疲弊したアメリカ、没落した世界、大貧民になった渓流斎

アムール川 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 11月8日。もうすぐ世界中が大注目している米大統領選挙です。

  私はアメリカ政治に全く詳しくありませんが、11月8日投票は決まり事なんでしょうね。今年は平日の火曜日ですから。だからこそ、期日前投票があり、これが全体の4割を占めているそうです。ということは、既に投票を済ませている人もあり、メディアの事前調査もかなり選挙民の動向を反映していたのですね。ヒラリーかトランプかー。今両候補は拮抗していて、本当にどちらに転ぶか分からない状況です。

 多くの全世界の民衆は、なぜ、あんな暴言を吐く扇動家のトランプ候補に人気が集まるのか、さっぱり理解できませんが、色々と探っていると、多くの白人労働者階級が真面目に支持していることが分かりました。

 トランプ支持は、根本的にアメリカ全体が疲弊した、その現れです。
 プーシキン像 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
 
 背景にはここ10年の、異常とも言える貧富の格差拡大があります。トリクルダウンなんて可笑しな話です。富める者はますます富み、貧しい者は、心まで貧しくなる時代ですよ。

 米商務省の最新の統計によりますと、米国の「貧困層」は4600万人にも及び、世界一の経済大国だというのに、7人に1人が貧困層だと言われています。また、それだけではなく、「貧困予備軍」も控えており、そうなると、驚くべきことに米国民の3人に1人が貧困・貧困予備軍となります。

 数年前にウォール街を占拠した民衆の「1%の超富裕層と99%の貧困層」というスローガンは大袈裟ではなかったのです。

 つまり、中間層の没落です。
レーニン像 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 昨晩、NHKスペシャルで、トランプ人気の真相に迫っていましたが、「アメリカの市民は相当疲弊している」というのが私の正直な感想でした。

 「メキシコ国境に万里の長城を築く」などというトランプ候補の戯言は、「移民の国が何を唐変木なことを言っているのか」と思いましたら、ある市民に言わせると、彼らは不法入国なのに「手厚い福祉で教育まで受けられ、携帯電話までもらえる」「英語も話せないのに、レストランのウエイターやウエイトレスをやっているので、注文ができない」といった不満のオンパレードでした。

 彼らに共通して言えるのは、自分たちの権益が侵されているという危機感です。「よくぞ、トランプ候補が移民問題を政治イッシューに取り上げてくれた」と歓迎しているのです。自分たちが納めた税金が、「部外者」に回っていることを怒っていたのです。

 グローバリズムによって、中国などから安価な鉄鋼製品が入ってくるため、オハイオ州のある工場が閉鎖されて失業し、薬物に走って亡くなってしまう多くの労働者の問題も取り上げていました。彼らも識者も「もうアメリカンドリームなんかない。生きている歓びも希望もない」とまで言う始末ですからね。

 ここ数年、公立大学でさえ、授業料が2~3倍に高騰し、親もリストラされているため、奨学金の返済額が何百万円にも及んで、それでも卒業してもいい職業に就けないで絶望している若者たちもおりました。彼らが民主党のサンダース候補を熱狂的に支持していたわけです。

 一方、ヒラリー候補に関しては、「既得権益の代弁者」として、格差社会の推進者ということで、嫌われている側面があったわけです。

ワシントンポストもニューヨークタイムズも、既得権益の代弁者ですから、それを破壊しようとするトランプ候補が脅威に見え、10年以上昔のスキャンダルを持ち出してネガティヴキャンペーンを張っているという一部の人の意見もありますが、なるほど、一理あります。

 外国人からは常軌を逸したように見えたトランプ候補への異常な人気の背景に、こうした要因があったのですね。

 行き過ぎたグローバリズムの反動として、EUを脱退した英国でも、工場閉鎖が相次ぐイタリアでも、極右政党が勢力を伸ばすフランスでも、世界中というより、先進各国が歩調を合わせたように内向きな貿易保護主義、移民排斥主義の方向に移行しているのは、善悪は別にして、人間の業と言いますか、誰にも止められない趨勢のような気がしてきました。好き嫌いも別にして、です。

 今日は真面目過ぎたテーマでしたね(笑)。

 私も没落した大貧民ですから、足を踏まれた人間の痛みは同じように感じることはできます。

思いも掛けない祝賀会

1ユーロ

渓流斎改め濁流斎です。

昨晩は思いも掛けぬ展開と相成りました。

京都にお住まいの京洛先生が、江戸四座の山村座で興行される六代目中村菊五郎の襲名披露を観劇するために、わざわざ坂東下りされるということで、濁流斎に「せっかくですから、山村座近くのお茶屋で懇親会でも開きましょう。ついては、何処かいい場所を見繕ってくれまへんか」との御申し付けが御座いました。

「へっ、合点でがす」とお応えしたのはいいんですが、さて、いつものことながら、人数もバラバラで集まるかどうかも分からない連中(笑)ですから、何処か融通が効く気の利いた店はないものかと思案したところ、築地に開店したばかりの精養軒が手頃でないかということで予約しました。

すると、最初は4~5人というお話が、7~8人と増えて、ついには14人という大人数となりました。

昨晩の精養軒は大賑いで、参議の岩倉具視卿と西郷隆盛卿の2人が奥で密談をしており、今、小説「普請中」(春陽堂)が評判の文豪森?外も地下の「米倉」で散髪したばかりのサッパリとした散切り頭で、於菟や茉利ら子どもたちと西洋料理を楽しんでおりました。

京洛先生を囲む会に参集したのは、順不同で、赤坂不動尊、愛宕主筆研究員、神楽坂網情報長、麹町切絵局長、瑞典渡世、赤羽彦作村長、汐留秘書長、眼帯のお仙、江戸市中鶯嬢、新宿与力、伊勢詣御師、格付瓦版長といったおつな社中の皆さん。

話す内容は、征韓論から廃藩置県に至る世事諸々のことでした。

すると、いつの間にか、愚生「渓流斎改め濁流斎になるかどうか分からない長年御苦労様の会」に変身しており、社中の皆様からは温かい励ましのお言葉に加え、銀座の夜店の酸漿市場の西洋花束まで用意して頂いて御馳走になり、予期せぬ驚きの祝賀会となりました。

京洛先生からは、絵師伊藤若冲の友人のやっている錦市場の京漬高倉屋の高級漬物まで頂きました。

また、琉球に咸臨丸で出張中の為五郎さんからもお祝いの電報が届きました。

いやあ、私は、実に幸せ者です。

御参集して頂いた社中の皆様、有難う御座いました。

※【山村座】歌舞伎劇場。寛永19年(1642)山村小兵衛が江戸木挽町に創設したという。江戸四座の一つであったが、正徳4年(1714)江島生島事件で廃絶。

東京の暮らしは世界最高なのか?

ミラノの御馳走カツレツ

先日は、日銀総裁のことを実名を出して批判したのですが、本人から何ら抗議がなかったですね。

せめて、「3000万円も貰っていない!事実無根だ!俺には庶民の気持ちがよく分かる」と言ってほしかったのですが…。

誰もあなたのブログなんか、読んでませんよ。自意識過剰なんじゃないすか?

日銀の黒田総裁は、インフレを煽って景気回復を狙う戦略でしたが、日本はそれ程、デフレで、物価が安いのでしょうか?

私は、2014年にパリ、今年9月にイタリアに旅行に行きましたが、ちょっとカフェやバルでランチを食べても30ユーロとか40ユーロしました。3200円とか4200円とかです。ディナーになると、飲み物付きで5000円とか1万円とか普通にとられます。

よくぞ、フランス人やイタリア人は生活していけるものだ、と思ったところ、ほとんど彼らは外食しないんですね。家で食べるんです。そう言えば、外食するのは観光客や、地元の人なら何かのハレの日ぐらいで、パリジェンヌなんか、昼はスーパーで安いサンドイッチを買ってきて公園で食べていましたよ。あ、もしかしたら、手作りだったかもしれません。

家で食べると安あがりです。なぜなら食材が箆棒に安いからです。イタリアでは、ジャガイモなんか、一皿山盛りでわずか1ユーロ、100円なんですからね。

衣服もそうです。日本ではユニクロが、3980円とか驚くほど安く買えるので庶民は日本の物価は安いと勘違いしていますが、向こうでは、ユニクロよりしっかりした衣服が20ユーロ(2000円)ぐらいで平気で買えます。高級ブランド品と言っても、日本の半額以下です。(関税のせい?)

日本人は騙されていたんですね!

大貧民に没落した渓流斎より

日銀黒田総裁の失敗のツケは庶民に還元

オリーブオイル

来月12月に聴講したい講演会があったので、申し込んだところ、主催者から「聴講費は銀行振込にして下さい」とメールで返事が来ました。

聴講費は1000円です。しかし、嫌に横柄な銀行とやらに振り込みますと、手数料が216円も取られるのです。

昔なら、「そんな端た金」と、思いも考えもつきませんでしたが、今は10円でさえ疎かにできない身分となりましたので、「うーん、どうしようか」と数日考え込んでしまいましたよ。

結局、「聴講費は1216円」と、自分を折伏して申し込むことにしました。

日銀の黒田東彦総裁は、いくら貰っているのか知りませんが、年収2000万円か、3000万円は手堅いのでは?もっとかな?ですから、私のような10円単位を惜しむ庶民の惨状を理解することが不可能なのでしょう。

見事に失敗しました。

昨日の11月1日、日銀は金融政策決定会合を開いて、物価上昇率2%の目標達成時期を、従来の「2017年度中」から「18年度ごろ」に先送りすることを決めました。つまり、黒田総裁の任期が切れる18年4月までに目標を達成できないということになり、結局は、「笛吹けども踊らず」といった事態になったわけです。

異次元の金融緩和を推し進め、あろうことか、「マイナス金利」まで導入して、景気を停滞させたアベノミクスと黒田総裁の罪は軽くはないでしょう。

黒田バズーカも空砲に終わり、本人はたんまり退職慰労金か何かを貰って退場するだけでしょうが、これからも、なお底辺で這いずり回って生きていかなければならない庶民の苦労は、並大抵ではありませんよ。

こんな事書いても、それこそ空砲以下ですね(苦笑)。

人生100歳時代 健康長寿の秘訣

 餌場に困らない Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

昨晩放送されたNHKスペシャル「最新科学が解き明かす健康長寿 スーパー100歳の秘密」は、ブラタモリの前のアシスタントだった桑子アナが出るというので、見ただけですが、なかなか面白かったです。

桑子アナは髪の毛がボウボウでした…。という話ではありませんでしたね(笑)。

どうせ、この番組の著作権は天下の神南放送局にありますし、有象無象のたくさんの方がネットで感想文を書いているでしょうから、本当はテレビの話題は避けたいのですが、ま、備忘録として自分勝手に創作しておきます。

 餌場に困らない Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

現在、100歳を超える日本人は6万5692人、世界で45万人いるそうです。…凄い、まるでメモしたみたいですね(笑)。

健康で長寿を保つには、どんな要素が強いのか、というのがこの番組のテーマでした。

よく、英語で、

Nature or nurture ?

と言うことがあります。

Nature and nurture.

は、「氏と育ち」という意味になりますが、

Nature or nurture ?

は、「遺伝か? 環境か?」と意訳できるでしょう。

つまり、生まれつきのもので、長寿が決まるのか、生活習慣で、長寿になれるのか、という永遠の課題です。

それが、最新の研究で、同じ遺伝子を持っている双子を長年追跡調査した結果、遺伝子的要素が25%、環境的要素が75%だったことが分かったというのです。

つまり、生活習慣を心掛ければ、いくらでも健康で長生きできる可能性があることを示唆したわけです。
 餌場に困らない Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

番組では、生活環境の改善として、もう昔から言われている(1)食事(魚、野菜、ナッツ)(2)適度の運動(階段の上り下り)(3)心掛けや物事の捉え方ーの3点を挙げておりました。

老化の要因として「慢性炎症」なるものがあるそうです。老廃物を身体内でうまく処理できなくなるわけですね。これが悪化すると糖尿病や動脈硬化、肺疾患などにつながるようです。

この慢性炎症を抑えることが、健康長寿の秘訣となり、上記の3点を実行することが決め手になるということです。

例えば、食事ならリコピン、ポリフェノール、オメガ3脂肪酸のような抗炎症成分の含む食材を採るとか、なるべく身体を動かし、負荷の掛かる運動をするとか、日々、幸福感、達成感、満足感を味わうといったことです。

この最後の満足感については、食欲や性欲や買い物といった「快楽型」では慢性炎症を抑制する効果はなく、仕事や、世のため人のための社会貢献やボランティア、アート作品の発表といった「生きがい型」が効果があるというのです。

世界最高齢で現在116歳のイタリア人のエマ・モラノさんは、毎日ほぼ寝て暮らしながら、「今が人生で一番幸せ」と現状肯定して常に前向きでしたが、こういった人生の終盤でポジティブな感情になることを「老年的超越」と言うのだそうです。

ゲストに出演していた105歳の医師日野原重明さんも「100歳までつらいことが多かったけれど、100歳を過ぎると心が豊かになりポジティブになった」といったようなことを発言されておりました。

うーん、まるで、備忘録用にメモして書いたみたいですね(笑)。

慎太郎を撃つな!

ベニス

豊洲問題の最大の功労者、ではなかった、当時の最高責任者だった石原慎太郎元都知事が、高齢を理由に「証人喚問」にも応じず、逃げ隠れして、最後は作家さんらしく文書のみで回答しながら、「記憶に御座いません」などとかつてのロッキード事件の小佐野さんのような曖昧な弁明に終始されておりまして、かつてのあの自信に満ち溢れていた傲岸不遜のキャラは何処に行ってしもうたのか、晩節を穢す哀れでみっともない醜悪どころか、説明責任を果たさない公職者として、公の場に晒して弾劾するべきでなはないか、と思いつつも、多くの世間の反応は、彼を選出した引け目があるせいなのか、いやに穏やかで、見て見ぬフリをしているのが、実に不思議で許せない、と思っていた今日この頃でした。

それが、昨日の東京新聞の夕刊にに出ていた中島岳志さんの論壇時評を読んで、一気に疑問が氷解しました。

石原さんは、高齢どころか、相当体調がお悪いようなのです。数年前に脳梗塞を患ったらしく、その後遺症なのか記憶力が本当に減退して、作家の命である文章や漢字が出てこなくなったというのです。中島さんは、過去に石原さんが「女性が生殖能力を失って生きているのは無駄で罪です」などと暴言を吐くなど、弱者に対する排斥発言を引用しつつ、「石原は今や、自らの肉体的衰えに苛立ち、死の恐怖に怯えている」とまで明晰に書いております。

これまで富も権力もヨットもファーストクラス席もスイートルームも全て手に入れて、傍若無人な強い独裁者のように振る舞っていた暴君が、一転して、これまで手荒に差別的にあしらっていた、そしてあれほど軽蔑していた弱者の側に堕ちてしまい、まるで、これまでの罪を反省して、神様に命乞いをしているかのように見えてきます。

しかし、中島さんは、この論壇時評の中で、「石原には『自業自得』という言葉を投げかけたくなるが、それをやってはいけない。自己責任論を加速させ、彼の暴言を後押しすることになるからだ」(一部変更引用)と主張しているのです。

名匠フランソワ・トリュフォーに「ピアニストを撃て」(1960年公開)という作品があり、日本でも大ヒットしました。米国の西部開拓時代の酒場に「ピアニストを撃たないで」という貼り紙があったそうです。このタイトルをパロディーにして、ジャズピアニストの山下洋輔さんが「ピアニストを笑え」というエッセイを発表したことがあります。

私も、中島さんの論壇時評を読んで、すぐさま「慎太郎を撃たないで!」というタイトルが頭に浮かぶのでした。

私も弱者ですから。

小馬鹿にするな!メガ銀行!

新宿 やる気茶屋

東京にお住まいの北浦先輩がいつになく不機嫌です。

「渓流斎さんや、最近の銀行はあまりにも酷くなえかえ?あまりにも客を小馬鹿にしている。貴人はブログとやらをやってるそうやさかい、是非とも書いてくんなまし」と口角泡を飛ばして語るのです。

以下は北浦先輩の証言です。

北浦先輩は、今年9月末をもって40年間勤めていた金属加工会社を定年退職されました。今は、友人の伝手を頼って、速記のテープ起こしの仕事をしておりますが、世の中甘くない。給与は、月額20万円ながら、以前働いていた会社の給与から算段された厚生年金と健康保険と区民税と介護保険とやらが15万円もあって、差し引きの手取り額が僅か5万円にしかならないと嘆いておりました。

然し、先輩が憤慨したのはそのことではありません。退職金が2000万円余出ましたので、普通預金に入れたままでは、どうも間抜けな感じがして、定期預金にしようと思ったそうです。

2000万円なんて、相当高額ですが、考えてみれば、日本人の平均寿命を頑張って80歳まで生きるとしたら、残り20年。ということは、年間僅か100万円にしかならないんですね。

若い私は定年までまだまだありますが、こんな金額では、どう暮らしていけというんじゃい!と、同情するどころか、情け無くなりました。

あ、失礼致しました。北浦先輩の話でした。先輩は、新宿で用事があったので、渋谷支店に口座のあるメガ銀行の新宿支店に行ってみました。北浦先輩は、1000万円の現金を持って行き、定期預金にしてもらうように言いました。何か、2年前に銀行の口車に乗せられて、貯金をはたいてブラジルレアル主体の投資信託を購入したところ、為替差損や銀行手数料を差し引くと、今では120万円も損失が出て、懲りたそうです。もう、いくら、金利が0.001%でも、元本が保証されるものにしようと思ったらしいです。

受け付けで対応したのは、70歳近い老婆だったそうです。その老婆が言うには、大口定期となると、口座のある渋谷支店でしか扱うことができないというのです。しかも、悪いことに、先輩は銀行カードは持っていても、判子は持っていませんでした。

老婆は、奥に入って何か相談しているようで、散々待たされるので、北浦先輩は、もう諦めて帰ろうとしました。そしたら、老婆は、慇懃無礼にも、「それでは現金を一旦、普通口座にお預けになったら如何ですか」「ATMは現金は、一回の入金は200万円までですから、5回ぐらいかかりますけど」などといけしゃあしゃあと言うではありませんか。

「それならいいです」と帰ろうとした先輩を、老婆は「もう少しお待ち下さい」と制止した後、また奥に相談に行き、やっと、「それでは、窓口で1000万円をお預かり致します」と勿体ぶって話したそうです。

いやあ、それだけ聞きまして、メガバンクともあろうものが、手際の悪さに呆れてしまいました。

最後のとどめは、メガバンクに1000万円も預けたというのに、犯罪者のような扱い方で、名前を書かされ、有難う御座いましたの一言もなし。勿論、粗品もなし。笑ってしまったのは、店を出るときに、老婆が先輩を追いかけてきて、「先程は御迷惑をお掛けしました」と言いながら、キャバレーの喧伝で使うような小さいポケットティッシュをくれたという話です。

マイナス金利で業績が芳しくないと言われるメガバンクも、ここまで堕ちたか、と思いました。まあ、ちょっと振り込むだけで、216円もの手数料を取って生きてる銀行ですからね。

北浦先輩も「あの狂言廻しのような、全く要領を得ない老婆は、一体何だったのだろう?あんな老婆を養うために、手数料を払っていたとは!」と不思議がっておりました。

欧米語と日本語における比較対照に関する言語学的考察

東京・銀座

昨日、rightは、「右」と「正しい」という二つのまるで違う意味を持つ、と書きながら、英米人はrightと言った時、「正しい右」と考えながら言うものなのかなあ、などと色々と考えてしまいました。

しかし、後でよくよく考えてみますと、話は単純で、全く考えていない、という結論に達しました。

例えば、日本語で考えますと、何でもいいですが、「小川」を例に挙げてみます。♪春の小川はサラサラいくよ♪の小川が本来の意味にしても、名前が小川さんの場合、川のことなどサラサラ考えません。小川さんの顔や声色、仕草などを思い浮かべることでしょう。

日本語には同音異義語が沢山ありますが、交錯しないようにうまく脳が処理してくれます。

ドイツ語で、小川はバッハですが、ドイツ人は偉大な音楽家と川と即座に区別するのと同じでしょう。

rightに関しては考え過ぎてしまいました。

◇濁音は不吉か?
ところで、にんどすさんからのコメントで、「何で、濁流斎になっただあぁぁぁ」との御下問が御座いました。

はい。これも深い理由がありまして、たまに「渓流斎」から「濁流斎」に変身することがあることを、どうか弁えくだされ(笑)。

これまた、言語学的考察ですが、日本語でネガティヴな意味を持つ言葉は、濁音が多いですね。濁流もまさしくそうですが、残酷、地獄、罵詈雑言、ぞんざい…。

それに比べて、やはり、渓流、清風、平安、恋愛、遊興…いいですね。ナイスですね。

欧米語のような表音文字は、言葉そのものを見ても意味を成しません。発音されて初めて意味を持ちます。例えば、フランス語の「たくさん」は、beaucoup ですが、このスペリングに意味を成さないので、英語のようにbocu と綴っても、発音さえしっかりしていれば、意味が通じるわけです。

だから、フランスでは、よく「言葉は意味の影に過ぎない」などと言われたりします。

逆に、日本語や中国語は表意文字ですから、発音されても、意味が良く分からないことがあります。漢字表記を見て初めて誤解していたことが分かったりします。

同音異義語が多いので、パソコンの変換間違いも多くなるわけです。

先日も、大手マスコミの記事の見出しで、政策投資銀行の略称を「政投銀」とすべきところを、「政党銀」と書いて大間違いしておりました。

ネットで記事を愛読されている京都にお住まいの私立探偵さんが発見しました。

右は正しいのか? ドゥテルテ比大統領の来日でどうなる?

埼玉県稲荷山古墳

日本人はよくゲンを担ぐ民族だと言われます。そういう私も、大したことはありませんが、ゲンを担ぐ方だと思っています。

非科学的なイメージがありますが、結構、欧米人もやっているようです。

例えば、朝起きてベッドから降りるとき、右足から先に降りるとか、靴を履くときは、右足から最初に履くとか、です。そうすると、1日無事平穏に暮らせるというのです。

英語で右はright 、左はleftですが、このrightには、正義とか正しいという意味もあります。

ということは、leftは、その残った余り物という意味もあるのでしょうか?

鶏が先か、卵が先かーのような話ですが、正しい方が右になったのか、右だから正しいのか分かりませんが、もうローマ帝国時代から、右足から先に靴を履くとか、というゲン担ぎはあったようです。左は不吉と思われたフシもあります。

いやはや、これは思想信条の話ではありませんよ(笑)。

◇ドゥテルテ比大統領、お次は何を?

本日25日、フィリピンからとかく世界中に話題を振りまいているドゥテルテ大統領が来日します。

中国では、「アメリカと決別する。軍事的に。経済的に」と発言して、中国から、当初の8000億円の目論見から2兆5000億円もの巨額の借款を引き出したヤリ手の国家元首です。

南シナ海問題をフィリピンは棚上げしたので、中国も余程気を良くしたのでしょう。

ドゥテルテ大統領は、どうやら反米主義者というより、嫌米主義者のようです。学生時代、華やかだったベトナム戦争の反戦運動を行っていたとか、市長時代に、FBIによって自治権を侵害されたとか、色んなことが積み重なって、そういう思想信条を持ったようです。

また「麻薬撲滅」を隠れ蓑に、犯罪者だけでなく、自分の政敵者まで碌な裁判をかけずに粛清しているのではないかという噂もあります。

しかし、国民の支持率は80%を超えるとかで、政治家としてはなかなかしたたかです。

米国との同盟を強固にする日本の現政権は、こんな凄腕の大統領とどう対峙するのか注目してます。

巨大格差の果て

東京・銀座の天ぷら「阿部」 ランチかき揚げ丼 天下無敵

どなた様か分かりませんが、いつもコメント有難う御座います。執筆の力になりまする。

扨て、私がお勧めした昨晩のNHKスペシャル「マネー・ワールド」第3回「巨大格差 その果てに」は、御覧になりましたか?

凄い時代になりましたね。

番組は、あまりにも詰め込み過ぎて、よっぽど頭がいい人じゃないと全てを理解できないでしょうが、私が印象に残ったことを書きます。

今や、世界は資産トップ62人が、下位の36億人分の3兆円の富を独占支配しているそうです。

大貧困層の一人当たりの年収は5万円だとか。

この超巨大格差は、まだ、不労所得を謳歌していた貴族が支配していた19世紀並みなんだそうです。

番組では全く出てきませんでしたが、この辺りは、あのトマ・ピケティが「21世紀の資本論」で解き明かしていましたね。

1980年のレーガン政権あたりからの「規制緩和」政策で、ドンドン貧富の格差が広がる様子をグラフで解説されておりました。

メデイアで成功した米国人の大金持ちスタンリー・ハーバードさん(83)が、自家用ジェット機に乗り、政治家に献金して、自分たちの都合の良い法案を成立させるように、無言の圧力をかけ、週末は大型クルージングで優雅に暮らす姿を映してました。その大金持ちは、同じ川べりで、小型船でクルージングする人たちを見て、「彼らの方が幸福かもしれない」と呟くところが、実に印象的でした。

その一方で、普通のサラリーマンが、家賃を払えなくなって、仕方なく、テントで暮らす様も報じていました。

米国西海岸のシアトルです。あまりにも増える貧困者のために、市が土地を「テント・シティ」として開放していたのです。

大金持ちのハーバードさんは、「彼ら社会の落伍者たちは、努力が足りないからだ」と一刀両断にします。しかし、テント・シティでの生活を余儀なくされた市民は、特別な人に見えなく、いかにも普通で、善良そうで、ただ運がなかったかのようにも見受けられます。明日のあなたかもしれません。

シアトルには、テント・シティがある一方で、このまま格差が広がると、社会がとんでもない方向に行くと危機感を募らせた経営者もいました。

グラビィティ・ペイメントというクレジットカード会社のCEOダン・プライスさんです。彼は昨年、自らの年収100万ドル(1億円)を10分の1の10万ドル(1000万円)に引き下げで、従業員の最低賃金をこれまでの3万5000ドル(350万円)から7万ドル(700万円)と2倍に引き上げたのです。

その結果、社員のモチベーションがぐっと上がり、業績も1年で2倍になったそうです。従業員も、安心して結婚したり、出産したりして、大幅に消費活動が活発になり、地域経済の活性化にもつながるという良循環も生まれたのです。

勿論、良い話ばかりではありませんでしたが、かなり見応えのある番組でした。