決めた未来が実現するとは

 バーボン・ストリート Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 図書館本は忘れた頃にやってくる。(渓流斎の格言)

 「本は借りるものではなく、買うものである」という著名評論家の言いつけに逆らって図書館に予約すると、大抵の本は借りたい人が殺到してまして、かなり長い行列の順番待ちです。

 ということで、「こんなの予約したのかなあ」という本がどさーとやってきます。

 先日は、4冊もいっぺんに来ましたから、異常事態宣言です(笑)。恐らく、1年半か2年半前は読みたくてしょうがなかったんでしょうが、2年も経てば熱が醒めてしまい、「案外買わなくてよかった」なんていう本もありますので、いくら著名評論家が言うことでもたまには外れることもあるのです。

それにいくら数多くの蔵書を自宅の本棚に並べて自慢しても、あの世には持っていけませんからね(笑)。

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 そこで、前置きが長くなりましたが、本田健著「決めた未来しか実現しない」(サンマーク出版)という自己啓発本のような本を今読んでいます。

 著者は大ベストセラー作家で、「よし、2年間で100万部のシリーズ本を出すぞ」と念じると本当に実現させてしまう神がかりのような作家です。

 手品でも何でもなく、もちろん、周到な準備と刻苦勉励が背景にありますが、そう世界に宣言すると、読者、出版社、印刷会社、ブロガー、本屋さんの店員と不思議なほどの繋がりが生まれ、シンクロニシティ(一見偶然のようで、実は人生を変えてしまうような出来事)で、うまい具合に歯車が回って、本当に実現してしまうというのです。

 (その本は、ベストセラーになった「20代にしておきたい17のこと」など「17のことシリーズ」7冊)

 著者は「自分が実現したいという未来が引き寄せられるように、現実が動いた」というような表現をしておりますが、これに対して、「うっそーだーい。できるわけないじゃん」と反発している貴方は失格。まず、無理でしょう(笑)。

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 人は「自分には才能がないから」「忙しくて時間がないから」「不安定な生活になりたくないから」などと様々な理由をこしらえて、実際に夢を実現しようという端緒さえつかまず、一歩さえ足を動かしていないのではないか、と著者は言います。

 実は、私自身、こういう本は嫌いじゃないんですよね。正直、わざわざ買おうとは思いませんが…。オイオイ(笑)。

 人を不快にさせたり、気分を害したりするような「毒本」は、どうも時間の無駄です。

 人生、何をしても同じだったら、気分よく穏やかに過ごし、年を取っても、いつまでも、明日や未来に希望や夢を持って生きたいものです。

 年を取ると、ヒトは、それまで苦渋や辛酸を舐めさせられ、自分の思い通りにいかないことばかり体験してきておりますから、疑い深く、他人も未来も信用できなくなります。そういうことは、至極当たり前のことですから、せめて、「清涼剤」か「一服」、もしくはフィクション(笑)として、たまにはこういう本を読むことをお勧めします。(あっ?!これは罠かしら?)

でも、思想信条が現実化するとは怖い話。

今は安倍政権に反感を持つ謎のX氏は、戦前教育を受け、教育勅語を丸暗記し、今でも歴代天皇の名前をスラスラ暗唱でき、イッパシの軍国主義少年でした!

森友学園一家 手打ち式

 中国 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 一連の森友学園疑惑は、すわ、平成の大疑獄事件に発展するのではないかという当初の目論みは見事はずれて、このまま有耶無耶で終わってしまいそうです。

 鼠一匹も出てこないでしょう。

 この問題は、政官を巻き込んだ民への前代未聞の破壊的安価での国有地払い下げが原点にあります。本来、9億5600万円なのに、わずかその1割の1億3400万円で、国が森友学園にくれてやったので、残りの8億1900万円は何処にいったのか?という問題がありそうですが、何しろ、官を代表する財務省理財局長の佐川宣寿君、福島県東大経出身、籠池部屋、58歳は「売買契約の交渉記録は捨てちまいましたよ」と、正直に白状したので、証拠がありません。

 結果的に、この8億円余りは、政界、官界に口利き料としてばら撒かれたのではなく、取らぬ狸の皮算用で終わってしまったということでしょう。本来、国庫に入るべきお金が入らなかった。つまりは、国民の懐が痛んだ。つまりは、8億円もあれば、社会福祉や教育、介護費、医療費に回っていたかもしれないのに、受益者に供与されなかったということになります。

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 森友学園疑惑は、政官ルートへの金銭の授受行為がなければ、単なる安価で国有地を払下げただけのよくある事案で、事件にも何にもならないでしょう。

 しかし、なぜ、お金がからまなかったのかといえば、思想信条の問題だからです。むしろ、こっちの方が厄介かもしれません。

 森友学園理事長の籠池泰典さんはやはり、憲法改正を求める「日本会議」の会員で、大阪支部代表という報道もありました。

 その籠池さんによる「日本で初めてで唯一の神道の小学校」である「瑞穂の國記念小學院」を設立し、「教育勅語の復活」「毎朝の日の丸掲揚と君が代斉唱」といった教育理念に安倍晋三首相を始め、政治家と官僚が、「無償の愛」で共鳴したということになるのでしょう。もっとも、安倍さんの場合、首相の座を降りた将来、自分の教育理念と合う学校の名誉校長ぐらいにはなりたかったのかもしれませんが。

 集団的自衛権や秘密保護法、それに最近の共謀罪法案といった安倍政権の一連の「戦後レジームからの脱却」政策の流れをみていくと、まるっきり突拍子もない話ではなかったわけです。

 2011年7月に別の学校法人がこの大阪府豊中市の国有地を5億8000万円で購入することを求めたのに、最終的に財務省が却下したのは、その学校が日本で初めてで唯一の神道教育学校ではなかったからかもしれません。

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 それにしても、世間がこれだけ大騒ぎし、ほとんどの新聞は一面で大きく扱っているのに、一部のメディアは、この森友学園問題をほとんど無視するか、扱っても嫌々に、片隅で目立たないようにしている背景は、不思議どころか、面白おかしくてしょうがありません。

 2月24日の産経新聞は、二社面の片隅に「野党が追及」という見出しですからね。まさに、「政府広報紙」であることを暴露してしまったようなものです。

 世界一の部数を誇る天下の読売新聞も、やはり、二社面で、淡々と、国有地が安い価格で森友学園に売却されたといった事実関係をつまんなそうに列挙しているだけ。

 「社会の木鐸」(古い!)であるはずなのに、随分、腰が引けた報道です。

 そしたら、驚くべき事実が分かりました。読売新聞は東京大手町の本社はもともと国有地で、相場の4分の1程度で特別に払い下げられたことは知られています。そこで、「読売は、政府に楯突く発言ができない」という憶測が生まれたわけです。

 しかも、森友学園に関しては、2015年1月に、小学校設立を認可した大阪府私学審議会の委員の一人が読売新聞の現役記者だったというのです。そして、国有地売却の権限を有する「国有財産近畿地方審議会」のメンバーの中にも読売新聞の記者が入っていたというのです。(日刊ゲンダイの報道による)

 えっ?何で現役記者が、審議会メンバーなの?

 マスコミはかつて「第4の権力」とまで言われてましたが、読売新聞は、政府の監視機関ではなく、体制の内側に入って宣撫活動の担い手となっている言われても仕方ないのではないでしょうか。

 何しろ、世界一の発行部数を誇る読売新聞です。日本を代表する報道機関が、政府に都合の悪い報道は控え、安倍政権支持率53%につながるような世論操作機関となっているとしたら、タチ悪いなあ…。

森友学園 予断を許さぬ同時多発進行栄枯盛衰記

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 渓流斎ブログが、「滋慶学園」を発見して喜んでいる間に、世間では、何やら「森友学園」(大阪市)なるものの問題でてんやわんやの大騒ぎになっているようです。

 何が問題なんでしょうか?少し整理してみますと、(1)まず、この森友学園の責任者である籠池(かごいけ)泰典理事長に対して、大阪府豊中市の国有地(約8770平方メートル)が破壊的に安い価格で、私立小学校の用地として売却されたこと。⇒財務省近畿財務局が2016年6月に、鑑定価格9億5600万円だった国有地を、わずか1億3400万円で売却。差引の8億1900万円は、ごみ処理代だとか。

 詳細はこちら 

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 この中で、法律に抵触しそうな問題は、(1)の国民の財産である国有地を特定の学校法人に破格的安価な値段で売却したこと、と差額の8億円余が不正献金されたのかどうかの疑惑(3)の時の最高権力者である総理大臣が土地売却に関して、口利きがあったかどうかーといったことでしょう。

 (2)は、思想信条の自由ですから、法律を盾に踏み込むことができる問題ではないでしょう。昨日の国会では、稲田朋美防衛相が、籠池理事長に「自衛隊員の士気高揚に貢献した」として感謝状を贈ったことを明らかにしましたが、これも彼女の「核心的利益」なら返還してもらうこともないでしょう。

 しかし、このような教育方針を持つ籠池泰典理事長の人となりが大変気になります。

 ところが、同理事長の経歴は謎の部分が多く、分かっているのは1954年生まれの62歳か63歳ぐらいだそうですね。安倍首相とは同い年ですから昵懇の仲だという説や、誇りある国づくりを目指す「日本会議」の運営委員という情報がありますが、いずれも未確認です。

 籠池理事長の家族のことなど、今現在、比較的詳細に調べ上げられているサイト 

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 この森友学園問題の意外な展開をほぼ同時中継してくれているのが、上西小百合衆院議員(維新の党除名~無所属)のツイッターです。非常に事細かく、トランプ米大統領並みのツイート量です(笑)。

 上西議員は、最新のツイートでは「森友学園記者会見は2月28日14時から大阪府庁で行う予定です。私は当日政務の為に立ち会えませんが、記者会見に関しては私の事務所にお問い合わせいただければ対応致します。府政記者クラブ優先にはなりますが、他のメディアの方々が取材できるよう心がけてまいります。」と書いておられます。

 

凄過ぎる滋慶学園

伊太利亜ローマ

皆様ご案内の通り、この渓流斎ブログは、電車の中で、スマホで記憶で書いております。

ですから、思い違いや、取材不足による薄っぺらな皮相な情報は悪しからず、ご寛恕のほどよろしゅうお願い申し上げます。

 ところが、世の中広い。奇特な方がいらはるもので、「渓流斎さんともあろう探訪家が、肝心要(かなめ)なことを書かないとあきまへんちゃいますか?」と助言して下さるのです。

昨日書きました知る人ぞ知る、謎の「滋慶学園」のことです。

私は、京洛先生からの極秘情報を元に、この学園は「東京と大阪にある」などとほんの知ったかぶりで軽く書いただけで、一体、何が専門で何を教えている学校法人なのか、何も触れませんでした。

そしたら、何とまあ、吃驚仰天です。

伊太利亜ローマ

よく言えば、玉石混交。悪く言えば、無軌道で節操なし。本当にこの学園は、何じゃらほいな、といった感じなのです。

 この学園グループは、歯科衛生士、福祉士、整体師、そして、一気に飛んで、製菓調理師、ファッションデザイナー、挙句の果てには俳優、声優、ダンサー、歌手、アニメーター、おまけに美容師まで養成する学校を開校しているんですからね!

 何ですか、これ?この統一性のなさと言ったら!(笑)。まるで、天下無敵の八百万の神ではありませんか。

 しかも、大阪滋慶学園では、専門学校から大学院大学まで経営しているのですよ。(恐らく、この大学院大学を文科省が認可して、そのからみで、人事課OBが見返りを求めたんでしょうか?)東京の滋慶学園では保育園を経営しているので、滋慶学園は、園児から社会人まで、まるで生涯総合教育マシーンといった趣です。

 この滋慶学園の創業者らしいグループ総長の浮舟邦彦理事長さんという方は、日本国内だけでは限界を感じたせいないのか、遠く米カリフォルニア大学やオーストラリアのクイーンズランド大学、中国の広州中医薬大学、上海中医薬大学などと早くも連携して、グローバル人材の育成にも取り組んでおられるようです。

 この浮舟邦彦さんという人は、米国ウエストフロリダ大学の名誉博士なんだそうで、よく分かりませんが、恐らく桁違いに凄い方なんでしょうね。

伊太利亜ローマ

 とにかく、大学になって初めて分数や、英語のbe動詞を教える、箸にも棒にもかからないような一般大学よりも、手に職をつけた若人(わこうど)を世に送り出すいわゆる職業訓練所的実践学校を創業されたということは、尊敬すべき偉人であることは確かです。

 この滋慶学園の「沿革」を見ますと、1979年4月に「東京薬学専門学院」(現東京医薬専門学校)開校したことがスタートのようです。それが、先ほど書きましたように、大阪の滋慶医療科学大学院大学を頂点に、福祉関係からお菓子の職人さん、俳優やダンサーまで養成する学校や施設を北は札幌から南は博多まで30校以上開校してしまうんですからね。

  大した魂消たですよ。

 私にこの滋慶学園の凄さを伝授して下さった奇特な方は、皆様御存知の松岡氏ですが、滋慶学園グループの「東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校」の名誉学校長が湯川れい子さんであることを発見して、どういうわけか一人で興奮されておりました(笑)。

 同姓同名の音楽評論家で作詞家の方がおられますが、そのご本人のようですね。

 もう20年以上昔になりますか。京洛先生が東京の滋慶学園で非常勤講師をされていた頃、恐らくまだ規模が小さかった頃でしょうが、湯川さんは副学園長だったそうです。いまだにご縁が続いていたんですね。

 そもそも、昨日、滋慶学園のことを書かなければ、私自身、何も興味を持つことなく、知らないまま通り過ぎていた話題でした。
 非常に吃驚仰天しながらも、面白い話の鉱脈を掘り当てた感じがしました。

次は、森友学園かな?

【追記】

特務機関からの情報によると、滋慶学園の「滋」は、滋養強壮の滋ではなくて、滋賀県の滋だそうです。恐らく、創業者の出身地でしょう。

文科省事件嶋貫ルートの意外な展開

伊太利亜ローマ

文科省事件の人事課OB嶋貫和男ルートで、身近なところで思わぬ展開がありました。

国家公務員法違反としての天下りや情報提供の大学の中に、早稲田大学や筑波大学といった有名大学以外で、滋慶学園という殆ど聞かれない大学があります。

この学園は、いわゆる専門学校でしたが、「手配師」嶋貫氏の鶴の一声で大学に昇格したという専らの噂があり、その見返りとして、嶋貫氏を学園の学長ポストに招聘しようとしたところ、親分筋から待ったが掛かり、その話は流れたといういわくつきの大学だそうです。

私も初耳で全く知りませんでした。

伊太利亜ローマ

この学園に、皆様ご存知の京都にお住まいの京洛先生が若き頃、非常勤講師として週に何コマか教えに行かれていて、「専任教授」のポストまで打診があったそうです。

京洛先生は、あの通り野心のない方ですから断ってしまいましたが、世が世なら、今頃、嶋貫学長の下の副学長か、副理事長に収まっていた可能性もあるのです。

滋慶学園は、東京と大阪にあるらしく、京都からなら大阪滋慶学園に通えるわけですから、「大阪ではどうですか?」という話もあったそうですが、駄目ですねえ、全く欲がない人なので断ってしまったそうです。

伊太利亜ローマ

大阪滋慶学園の理事長にでも収まっていたら、今頃、「おい、渓流斎君、どうかね。ウチの大学に教授兼理事として来ないかね?」なぞと招聘してくれたろうに、残念でしたね(爆笑)。

単なる夢想話はこれぐらいにして、文科省の人事課の実体は、省内の人事を司るのではなく、大学設置や助成金といった蜜を餌にして、OBの天下り先の紹介、斡旋、口利き、ゴリ押し、恫喝するところだったとは、納税者の誰も知らなかったことでした。

人事課長は、裏社会で言えば、まさに差配師、もっと専門用語を使えば、口入(くにゅう)です。アガリの3~5%は手数料として懐に入れているのかしら?

それにしても、霞ヶ関の中でも、格下の中の格下の文科省しか、天下り先が暴かれないのは、日本の七不思議の一つです。

本丸の財務省や経産省、それに総務省、法務省には誰も手を付けないのでしょうか?

それに、いつもしょっ引かれるのは、エリート官僚ではなくて、ノンキャリアのトカゲの尻尾切りというお決まりのパターンになることだけは、見たくないものです。

河上園十郎丈の舞台復帰

伊太利亜サンジミニャーノ

昨晩は、大雨氷雨が降る中、都内の会員制サロンで開催された「河上園十郎丈全快、もとい半快祝賀会」に参加してきました。

大雨のせいか参集したのは意外と少なく、焼津の半次、権之坂の与兵衛、清水谷の菊之丞、赤坂不動尊…といった面々。いつものことながら、8人ほどが三々五々、バラバラに来るものですから、舞台から奈落に転倒する事故を起こした河上園十郎丈は、その度に同じ経過説明をしなければならず、「もう、ええ加減にせい!」と最後は匙を投げておりました。

伊太利亜ローマ

それはそれは、見事な箝口令でした。その場にいた面々の殆どが、園十郎丈の転落事故を知らず、「えっ?本当?知らなかった」「でも、酒なんか呑んでええのかえ?」「天罰が当たったの?」「なるほど、厄年だったとは…」などと皆さん言いたい放題でした。

それにしても、今も頭部に残る痛々しい傷跡。安藤昇さん並みに執刀して内出血を取り除いて30針も縫ったそうで、しかも、手をついた右手首も骨折して、チタン合金が中に埋め込まれたそうです。

これで園十郎丈も見事に筋金入りの男となりました。

事故が起きたのは、昨年12月15日。何が原因で、何処の病院に運びこまれたのか、園十郎丈は、口が裂けても真相を語ろうとしませんでした。

伊太利亜ローマ

そのおかげで、憶測が憶測を呼び、「女難説」「多額の借金説」「座頭社中人事権力闘争説」「単なるぼんやり説」などが浮上しては消えましたが、やはり、最後まで真相は不明でした。

しかし、舞台にも復帰して、今では笑い話で済むことになったので、まあ、万事めでたしで良かったのではないでしょうか。

ついでながら、園十郎丈は「渓流斎の野郎だけには絶対に喋らない」と、年甲斐もなく最後まで突っ張っておりましたが、まあ、何も書きませんから、ご安心下さい。

これだけでは、何が起きて、何があったのか、小生を含めて誰もさっぱり分かりませんからね。

兎に角、人気者の河上園十郎丈のことを皆んな心配してた、ということですよ。

半快おめでとう。

坂本龍馬は築地をシマにしていたとは

伊太利亜サンジミニャーノ

都心に住む友人の近衛君が「財産放棄の通知が来ましたよ」と言うではありませんか。

よく聞くと、山陰の田舎に住んでいた母方の祖母の住んでいた土地の遺産相続を譲渡してくれということらしいのです。

近衛君のご両親は既に亡くなって、その祖母も半世紀近く昔に亡くなっていて、「今頃、相続税放棄とは」と友人も驚いているわけです。

恐らく、税務署が調べに調べあげたのでしょう。相続人全てをリストアップして、書類には、全ての相続人には子や孫や曾孫ら81人と書いてあったらしいのですが、田舎の土地ですし、そう高価なものではなく、80人で分割しても大した金額にならず、相続税もあるでしょうから、譲渡の名を借りた放棄せよとの勧告に他ならない、と近衛君はにらんだわけです。

その土地は、国か県か市町村に持って行かれるそうです。

伊太利亜サンジミニャーノ

こんな話、日本全国、何処にでもあることでしょうね。

相続したとしても、相当な相続税を支払わなければならず、先祖代々の土地を泣く泣く手離すしかない人も多いかもしれません。

私が今住むアパートもまさしくそうです。

もともとは、星野さんという大地主の土地でしたが、相続税のお陰で切り売りせざるを得なくなり、最近、「最後の砦」だった私のアパートの目の前の竹林まで売却してしまいました。

かつては、駅まで2キロぐらいまで全て自分の土地だったらしいのですが、今は殆ど売り払い、見る影もありません。

伊太利亜サンジミニャーノ

考えてみれば、かつての大名屋敷だって、明治になって没収されて、練兵場になったり、官舎になったり、六本木ヒルズになったりして、昔の痕跡も面影すら残っていません。

特に、世界を見渡しても、東京ほど様変わりする都市は、世界広しと言えどないことでしょう。

土佐藩築地邸跡

そうそう、先日、築地界隈を散歩していたら、中央区役所の目の前に看板があり、そこには「土佐藩築地邸跡」と書いてあり、ビックリしました。

土佐藩邸と言えば、上屋敷は今の有楽町の国際フォーラム、かつての東京都庁にありました。

坂本龍馬は、この有楽町の辺りをウロウロしていたのかと思ってましたら、この看板によると、坂本龍馬は、有楽町ではなくて、こちらの土佐藩築地邸(中屋敷、もしくは下屋敷)に寄宿していて、ここから剣術修行のため、桶町(今の八重洲、京橋)にあった千葉定吉の道場に通っていたらしいですね。

坂本龍馬は、築地~八重洲辺りをウロウロしていたとは感慨深いものがあります。

坂本龍馬、京都で暗殺されて今年でちょうど150年です。

これで日本も安心だ!

伊太利亜サンジミニャーノ

海の向こうのアメリカ大陸では、トランプさんの個性があまりにも強過ぎるせいなのか、毎日、彼にまつわる話題が怒涛のように押し寄せてきます。

が、我らがお国ではトンデモナイことが起きていることは、マスコミの監視の目が削がれているせいなのか、誰も気づいておりません。

国会では、日本の閣僚を代表する法務大臣と防衛大臣のお二人もが、野党から辞任要求を突きつけられているのです。
伊太利亜サンジミニャーノ

まずは、金田勝年法務大臣。

「テロ等準備罪」の中の組織犯罪処罰法改正案をめぐって、金田法相が「審議は提出後に」と求める文書の作成を指示し、その後、撤回したことが問題視され、閣僚として不適格と判断されたようです。

このような新聞報道のような文章では、さっぱり分かりませんが、金田さんはとにかく「数の論理」で共謀罪を成立させて、あとは細かい内容は、勝手に作らせてもらいますよ、政府に楯突く気に喰わない人間はいつでもしょっ引きますよ、と想定される内輪の真実を漏らしたということでしょう。

実に正直な人です。

トランプさんのような野心と征服欲で凝り固まったような風貌ではなく、答弁が自信がなくオドオドしていて、何処か小市民的な、チョイ悪親父風で、組織の3次団体かそれ以下の若頭補佐クラスの感じがします。(個人的な感想です)

こういう方でも法務大臣にまで登り詰めることができるのですから、日本も安泰です。

伊太利亜サンジミニャーノ

もう一人、野党が辞任要求しているのは、稲田朋美防衛大臣。

自衛隊がPKO活動の一環として派遣されている南スーダンで、戦闘行為が起きているのか否かを巡って、稲田防衛相の答弁は、憲法9条との関係が問題視されないように戦闘を武力衝突と言い換えていると受け取られかねないような内容で、答弁に窮し、安倍晋三首相が引き取って「応援答弁」するなど、大臣としての資質に欠けると野党側は追及しているようです。

確かに稲田大臣は、後ろにいる防衛官僚平服組の顔色を何度も伺って、「そんなこと想定問答に出てないじゃないの!」とでも言いたげな表情でした。

しっかりしてくださいよ。あなたは1億2000万人の国民の命を預かる最高司令官の安倍首相に次ぐナンバー2の指揮司令官ではないのですか?

まあ、これもトランプさんのような強面の防衛大臣では周辺国は警戒するかもしれません。女城主直虎でしたら、周辺国も手加減してくれるのかしら?

稲田さん、どうせ、野党が何を騒ごうが、数の論理で辞任なんかしなくて大丈夫です。

天下のNHKの最新世論調査では、安倍内閣の支持率は53%なんだそうです。

これで日本も安心だ。

角岡伸彦著「ピストルと荊冠」は深く深く考えさせられました

哈爾賓駅前 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
 
 京都にお住まいの京洛先生からの「是非とも読むべき必読書ですよ」というお勧めで、角岡伸彦著「ピストルと荊冠」(講談社・2012年10月17日初版)を読了しました。

 元神戸新聞記者でノンフィクション作家の手によるもので、大変深く取材されて読みやすいのですが、とてつもない内容でした。

 部落解放同盟大阪府連合飛鳥支部長であり、広域暴力団山口組系柳川組傘下の金田組(金田三俊組長=別称サンズイさん)組員でもあった小西邦彦(1933~2007)という人物の評伝です。

 1970年代から2006年までの長きに渡って、同和対策の旗手として、時には強面の暴力団の印籠と名声をチラつかせて、行政(大阪市役所)と金づる(三和銀行)を利用して、不動産転がしと金貸し業と口利き、就職斡旋などで、一説には100億円をも「個人資産」として動かして、毎晩のように大阪一の繁華街北野新地で豪遊するなど、月に1000万円も散財し、その一方で、老人ホームを建てたり、障害を持った長男が生まれたことから、施設をつくったりする慈善運動家の一面も併せ持つ複雑怪奇な人物です。

 最後は、大阪の西中島駐車場の売り上げを横領したとして、逮捕(業務上横領と詐欺罪)され、一審で懲役6年の実刑判決を受け(いわゆる飛鳥会事件)、二審に控訴準備中に入院を余儀なくされ、74歳で病死。

 旧校庭 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 私は、1986年から90年にかけて、仕事で大阪に住んでいたことがありましたが、恥ずかしながら、この小西邦彦さんなる人物は全く知りませんでした。まあ、知っていたら、やばいのかもしれませんけど…。

 この本で、一番驚いたことは、この方はかなり手広く不動産業をやっていたようですが、1985年に山口組の4代目竹中正久組長が、大阪府吹田市江坂の愛人が住むマンションで、ヒットマンによって暗殺されますが、このマンションの持ち主(名義)が何と、この小西さんだったんですね。その後、山口組内での内部抗争(中野会系による宅見勝若頭暗殺事件)の余波で、彼自身も命を狙われたりします。

 いずれにせよ、行政にしても大手銀行にしても、持ちつ持たれつの関係で、小西邦彦組員は部落解放同盟の一支部長ながら、スキャンダルもみ消しから、立ち退き処理、地上げなど何でもこなす心強い「紛争解決屋」(トラブルバスター)になっていたわけです。
 旧校門 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 例によって、換骨奪胎で引用です。

 ●飛鳥会事件の舞台となった西中島駐車場の売り上げは一日平均60万円。1年間で2億2000万円。諸経費を差し引いて、7500万円が小西の懐に入った。このうち、金田組には組長は亡くなった後も、年間2400万円上納せざるを得なかったが、それでも、年間5000万円余が小西の懐に入った。

 ●2006年5月8日、72歳の小西は、30代の愛人のマンションで、逮捕された。逮捕されるまでの18年間に駐車場の収益から少なくとも18億円を着服。掠め取った金のほとんどは、小西本人と家族が散財した。妻と二人の娘の1カ月のカード請求額が300万円から500万円に上った。妻は980万円もするカルチェの指輪を購入していた。大学生だった二女には650万円のベンツがプレゼントされた。

 ●健康保険証を違法で発行したとして逮捕された部落解放会館の館長は、小西の口利きで館長になった高校卒の市役所職員だった。本来なら、市幹部の課長級である館長には、高卒者はなかなかなれなかった。2006年の時点で、大坂市役所の全職員4万5000人中、課長級は1200人しかいない。3%前後の狭き門である。また、課長級以上で退職した場合、当時は天下り先を紹介された。

 ●検察の冒頭陳述は、警察の取り調べを参考に作成されている。小西はなぜ、部落解放運動に参加したのか、その動機について「暴力団構成員よりも金儲けがしやすく、絶大な権力が手に入るなどと考えて」という文章が入った供述調書にサインした。しかし、ありえない話だ。それでもなぜサインしたのか?それは、障害を持った息子を逮捕するぞという警察の脅しに乗ってしまったからだった。

 著者は「あとがき」の中で、「小西と同じ立場の部落出身者である私は、基本的に出身者の不祥事は取材・執筆したくなかった。いってみれば、”身内の恥”である。できれば目を背けたかった」と告白しております。

 それでも、この著書を世に送り出したことについては、「私は活字で小西邦彦の銅像を建てたつもりである。…小西は死んだ。だがその存在を私たちの記憶から消去してはならない。人間の欲深さと奥深さを再認識するためにも、この面妖な銅像を凝視する必要があるのではないか」とまで書いております。

 私もこの意見に賛同しまして、渓流斎ブログに記すことにしました。行政と銀行と暴力団との密接な関係。警察と検察の脅迫まがいの「作文」の実態などは、非常に、非常に勉強になりました。

ほとんどの人間は他人

伊太利亜フィレンツェ

【コメント】

「ガヤ」の意味が分かる人様

コメント有難う御座いました。誰方様か分かりませんが、何か、素人ではなく、その筋の通(笑)の方と思われます。ケチな野郎ですが、以後お見知りおきのほど、偏に宜しゅうお願い申し上げまする。

さて、今年は、ビートルズの名アルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」がリリースされて半世紀です。

本国イギリスでは、1967年6月1日に発売されておりますから、ちょうど50年も経ちます。

となると、このアルバムを同時代人として知っている方は、もう還暦を過ぎていることでしょう。

どういうわけか、私は知ってます。やったね、です(笑)。このアルバムは、ポピュラー音楽史の中で、ベスト10、いやベスト3に入る名盤で、これまでの音楽とは一線を画し、後世の音楽に多大な影響を与えました。

とは言っても、今日は音楽の話ではなくて、ピーター・ブレイクがデザインした超有名なこのアルバム・ジャケットのことです。

中央に、架空のサージェント…バンドのメンバーに扮したビートルズの4人が立ち、その周囲に色んな有名人が並んでいます。ボブ・ディラン、マリリン・モンロー、マーロン・ブランドのほか、マルクスやユングらもおります。ほかに、ジョン・レノンが来日の際にお土産として買った福助の人形やソニーの9型ポータブルテレビ…。

伊太利亜フィレンツェ

さて、これらの人たちが、どういった基準で選ばれたのか分かりませんが、4人の、特にジョン・レノンの意見が最も反映されているように思われます。

中に、バーナード・ショーやディラン・トーマス、オスカー・ワイルドといった彼に多大な影響を与えた作家や詩人が選ばれているからです。

それにしても、サージェントが世界に発表された時、ジョン・レノンはまだ26歳ですからね。ポール・マッカートニーとジョージ・ハリスンはともに24歳、リンゴ・スターは26歳です。この若さで歴史に残る大きな仕事を成し遂げたのですから、彼らは天才としか言いようがありません。

伊太利亜フィレンツェ

で、この中で、今日はオスカー・ワイルドを取り上げます。私自身は、このアルバム・ジャケットで初めてオスカー・ワイルドの顔を覚えたぐらいですから(笑)。

最近、どういうわけか、彼の作品は再評価されているようですね。

オスカー・ワイルド(1854~1900)は、ダブリン生まれのアイルランド人です。(当時は英国領。ジョンもポールもアイルランド系なので、惹かれたのかもしれません)オックスフォード大学を首席で卒業するほどの秀才でしたが、鼻につく芸術家気取りで相当変わり者だったようですね。

男色家で、最期はパリで、梅毒による脳髄膜炎で亡くなります。享年46。ペール・ラシェーズ墓地に葬られます。

代表作に「サロメ」「幸福な王子」「ドリアン・グレイの肖像」などがありますが、何と言っても、彼のアフォリズムが秀逸です。例えばー。

??「男の顔はその人の自伝であり、女の顔はその人の創作である」

??「男は愛する女の最初の男になる事を願い、女は愛する男の最後の女になる事を願う」

なんてのがあります。

日本の古い格言(笑)にある「女の顔は請求書、男の顔は領収書」てところでしょうか?(爆笑)

こんなのもあります。
??「外見で人を判断しない者は愚か者である」

これは名言です。

でも、私の好きな言葉は

??「自分らしくあれ。他の人の席はすでに埋まっているのだから」

です。アイルランド人らしい皮肉で凝り固まっています。この辺りが、ジョン・レノンの好むところだったのでしょう。

最後は、駄目押し。私から言わせれば最高傑作です。

??「ほとんどの人間は他人である。思考は誰かの借り物の意見であり、人生は人の物真似。そして情熱は引用である」

はい、引用させてもらいました!