交通事故か何かの後遺症で、一度眠るとその日の記憶がすべて抜け落ちてしまう「高次脳機能障害」と呼ばれる記憶障害を持った大学生(佐藤隆太)が、学生プロレスに情熱を燃やす映画「ガチボーイ」が評判を呼んでいるそうです。
私は、粗筋から言って、当初は「荒唐無稽」に感じたのですが、日本では、約30万人の人が記憶障害で苦しんでおり、実際、競輪選手で、事故に遭って記憶障害となり、身障者競輪選手になった人がいて、「頭の中の記憶は消えても、肉体を酷使したたための筋肉の痛みなどは翌日になっても残っている。だから、この映画を見て、自分と重ねて納得した」と話していました。
プロレスによって自分の体を痛めつけるという話は、決して、現実離れした荒唐無稽の話ではなかったんですね。失礼しました。
ところで、今朝の新聞に面白いことが載っていました。
「お酒で憂さは晴れません」という記事です。東京大学の松木則夫教授(薬品作用学)がラットを使った実験で、その細かい内容は省きますが、「恐怖記憶」を素面(しらふ)のラットと酔ったラットとを比べた結果、酔ったラットの方が強かったそうなのです。
つまり、思い出した恐怖記憶が、アルコールによって強められたと考えられるというのです。
お酒で、余計に憂さが強まってしまうということなんでしょうね!
松木教授の「嫌なことを忘れる奥の手は、記憶がおぼろげなうちに、楽しい記憶で上書きしてしまうこと」というコメントも載っていました。
お酒に頼ってちゃいけないんですね。
過ぎてみれば、思い出は皆、美しく輝くものです。
漫画を映画化した「3丁目の夕日」が大ヒットしました。高度成長期の昭和30年代が舞台です。確かに、今より生きがいを感じられたかもしれませんが、貧乏ゆえ嫌なことも沢山あったはずです。
それでも、楽しい記憶で上書きすれば、すべてが明るくばら色に輝くのです。
私も最近、嫌なことが続いているので、楽しい記憶を呼び起こすことにします。
【箴言】
喜びが喜びを連れて来る
楽しみが楽しみを連れて来る