人真似小猿

 渋谷

最近、日本でも大学の助教授を「准教授」と呼ぶようになりました。マスコミがそう呼ぶのを決めたのではなく、今年の4月から、大学当局というか文部科学省が通達したのです。准教授は、アメリカのassociate professor の訳なのですから、アメリカの真似です。そう呼ぶようにアメリカが言ってきたのでしょうか?

 

そう言えば、財界ではもう何年も前から、会長や社長と並行して最高経営責任者(CEO)などとしゃれて言うようになりました。しゃれて?どうせまた、真似なのでしょうけど…。

 

もうすぐ始まる裁判員制度もアメリカの陪審員制度の真似というか、強制なのかもしれません。

 

お遊びのスポーツでもありました。日本のプロ野球のセ・パ交流戦です。まさにこれは大リーグの真似ですね。

 

小津安二郎の映画の世界が、日本人の原点とか日本的というと、もう笑われるかもしれませんが、今の日本にはもう小津的日本人は一人もいません。ないものねだり。喜んでいる方々もたくさんいるでしょうが…。

達観の境地

 十勝岳

 

会社の先輩の水川雅紀さん(仮名)と昨日、昼食を一緒にして色々とお話を伺いました。

 

水川さんは、大学の先輩でもあり、私より6歳年長です。でも、童顔でほとんど白髪もないので、私より6歳以上若く見えます。そんな先輩が、大病を患ったのは、昨年の春先。生死を彷徨うほどの大病で、約1ヶ月間の入院で、まさに九死に一生を得て、この世に生還を果たしたという感じでした。

 

病名は「急性大動脈乖離」。石原裕次郎やドリフターズの加藤茶とほぼ同じ病名です。ある日、突然という感じではなく、何か徐々に徐々に体調が思わしくなくなり、救急車で運ばれた時は全く歩けない状態だったそうです。下半身に血の巡りが悪くなり、医者が脚の脈を取ったところ、脚の脈がなかったそうです。

 

約1ヶ月間は、絶対安静の状態で、手術をすると、何か、鉛のような金属を埋め込まなければならなかったそうですが、そこまでしなくても回復してきたので、退院したそうです。しかし、今でも「いつ再発してもおかしくない」時限爆弾を抱えているようなものです。

 

原因を考えても、仕事のストレス以外はあまり考えられないそうです。健康には一応気を使い、食事にも気を使っていた。強いて挙げるとすると、、倒れる前は、よく、焼酎を原酒のまま飲んでいた。それぐらいだったそうです。

 

この世に生還して1年余り。私が「人生観は変わりましたか」と質問すると「変わったなんてもんじゃないよ」と先輩は答えました。「ああ、このまま死んじゃうんじゃないかなあ、と思ったけど、もう少しだけ、生きてみたい。何をしたいというわけじゃないんだけどね。別に何か書いてみたいということでもない。とにかく、細々と、でいいから、生きてみたい。そう思ったんだよ」

 

先輩は、特に宗教や信仰を持っているわけではなく、言葉を巧みにして表現するようなタイプではありませんが、「達観の境地かな」と言いました。私が「路傍に咲く花が一段と可憐に見えたりするんじゃないですか」と言うと「そうそう、その通りなんだよ。うまいことを言うねえ」と声のトーンを上げました。

 

「いつも、家の近くで散歩していた所で、入院前は通り過ぎていた『おせんべい屋』さんがあってね。そこでは80代のお爺さんとお婆さんが店を切り盛りしているんだけど、そこで、色んなおしゃべりをしたりしてね…。細々と生きるということがこんな素晴らしいことなのか初めて気がついたよ」

 

「そうなると、会社の人事とか出世なんかには興味なくなるんじゃないですか」と私。

 

「そう、まったーく、どうでもいい。出世したからと言ってどうなの?ウチの会社の人を見ても、出世しても可哀想なくらい惨めでしょう?人間、生きるということは、そんなもんじゃないということに気付いたんだよ」と、先輩は自信満々の表情でした。

 

これこそ、まさに「達観の境地」です。

私などのように修行の足りない人間は、毎日、焦ったり、後悔したり、地団駄を踏んだり、恨んだり、羨んだりしてばっかりなので、まだそんな境地にまで至りませんが、非常に腑に落ちる話ではありました。

ハンドパワー

 帯広

 

四国に住む浜松輝彦氏(仮名)からメールが来ました。「朋之介さん、実は私には超能力があるのですよ」

 

何のことかと、思いました。予知能力?透視能力?それとも、忍者のような雲隠れの術?色々考えてみましたが、よく分かりませんでした。それから、何日か経って、また彼からメールが来ました。

 

「朋之介さんの書いていることに驚きました。実は、私もハンドパワーの能力を持っているのです」

 

「なあんだ」と、私は思いました。別に、驚きません。まだ、目の前で見たことはありませんが、否定はしません。目の前で見せてくれれば信じでもいいのですが…。そのことを伝えました。「別に驚きませんよ」。

そしたら、浜松氏はがっかりした様子でした。「なあんだ、もっと驚いてくれると思ったのですが…」

 

聖書で書かれているいわゆるイエス・キリストの奇蹟は、今で言うハンドパワーのことだと私は思っています。新約のマタイによる福音書には「らい病を患っている人をいやす」「百人隊長の僕をいやす」「多くの病人をいやす」(8章)、「中風の人をいやす」「二人の盲人をいやす」(9章)、「手の萎えた人をいやす」(12章)、」「大勢の病人をいやす」(15章)など、たくさんの病人をいやす様が描かれています。聖書記者がイエスの超人ぶりを強調したかったからでしょう。

 

しかし、これらの話は、文学的比喩とか、誇張とか、伝説とかではなく、実際に、人々の目の前でイエスがハンドパワーを使って、病人を癒したのではないかと私は思っています。

 

ということは、何もイエスだけ特殊に与えられた才能ではないのではないかと思っているのです。ハンドパワーの超能力を持つ人は、今の日本でも数万人はいるのではないかと私は勝手に推測しています。

 

ただし、そういう能力があるからといって、誰もがイエスになれるわけではありません。「逆も然り」は成り立たないのです。あと、2千年経っても、この地球上にイエスのような人間は現れないと私は確信しています。

芸能界相関図  

 上野

久しぶりに芸能界の話題を。テレビドラマ「おくさまは18歳」や「パパと呼ばないで」などで知られる石立鉄男さんが、6月1日に急性動脈瘤のため、熱海市の自宅で亡くなりました。まだ64歳だったとのこと。ドラマの内容についてはほとんど覚えていないのですが、昔、これらのドラマを見たことがあり、随分過剰な演技をする俳優だなあという印象は残っています。私生活でもかなり破天荒だったらしく、同居していた女性が、彼が息をしていないのを発見したようです。

 

5月27日に亡くなったZARDの坂井泉水さんは、シングル盤が1751万枚で歴代女性歌手で、浜崎あゆみに続く2位、アルバムは1871万枚で、歴代2位の売り上げを誇るヒットメイカーだったようです。

彼女は1991年にデビュー。私自身、90年代は、ほとんどクラシックかジャズしか聴かなかったので、ほとんど聴いていません。さすがに彼女の代表曲である「負けないで」(164万枚)と「揺れる想い」(139万枚)は、よくラジオで流れていたので、何となく分かりますが、歌詞内容に影響受けるまで至りませんでした。しかし、彼女が亡くなると、途端に「よく、歌で励まされた」「救われた」というファンの声を聞き、改めて、聴いてみたくなりました。90年代は、バブルが崩壊して、就職の超氷河期などで先行き不透明で社会閉塞の時代と呼ばれていた時期でした。彼女は、メディアにわざと露出しないで、ファンの飢餓感を呷る逆の戦略で成功し、この戦略は後に倉木麻衣らに影響を与えました。

 

まだ40歳という若さですから、本当に惜しまれます。

 

芸能人という人たちは、あれだけ、強烈なスポットライトを浴びるものですから、後ろに出来る影は一般人と比べて遥かに濃くて深いものです。とてつもない幸運の持ち主であるとういう半面、病気や金銭トラブルや事故やスキャンダルなど悪い因子も人並み以上に引き寄せてしまうものなのです。

 

そういう不安定な職業ですから、何かに縋りたいという気持ちはよく分かります。「週刊新潮」の今週号に「タレント相関図」を特集していました。それによると…。

久本雅美(48)、滝沢秀明(25)、上戸彩(21)、石原さとみ(20)、長井秀和(37)、はなわ(30)、氷川きよし(29)、クリスタル・ケイ(21)、パパイヤ鈴木(40)、オーランド・ブルーム(30)、チョウ・ユンファ(52)、モンキッキー(38)、相田翔子(37)、柴田理恵(48)、山田花子(32)、若槻千夏(23)、鈴木杏(20)、青木さやか(34)、研ナオコ(53)、高橋ジョージ(48)、三船美佳(24)、岸本加世子(46)、AI(25)、Def TechのMicro(26)、井沢八郎、木根尚登(49)、山本リンダ(56)(敬称略)らがそうだというのです。私自身は、ほとんど知っていましたが、中には意外な人もおりました。

 

彼らには、NHK紅白歌合戦や大河ドラマの「出場枠」があり、テレビで売れなくなっても、自前の興行団体を持っているので、喰いはぐれることはないという誠に至れり尽くせりの「福利厚生」設備が整っているのです。

幸いなるかな、心の闇

  スペイン広場

 

天才と呼ばれる人たちが、なぜ、あのような偉大な事業を残せるのか?-このような疑問に「天才はいかにうつをてなずけたか」(求龍堂)の著者アンソニー・ストー氏が答えています。

 

「人間を困難で報酬の少ない仕事に立ち向かわせ、外の世界の事実や内面的な自我などから首尾一貫した真理を作り出すよう動機づける力は、疎外感や失望感に根ざしている」

 

端的に言いますと、人間の心の闇、つまり、鬱病や疎外感や失望感や空漠感などが、その穴を満たそうともがき苦しむことによって、偉業をもたらす、と著者は言うのです。

 

幸いにして、私も、そして、あなたも、心の闇だらけですよね?

 

さあ、ご一緒に歴史的な偉業を達成しましょう!

亀戸天神の藤まつり

上野のぼたん宛で、亀戸天神の「藤まつり」のポスターがありました。ぼたん宛と同じ時期で、5月6日までです。これは、行くしかありませんね。ひどい陽射しで暑かったので、アメ横で帽子を買って、都バスで、行きました。池の端1丁目~亀戸天神前(約40分) 200円。途中、湯島、根津、谷中、根岸、浅草を通るちょっとした下町見学コースなので、この路線は最高ですよ。バス旅行が好きだった田中小実昌さんを思い出しました。

ポスターは、誰でしたっけ?歌川広重か誰かの有名な浮世絵と上のような写真が並列されていました。

もちろん、江戸時代は木橋ですが、江戸時代の情緒は、ほんの幽かに残っているのです。

藤まつりは、無料です。ただし、人の多さは半端ではありませんでした。

藤の花は、やはり、少し、盛りを過ぎていました。4月下旬が見ごろなのでしょう。

藤の花を見て、花札を思い出してしまいました。

地元の伝統保存会が邦楽を演奏していました。

やはり、初めて亀戸天神も訪れました。こんな機会がないと行かないと思います。

行ってよかったと思います。

上野ぼたん宛

上野・東照宮の「ぼたん宛」(入園料600円)に行ってきました。

宛内には、500株くらいの色んな種類のぼたんが咲き乱れていました。

長らく東京近辺に住んでいましたが、ぼたん宛は初めてです。

「麒麟司」「白妙」「八千代椿」「花王」…色んな種類のぼたんがあるものでした。

ぼたん宛は5月6日まで。私が行った頃はちょっとピークを過ぎていた感じだったので、4月下旬がお奨めです。

東照宮(200円)もお参りしました。家康様が祭られています。

国宝の何とか門(残念メモしてくるの忘れた!)

これでも、拝観料など、いくら払ったのか忘れてしまったので、いちいちこのブログのために、電話で確認したりしたのです。

宮内には、藤堂高虎が寄進した石灯篭などがありましたが、そもそも上野は藤堂家の敷地で、藤堂の故郷の伊賀上野から命名したものです。三重県の上野の方が本家本元なわけです。

中国現代事情 

虎ノ門・金毘羅宮

(続き)

赤坂から虎ノ門に行く途中、「健康足裏マッサージ」店があり、「GW期間中 特別2割引」という看板に魅かれて入ってしまいました。普段45分4200円のところが、3360円でした。

足裏に何かクリームを塗りこんで、マッサージするもので、随分歩いたので、いい道中の休息ができました。施っしてくれたのが、中国人でした。病院でもないのに、私の名前を聞かれたので、正直に答えましたが、今度は、私が「あなたの名前は王さんでしょう?」と言ったら、相手から飛び上がらんばかりに驚かれてしまいました。

何で知っていたのかというのも、最近、新聞の記事で、中国で一番多い姓は「王」さんということを知っていたので、当てずっぽうで言っただけでした。(確か二位は李さん)

これが、きっかけで、王さんと色々話をしました。以下に箇条書きするとー。

●中国では、結婚しても妻の姓は変わらない。子供は、父親の姓を受け継ぐ。かつては、お墓はほとんどなく、遺骨は海や河に流したりしたり、自宅に保管したりした。今では、お墓も増え、夫と妻の姓を連名の墓を建てることがある。

●北京五輪を間近に控えて、北京市内は開発だらけ。歴史的な胡同(フートン)も消えつつある。金持ちと貧乏人の格差が激しくなった。選挙のない共産党独裁政権はよくない。昔は、政治批判をすると、すぐ逮捕されていたが、現在では随分緩和された。特に、文化大革命時代は最悪だった。

ちなみに、王さんは、北京出身で、1987年に来日したので、もう20年以上滞在している。(それにしては、日本語はあまりうまくなかった)

チベットから内モンゴルまで、中国中を旅行したことがあるが、日本は街が綺麗だし、とてもいい国だということでした。

この後、東銀座の「秩父錦」で、仲本さんと西町さんの3人で飲み会。痛飲して、どうやって帰ったのか記憶がなく、どこかで転んだらしく手の平に大きな内出血の痣ができてました。

洞爺湖万歳

2008年夏のサミットの首脳会合が北海道の洞爺湖地域に決まりましたね。

おめでとうございます!

私も一昨年の夏に行きましたが、いい思い出だけしか残っていません。世界に誇れる景観です。

主会場は「ザ・ウィンザーホテル洞爺」というこですが、そこは行った事がありません。

何しろ、安い部屋でも1泊4万円前後、スイートルームとなると10万円前後ということですから。

今年の7月には1泊136万円5千円の部屋も登場するとか。全く、お呼びでない。

この豪華高級ホテルは、バブルの遺物です。床は1億年から2億年前のイタリア製の大理石が使われ、1993年6月に会員制高級リゾート「ホテルエイペックス洞爺」として開業しました。総事業費665億円。その大半を拓銀グループが融資し、このおかげで、97年の拓銀破綻につながるわけです。

2000年にセコムグループが約60億円で買収して、02年に営業再開しましたが、今回、このホテルが主会場に決まったのは、背後に政治的暗躍も匂いますね。安倍さんとセコム創業者の飯田さんは仲がいいのでしょうか?

あ、余計な話でした。

私は北海道が話題になるだけで、嬉しいです。でも、偉い人の皆さん、あまり洞爺湖を汚さないでくださいね。この通り、綺麗な湖ですから。

根津躑躅祭り

根津神社の躑躅祭りに行って参りました。(入園料200円)

花も綺麗、空を綺麗、大地も綺麗、満開、幸せ一杯の春爛漫の日でした。

参道の横で、店が出ていて、躑躅が4万6500円で売っていました。

大きさと比較して、鑑賞した躑躅の一株あたりは、20万円から30万円くらいの値が付くことでしょう。

それが、500株くらいありましたので、実に壮観でした。

帰りに根津の老舗「うさぎ」で、浮かれて一献傾けました。

この店の名物料理「賀茂茄子の蟹揚げ出し」を食しました。

フキノトウの天麩羅、ソラマメ、カマス…旬のものと、お酒は米沢の「東光」。ほどよい辛口で、いけるいける。

横には21歳のMさん。会話も弾みました。