深い悲しみ 

深い悲しみに襲われた時、胸の奥に小さな空洞ができることがわかりました。

「胸にぽっかり穴があいた」というのは、単なる比喩で典型的な文学的な表現だと思っていたのですが、深い悲しみに襲われると、本当に胸にぽっかりと穴があくようです。

それが、半仮睡状態で起きると、その開いた穴から魂が抜け出てしまうような感覚になり、そのまま深い深い暗い暗い闇の中に吸い込まれてしまう気がします。

その感覚は、恐怖感とは少し違うのです。
その感覚を我慢すれば、そのまま、すんなりとあちらの世界―つまり、彼岸に到達してしまうのではないかという感覚に近いのです。

その時、ハッとして正気を取り戻します。

そうでもしないと、本当にあの世に行ってしまう気がするのです。

154兆円

気になる数字があります。

154兆円。

もし、ゼロ金利が続かなかったら、1993年から10年間で家計の受け取り利子が累計154兆円に達していたという数字だそうです。

不良債権処理で、これだけ、国民に負担を強いられたということです。

逆に言うと、銀行などの金融会社は、「ドブ」と彼らが呼んでいる客からタダ(金利ゼロ)で金を仕入れて、利子を付けて、金を貸して、154兆円の利益を生み出したということでしょう。本来なら、この154兆円は、金利として、預けてくださった顧客に返却すべき数字だったのです!

しかし、どこの世界に、タダで仕入れてきて利益を生む社会システムが存在するのでしょうか?

今、映画化もされた、つげ義春の漫画「無能の人」を思い出してしまいました。
この作品は、河原からタダで石を「仕入れて」きて、売っている「無能の人」の物語でした。

現実は漫画化されている、というのが今回の結論です。

バレンタイン監督の箴言 

今年、プロ野球ロッテを日本一に導いた名将ボビー・バレンタイン監督の名言中の名言―。

人を落ち込ませることは、すべて過去に起きたこと。

自分がコントロールできるのは、これから起きること。

矢沢永吉 再び

20日にMBS系で放送された「情熱大陸」。

矢沢永吉
1949年、広島生まれ。
3歳で、母親が家出。
小学校2年生の時、父死去。
祖母に育てられ、高校に進学。「いつか見返してやる」と心に誓う。
20歳で上京。横浜で、バンド「ヤマト」でプロデビュー。鳴かず飛ばずで、自信喪失。

矢沢「このままチャンスが来ないで、消えてしまうんじゃないかと、不安で不安でしょうがなかった」

しかし、バンド「キャロル」で大成功。「ファンキー・モンキー・ベイビー」などのヒットを飛ばす。
その後、ソロに転向。

矢沢「『おまえならできる』『おまえならやれる』『おまえなら星をつかむことができる』と常に自己暗示をかけてきた」

1998年、マネージャーが豪州で不動産投機に失敗して、35億円の負債を抱える。
時に、49歳。
矢沢「めげそうになった。真っ暗な雲が塞がっている状態で、『この雲はいつか晴れますか?』って問い掛けていた」
「ヨメさんが『矢沢なら返せる』って言うんだ。それからは、もう敵を取ってやるって感じだね。目的を作ればいい。目の前にニンジンをぶらさげればいい。要するにシンプルな方がいい。ガタガタ考えても、駄目なものは駄目なんだから…」

…35億円の借金は、6年で完済する!

2005年、56歳。
日本武道館公演を封印して、全国の小さなライブハウス公演を決行する。原点に帰る意味を込めて、このツアーを「ルーツ」と名付ける。

この番組。とても勇気付けられました。

全く個人的なことなので、読んで戴かなくても結構です…

全く個人的な話なので、偶然、このブログに辿りついた方や、私のことを知らない方は、読んで戴くなくても結構です…。

正直に書きます。

昨日、11月18日の夕方、私の父が亡くなりました。79歳でした。
私自身、人生で一番影響を受けた人なので、精神的衝撃と深い悲しみに襲われました。
世間的には取り立てて業績を上げたわけではない一般庶民でした。先の戦争に従軍して生き残り、戦後は国鉄職員から、航空管制官に転じて、まあ、国家に奉職した人といえば、そうでしょう。

私から見れば父は、非常に家族思いで、何しろ、勉強家でした。主に文学、歴史、宗教、焼き物などの芸術関係でしたが、政治経済の最新の舞台裏など、どこから仕入れてくるのか、色んな話をしてくれました。

そんな父も3年ほど前から、序々に心身ともに衰弱し、この春からほぼ寝たきり状態となりました。愛する肉親が、日々日々、痩せ衰えていく姿を見るのは、胸が張り裂けそうで、本当に辛いものがありました。遠く離れて暮らしていてはなおさらです。

実は、このブログをはじめたきっかけも、そんな不安と心痛から逃れたいがために、気休めに始めたのでした。ですから、大変身勝手だとは思いつつ、全くプライベートなことをさらけ出してしまいました。

亡き父に捧げたい。

どうも有り難う御座いました。
本当にお疲れさまでした。
私はあなたの息子として、この世に生を受けて誇りに思っています。
どうか、天国でゆっくりお休みください。

合掌

笑いは世界を救う 

M氏から手紙が来ました。

中に、いっぱい「お笑い」が詰まっていました。

一応、M氏にブログでの引用の許可をお願いしたので、ここに、再録させていただきます。(まだ、許可の返事は来ていませんが…)

21世紀に残したいサラリーマン川柳…

・「プロポーズ あの日に帰って 断りたい」

すご~く、よく分かります! 歴史に残るブラックジョークだと思います。

・「耐えてきた そういう妻に 耐えてきた」
・「まだ寝てる 帰ってみれば もう寝てる」

これを出すと、引用者の置かれている社会的状況がばれてしまいます。

・「人が減り 給料減って 仕事増え」
・「逆らわず いつも笑顔で 従わず」
・「コストダウン 叫ぶあんたが コスト高」
・「『早くやれ』 そういうことは 早く言え」

まあ、サラリーマン、OL川柳ということで、よく分かりますね。

最後に、主婦代表

・「痩せてやる コレ食べてから 痩せてやる」
・「ブリはいい 生きているだけで 出世する」
・「宝くじ 馬鹿にしながら 根は本気」

さあーーーー。コメントで、皆さんの面白い川柳を募集します!

我は、と思う方は、どしどし、コメントしてください!!!!

そこんとこ宜しく。

1:29:300 

今日聞いた話です。

1:29:300

これは、1つの大きな事故が起きるまでには、29の小さな事故がすでに起きていて、はたまた、その前に「ひやっとした」「危なかった」という事故すれすれの事象が300も起きていた、という確率の話です。

今年4月、死者107人、負傷者549人を出したJR西日本の福知山線の大事故にしても、それまでに最低29個の小さな事故が発生し、報告されなかった事象も300くらいはあったということです。

これは、ハインリッヒの法則と呼ばれ、「労働災害の確率」として広く知られているようです。

2:6:2

という数字もよく聞かれます。

どんな組織も10人のうち、2人は優秀で、その組織を支え、6人は平均で、例えば企業なら可もなく不可もなく給料分は働いてくれる。残りの2人はいわゆる「給料どろぼう」で、はしにもぼうにもかからない。
そこで、「給料どろぼう」の2人を辞めさせても、やはり、残った8人の中で、2:6:2の割合で、「優秀」「普通」「落第」の区分けができるといった話。

これは「定理」なのか「真理」なのかわかりませんが、結構、どこの世界にも当てはまります。

皆さんの周囲はいかがですか?

矢沢永吉語録 

ロックのスーパースター矢沢永吉が、ネットのインタビューで自分の若い頃を振り返っているのを見て、妙に勇気付けられてしまいました。

「20代は精一杯悩んでいい。俺も20歳のころは、金もなく、このまま流されて消えてしまうのではないかという不安であがいていた。でも、不安の中で、怖くて怖くて、逃げようとすると、必ずしっぺ返しがくるもんだ。人生、辻褄が合うようになっているんだよ。怖くて逃げたくなるんだけど、目をそらさない方がいい。『俺は上にいきたいんだ』『サクセスしたいんだ』と逃げないで真正面を向いたらいい。不安や恐怖も必ず過去になるから」

自分のことを「ヤザワは」と自称する彼独特の「永ちゃん節」はここに再録できないのが残念ですが、今、苦しみのどん底にいる人には、20代でなくても、励みになるのではないでしょうか。

自分なりにまとめるとー。

・現実から逃げてはいけない。(苦悩はいずれ過ぎ去る)
・When there is life, there is hope.(生あれば希望あり)

奪われる日本 

たった一つの論文を読みたいがために、710円を払って雑誌を買いました。今月の「文芸春秋」です。

読みたかったのは、ノンフィクション作家の関岡英之氏の『米国に蹂躙される医療と保険制度 奪われる日本―「年次改革要望書」米国の日本改造計画』という論文です。

「ついに簡保120兆円市場をこじあけた米国の次なる標的は?我々の健康と安心が崩壊する」という前文(リード)から始まります。

関岡氏によると、簡保、つまり簡易生命保険制度は、民間の生命保険に加入できない低所得者にも保険というセーフティネットを提供することを目的として大正5年に創設されたもので、ビジネスというよりは日本社会の安全装置だといいます。この簡保120兆円を米国の保険業界が狙っているというのです。郵政民営化の本当の狙いです。120兆円といっても、サミット参加国カナダのGDPより大きいのです。

保険は、毎月決まった金額の保険料を長期に渡って支払うことができる顧客が対象となるため、国民の大多数がその日暮らしの発展途上国では市場そのものが成立しえない。従って先進国に限られ、米国、日本、英国、独、仏の5カ国のみで世界の保険市場の8割近くを占めるそうです。

「簡保乗っ取り」の話はまだ序の口で、米国の本当の狙いは「健康保険」だ、というのが筆者の見立てです。

そういえば、2000年を前後して日本の中堅・中小の生命保険会社が相次いで外資に買収されたとして列挙しています。

例えば、
「東邦生命」⇒GE(米)⇒AIG(米)
「千代田生命」⇒AIG(米)
「協栄生命」⇒プルデンシャル(英)
「日産生命」⇒アルミテス(仏)
「日本団体生命」⇒アクサ(仏)
といった感じです。

最近のテレビCMでいかにも元気がいいのが、名前は出しませんが外資系の保険会社です。背景にこんな事情があったのかと納得しました。

詳しいことは本文を是非読んでください。

「三丁目の夕日」★★★★

話題の映画「Always 三丁目の夕日」(山崎貴監督)を見に行ってきました。自分自身も昭和三十三年の東京にタイムスリップしたような感じで大いに泣いて、笑いました。
原作は西岸良平の漫画「三丁目の夕日」。小学館のコミック雑誌に1974年から連載開始したということですから、もう30年以上も熱心なファンに支えられています。単行本も50巻くらい出ているらしく累計で1400万部に上るというのですから、驚きです。

いい映画を観ると、人にしゃべりたくなるのですが、この映画は本当に何でもしゃべりたくなるほど面白かったです。主演は、三流作家の茶川竜之介役の吉岡秀隆、「鈴木オート」の社長、鈴木則文役の堤真一、その妻トシエ役に薬師丸ひろ子、居酒屋「やまふじ」のおかみ石崎ヒロミ役の小雪と、芸達者がそろいましたが、子役が本当にいい。鈴木オートの一人息子、一平の小清水一輝、淳之介の須賀健太ら本当に驚くほど自然な演技で、思わず感情移入してしまいました。

ストーリーを明かすのは違反なのでやめますが、昭和三十三年の東京の下町、夕日町三丁目の商店街が舞台で、青森から集団就職で、一人の少女、星野六子(堀北真希)が自動車修理工場の「鈴木オート」にやって来るところから物語が始まります。東京タワーが建設中だったり、力道山のプロレスに興奮したり、当時の時代背景が濃密に描かれています。

CG技術の進歩で、昭和三十年代の上野駅や蒸気機関車などが再現されて、本当に感心してしまいました。山崎監督の御手のもので、これらの技術を最近、VFX(visual effects)というらしいですね。三、四年前に見た「スパイ・ゾルゲ」で戦前の銀座などがCGで再現され、驚いてしまいましたが、今回は、変な言い方ですが、CGとは思えないくらい精巧でした。

昭和三十年代に子供時代を送った私としては、この映画は涙なしでは見られませんでした。「懐古趣味」と言われれば、胸を張って「その通りです」とお答えします。子供時代が楽しかったのは、高度成長期という時代が面白かったのですね。今日はお家に冷蔵庫が入った、今日はテレビ、明日は、自動車を買った…と本当に、毎日が充実していた気がします。

長くなるので、この辺でやめますが、我が家に初めて車を買った日を覚えています。父親が買った「スバル360」で、本当に中古で、すぐエンストしていました。3万円くらいだったのでは。

いずれにせよ、昔は「邦画は洋画に劣るのではないか」という変な脅迫観念に駆られていたのですが、この映画を見ると、派手なアクションと大袈裟なドラマ仕立ての作り物の薄っぺらい洋画なんて大したことがないと、確信できました。感動の度合いが違うと言っていいでしょう。

邦画製作関係の皆さん、大いに自信を持ってください!