改正通訳案内士法が施行 お金をかけて馬鹿をみた話

イタリア・ヴェローナ

今年1月から改正通訳案内士法が施行されました。観光庁のホームページには以下のように書かれています。

平成29 年6 月2 日に公布された改正通訳案内士法が、平成30 年1 月4 日に施行されました。これにより、通訳案内士の業務独占規制が廃止され、今後は資格を有さない方であっても、有償で通訳案内業務を行えるようになるほか、通訳案内士の名称が「全国通訳案内士」に変更されるなど、通訳案内士制度が大きく変わります。

 1.背景

 訪日外国人旅行者の受入環境の整備を図るため、通訳案内士資格に係る規制を見直すとともに、旅行の安全や取引の公正を確保するため、旅行に関する企画・手配を行ういわゆるランドオペレーターの登録制度の創設等の措置を講じる「通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律」(平成29 年法律第50号)が、昨年6月2日に公布され、本年1月4日に施行となりました。

 2.通約案内士法の改正内容

(1)業務独占規制の廃止・名称独占規制のみ存続

(2)地域通訳案内士制度を全国展開

(3)全国通訳案内士試験の試験科目の見直し

(4)全国通訳案内士に対して登録研修機関が行う研修の受講を義務づけ

 

イタリア・ヴェローナ

恐らく、関心のある方しか上記をお読みになることはないと思われますので、簡単にこの国がやりたいことをご説明致します。

かつては、「通訳案内士」の資格試験は、日本の三大難関試験の一つとも言われておりました。合格率が10%程度ですから、100人のうち90人は落ちたのです。大昔の「かつては」の話ですが。

それが、今回の改正によって、「今後は資格を有さない方であっても、有償で通訳案内業務を行えるようになる」ことになったのです。

つまり、ぶっちゃけ、「資格なんかなくても誰でも、ガイドしてお金もらっていいですよ」という話なのです。(今まで無資格でやってた人は、モグリです)だから、結果的に「これまで取得した資格証明書は紙切れになりましたよ」ということになりますよね?

アッジャパーですよ。(伴淳三郎が映画「吃七捕物帖」=1951年公開で流行らせた驚きと困惑を表す感嘆詞)

私もかつて、多大な時間をかけ、週末に予備校に通ったりして多くの投資をしてやっとのことでこの資格を取ったのですが、投資金も回収できず、結局、無駄になってしまいましたよ(苦笑)。

上記には書いておりませんが、観光庁による研修と、合わせて5年に一度、登録研修の受講が義務付けられ、受講しないと「資格剥奪」となるようです。

これが、「この国のかたち」なんでしょね。

別に抗議をしても始まりませんし、唯々諾々と従うだけですが、それにしても酷い話ですねえ。悪い言い方ではありますが、国が保証するというのに、空手形をつかまされた気分です。

まあ、世界には、国家間で不可逆的に取り決めた「合意事項」を前政権が勝手にやったからということで反故する動きを見せる国もあるぐらいですからね。

ま、資格剥奪されても、関係ねーか(笑)。資格なくてもガイドしてもいいってことですからね(笑)。

何か馬鹿みたい。