サンティアゴとは聖ヤコブのことだったとは!

来月、夏季休暇を取りまして、一人でスペインに行くことにしました。

欧州は、英国、フランス、ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、デンマーク、ギリシャ…10カ国以上は行ってますが、スペインはまだでした。トラウマがあったからです。

学生時代に、生まれて初めて真剣に付き合った女性がスペイン語を専攻していて、彼女に振られてからは、どうもスペイン的なものを受け付けなくなってしまったのです(インカ帝国、アステカ帝国を滅ぼしたのもスペイン人でしたからね=苦笑)。

もう40年も昔の時効の切れた話ですから笑い話です。

それが、今春、ダン・ブラウンのベストセラー「オリジン」を読んでいるうちに、(それは、バルセロナのサグラダファミリア教会がメイン舞台になっていたのですが)、死ぬ前に一度、行って見てみたいと思ったのでした。

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彼女に振られてかなり落ち込んだ頃、クリスチャンでもないのに、聖書を読み込んで救いを求めました。そのもう一つの理由として、文学作品や宗教画や建築を鑑賞する際、どうしても聖書の知識がないとさっぱり分からなかったこともあります。

アンドレ・ジッドにせよ、ニーチェにせよ、アンチクリストにせよ、西洋史、西洋文化を理解するには、聖書の知識が欠かせません。

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ということで、自分自身は、ある程度は、聖書の知識はあると自負していたのですが、今回、スペインに行くに当たって色々と勉強していたら、キリストの十二使徒の一人、聖ヤコブがスペインではサンティアゴと呼ぶことを初めて知りました。クリスチャンの吟さんは知ってましたかねえ(笑)?

そういえば、スペインが植民地にしたチリの首都はサンティアゴだし、キューバにも、サンティアゴ・デ・クーパという都市があり、他にも沢山あります。

本家スペインでは、北西端のサンティアゴ・デ・コンポステーラが、エルサレム、ローマに次ぐキリスト教3大聖地の一つになっていました。9世紀初めにここで聖ヤコブの墓が発見され、世界各国から多くの巡礼者が訪れるようになったからです。(今回行かれないのが残念!)

そこで、十二使徒の聖ヤコブを調べているうちに色々と面白いことを発見、いや学ぶことができました。

図解入りで分かりやすいサイトがあったので、引用させて頂きたいと思います。イエス十二使徒 ←こちら

何と言っても、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」が有名ですよね。

十二使徒には2人のヤコブがいるので、このサイトでは「大ヤコブ」と表記されています。ここでは、大ヤコブ=サンティアゴとは全く書かれていませんが、「スペインで伝道」とだけ書かれています。この人は、イエスの弟子の中では「トップスリー」に入るほど、イエスに愛され、信頼されていた人だったのです。ナンバーワンは、ローマの初代教皇になるペトロ(バチカンの聖ピエトロ大聖堂)、ナンバースリーは、大ヤコブの弟ヨハネです。この人は天寿を全うし、「ヨハネによる福音書」「ヨハネの手紙」「ヨハネの黙示録」を書いた人と言われていますが、否定する学説も多くあります。

皮肉にも、イエスの弟子で一番有名なのが、彼を裏切ったユダで、日本人は私も含めて他にほとんど知らないでしょうから、ここで、改めてイエスの弟子を整理してみます。

(1)ペトロ(シモン、アンデレの兄、弟説も。漁師)ローマで殉教

(2)アンデレ(ペテロの弟、兄?漁師)ローマで殉教

(3)大ヤコブ(ゼベダイの子、ヨハネの兄、漁師)エルサレムで殉教、スペインで埋葬

(4)ヨハネ(ゼベダイの子、大ヤコブの弟、最年少の十代、漁師)弟子の中で唯一人殉教せず天寿を全うした

(5)フィリポ(ピリポとも。バルトロマイの友人、漁師)小アジアで?殉教

(6)バルトロマイ(フィリポに導かれ弟子に)アルメニアで殉教

(7)トマス(イエスの双子の兄弟?漁師、または大工)南インドで殉教

(8)マタイ(アルファイの子、徴税人)「マタイ福音書」の記者説も。トルコで殉教?

(9)小ヤコブ(アルファイの子、マタイと兄弟)エルサレムで殉教

(10)タダイ(ユダとも。小ヤコブの子、または小ヤコブの兄弟とも。マリアの妹クロパの子?)アルメニア?で殉教

(11)熱心党のシモン(反ローマ帝国の過激派)ペルシャで殉教

(12)イスカリオテのユダ(銀貨30枚と引き換えにイエスを裏切る)自殺

私は、覚えていませんでしたが、サンティアゴこと大ヤコブとヨハネ兄弟の父はゼベダイですが、母はサロメで、彼女はイエスの母マリアの姉妹(ヨハネ福音書)なのだそうです。となると、このヤコブ・ヨハネ兄弟は、イエスの従兄弟となりますね。

上述しましたが、(7)トマスはイエスの双子の兄弟、(10)タダイはイエスの母マリアの妹クロパの子という説もあるらしく、となると、イエスの弟子には親戚兄弟が多くいたということになります。

何しろ、イエスにヨルダン川でバプテスマを授けた洗礼者ヨハネは、その母エリザベトとイエスの母マリアとは親戚だった(ルカによる福音書)と言われてますから、これまた狭い縁戚関係だったのです。ペテロ、アンデレ、大ヤコブ、ヨハネの4人は、もともとは洗礼者ヨハネの弟子だったという説もあります。

イエスが最初から教団をつくろうとしたのか、しなかったのか、色んな説がありますが、少なくとも初期の原始教団は、狭い姻戚関係から生まれたことは確かでしょう。

ちなみに、ヨハネは英語でジョンだし、ペトロはピーター、ヤコブはジェームズ、殉教者パウロはポールということで、キリスト教は欧米人の生活の深部に関わっているわけです。ヤコブはフランス語でジャック(Jacques)で、コキーユ・サン・ジャック(coquille Saint-Jacques)で「帆立貝」を意味します。これには、諸説がありまして、聖ヤコブの亡骸をエルサレムからスペインに運んだ際に、小舟に帆立貝がくっついていたから、とか、聖ヤコブが布教中に帆立貝を持ち歩き、これで水をすくって飲んでいたから、など沢山あるようです。