。いつも明るい心でいてください。
今の状況が半永久続くわけがありません!
決して悲観してはいけません。
必ず道は開かれます。
明けない夜はありません。
そのうち必ず良いことがあります。
という言葉を何度も反芻してください!

非常に異様に奥深い話 

サン・ピエトロ聖堂

公開日時: 2007年2月25日 @ 12:0

最近、目に留まったニュース

●国際的な建築家、黒川紀章氏(72)が、東京都知事選に立候補を表明

理由は「(大親友の)石原知事は、引退する潮時だ」

対する石原慎太郎知事(74)は「ありがた迷惑な話」

ーーー都知事選が面白くなってきました。

●島原の乱(1637-38年)で、「イエズス会が反乱勢力を支援した」?

オンライン百科事典「ウィキペディア」(英語版)の間違いを米国の学生たちがそのまま引用して発覚。

ーーーネット情報がすべて正しいという認識は間違っているという、事例でした。

●米民主党のビルサック前アイオワ州知事が大統領選から撤退

理由は「カネだ。撤退の理由はカネだけだ」

大統領の指名争いに残るために、6月まで2千万ドル(約24億円)が必要だとか。

ーーー24億円!?さすがにスケールが違う。

●毎日新聞社会部の大平誠記者(41)が、東京・南青山の土地取引に関する問題で、国民新党の糸川正晃議員(32)に取材した録音データが、第三者を通して、ネット上に掲載

第三者のフリーライターのブログに掲載されたデータは、削除されたが、このデータを他のブログに転載された。

ーーーこの話は昨年から長々続いている事案で、昨年5月に実弾入りの脅迫状が糸川事務所と毎日新聞社東京本社に送りつけられ、糸川氏は福井市内のスナックに建設会社「平和奥田」相談役山元康幸容疑者(49)らから呼びつけられ、「脅迫相手に小指がなく、怖かった」と供述しています。

また、この南青山の地上げには、米国ファンド系の不動産会社も関わっているという疑惑が持たれ、日米をまたがった国際的なアンダーグラウンドの連携があるのではないかという憶測も生んでいます。

非常に異様に奥が深い話だったのです!今後、どういう展開になるのか?

「不都合な真実」★★★★

ローマ

アル・ゴア米元副大統領の映画「不都合な真実」を観てきました。

地球温暖化による影響を詳細なデータと学術論文を土台にして、大衆に分かりやすくスクリーンでゴア氏が、地球の「危機」を世界中の講演(全世界で1000回以上)で説明している様をそのまま映画化したもので、非常に衝撃的といえば、衝撃的です。あのヘミングウエイの「キリマンジャロの雪」が、このわずか20年で、あんなに溶けてなくなっていたとは知りませんでした。吐き気さえ催しました。

このまま温暖化が進めば、北極や南極の氷が溶け、モルディブやオランダをはじめ、中国の北京、上海、インドのボンベイ、東京の江東、墨田区などのゼロメートル地帯は海面の下に沈むことでしょう。あの「9・11」の舞台だったNYマンハッタンの世界貿易センターの跡地でさえ、海面下です。テロ対策と同時に地球温暖化対策が必要だと、ゴア氏は何度も力説しています。

この他、洪水や旱魃、人口の増加や、伝染病の蔓延などによる人類の破滅に近い有様が、まるで他人事のように淡々と描写されています。「50年後」と言われれば、そこまで、生きていない人にとっては、関係のない話なのかもしれませんが…。

そもそも、この映画を観たいと思ったのは、バスの中で、60代後半か70代の紳士、恐らく、単なるサラリーマンではなく、この年で現役で働く中小企業かどこかの取締役と思われる人が、この映画の話をしていたからです。

「温暖化なんていうと、温かくなって、有り難いなんて雰囲気がありますが、そんなもんじゃない。アル・ゴアは、地球の危機という言葉を使っていましたよ」と、恐らく、50年も経たなくても、遅かれ早かれ鬼籍に入られてしまうような老人が心配そうに話していたのです。

あ、映画を観なければいけないな、と老取締役の会話を聴いて、使命感を感じたのです。

ゴア氏は、環境問題に関しては、学生時代から興味を持っていたようです。その辺りは、映画の中で明らかにされています。

この映画は、政治家ゴア氏が主人公ですが、政治家不信の人のために、ゴア氏の息子が6歳の時に交通事故で重症を負った話や、父親が煙草の大農園の領主だったのですが、ゴア氏の実姉が煙草の吸いすぎで、肺がんで亡くなり、煙草農家を辞めた話などを盛り込んで、ちゃんと伏線を張っています。つまり、ゴア氏がなぜ環境問題に取り組むようになったのかというエピソードも盛り込まれているのです。

CO2の排出をこのまま続けていけば、地球は破滅してしまう。というのが、この映画の主眼だと思われますが、笑ってしまうのは、その主人公のゴア氏が映画の中で平気でCO2を排出する車を運転しているのです。ゴア氏は「いや、この車は、環境にやさしいハイブリッドカーだよ」と反論するかもしれませんが。

そうです。映画の中で明らかにされているように、一番の問題の一つは、京都議定書に調印していないアメリカとオーストラリアの存在なのです。市場原理主義、経済最優先の国の国民たちの、地球温暖化抑止のための意識がもう少し高まると、宇宙船地球丸の将来に明るい展望が開けるのです。

CO2を世界一排出する悪玉国家がアメリカなら、こういう映画を製作できるのは、その正反対の良心を持ったアメリカでしかないという現実。

もう、宣伝臭いなどと学生のような言い分がまかり通る時代は終わりました。

このままいけば、地球は破滅し、人生がどうのこうのといったお遊びをなくなってしまうのです。

皆、覚悟してこの映画を観るべきです。記者や評論家もちゃんと自腹を切って。

もう特権意識しかない鼻持ちならないマスコミだけが発言する時代は終わりました。良心を持った市民が発信する時代なのです。

【後記】

●「不都合な真実」は、アカデミー賞の「長編ドキュメンタリー賞」を受賞

●アル・ゴア氏、自宅で電力を浪費していることが判明。1年間のガス、電気代は3万ドル(350万円)とか

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070301-00000029-mai-int

 

「仮名手本忠臣蔵」観劇記

 ローマ

東京・銀座の歌舞伎座で通し狂言「仮名手本忠臣蔵」(並木千柳、三好松洛、竹田出雲作)を見てきました。昼夜通しだったので、かなりの出費を強いられましたが、行ってよかったと思います。菊五郎の塩冶判官と勘平、幸四郎と吉右衛門の大星由良之助、富十郎の高師直、魁春の顔世御前、梅玉の石堂右馬之丞と勘平と斧定九郎、玉三郎のお軽、仁左衛門の寺岡平右衛門…これ以上ないといわれるくらい当代一の役者が出揃っていました。

最近読んだ本で、やたらと「忠臣蔵」が登場してきたのです。

岡本綺堂の「半七捕物帳」の「勘平の死」では、商家の素人芝居の忠臣蔵の六段目で、真剣が使われる殺人事件が起き、半七が、その事件を解決していきます。「忠臣蔵の六段目」と言われれば、当時、つまり昭和初期の読者は、ほとんどの人が、すぐピンときたことでしょう。何度も何度も芝居で見ていたに違いません。しかし、現代人は余程の通しか、ピンとこないでしょう。(そういえば、月刊誌「演劇界」が休刊したらしいですね)

広瀬隆著「持丸長者」には、「忠臣蔵の真実」として次のようなことが書かれていました。

●赤穂浪士全員の切腹を上申したとされるのが、将軍綱吉の側用人・柳沢吉保お抱えの陪臣で儒学者の荻生徂来。元禄16年2月4日、大石内蔵助ら赤穂義士46人が切腹させられた。四十七士と言われていたのに、一人足りないのは、寺坂吉右衛門だけが、内蔵助から「後世に討ち入りを正しく伝えるために生き延びよ」と命じられ、義士の血盟から離れたため。

●吉良上野之介は、上杉鷹山の直系の玄孫で、柳沢吉保は武田信玄の末裔。これではまるで、上杉謙信と武田信玄の戦いの再現?浅野内匠之頭は、甲斐二十二万石領主・浅野長政の四代後の子孫。長政は豊臣秀吉の義兄弟で、佐渡、甲斐、信濃の金山を管理支配した。赤穂浪士切腹の翌年、柳沢吉保が甲府城の藩主となる。

●赤穂は入浜式塩田の技術を生み出し、日本の製塩業に革命を起こした。この入浜式塩田技術を教えろと吉良が浅野に求めて断られ、吉良家が赤穂に放った間諜も殺されて失敗。そこで、わざと吉良が赤穂藩召し上げを工作して、浅野を挑発する…。

こんな話を読めば、どうしても「忠臣蔵」を見たくなる、と思いませんか?

しかし、チケットを買う際は、まさに清水の舞台から飛び降りる心境でした。ちなみに、今は、ネットで簡単にチケットが買えるのです。座席が分かるので便利です。

実は、新橋の安売りチケットで探してみたのですが、定価かそれ以上の値段が付いていました。そういえば、手に入りにくい有名なコンサートや演劇のチケットは、軒並み定価の5倍くらいの値段が付いているのです。需要と供給の世界なのでしょうが、これでは、まるでダフ屋じゃないかと思いました。

ちなみに、2007年2月の物価を後世に残したいので、歌舞伎座の金額を書いときましょう。

観劇料

1等席 15、000円  1階桟敷席 17,000円  2等席 11,000円 3等A席 4,200円 3等B席 2,500円

幕見席 600円ー1、300円

食事

吉兆松花堂弁当 6,300円 オリエンタルカレー 700円  サンドイッチ 700円

コーヒー 300円

筋書き 1,200円

生きられるだけ生きよう

ローマ

北海道に住むSさんから「あなたのブログが、もっと、夢と希望に満ち溢れ、プラス志向で、楽しい話題だったら、もっともっとアクセスしてくれる人が増えるのではないでしょうか」という貴重なアドバイスを戴きました。

うーん。

「楽しいこと」と言っても、あまり思い浮かびませんね。「今の世の中、治安が乱れ、若者は、電車の中で座り込んで携帯で大声で話しをして、男の子が、耳や唇にピアスして、モラルのひとかけらもない。ひどすぎる」とすぐ周囲のせいにしてしまいます。

以前、朝日新聞の漫画で「フジ三太郎」というのがありましたが、我らのヒーロー、三太郎さんは、バニーガールのお姉さんと一緒にラインダンスを踊っている夢をよく見ていました。

私もそんな夢しか思い浮かびません。情けないですね。ピアスの若者以下なのかも。

そこで、気持ちを引き締めて…。

 

「出会いとは、結局のところ、他者を介しての自分自身との出会いなのである」ー小林司

「生きるだけ生きよう 草 萌ゆる」-山頭火

「行き行きて 倒れ 伏すとも萩の原」-曾良

「悲しめるもののために みどりかがやく 苦しみ生きむとするも ものために ああ みどり輝く」-室井犀星

「相手に魅力を感じないで付き合うなど これ程しんどい話はあるまい」-陳舜臣

独りではない

ローマ

公開日時: 2007年2月21日 @ 20:03

子曰く、徳 弧ならず、必ず隣有り。

(現代語訳)

老先生の教え。

人格のすぐれている人は、決して独りではない。

必ず(その人を慕ってそのまわりに)人が集まってくる。

歯科の初診3000円は高すぎますか?

ローマ

Aさんは、寄る年波で、体のあちらこちらでガタがきてきました。

まず、仕事でパソコンのやり過ぎで、眼痛と首痛と激しい肩痛。

花粉症が復活して、目のかゆみと鼻炎。

昨年から右奥の虫歯から最近急に痛みだし、腰、脚、膝、そして、爪先に至るまで、鈍痛が一ヶ月も続く有様。

運動不足も遠因なのでしょう。

ヘレン・ケラー並に「四重苦」「五重苦」を抱えています。

ところで、Aさんは、今日、歯医者さんにいったところ、初診で3、010円払ったそうです。

これに対して、彼の友人から「それは、高い」と言われたそうです。大体1500円から1700円ぐらい。銀座とか、高くても2000円くらいが相場。「儲け主義」の店ではないか、というわけです。

Aさんは、当初、別の歯科医院に行ったのですが、予約で満杯で、次に予約できるのが、何と10日後と言われたのです。仕方なく、彼は、そこの近くで、出来立てホヤホヤの駅近マンションの1階にある歯科医院に飛び込みで行くことにしました。

ちょっと、高級そうな感じで、院内は明るく、器具設備も新品。院長先生も医学博士。今度は、ほとんど待たされることなく、すぐ診てもらうことができました。

ただ、痛い歯だけ、治療してもらおうとして、診察前のアンケートにもその旨を明記したのに、「ここにも虫歯があります」「ここにもあります」「今度治療しましょう」と積極的に奨められたそうなのです。

裏を返せば、この歯科医院はあまりにも高い店なので、お客さんがいなかった。この歯科医院は、設備費などの元手を取り戻すために、高い料金体系に設定していた。とにかく、何でもいいから治療費をふんだくりたかったので、虫歯の治療を奨めたーということだったのでしょうか。

私は、この辺りのからくりについては、よく知りません。どなたか詳しい方は是非教えてください。

歯医者の初診が3000円というのは、やはり高いのでしょうか?

貧困の風景

ローマ

最近、『貧困の風景』を上梓した作家の曽野綾子氏が「今の日本は格差社会とか、いくら働いても貧しいワーキングプアーとか言ってますが、日本人は本当の貧困を知らない」と嘆きつつ、警鐘を鳴らしています。

現在75歳の同氏は、アフリカなどの最貧国を訪れ、エイズと診断された途端、食べ物が与えられなくなった子供たちなど、過酷な現状を目の当たりにしてきました。

曽野氏は、「本当の貧困とは、明日、食べる物がないということなのです。今の日本人はそういう人は稀でしょう」と言うのです。「私は、新聞の投書を読むのが好きなのですが、給料が下がって、歌舞伎の鑑賞に行けなくなった、というのがありました。別に歌舞伎を見に行くなと言うつもりはありませんが、世界の貧しさの現状をみれば、日本人は何て幸せなんだろう、と思われるでしょう 」と、ラジオのインタビューで答えていました。

こういうことは、口で言ったり、頭で考えただけでは分かりません。

ということで、曽野氏は、大胆な提案をするのです。
「一年のうち、二日でいいから、断食してみてください。そして、電気の一切ない生活をしてみてください。真っ暗な暗闇の中でテレビも携帯電話もない生活をしてみてください。この時、初めて、世界の貧困の現実が少しは分かるかも知れませんね」

さあ、皆さんにはできるでしょうか?